天日干しにこだわり、手延べにこだわり、健康食を目指した新しい素麺へ

電話:0879-82-2740

FAX:0879-82-6014

Twitter
Facebook

三代目ブログ

お!いしい けんぶんろくブログ

2023年8月28日 【Vol.20】麺究者への道/パスタを研究してみる

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.20

麺究者への道/パスタを研究してみる

 

 

 

 

先日、弊社の工場見学にもお越しいただいたShunくんがテレビ出演された「イキスギさんについてった」で、VTR出演ですが三代目も少し出演しコメントさせていただきました。

その放送も拝見いたしましたが、コンセプトを持って製品開発するShunくんの姿に感嘆と共感を覚えました。

素麺が好きすぎて…だけでなく、手延べ素麺業界で生産者さんが減っていく現状を危惧して、小学生のShunくんが手延べ素麺の認知度を上げようとするその姿、本当に勉強になりました。

石井製麺所でも、手延べ素麺の新しい形として、さまざまな新麺開発に取り組んでいます。

中にはOEMによる新麺のご相談や製造の委託をいただいています。

この世にあるいろいろな麺が食文化や食卓の変化に伴って進化したように、現代のライフスタイルに合う手延べ素麺を追い求めていきたいと思います。

今回の「麺求者への道」はパスタについてです。
パスタとは、小麦粉と水を練り合わせてつくられた麺食品を総称するイタリア語です。
 
ひと昔前まではミートソーススパゲティやナポリタン、マカロニサラダくらいしか知らなかったものですが、イタリア料理が日本での市民権を得て、今や本格的なイタリアンから和製パスタまで幅広いメニューが浸透している印象です。
しかも人気は衰えることなく、お店も専門店をはじめ居酒屋やレストラン、ファミリーレストランの業態でもイタリア料理は拡大しています。
 
パスタも素麺と同様に乾麺をはじめ、つくりたてを食べる生パスタもあり、奥が深く、幅も広い麺類を代表するものです。
パスタが嫌い…という人を見たことがありません。老若男女に愛される麺類のひとつですね。

今回は、パスタの製法や種類、日本でこれほど普及した背景や、食べ方などについて調べてみました。

今なお拡大するその人気の秘密に迫り、手延べ素麺の新しい方向性に活かせればと考えています。

今回もお付き合いの程よろしくお願いいたします。

 

 

 

【目次】

① パスタに適した性質の「デュラム小麦」が主原料

② 長さや太さ、形状は千差万別!

③ パスタの起源は古代ローマのおかゆ?

④ パスタとソースの組み合わせは無限!?

⑤ 所変われば料理も変わる!パスタ入りスープ

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

 


 

 

① パスタに適した性質の「デュラム小麦」が主原料

 

パスタに使われる小麦粉は、素麺やパン、天ぷら粉などに使われるものとは種類が異なるそうです。

「デュラム小麦」というグルテン含有量が多い硬質の小麦をセモリナ状(粗びき)にした、鮮やかな黄色の「デュラムセモリナ粉」で、良質のタンパク質を多く含み、弾力性に富むため生地を形成しやすく、ゆでても形がくずれにくいコシの強さが特徴です。

このデュラムセモリナ粉に水を加えてよく練り、生地をつくります。

穴の開いた金型(ダイス)から高い圧力をかけて押し出し、さまざまな太さや形のパスタに成形します。

これを適当な長さに切断し、高温の熱風で水分を取り除いて乾燥させます。

ロングパスタは乾燥させてから切断するそうです。

こちらは素麺の製法に似ていますね。

乾燥パスタに茶色や白の斑点が見えるのは、デュラム小麦の胚乳の硬い部分や皮の一部などのためとのこと。

 

生地にイカスミ、トウガラシ、ホウレン草、トマトなどを練り込んで、風味や彩りを添える場合もあります。

本場イタリアでは、乾燥パスタはデュラムセモリナ粉と水で作ることが法律で義務付けられているそうです。

一方、生パスタは普通の小麦粉を使い、卵を加えることも多く、家庭で手打ちすることもあるようです。

生パスタは製造過程で加熱しないため小麦本来の香りや旨みが残りやすい、ゆで時間が短い、食感がもちもちしている、などの特長があります。

 

 

<参考サイト>

・Wikipedia「パスタ」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%BF#%E5%A4%96%E9%83%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF

・パスタを知る 日本パスタ教会

https://www.pasta.or.jp/knowledge

・パスタを知る 日清製粉グループ

https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/pasta/

・生パスタとは?乾燥パスタ麺との違いは?作り方・茹で時間や料理レシピなども紹介!

https://chisou-media.jp/posts/2880

 

 

 

 


 

 

② 長さや太さ、形状は千差万別!

 

パスタの種類は500種類以上とも言われています。

イタリアでは地方によって同じ種類でも違う呼び方の場合もあり、明確に分類することは困難なようです。

その形状から、大きくロングパスタとショートパスタの2つに分けられますが、そのほかにも板状や団子状、詰め物入りのものなどもあります。

 

【ロングパスタ】

スパゲティ:太さ約1.7〜2.0mm、断面は円形

「ひも」を意味するイタリア語が語源。

日本で一番なじみが深いパスタ。

 

 

スパゲッティーニ:太さ約1.6mm(スパゲティより少し細め)

あっさりしたシンプルなソースによく合う。

 

カペッリーニ:太さ約1.2mm未満、断面が円形(パスタの中で最も細い)

「髪の毛」を意味するイタリア語が語源。

冷製やスープの具に良く使われる。

 

 

リングイーネ:断面が、短径1mm、長径3mmほどの楕円形

もちもちした食感で、ソースがよく絡む。

 

 

タリアテッレ(フェットチーネ):幅4〜8mm前後の平打ちパスタ

北部ではタリアテッレ、南部ではフェットチーネと呼ばれる。

ホウレン草などの野菜を練り込んだものも。

 

 

パッパルデッレ:幅10〜30mmの平打ちパスタ

「食いしん坊」を意味するイタリア語が語源。

 

【ショートパスタ】

ペンネ

先が尖った円筒形で、「ペン先」が語源。

トマトソースと相性が良い。

表面に波状の筋が入ったものはペンネリガーテと呼ばれる。

 

 

フジッリ

らせん状にねじれた形状。

ソースが絡みやすく、グラタンやサラダなどにも使われる。

 

 

マッケローニ

日本ではマカロニでおなじみ。

直径3〜5mmの円筒形。

「素晴らしい」が語源。

 

 

リガトーニ

直径8〜15mmの円筒形。

「線を引く」が語源。

表面に波状の筋が入っていて、もちもちした食感。

 

 

ファルファッレ

真ん中をつまんだリボンのような形状。

「蝶」が語源。

サラダやスープの具材に使われる。

 

 

コンキリエ

巻貝のような形状

「貝」が語源。

大型のものはコンキリオーニといい、中に具材を入れることも。

 

 

オレキエッテ

丸い生地を親指の腹で押してくぼみをつくった、ドーム型の形状

「赤ちゃんの耳」が語源。

 

 

【その他】

ラザニア

板状の平打ちパスタ。

ゆでたラザニアにホワイトソースとミートソースを重ね、チーズをのせてオーブンで焼き上げる調理法が一般的。

 

 

ニョッキ

小麦粉にジャガイモ、ホウレン草、カボチャなどを混ぜてつくる団子状のパスタ。

ショートパスタの元祖とも言われている。

 

 

ラビオリ

小さな袋状の生パスタで、中に肉や野菜、チーズなどの具材が入っており、ゆでたものにバターやハーブをからめる、ソースをかけてオーブンで焼く、などの調理法がある。

 

 

<参考サイト>

・パスタの種類を解説!特徴に合わせたおすすめレシピもご紹介

https://www.kurashiru.com/articles/c9a1a093-9680-4ef2-9023-6e2a7862d8ef#183782

 

 

 


 

 

③ パスタの起源は古代ローマのおかゆ?

