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三代目ブログ

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2023年6月26日 【Vol.16】麺究者への道/ラーメンを研究してみる

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.16

麺究者への道/ラーメンを研究してみる

 

 

 

 

素麺をつくり続ける製麺会社として、素麺づくりに携わる者として、食べる方に喜んでいただける素麺をつくることは何よりの幸せだと感じます。

逆に言えば、お客様に喜んでいただけることはなんなのか、どういう素麺が喜ばれるのか…自問自答の(ほぼ)毎日です。

そこで、「まずは、素麺づくりに携わる者として最低限の他産地の知識を持っていたい」と考え、様々な産地を調べブログに書いてきました。

恥ずかしながら、他の産地について詳しく考えたことがなく(一般的な知識くらいは持ち合わせているつもりですが)、新製品開発を考えていく上でも先人の知恵や他産地の動向、商標や販路など様々な点で知識不足を痛感し、ブログを続けるほどに「もっともっと素麺について知りたい!」そう考えるようになりました。

また、今回は「そうめんサミット」を機に多くの方との交流やSNSでの繋がりからヤル気と刺激をいただくことができました。

 

ですが、ふと、他の麺類ってどうなの?ということが気になり、ちょっと視野を広げてみる意味でも他の麺類・麺料理について調べてブログに残したいなと考えています。

これまでのブログとは少し方向性が変わるかも知れませんが、よろしくお付き合いください。

思い出したように前のブログの形式を持ち出したりするかも知れませんがご容赦ください。

 

 

じゃあ、まずはどの麺類・麺料理から考える?

 

私たちの食生活に無くてはならない存在といえる麺類。

その種類は多く、素麺と同じく小麦粉を原料とする麺を数えただけでも、うどん、ラーメン、スパゲティなど実にたくさんの種類が思い浮かぶのではないでしょうか。

 

子どもから大人、歳を重ねて嗜好が変わっても麺料理への欲求は大きいものをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

麺類はその調理方法や提供方法で変化し、食べる時間や環境によって手軽な食事や、〆の一品、究極の一杯など、価値も変わってくるのではないでしょうか。

 

暑い日には冷たい麺をツルツルッと食べたいですよね。

ちょっと贅沢に食べるなら具材を盛り付けてつゆやスープにこだわったり、あっさり食べるなら薬味にこだわったりとポイントも人それぞれではないでしょうか。

寒い日には熱いスープに浸かった麺をフーフー言いながら食べたいですし、

たくさんの仲間や家族と一緒にお鍋の具材にすることもできますよね。

麺料理は、私たちの様々な生活シーンに溶け込んでいます。

 

そこで今回は素麺以外で身近な麺類、なかでもラーメンについて掘り下げてみたいと思います。

数ある麺類のなかでも、ラーメンは中国がルーツと言われ、素麺と同様に(素麺もルーツは中国と言われる)日本で独自の発展を遂げた麺料理ではないでしょうか。

今や世界中で日本のラーメンが食べられており、海外からの観光客が日本食としてラーメンを食べる光景もよく見られます。

先日も香港から来た友人が、日本のラーメン屋さんに並んで食券を買っている姿を見て、不思議に感じたのを思い出しました。

 

今回は、ラーメンの歴史や日本での進化、海外への広がりなどについてご紹介したいと思います。

 

 

 

【目次】

① 麺類の起源は2世紀頃の中国にあり?!

② ラーメンは料理として日本で独自の進化を遂げる

③ 日本と中国のラーメンの違いとは?

④ 日本のラーメンは5つの要素で成り立つ!

⑤ 日本のラーメンは海外でも大人気!

⑥ 《美味しい素麺》夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』編

 

 


 

 

① 麺類の起源は2世紀頃の中国にあり?!