 

パスタの起源については、主に2つの説があるそうです。

1つは、紀元前4世紀のヨーロッパ。

エトルリア人の遺跡からパスタをつくる道具が出土しています。

古代ローマのパスタは、焼いたり揚げたりして食べられていたようです

また、小麦やキビなどの穀物を粗挽きにして煮込んだ「プルス」というおかゆのような食べ物が元祖とも言われています。

これを板状に伸ばして焼いたものが、ピッツァやラザニアの原型に近いとのこと。

 

もう1つの説は、1500年前に麺類の始まりとされた中国の「湯餅(たんぴん)」が、マルコ・ポーロによってイタリアに伝えられたというものです。

 

中世になると、パスタをスープに入れたり、ゆでてソースと和えたりしていたと考えられ、15世紀にはスパゲティの元祖ともいえる棒状の乾燥パスタがつくられるようになったそうです。

16世紀に押し出し製法の圧力機が発明され、量産が可能になったことで、飢饉に備える非常食として富裕層以外にも広まりました。

また、大航海時代に新大陸から持ち込まれたトマトが17世紀頃からナポリ地方を中心に食用として栽培が盛んになり、パスタとトマトの組み合わせが広く普及したそうです。

1770年代、それまで手づかみで食べる庶民の食べ物だったスパゲティを、ナポリ国王のフェルディナンド2世が宮廷で食べるために考案されたのが、先が4本に分かれたフォークと言われています。

18世紀後半には産業革命により、パスタ製造の機械化が急速に進みました。

 

日本に初めてパスタが持ち込まれたのは、幕末の横浜の外国人居留地だったと言われています。

国内で作られたのは明治16年(1883年)頃、フランス人宣教師が長崎にマカロニ工場をつくったのが最初だそうです。

パスタが一般化したのは昭和30年(1955年)以降、イタリアから本格的製造機が輸入されてからのこと。

その頃は複数の小麦粉をブレンドして日本人の好みに合わせていたそうです。

昭和61年(1986年)頃から、デュラムセモリナ100%の国産パスタが家庭にも浸透していきました。

 

メニューの変遷としては、戦後、ミートソーススパゲティやナポリタンがデパートの食堂や喫茶店で定番となり、1970年代にはファミリーレストランのメニューとしても登場。

1980年代には本格的なイタリアンレストランが開業され、1990年代には「イタめし」がブームとなり、パスタの存在感が拡大してきたということです。

 

 

<参考サイト>

・起源は紀元前4世紀!?知られざるパスタの歴史

https://food-drink.pintoru.com/pasta/history-of-pasta/

・【知っておきたい食の豆知識】パスタの歴史と種類について

https://cuisine-kingdom.com/historyofpasta/

 

 

 

 


 

 

④ パスタとソースの組み合わせは無限!?

 

パスタをゆでる時は、水に対して1%の塩を入れます。

下味をつけてソースとの味なじみを良くする、パスタを引き締めてコシを出す、デンプンの糊化を遅らせて表面がぬるぬるするのを防ぐ、などの役割があるそうです。

ゆで加減は「アルデンテ」がベストとされています。

アルデンテとはイタリア語で「歯ごたえのある」という意味で、少し歯ごたえが残る程度のゆで加減ということ。

一般的に「髪の毛1本分の芯が残る程度」などと言われます。

表示されているゆで時間より少し早めに1本引き上げて、硬さを確かめるとよいようです。

アルデンテでゆで上げ、ソースと和えたり炒めたりすることで、食べる時にちょうど良い硬さになるそうです。

 

冷製パスタの場合は、表示時間より少し長めにゆでて、氷水で急速に冷やしてパスタをしめると歯ごたえが良くなります。

ゆで上がったパスタはソースと組み合わせて食べられます。主なソースの種類とその特徴などをご紹介します。

 

【トマト】

トマトの酸味や甘み、旨みを生かしたソース。

トマトを煮詰めることで酸味が程よく飛び、濃厚な味わいが引き出される。

「ポモドーロ」や、辛い「アラビアータ」、魚介類を使った「ペスカトーレ」や「マリナーラ」、アサリを使った「ボンゴレ・ロッソ」など。

 

【オイル】

オリーブオイルをメインに、ニンニクや唐辛子を合わせたシンプルなソース。

素材そのものの味や香りをダイレクトに味わえる。

「ペペロンチーノ」や、アサリの「ボンゴレ・ビアンコ」など。

 

【クリーム】

バター、生クリーム、牛乳を使用したまろやかなソース。

平打ちパスタのフェットチーネと相性が良いとされる。

キノコとベーコンの「ポルチーニクリーム」や、トマトソースと合わせた「トマトクリーム」など。

 

【バジル】

イタリア料理で定番のハーブであるバジルの葉をペースト状にしたソース。

バジルの香りが独特の味わいを生む。

「ジェノベーゼ」など。

 

【ミート】

ひき肉と細かく刻んだタマネギなどをトマトで煮込み、ウスターソースやケチャップ、砂糖などで甘く味付けした、アメリカ発祥のソース。

ワインで具材を煮込んだ「ボロネーゼ」など。

 

【チーズ】

チーズを溶かし込んだソース。

濃厚なチーズの旨みをパスタに絡めて楽しめる。

ベーコン、卵、チーズにコショウをきかせた「カルボナーラ」、4種類のチーズを組み合わせた「クアットロ・フォルマッジョ」など。

 

【和風・その他】

醬油や麺つゆ、納豆、梅、キノコなどを使った日本独自のソースや、大葉やネギ、海苔などのトッピング、日本発祥のメニューも。

「たらこパスタ」はたらこをそのまま、もしくは生クリームやバターと絡める。

「ナポリタン」は、タマネギやピーマンを炒め、ケチャップを絡めてつくる。

 

パスタとソースの相性については、細いものや小さいもの、表面に凹凸があるものはソースが絡みやすいので、オイルなど軽いソースと合います。

逆に、太いものや大きいもの、表面がつるつるしているものは、ミートやチーズなど濃厚なソースと合わせるのが基本だそうです。

 

 

<参考サイト>

・パスタをゆでるときに塩を入れるのはなぜ?適切な分量も解説

https://delishkitchen.tv/articles/760

・全部知ってる?パスタソースの種類と特徴一覧

https://food-drink.pintoru.com/pasta/type-of-pasta-sauce/

・パスタソースの種類と特長を解説!あなたはいくつ知っている?

https://nishikiya-shop.com/column/220

 

 

 


 

 

⑤ 所変われば料理も変わる!パスタ入りスープ

 

日本には、ソースがサラッとしたスープ状の「スープパスタ」があり、パスタ料理のひとつとして認識されています。

イタリアにはスープにパスタを入れた料理がありますが、それはあくまでもスープという位置づけなのだそうです。

 

イタリアのスープには「ズッパ」と「ミネストラ」というものがあり、どちらも野菜たっぷりのスープです。

これらを明確に区別することはイタリア人でも難しいようですが、「ズッパ」はパンが添えられたり具として入っていたりするもの。

「ミネストラ」は、パスタやお米が入ったスープを指す言葉のようです。

 

日本では「ミネストローネ」という言葉をよく聞きますが、こちらはジャガイモや豆類が入っているスープで、イタリアではあまり聞かれない言葉とのこと。

他に「ミネストリーナ」というものもあり、これはブロードというだし汁に小さいパスタが入っているシンプルなスープで、おかゆや雑炊のように体調の悪い時などに食べられるものだそうです。

 

 

<参考サイト>

・イタリア版おかゆ?パスタ入りスープ!ミネストリーナ

https://itagiappo.com/minestrina-27

・おすすめレシピ付き!イタリアの食べるスープ「ズッパ」とは?

https://tabicoffret.com/article/78691/#1.2

・ズッパとミネストラ

http://blog.tre-panche.ciao.jp/?eid=272

 

 


 

 

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

後味すっきり、夏に食べたいレモン風味の手延べ素麺です。

実は9月30日までの期間限定素麺ですので、この機会にぜひお求めください。

レモン素麺には、瀬戸内レモンの果皮粉末を練り込み、ふわっとレモンの香りを楽しめる素麺に仕上げています。
手延べ製法ならではのツルツル感と、すっきりとした味わいで、暑い夏でもどんどん箸が進むお素麺になっております。

レモンの果実は、果皮に香りが、果汁に酸味が含まれています。
めんつゆに果汁を加えることで酸味をプラス。
さらにレモン感あふれる素麺をお楽しみいただけます。

夏の思い出の〆に手延べレモン素麺はいかがでしょうか。

写真は、塩焼きそば風レモン素麺です。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べレモン素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/62424747

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年7月24日 【Vol.18】麺究者への道/冷麺を研究してみる

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.18

麺究者への道/冷麺を研究してみる

 

 

 

 

暑さの厳しい夏に食べたくなるのが、冷たく冷やした麺料理。

もちろん素麺(ひやむぎ)もそうですが、そばやうどん、そしてちょっと別格?なのが「冷麺」ではないでしょうか?

「冷麺」もその名の通り冷たい麺ですが、もともとは冬に食べられていたそうですよ。

 

ところで、「冷麺」って、人によってイメージするもの変わりませんか?

先日も知人と「冷麺」について話していましたが、どうも話がかみ合わないので、具材や食べ方を聞くと「冷麺」と「冷やし中華」の違いでした。

あと、中華料理店に行って「冷麺」と書いているので注文したら「冷やし中華」が出てきた…なんてことありませんか?

これは僕の間違った認識なのかも知れませんが、そのような勘違い(?)って素麺では無いような気がします。

 

「冷麺」の発祥の地は韓国だそうですが、そこから伝わった日本や中国、それぞれの地で独自の進化を遂げたようです。

そのひとつが冷麺と混同されがちな「冷やし中華」で、中華と名が付くものの実は日本発祥の料理なんだそうです。

 

前回は「ラーメン」の研究として深掘りしてみましたが、今回は、素麺同様、夏の風物詩ともいえる「冷麺」の日本と韓国、中国の冷麺事情や、冷やし中華をはじめとする冷やし麺などについて調べてみました。。

お付き合いの程よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

【目次】

① 冷麺のルーツは朝鮮半島、日本に来たのは昭和初期

② 日本の二大ご当地冷麺「盛岡冷麺」「別府冷麺」

③ 冷やし中華=冷麺!? 日本生まれの冷やし麺

④ 暑い夏を乗り切るために考え出された、数々の冷やし麺料理たち

⑤ 本場韓国の冷麺の食べ方と、地域ごとの違い

⑥ 中国に伝わった冷麺と、中国で食べられている冷やし麺

⑦ 《美味しい素麺》小豆島手延べ黒ごま麺 編

 

 


 

 

① 冷麺のルーツは朝鮮半島、日本に来たのは昭和初期

 

冷麺は、現在の北朝鮮の平壌(ピョンヤン)と咸鏡南道咸興(ハムギョンナムドハムン)に起源があると言われています。

1849年に書かれた「東国歳時記」という書物によると、「そば粉を使った麵に、大根や白菜のキムチと豚肉をのせた料理」と紹介されているそうです。

この頃使われていたキムチは、現在のような辛いものではなく、唐辛子を使わずつくられる「水キムチ」という辛くないキムチだったと考えられています。

新暦の12月にあたる11月の季節料理として紹介されており、寒い冬に、床暖房でやや暑くなりがちなオンドル部屋の中で食べる料理だったそうです。

 

1950年、朝鮮戦争が勃発した際に、南に逃れた北側出身者を通じて、韓国に本格的に普及したと言われています。

 

麺のつくり方は、主原料であるそば粉とつなぎのデンプンや小麦粉を混ぜて練り、穴の開いたシリンダー状の容器で押し出し、そのまま熱湯に入れて茹で、すぐに冷水でしめます。

 

日本で朝鮮半島式の冷麺を提供する現存最古の店が、神戸市長田にあります。

1939年(昭和14年)、日本の統治下にあった平壌の出身者が開業した「元祖 平壌冷麺屋」です。

 

現在、日本では多くの韓国料理店や焼肉店で、日本人の口に合うようアレンジされた冷麺が定番メニューとして提供されています。

 

※上記は独自調べです。諸説あるものや、「うちが元祖!」ということもあるかと思いますがご容赦ください。

 

 

<参考サイト>

・Wikipedia「冷麺」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E9%BA%BA#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%86%B7%E9%BA%BA

・冷麺は冬の食べ物だった 冷麺の歴史と起源

http://www.in-ava.com/reimen.html

・韓国冷麺の特徴とは?さっぱりおいしいアレンジレシピもご紹介!

https://www.kurashiru.com/articles/cd254390-35f8-4647-aef1-19d078cf8e46

・【2021年版】「冷麺」の歴史からアレンジレシピまでこれを読めばすべてわかる!

https://heijoen.co.jp/channel/165/

 

 

 


 

 

② 日本の二大ご当地冷麺「盛岡冷麺」「別府冷麺」

 

日本で広まった冷麺が各地で発展を遂げ、地元の名物グルメになっている代表的な例を2つ、調べてみました。

 

【盛岡冷麺】(岩手県)

1954年(昭和29年)、咸興(ハムン)出身の在日朝鮮人1世の方が開業した「食道園」が発祥とされています。

故郷の味を再現しようと、高麗キジのだし汁に似た牛スープに、酸味と辛みのあるキムチを組み合わせたことで、独自の味とスタイルを完成させたそうです。

 

 

<麺>

小麦粉を主材料とする透明感のある太麺で、コシが強く、表面はツルッとのどごしが良いのが特徴です。

当初は麺が噛み切れないなどと酷評されたそうですが、次第にやみつきになる人が増え、評判を呼びました。

 

<スープ>

牛骨に鶏ガラを加えた、コクや旨みがたっぷりのだし。

冷たくすることで、麺のコシの強さをより味わえるそうです。

 

<具>

キャベツと大根のキムチ、牛肉のチャーシュー、ゆで卵、三杯酢漬けのきゅうりなど、麺やスープとの相性が良いものをそろえています。

中でもキムチは、爽やかな酸味や辛み、シャキシャキ食感で、スープのコクを引き立てます。

キムチの量によって、冷麺全体の辛さ調整ができるとのことです。

 

「盛岡冷麺」というブランド名は、1987年(昭和62年)に「ぴょんぴょん舎」を開業した在日2世の方が確立させたそうです。

盛岡冷麺の生麺は、「さぬきうどん」などとともに、公正取引委員会から「特産」「名産」などの表示に基準が設けられた10品目の一つとなっています。

※公正取引委員会が承認した、「名産」「特産」「本場」「名物」などの表示ができる基準(生産地や原料、加水量、製法など)を設けた麺類10品目は、以下の通りです。

「札幌ラーメン」「盛岡冷めん」「甲州ほうとう」「信州そば」「名古屋きしめん」「出雲そば」「さぬきうどん」「長崎チャンポン」「長崎炒麺」「沖縄そば」

 