 

今や日本の国民食とも言えるラーメン。その原型となっているのは中国の麺料理「拉麺(ラアミエン)」です。

そもそも、小麦を原料とした麺類が生まれたのは、中国北部の黄河流域だったそうです。

 

メソポタミアで栽培されていた小麦が紀元前3000年ごろに中国に伝わり、華北平野で盛んに栽培されるようになりました。

当時はまだ麺の状態ではなく、小さくちぎったスイトンや平たいワンタンの皮のような形状で食べていたようです。

 

2世紀頃の「四月月令」という文献に、初めて麺の名前が出てきます。

スイトンやワンタン状の「煮餅」と、ひも状の「水引餅」というものです。

550年頃に書かれた「斉民要術」という書物には水引餅が登場。

これが麺の祖先と考えられています。

そのつくり方は、小麦粉をよくふるい、肉の煮出し汁でよくこねて、箸の太さほどの棒状(30センチ)にし、水を張った器の中で指でもみ押さえながら引きのばす、というものです。

「餅」というのは中国では小麦粉を使用した食品全般を指し、調理法により「水で煮る」「蒸してつくる」「焼いてつくる」「油で揚げる」の4つの系統に分けられます。

日本で言う「麺」は水で煮る系統に入るようです。

アジアの麺料理はここから派生していったと考えられるそうです。

 

日清食品「めんの系譜研究会」の麺の系譜図では、麺を伝統的な製造方法で5系列に分類しています。

 

【手延べラーメン系列】

水引餅の直系にあたる、練った小麦の生地を手でのばす製法で、モンゴルや中央アジアに伝わりました。

中央アジアでよく食べられている麺料理の「ラグマン」は、中国の「拉麺」が語源と考えられています。

棒状にのばした生地を渦巻きの形に巻いて少し寝かせ、油をコーティングしながら手でのばしていく中細麺で、食べる直前につくるのが特徴。

羊肉または牛肉とトマトをベースにしたスープに、季節の野菜をたっぷり入れて煮込みます。

地方によって食べ方が異なり、大きくは汁麺タイプ、汁なし麺タイプ、炒め麺タイプに分けられるそうです。

 

【素麺系列】

日本の手延べ素麺と同じで、練った生地をひも状にのばし、表面に植物油を薄く塗って、2本の竹の棒にかけさらに引きのばす製法。

元の時代の文献に見られる「索麺」が日本に伝わり、素麺になったと考えられます。

現在中国では、福建省を中心に「線麺」「麺線」と呼ばれるものがつくられているそうです。

 

【切り麺系】

練った小麦粉の生地を麺棒でのばし、包丁で細く切ります。

小麦粉以外にそば粉など様々な原料を使った麺づくりに生かされている製法で、日本ではうどんやそばなどがこれにあたります。

 

【押し出し麺系列】

生地をトコロテンのように押し出して細長くする製法。

粘り気のある小麦粉の生地ではなく、緑豆やそば、米などの生地から麺をつくるために考えられたようです。

 

【河粉(ホーフェン)系列】

うるち米を水に漬け吸水させて、回転式の石臼でひき、ペースト状になったものを蒸したり煮たりして、刃物で切る製法。

 

 

<参考サイト>

・麺の起源、系譜 ~麺はどこからきたのか?~

https://world-noodle-dictionary.com/roots/origin.html

・麺の伝播経路

https://world-noodle-dictionary.com/roots/spread.html

・麺類の起源:麺の歴史は小麦の歴史でもある。多彩な文化を紐解くと食したくなる。

https://kz-pe.com/noodle/

・NATIONAL NOODLE DAY特別企画!麺の歴史と世界の麺を紹介します。

https://www.myojousa.com/ja/blog/national-noodle-day/

・世界の麵の文化史

https://www.syokubunka.or.jp/gallery/ishige/archives/noodle/chapter3.html

 

 

 


 

 

② ラーメンは料理として日本で独自の進化を遂げる

 

ラーメンの料理としての変化を調べてみました。

 

ラーメンを日本で初めて食べたのは誰でしょうか?

1665年に徳川光圀(水戸黄門)が、中国から招いた儒学者の朱舜水のつくった「汁そば」を食べた、これがラーメンのことだという説が長く信じられてきました。

しかし近年、室町時代の1488年に京都の僧侶たちが「経帯麺」という、現在のラーメンと同じく「かん水」を使った麺を食べたという記録が見つかり、これが日本で初めて食べられたラーメンである可能性があるそうです。

 

明治時代になると、開国に伴い海外の食文化が多く伝わるようになり、横浜や神戸、長崎などの港町に中国人が進出して中華街が生まれました。

そこでできた中国料理店から、麺料理を含めた中華料理が広がっていったそうです。

函館の「養和軒」にて1884年に提供された「南京そば」というメニューが塩ラーメンだったとされ、これが現在のラーメンのルーツという説があります。

 

1910年、浅草に開業した「来々軒」で提供されたのが醤油ラーメンの元祖と言われます。

来々軒の成功を機に、ラーメンを提供する店が増え、庶民の味として広がっていったようです。

 