盛岡市では、焼肉店は焼肉を食べる店というよりも盛岡冷麺を食べる店として位置づけられているそうです。

焼肉店以外の飲食店でも提供されたり、スーパーで家庭用冷麺が多く販売されたりしています。

盛岡冷麺は、わんこそば・じゃじゃ麺とともに「盛岡三大麺」として、観光客からも人気を集めているそうです。

 

 

【別府冷麺】(大分県)

1950年(昭和25年)頃、中国東北部(旧満州)からの引揚者が開業した「食堂アリラン」が発祥とされています。

旧満州は朝鮮との国境が近く、朝鮮系の民族も多いため朝鮮の食文化が浸透していたそうです。

別府冷麺の特長は、魚介をベースとした和風だしのスープです。

 

 

<麺>

原料は、小麦粉、そば粉、でんぷんなど。

冷麺専門店では太めでもちもちした弾力のある麺が、焼き肉店ではつるつるしてのどごしの良い中細麺が提供されることが多いようです。

 

<スープ>

スープは、昆布やカツオだしなどの魚介をベースとした、あっさりした和風だし。

当初は肉系のスープでしたが、海の幸に恵まれた別府ならではの味わいとして和風だしに変更したところ、好評を集めたとのこと。

 

<具>

牛肉などのチャーシュー、キムチなど。専門店ではキャベツ、焼肉店では白菜のキムチを使うことが多いそうです。

 

食堂やラーメン店、居酒屋などでも、金属製の器ではなくラーメン用の丼鉢などに盛りつけられて提供されています。

別府冷麺は食事としても、お酒を飲んだ後のしめにも食べられており、夏だけではなく冬にもよく食べられているそうです。

 

※上記は独自調べです。諸説あるものや、「うちが元祖!」ということもあるかと思いますがご容赦ください。

 

 

<参考サイト>

・全国製麺協同組合連合会 公正取引委員会承認10品目

https://zenmenren.or.jp/meisan/shonin/index.html

・生めん類の表示に関する公正競争規約

https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/noodles.pdf

・昆布だしにキャベツキムチ 湯の町に根付いた別府冷麺

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO45154270T20C19A5KNTP00/

・大分の郷土料理と謎のとり天せんべいの秘密 別府冷麺

http://www.takarabussan.com/toritenbus/single5.html

・大分 別府冷麺

https://www.kirishima.co.jp/aji/2011/summer/35/

 

 

 


 

 

③ 冷やし中華=冷麺!? 日本生まれの冷やし麺

 

「冷麺」という言葉は、西日本ではいわゆる「冷やし中華」を指すことがあるそうです。

 

<広島県呉市「呉冷麺」>

広島県呉市のご当地グルメ「呉冷麺」は平打ちの中華麺を使っており、チャーシューやキュウリ、ゆで卵、エビなどをのせたもの。

スープは唐辛子の辛みやごまの旨みをきかせた鶏ガラベースで、独特な味わいだそうです。

老舗ラーメン店「珍来軒」が、夏場の売り上げ不振を解消するために考案したメニューで、今では季節を問わず人気なんだとか。

 

<京都「冷麺」>

京都では、1939年(昭和14年)創業の「中華のサカイ」で、独自製法でつくった中華麺に焼き豚やキュウリなどをのせ、濃厚なごまだれをかけた料理を「冷麺」として提供していたそうです。

このことから、特に関西では「冷やし中華」よりも「冷麺」という言葉が定着したと考えられます。

 

<北海道「冷やしラーメン」>

北海道では、「冷やし中華」は「冷やしラーメン」とも呼ばれるそうです。

山形発祥の「冷やしラーメン」とは全く異なるものです。

いわゆる「冷やし中華」と呼ばれる料理は、ゆでて冷水で冷やした中華麺を、深めの皿全体に平たく盛り、その上に細切りにした具材を乗せるのが一般的です。

よく使われる具材は、ハムやチャーシュー、蒸し鶏などの肉類と、錦糸卵、キュウリやトマトなどの夏野菜。

これらを細長く切り、中心から放射線状に彩りよく盛りつけます。

たれは醤油ベースとごまベースの2種類がポピュラーで、具材の上からたっぷりかけます。

 

<冷やし中華の発祥>

冷やし中華の発祥については諸説あるようですが、日本生まれの料理と言って良いようです。

有力とされる2つの説を調べてみました。

 

① 1937年(昭和12年)、仙台の「中国料理 龍亭」の店主が考案したという説

熱い料理が多い中華料理の、夏場の売り上げを上げるため、また仙台の七夕の季節に観光客にアピールするご当地メニューを話し合う中で考案されたと言われています。

冷たい中華麺の上にのせた具は、ゆでたキャベツ、塩もみしたキュウリ、スライスした人参、チャーシュー、トマト。たれは醤油に酢を加えたもので、現在のベースとなっています。

中国料理である「涼拌麺(りゃんばんめん)」(もやしと細切りの肉を冷たい麺にのせ、ゴマ味のたれをかける料理)の名で提供され、高額ながら人気メニューだったそうです。

 

② 1933年(昭和8年)、東京神田神保町にある「揚子江菜館」の店主が「涼拌麺」とざるそばにヒントを得て創作したという説

「五色涼拌麺」(五目冷やしそば)というメニューで現在も提供されているそうです。

細く切った具を放射状に盛り付ける現在のスタイルの原型と考えられています。

この形は、富士山とそこに積もる雪をイメージしているそうです。たれは黒酢を使った独特な味わいです。

 

 

<参考サイト>

・シンプルだけど独特!呉市のご当地グルメ【呉冷麺】のおすすめ店6選

https://icotto.jp/presses/13358

・Wikipedia「冷やし中華」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E3%82%84%E3%81%97%E4%B8%AD%E8%8F%AF

・冷やし中華、冷やしラーメン、冷麺。あなたの地方では何と呼ぶ?

https://tenki.jp/suppl/romisan/2018/06/13/28189.html

・呼び方違うの?冷やし中華と冷麺の違い|関西人が間違えてしまう理由とは

https://mlb-nff-nba.com/%E5%86%B7%E3%82%84%E3%81%97%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E3%81%A8%E5%86%B7%E9%BA%BA%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%EF%BD%9C%E9%96%A2%E8%A5%BF%E4%BA%BA%E3%81%8C%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%BE/

・夏の大定番!冷やし中華の知られざる発祥のいきさつを徹底紹介

https://jp.pokke.in/blog/7328/

・冷やし中華とは中国から伝わった料理?

https://sozairyoku.jp/%E5%86%B7%E3%82%84%E3%81%97%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%8B%E3%82%89%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%96%99%E7%90%86%EF%BC%9F

 

 

 


 

 

④ 暑い夏を乗り切るために考え出された、数々の冷やし麺料理たち

 

暑い夏を乗り切るために考え出された知恵として、素麺、冷麺、冷やし中華をはじめ、ざるそばや冷やしうどんなどなど冷たい麺料理はたくさんあります。

そこで、ご当地グルメになっているものを中心に、いくつか詳細を調べてみました。

 

【冷やしラーメン】(山形県)

味も見た目も普通のラーメンのように、冷たいスープに冷たい中華麺が入っています。

氷を浮かべることも。

 

 

【冷やし辛麺】(宮崎県)

宮崎県のご当地グルメ「辛麺」を冷たくして食べる料理。

麺はそば粉と小麦粉を使用した、独特のコシのある麺。

スープには大量のニンニクと唐辛子が使われ、旨みと辛みが混在します。

具はニラ、ニンニク、卵、ひき肉など。

 

【冷やし担々麺】

担々麺は中国四川省発祥の、辛く味付けしたひき肉やザーサイ細切りなどをのせた麺料理。

本場では汁のない料理でしたが、日本で独自の進化を遂げ、多様なバリエーションが生まれています。

冷やし担々麺の発祥についても調べましたが、はっきりとは分かりませんでした。

今や大手食品メーカーから家庭用のチルド食品も出ており、冷やし中華のように市民権を得る日も近いのかもしれません。

 

 

【へぎそば】(新潟県)

魚沼地方発祥。

つなぎにフノリという海藻を使ったそばを、「へぎ(片木)」という器に少量ずつ盛り付けます。

 

 

【越前おろしそば】(福井県)

嶺北地方でよく食べられています。

大根おろしにだしを加えてつけ汁にしたり、大根おろしをのせてだしをかけたりと、食べ方はお店によって異なりますが、大根の辛みとそばの甘みがよく合います。

 

 

【水沢うどん】(群馬県)

日本三大うどんの一つで、太くてコシの強い手打ちうどん。

冷たいざるうどんを、しょうゆだれやごまだれなど豊富な種類のつけ汁で食します。

 

 

【きしころ】(愛知県)

名古屋名物のきしめんを「冷やし」または「常温」で食します。

幅の広いきしめんの上に、ホウレン草やカツオ節をのせます。

 

【おざら】(山梨県)

山梨の郷土料理であるほうとうの専門店で、夏の季節に好まれる料理。

ほうとうより細い麺をゆでて冷水でしめ、温かい醬油ベースのつゆに入れて食べます。

肉や旬の野菜、きのこなどの具を入れることも。

 

【冷やしカレーうどん】(京都府)

京都の暑い夏を乗り切るために考案されたとのこと。

京都市内の10店舗以上で提供されているそうです。

 

 

<参考サイト>

・【全国】夏には、暑さを吹き飛ばす冷たい麺が一番!おすすめご当地ひんやり麺10選

https://icotto.jp/presses/16830

・暑い夏の旅をもっと楽しく!夏に食べたいご当地の冷やし麺10選

https://www.nta.co.jp/media/tripa/articles/ZjVhE

・Wikipedia「冷やし麺」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%B7%E3%82%84%E3%81%97%E9%BA%BA

・冷し辛麺 宮崎県発祥のご当地麺

https://www.otoshu.com/c/50/8500783

・辛麺【郷土料理ものがたり】

http://kyoudo-ryouri.com/food/2151.html

・Wikipedia「担担麺」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%85%E6%8B%85%E9%BA%BA#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%8B%85%E6%8B%85%E9%BA%BA

・農林水産省 うちの郷土料理「おざら」

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ozara_yama_nashi.html

 

 


 

 

⑤ 本場韓国の冷麺の食べ方と、地域ごとの違い

 

韓国での冷麺に話を戻します。。。

韓国でも夏になると街の食堂に「冷麺開始」の文字が見かけられるそうですが、冷麺専門店では通年提供されています。

 

韓国式の冷麺は弾力があるので、ハサミで食べやすい長さに切ります。

お店によって、スタッフが切ってくれる場合と、客がセルフで切る場合があるそうです。

卓上にからしや酢などの調味料が置かれており、自分で味をととのえることができます。

 

冷麺と一緒に、牛骨を煮込んだやさしい味の「ユッス」という温かいスープが出てくるお店が多いそうです。

 

韓国の冷麺は、「水冷麺」と「ビビン冷麺」に大きく分けることができます。

「水冷麺」は平壌、「ビビン冷麺」は咸興が発祥です。

その他の地域の冷麺も含め、いくつか調べてみました。

 

【平壌の冷麺】

<麺>

麺にはそば粉と緑豆粉が使われており、太くて黒っぽく噛み切りやすいのが特徴。

 

<スープ>

スープは、牛肉や鶏肉、キジ肉などからとるやさしい味わいのだしに、辛くない水キムチを加えてさっぱりと仕立てます。

 

<具材>

冷水でしめた麺の上にゆで卵や大根、梨などの具材をのせます。

 

【咸興の冷麺】

<麺>

ジャガイモやトウモロコシなどのデンプンでつくったコシの強い麺で、細くて白っぽく嚙み切りにくいのが特徴。

 

<タレ(スープ)>

コチュジャンをベースとした辛口の赤いたれを麺に絡めます。

 

<具>

具は肉類やゆで卵、キュウリの千切りなどで、よくかき混ぜてから食べます。たれを絡めたエイなどの刺身をのせることもあるそうです。

 

【晋州の冷麺】

魚介だしのすっきりした味わいのスープが特徴。

そば粉が主原料の弾力ある太麺に、錦糸卵やキュウリ、梨、キムチのほか、牛肉のチヂミなどを細切りにして盛り付けるそうです。

 

【その他の冷麺】

原料にくず粉を使った冷麺もあります。

土茶色でほのかな香りのある独特の味わいだそうです。

生地に緑茶を混ぜ込んだ、緑がかった色の冷麺もあります。

地方によっては、どんぐり粉を練り込んだ麺もあるそうです。

 

【冷麺から派生した料理】

釜山のある慶尚南道地方では、小麦粉を使った麺「ミルミョン」が名物になっているそうです。

スープは野菜と肉のだしがベースで、豚肉をのせることが多いとのこと。

また、ファストフード店などで提供される、冷麺よりも太くて固い「チョルミョン」という麺料理があります。

千切り野菜やゆで卵と甘辛ソースを絡めて食べるそうです。

 

 

<参考サイト>

・冷麺

https://www.konest.com/contents/gourmet_guide_detail.html?sc=2169

・おうち韓食 冷麺

https://www.moranbong.co.jp/hanshoku/gourmet/detail/9160.html

・冷麺 / ネンミョン

https://www.seoulnavi.com/special/5037666

 

 

 


 

 

⑥ 中国に伝わった冷麺と、中国で食べられている冷やし麺

 

中国でも冷麺の食文化があります。

19世紀末に朝鮮族が中国東北部へ移住した際、冷麺も伝えられたとのこと。

朝鮮族では、旧正月の4日午後と誕生日に細長い冷麺を食べると長生きできるという言い伝えがあったそうです。

 

冷麺は今や中国の朝鮮族料理の代表的なメニューとなっており、東北地方の吉林省がルーツの「延吉冷麺」は、中国十大麺の一つに選ばれています。

牛肉や野菜のだしに漢方薬を加えたスープが特徴。

 

日本の冷やし中華の誕生に影響を与えた「涼拌麺」は上海料理と位置付けられていますが、夏を感じる麺料理として中国全土に浸透しているのが「涼皮(リャンピー)」

屋台でも販売されるB級グルメの定番だそうです。

陕西(シャンシー)省発祥の平打ち麺で、小麦粉や米粉、デンプンなどでつくられます。

麺はゆでずに蒸して切るとのこと。

具は、千切りにしたキュウリやニンジン、ゆでたモヤシなど。

薬味に、パクチーや唐辛子、生姜、ニンニクなど。

醤油やラー油、お酢、胡麻ペースト、ピーナッツペーストなどを混ぜたたれをかけます。

トッピングや味付けのバリエーションが豊富な冷やし麺です。

 

※写真はphotoAC「中国北京の町並み(北京郵電大学)」より。写真はイメージです。

 

<参考サイト>

・冷麺は韓国や北朝鮮だけじゃない!知られざる延吉冷麺の世界を『千里香 上野店』で学んできた

https://80c.jp/restaurant/20220825-1.html

・日本の「冷やし中華」は中国人ウケしない…?「冷たい麺料理」不人気のワケ

https://gendai.media/articles/-/74173?page=2

・涼皮(リャンピー)は中国の冷やし中華的存在!?ピリ辛風味の冷やし麺が絶品の『MOOGA』

https://food-mania.jp/hiyashimen-mooga/

 