1923年の関東大震災により、ラーメン店を営んでいた人たちが東京周辺から日本各地へ散らばり、全国でラーメン店が増えたそうです。

 

福岡県久留米市の「南京千両」というお店では、1937年にとんこつラーメンを開発。

当初は澄んだスープだったそうですが、1947年に誤ってとんこつを沸騰させたことがきっかけで、白濁したスープが生まれたそうです。

 

第二次世界大戦後には、中国から引き揚げてきた人たちが中国で覚えたラーメンの製法を活かし、各地の闇市で屋台を開業。

安くて美味しくて栄養もとれるラーメンが人気を集めたようです。

 

1954年には北海道札幌市の「味の三瓶」というお店で、味噌ラーメンが誕生しています。

 

「ラーメン」という呼称が広まるきっかけとなったのが、1958年、初のインスタントラーメンである「日清チキンラーメン」の発売。

それまで「支那そば」「中華そば」と呼ばれていたそうですが、CMなどで人気商品となり、「ラーメン」という名前が全国的に認知されるようになりました。

 

1960~70年代になると日本各地でご当地ラーメンがつくられ、観光資源のひとつになったと言われます。

その後、何度となくブームが起こり、多様化し洗練されていった日本のラーメン。

2015年には巣鴨の「Japanese Soba Noodles 蔦」が、ミシュランガイドでラーメン店として世界初の1つ星を獲得したそうです。

 

※上記は独自調べです。諸説あるものや、「うちが元祖!」ということもあるかと思いますがご容赦ください。

 

 

<参考サイト>

・日本のラーメンの歴史

https://www.raumen.co.jp/rapedia/study_history/

・日本のラーメンの起源と歴史とは?中国のラーメンとの違いは?

https://jpnculture.net/ramen/

・ラーメンっていったい何だろう? 要素と歴史を押さえればラーメンの“今“が見える!

https://www.myojousa.com/ja/blog/what-is-ramen/

 

 

 


 

 

③ 日本と中国のラーメンの違いとは?

 

中華料理の「拉麺」は、日本で独自に進化したラーメンとどう違うのでしょうか。

「拉」は引きのばすという意味で、小麦粉にお湯を入れよくこねて長くのばし、たたんでさらに伸ばして細長くしていく手延べ製法でつくられます。

「かん水」を使っていないため、コシが弱くやわらかくてもちもちした食感です。

日本の麺はコシが強くて食べごたえがあり、太さや硬さの種類が選べるお店もありますよね。

日本のラーメンのスープは、肉・魚介・野菜などのだしに醬油や味噌を合わせるなど、複合的な味わいでバラエティに富んでいますが、中国では牛肉・豚肉・魚介からとるようです。

味へのこだわり方も違っていて、日本の優先順位は(1)スープ(2)麺(3)具材中国は(1)具材(2)麺(3)スープなんだそうです。

例えば日本のラーメンは、とんこつ・醤油・味噌といったスープの味わいにより分類できますが、中国では「牛肉」「五目」など、上に乗せる具材で選ぶとのことです。

 

 

<参考サイト>

・日本のラーメンと中国のラーメンは違う食べ物だった

https://www.ko-cho.com/blog/contents/1509-02/

・日本のラーメンと中国のラーメン(拉麺・拉面)の違い・特徴

http://chugokugo-script.net/shoku-bunka/ramen.html#%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AB%E9%80%B2%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3

・中国の麺料理(ラーメン、拉麺)

https://world-noodle-dictionary.com/asia/china/

・「あれ?中国ラーメンって日本のラーメンと違うかも」中国のラーメンと日本のラーメンの違いとは!?

https://minnanomen.com/%E3%80%8C%E3%81%82%E3%82%8C%EF%BC%9F%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%81%A8%E9%81%95%E3%81%86

・日本と中国のラーメンの違いは?ラーメンの発祥・歴史を徹底解説

https://tokyo-ramen-mania.com/ramen-history/

 

 

 


 

 

④ 日本のラーメンは5つの要素で成り立つ!