 

 

 


 

 

⑦ 《美味しい素麺》小豆島手延べ黒ごま麺 編

 

「黒」の食材にこだわった健康麺 〈楽々膳・黒〉シリーズの手延べ麺です。

石井製麺所の独自製法により、素材の良さをそのまま練り込みながら、手延べ麺ならではのツルツルシコシコした食感を味わっていただけます。

黒ごまは食物繊維や良質な必須脂肪酸、アントシアニン、セサミンなど健康成分を多く含みます。

その黒ごまを炒って粉末化したものを練り込むことで、より香りが際立つ手延べ麺に仕上がっています。

ごまの風味香る太麺仕上げのツルツル麺が、いろいろなスープやタレにもよく合います。

 

色々な具材を盛り付けて、冷麺のようなあっさりとした冷たいスープをかけて、ツルツルッと召し上がってみるのはいかがでしょうか。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《小豆島手延べ黒ごま麺》 https://141seimen.thebase.in/items/69195918

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年6月26日 【Vol.16】麺究者への道/ラーメンを研究してみる

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.16

麺究者への道/ラーメンを研究してみる

 

 

 

 

素麺をつくり続ける製麺会社として、素麺づくりに携わる者として、食べる方に喜んでいただける素麺をつくることは何よりの幸せだと感じます。

逆に言えば、お客様に喜んでいただけることはなんなのか、どういう素麺が喜ばれるのか…自問自答の(ほぼ)毎日です。

そこで、「まずは、素麺づくりに携わる者として最低限の他産地の知識を持っていたい」と考え、様々な産地を調べブログに書いてきました。

恥ずかしながら、他の産地について詳しく考えたことがなく(一般的な知識くらいは持ち合わせているつもりですが)、新製品開発を考えていく上でも先人の知恵や他産地の動向、商標や販路など様々な点で知識不足を痛感し、ブログを続けるほどに「もっともっと素麺について知りたい!」そう考えるようになりました。

また、今回は「そうめんサミット」を機に多くの方との交流やSNSでの繋がりからヤル気と刺激をいただくことができました。

 

ですが、ふと、他の麺類ってどうなの?ということが気になり、ちょっと視野を広げてみる意味でも他の麺類・麺料理について調べてブログに残したいなと考えています。

これまでのブログとは少し方向性が変わるかも知れませんが、よろしくお付き合いください。

思い出したように前のブログの形式を持ち出したりするかも知れませんがご容赦ください。

 

 

じゃあ、まずはどの麺類・麺料理から考える?

 

私たちの食生活に無くてはならない存在といえる麺類。

その種類は多く、素麺と同じく小麦粉を原料とする麺を数えただけでも、うどん、ラーメン、スパゲティなど実にたくさんの種類が思い浮かぶのではないでしょうか。

 

子どもから大人、歳を重ねて嗜好が変わっても麺料理への欲求は大きいものをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

麺類はその調理方法や提供方法で変化し、食べる時間や環境によって手軽な食事や、〆の一品、究極の一杯など、価値も変わってくるのではないでしょうか。

 

暑い日には冷たい麺をツルツルッと食べたいですよね。

ちょっと贅沢に食べるなら具材を盛り付けてつゆやスープにこだわったり、あっさり食べるなら薬味にこだわったりとポイントも人それぞれではないでしょうか。

寒い日には熱いスープに浸かった麺をフーフー言いながら食べたいですし、

たくさんの仲間や家族と一緒にお鍋の具材にすることもできますよね。

麺料理は、私たちの様々な生活シーンに溶け込んでいます。

 

そこで今回は素麺以外で身近な麺類、なかでもラーメンについて掘り下げてみたいと思います。

数ある麺類のなかでも、ラーメンは中国がルーツと言われ、素麺と同様に(素麺もルーツは中国と言われる)日本で独自の発展を遂げた麺料理ではないでしょうか。

今や世界中で日本のラーメンが食べられており、海外からの観光客が日本食としてラーメンを食べる光景もよく見られます。

先日も香港から来た友人が、日本のラーメン屋さんに並んで食券を買っている姿を見て、不思議に感じたのを思い出しました。

 

今回は、ラーメンの歴史や日本での進化、海外への広がりなどについてご紹介したいと思います。

 

 

 

【目次】

① 麺類の起源は2世紀頃の中国にあり?!

② ラーメンは料理として日本で独自の進化を遂げる

③ 日本と中国のラーメンの違いとは?

④ 日本のラーメンは5つの要素で成り立つ!

⑤ 日本のラーメンは海外でも大人気!

⑥ 《美味しい素麺》夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』編

 

 


 

 

① 麺類の起源は2世紀頃の中国にあり?!

 

今や日本の国民食とも言えるラーメン。その原型となっているのは中国の麺料理「拉麺(ラアミエン)」です。

そもそも、小麦を原料とした麺類が生まれたのは、中国北部の黄河流域だったそうです。

 

メソポタミアで栽培されていた小麦が紀元前3000年ごろに中国に伝わり、華北平野で盛んに栽培されるようになりました。

当時はまだ麺の状態ではなく、小さくちぎったスイトンや平たいワンタンの皮のような形状で食べていたようです。

 

2世紀頃の「四月月令」という文献に、初めて麺の名前が出てきます。

スイトンやワンタン状の「煮餅」と、ひも状の「水引餅」というものです。

550年頃に書かれた「斉民要術」という書物には水引餅が登場。

これが麺の祖先と考えられています。

そのつくり方は、小麦粉をよくふるい、肉の煮出し汁でよくこねて、箸の太さほどの棒状(30センチ)にし、水を張った器の中で指でもみ押さえながら引きのばす、というものです。

「餅」というのは中国では小麦粉を使用した食品全般を指し、調理法により「水で煮る」「蒸してつくる」「焼いてつくる」「油で揚げる」の4つの系統に分けられます。

日本で言う「麺」は水で煮る系統に入るようです。

アジアの麺料理はここから派生していったと考えられるそうです。

 

日清食品「めんの系譜研究会」の麺の系譜図では、麺を伝統的な製造方法で5系列に分類しています。

 

【手延べラーメン系列】

水引餅の直系にあたる、練った小麦の生地を手でのばす製法で、モンゴルや中央アジアに伝わりました。

中央アジアでよく食べられている麺料理の「ラグマン」は、中国の「拉麺」が語源と考えられています。

棒状にのばした生地を渦巻きの形に巻いて少し寝かせ、油をコーティングしながら手でのばしていく中細麺で、食べる直前につくるのが特徴。

羊肉または牛肉とトマトをベースにしたスープに、季節の野菜をたっぷり入れて煮込みます。

地方によって食べ方が異なり、大きくは汁麺タイプ、汁なし麺タイプ、炒め麺タイプに分けられるそうです。

 

【素麺系列】

日本の手延べ素麺と同じで、練った生地をひも状にのばし、表面に植物油を薄く塗って、2本の竹の棒にかけさらに引きのばす製法。

元の時代の文献に見られる「索麺」が日本に伝わり、素麺になったと考えられます。

現在中国では、福建省を中心に「線麺」「麺線」と呼ばれるものがつくられているそうです。

 

【切り麺系】

練った小麦粉の生地を麺棒でのばし、包丁で細く切ります。

小麦粉以外にそば粉など様々な原料を使った麺づくりに生かされている製法で、日本ではうどんやそばなどがこれにあたります。

 

【押し出し麺系列】

生地をトコロテンのように押し出して細長くする製法。

粘り気のある小麦粉の生地ではなく、緑豆やそば、米などの生地から麺をつくるために考えられたようです。

 

【河粉(ホーフェン)系列】

うるち米を水に漬け吸水させて、回転式の石臼でひき、ペースト状になったものを蒸したり煮たりして、刃物で切る製法。

 

 

<参考サイト>

・麺の起源、系譜 ~麺はどこからきたのか?~

https://world-noodle-dictionary.com/roots/origin.html

・麺の伝播経路

https://world-noodle-dictionary.com/roots/spread.html

・麺類の起源:麺の歴史は小麦の歴史でもある。多彩な文化を紐解くと食したくなる。

https://kz-pe.com/noodle/

・NATIONAL NOODLE DAY特別企画!麺の歴史と世界の麺を紹介します。

https://www.myojousa.com/ja/blog/national-noodle-day/

・世界の麵の文化史

https://www.syokubunka.or.jp/gallery/ishige/archives/noodle/chapter3.html

 

 

 


 

 

② ラーメンは料理として日本で独自の進化を遂げる

 

ラーメンの料理としての変化を調べてみました。

 

ラーメンを日本で初めて食べたのは誰でしょうか?