 

ラーメンは、麺・だし・タレ・脂(油)・具の5つの要素を組みあわせることで無限のレシピを生み出すことができるとも言われています。

 

【麺】

ラーメンに使用する中華麺の特長は、「かん水」を使用すること。

かん水により、独特のコシや黄色がかった色味が生まれます。

縮れ・ストレート・手もみといった製麺方法や形状、小麦の種類、太さ、加水率(麺に加える水分の割合)、形状などを変化させることによって、オリジナリティを出すことができます。

 

【だし】

ラーメンのスープはだしとタレ、さらには脂(油)の組み合わせによってつくられます。

主なだしの原料としては、豚骨・鶏ガラ・牛骨などの動物素材、昆布・煮干し・エビ・タイなどの海鮮素材、タマネギ・長ネギ・生姜・ニンニクなどの野菜素材。

まただしのとり方として大きくは、強火で長時間煮込む、濃厚な味と風味の「白湯出汁」(とんこつラーメンに多い)と、濁りを出さないように沸騰寸前の温度以下で仕込む「清湯出汁」(醤油ラーメンに多い)とに分けられます。

 

【タレ】

基礎となる調味料に、香辛料や肉・魚介のエキスなどを凝縮させてつくります。

醤油ダレ、塩ダレ、味噌ダレが一般的です。

 

【脂(油)】

旨みを加えるとともに、スープが冷めないようふたをする役割も果たします。ネギ油、マー油、辛味油、ラード、焼きラード、鶏油、エビ油などが使われます。

 

【具】

チャーシュー、メンマ、ネギ、煮玉子、海苔、キクラゲ、モヤシ、なると、ホウレン草、ワンタン、バター、糸唐辛子、挽肉、白髪ネギ、三つ葉、コーン、角煮など、多種多様です。

 

 

<参考サイト>

・ラーメンの歴史と現在

https://artsandculture.google.com/story/CAVxS5QL1jNFKw?hl=ja

 

 

 

 


 

 

⑤ 日本のラーメンは海外でも大人気!

 

今や日本のラーメンは海外でも高い人気を誇ります。

2015年のある記事では、海外にあるラーメン店は2,000店舗以上とのこと。

ニューヨークでは2000年代にラーメンブームが起き、以降も年々人気が高まっているそうです。

 

基本の味は醤油、味噌、塩、とんこつなど、日本と同じ。

中でもラーメンでしか味わえないとんこつが人気とのことです。

 

驚くほど異なるのは、その食べ方。

日本ではラーメン店でゆっくり食事を楽しむイメージはあまりないですが、海外では時間をかけて食べるのだとか。

まずお酒と前菜を楽しみ、メインディッシュとしてラーメンをゆっくり味わうそうです。

おしゃれなディナーとして予約して訪れる客も多く、値段も日本の倍以上するようです。

 

海外でのラーメン人気は、「チキンラーメン」「カップヌードル」などのインスタントラーメンから始まったと考えられています。

さらに日本の映画やアニメがきっかけとなりラーメンに興味を持ったという人も多いそうです。

 

ラーメンは日本が誇る食文化として、世界中で愛されているようですね。

 

今回は、麺(生地)というよりも、ラーメンという料理全体についてクローズアップしてみました。

さて、次回はどんな麺を調べてみようかな。。。

 

 

<参考サイト>

・海外のラーメン事情|ラーメンが世界的に人気な理由や味・価格の違いを解説

https://iekeikokuramen.com/ja/archives/2937

 

 

 


 

 

⑥ 《美味しい素麺》夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』編

 

夏の贈り物 「瀬戸凪(せとなぎ)」 こだわりの手延べ麺3種を、 小豆島のおだやかな海と、瀬戸内の多島美をデザインしたパッケージで贈る、 石井製麺所特製の夏限定ギフトです。

400年の手延べ製法を受け継ぐスタンダードな「手延べ素麺」と、 小豆島産の健康野菜“しょうどしま長命草”を練り込んだ「手延べしょうどしま長命草素麺」、 瀬戸内レモンがふわっと香る「手延べレモン素麺」をセットにしています。

古くから相手の健康を気づかって贈り物として重宝されてきた素麺の在り方を大切に、 無添加、着色料不使用にこだわった素麺ギフトです。

届いてすぐに食べられるように、めんつゆ(希釈タイプ)もセットしています。

 

セット内容: ●手延べ素麺×6束  ●手延べしょうどしま長命草素麺×6束  ●手延べレモン素麺×6束  ●めんつゆ(アルミパック)×10袋

※めんつゆは希釈タイプです。1袋で1人前になります。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』》 https://141seimen.thebase.in/items/62463374

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。