1665年に徳川光圀(水戸黄門)が、中国から招いた儒学者の朱舜水のつくった「汁そば」を食べた、これがラーメンのことだという説が長く信じられてきました。

しかし近年、室町時代の1488年に京都の僧侶たちが「経帯麺」という、現在のラーメンと同じく「かん水」を使った麺を食べたという記録が見つかり、これが日本で初めて食べられたラーメンである可能性があるそうです。

 

明治時代になると、開国に伴い海外の食文化が多く伝わるようになり、横浜や神戸、長崎などの港町に中国人が進出して中華街が生まれました。

そこでできた中国料理店から、麺料理を含めた中華料理が広がっていったそうです。

函館の「養和軒」にて1884年に提供された「南京そば」というメニューが塩ラーメンだったとされ、これが現在のラーメンのルーツという説があります。

 

1910年、浅草に開業した「来々軒」で提供されたのが醤油ラーメンの元祖と言われます。

来々軒の成功を機に、ラーメンを提供する店が増え、庶民の味として広がっていったようです。

 

1923年の関東大震災により、ラーメン店を営んでいた人たちが東京周辺から日本各地へ散らばり、全国でラーメン店が増えたそうです。

 

福岡県久留米市の「南京千両」というお店では、1937年にとんこつラーメンを開発。

当初は澄んだスープだったそうですが、1947年に誤ってとんこつを沸騰させたことがきっかけで、白濁したスープが生まれたそうです。

 

第二次世界大戦後には、中国から引き揚げてきた人たちが中国で覚えたラーメンの製法を活かし、各地の闇市で屋台を開業。

安くて美味しくて栄養もとれるラーメンが人気を集めたようです。

 

1954年には北海道札幌市の「味の三瓶」というお店で、味噌ラーメンが誕生しています。

 

「ラーメン」という呼称が広まるきっかけとなったのが、1958年、初のインスタントラーメンである「日清チキンラーメン」の発売。

それまで「支那そば」「中華そば」と呼ばれていたそうですが、CMなどで人気商品となり、「ラーメン」という名前が全国的に認知されるようになりました。

 

1960~70年代になると日本各地でご当地ラーメンがつくられ、観光資源のひとつになったと言われます。

その後、何度となくブームが起こり、多様化し洗練されていった日本のラーメン。

2015年には巣鴨の「Japanese Soba Noodles 蔦」が、ミシュランガイドでラーメン店として世界初の1つ星を獲得したそうです。

 

※上記は独自調べです。諸説あるものや、「うちが元祖!」ということもあるかと思いますがご容赦ください。

 

 

<参考サイト>

・日本のラーメンの歴史

https://www.raumen.co.jp/rapedia/study_history/

・日本のラーメンの起源と歴史とは?中国のラーメンとの違いは?

https://jpnculture.net/ramen/

・ラーメンっていったい何だろう? 要素と歴史を押さえればラーメンの“今“が見える!

https://www.myojousa.com/ja/blog/what-is-ramen/

 

 

 


 

 

③ 日本と中国のラーメンの違いとは?

 

中華料理の「拉麺」は、日本で独自に進化したラーメンとどう違うのでしょうか。

「拉」は引きのばすという意味で、小麦粉にお湯を入れよくこねて長くのばし、たたんでさらに伸ばして細長くしていく手延べ製法でつくられます。

「かん水」を使っていないため、コシが弱くやわらかくてもちもちした食感です。

日本の麺はコシが強くて食べごたえがあり、太さや硬さの種類が選べるお店もありますよね。

日本のラーメンのスープは、肉・魚介・野菜などのだしに醬油や味噌を合わせるなど、複合的な味わいでバラエティに富んでいますが、中国では牛肉・豚肉・魚介からとるようです。

味へのこだわり方も違っていて、日本の優先順位は(1)スープ(2)麺(3)具材中国は(1)具材(2)麺(3)スープなんだそうです。

例えば日本のラーメンは、とんこつ・醤油・味噌といったスープの味わいにより分類できますが、中国では「牛肉」「五目」など、上に乗せる具材で選ぶとのことです。

 

 

<参考サイト>

・日本のラーメンと中国のラーメンは違う食べ物だった

https://www.ko-cho.com/blog/contents/1509-02/

・日本のラーメンと中国のラーメン(拉麺・拉面)の違い・特徴

http://chugokugo-script.net/shoku-bunka/ramen.html#%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AB%E9%80%B2%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3

・中国の麺料理(ラーメン、拉麺)

https://world-noodle-dictionary.com/asia/china/

・「あれ?中国ラーメンって日本のラーメンと違うかも」中国のラーメンと日本のラーメンの違いとは!?

https://minnanomen.com/%E3%80%8C%E3%81%82%E3%82%8C%EF%BC%9F%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%81%A8%E9%81%95%E3%81%86

・日本と中国のラーメンの違いは?ラーメンの発祥・歴史を徹底解説

https://tokyo-ramen-mania.com/ramen-history/

 

 

 


 

 

④ 日本のラーメンは5つの要素で成り立つ!

 

ラーメンは、麺・だし・タレ・脂(油)・具の5つの要素を組みあわせることで無限のレシピを生み出すことができるとも言われています。

 

【麺】

ラーメンに使用する中華麺の特長は、「かん水」を使用すること。

かん水により、独特のコシや黄色がかった色味が生まれます。

縮れ・ストレート・手もみといった製麺方法や形状、小麦の種類、太さ、加水率(麺に加える水分の割合)、形状などを変化させることによって、オリジナリティを出すことができます。

 

【だし】

ラーメンのスープはだしとタレ、さらには脂(油)の組み合わせによってつくられます。

主なだしの原料としては、豚骨・鶏ガラ・牛骨などの動物素材、昆布・煮干し・エビ・タイなどの海鮮素材、タマネギ・長ネギ・生姜・ニンニクなどの野菜素材。

まただしのとり方として大きくは、強火で長時間煮込む、濃厚な味と風味の「白湯出汁」(とんこつラーメンに多い)と、濁りを出さないように沸騰寸前の温度以下で仕込む「清湯出汁」(醤油ラーメンに多い)とに分けられます。

 

【タレ】

基礎となる調味料に、香辛料や肉・魚介のエキスなどを凝縮させてつくります。

醤油ダレ、塩ダレ、味噌ダレが一般的です。

 

【脂(油)】

旨みを加えるとともに、スープが冷めないようふたをする役割も果たします。ネギ油、マー油、辛味油、ラード、焼きラード、鶏油、エビ油などが使われます。

 

【具】

チャーシュー、メンマ、ネギ、煮玉子、海苔、キクラゲ、モヤシ、なると、ホウレン草、ワンタン、バター、糸唐辛子、挽肉、白髪ネギ、三つ葉、コーン、角煮など、多種多様です。

 

 

<参考サイト>

・ラーメンの歴史と現在

https://artsandculture.google.com/story/CAVxS5QL1jNFKw?hl=ja

 

 

 

 


 

 

⑤ 日本のラーメンは海外でも大人気!

 

今や日本のラーメンは海外でも高い人気を誇ります。

2015年のある記事では、海外にあるラーメン店は2,000店舗以上とのこと。

ニューヨークでは2000年代にラーメンブームが起き、以降も年々人気が高まっているそうです。

 

基本の味は醤油、味噌、塩、とんこつなど、日本と同じ。

中でもラーメンでしか味わえないとんこつが人気とのことです。

 

驚くほど異なるのは、その食べ方。

日本ではラーメン店でゆっくり食事を楽しむイメージはあまりないですが、海外では時間をかけて食べるのだとか。

まずお酒と前菜を楽しみ、メインディッシュとしてラーメンをゆっくり味わうそうです。

おしゃれなディナーとして予約して訪れる客も多く、値段も日本の倍以上するようです。

 

海外でのラーメン人気は、「チキンラーメン」「カップヌードル」などのインスタントラーメンから始まったと考えられています。

さらに日本の映画やアニメがきっかけとなりラーメンに興味を持ったという人も多いそうです。

 

ラーメンは日本が誇る食文化として、世界中で愛されているようですね。

 

今回は、麺(生地)というよりも、ラーメンという料理全体についてクローズアップしてみました。

さて、次回はどんな麺を調べてみようかな。。。

 

 

<参考サイト>

・海外のラーメン事情|ラーメンが世界的に人気な理由や味・価格の違いを解説

https://iekeikokuramen.com/ja/archives/2937

 

 

 


 

 

⑥ 《美味しい素麺》夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』編

 

夏の贈り物 「瀬戸凪(せとなぎ)」 こだわりの手延べ麺3種を、 小豆島のおだやかな海と、瀬戸内の多島美をデザインしたパッケージで贈る、 石井製麺所特製の夏限定ギフトです。

400年の手延べ製法を受け継ぐスタンダードな「手延べ素麺」と、 小豆島産の健康野菜“しょうどしま長命草”を練り込んだ「手延べしょうどしま長命草素麺」、 瀬戸内レモンがふわっと香る「手延べレモン素麺」をセットにしています。

古くから相手の健康を気づかって贈り物として重宝されてきた素麺の在り方を大切に、 無添加、着色料不使用にこだわった素麺ギフトです。

届いてすぐに食べられるように、めんつゆ(希釈タイプ)もセットしています。

 

セット内容: ●手延べ素麺×6束  ●手延べしょうどしま長命草素麺×6束  ●手延べレモン素麺×6束  ●めんつゆ(アルミパック)×10袋

※めんつゆは希釈タイプです。1袋で1人前になります。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』》 https://141seimen.thebase.in/items/62463374

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年5月31日 【Vol.13】(番外編)『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.13(番外編)

『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』

 

 

 

 

【お!いしいけんぶんろく】ブログが、久々の更新となります。

GWが過ぎ、夏も目前となり、石井製麺所でも忙しい毎日です。

製造の佳境もあって更新作業ができていませんでしたが、6月3日、4日に小豆島で開催される『全国そうめんサミット』については触れなければ!

ということで、ブログを更新する決心(笑)をしました。

ぜひ今回のお話もお目通しいただければ幸いです。

 

6月3日、4日の2日間、夏の小豆島を舞台に、『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』が開催されます。

G7広島サミットが開催されたばかりですが、実はそうめん業界にもサミットがあります。

兵庫の播州そうめん、奈良の三輪そうめん、そして香川の小豆島そうめんは「日本三大そうめん」と呼ばれています。

2016年の播州そうめんからスタートしたそうめんサミットは、2018年の三輪そうめん、新型コロナによる延期を経て、いよいよ今年2023年に小豆島そうめんがそのバトンを受け取りました。

新型コロナの巣ごもり需要として、「パスタ」や「そうめん」など、乾麺が注目を集めたのは記憶に新しいかもしれません。

しかし、そうめんの歴史を俯瞰してみると、その生産量は減少傾向にあり、それは弊社創業の頃の話を伝え聞くだけでも間違いのない事実です。

「作れば作るだけ売れる」といった時代があったなんて、今となっては信じられません。

 

そんな現状を受けて、そうめんをはじめとする乾麺の需要拡大を目指してスタートしたのが、『全国そうめんサミット』です。第3回となる小豆島サミットのテーマは、『そうめんは、宇宙だ!』。

「そうめんなんてどこも同じ」という声に、そうめんの代表的な産地のひとつとして、「そんなことはない」と答えることを目指しています。

原料はほとんど小麦粉だけ、シンプルを極めたような加工食品であるそうめんですが、産地によって使用する原料に特徴があり、製法によってのどごしや舌触りが変わります。

その土地その土地の名産品を練り込んだ、色合いや味わい多種多様な、オリジナリティあふれるそうめんも沢山あります。

そこに生産者、作り手のこだわりまで加わったそうめんは、単純に「そうめん」という言葉では片づけられない、奥の深い食べ物だと思います。

まさにそうめんの世界は、未解明の謎がまだまだ眠っている「宇宙」なのかもしれませんね。

 

 

 


 

本サミットの見所は、なんといっても「第1回 全国そうめん鑑評会」です。

 

全国から集まった全16作品のそうめんが、審査員によって評価されます。

審査員は著名な料理人や有識者の方々が務め、その評価基準は5項目(味/香り/コシ/のどごし/色つや)が設けられ、総合5段階で評価されます。

私がこれはすごい!と思うのは、試食用のそうめんの調理について、入念な準備がされていることでしょうか。

そうめんは茹で時間をはじめ、茹で方の影響を強く受けてしまいます。

どんなに作り手が丁寧に、こだわりを込めて作ったそうめんでも、茹で加減を失敗すると、その味わいは大きく損なわれてしまいます。

試作品の調理、その責任は重大です。 当日にそなえて、繰り返しシミュレーションがされているそうです。

ゆがく人、お湯を捨てる人、麺を洗う人、氷で締める人、お皿の準備をする人、お皿に盛る人、審査員の手元まで運ぶ人… そうめんを調理することだけに、これだけのスタッフがそれぞれの役割を果たすべく、準備しています。

 

業界初、そうめんに真正面から向き合うような鑑評会。

 

企画した実行委員会の方々、鑑評会に応募された生産者の皆様の挑戦する心に敬意を表するとともに、鑑評会の成功と、鑑評会がそうめん業界の活性化につながることを願っています。

もちろん、ど真剣にそうめんに向き合うイベントだけでなく、そうめんを題材にした桂こけ枝さんの落語や、大道芸など野外イベント、日本三大そうめんの食べ比べに、王道の流しそうめんなど、そうめんを“楽しむ”企画も沢山用意されています。

キッチンカーも出るので、そうめんをメインに、サイドメニューも充実。

人気FMラジオ番組「OH! HAPPY MORNING」の公開録音もあるそうです。

“そうめんづくし”の2日間、全国の「そうめんファン」の皆様にお楽しみいただけますと、小豆島のイチそうめん屋として嬉しく思います。

(ご遠方の皆様へ、本ブログにてサミットの様子をお届けしたいと思います。ぜひご覧くださいませ。)

 

 

 


 

「仲間さがし」がしたいと思っています!

 

全国の産地から生産者が集まるサミットですので、ぜひいろいろな産地の方々と交流したいですね。

具体的には、「仲間さがし」がしたいと思っています!

後継者不足は産地を問わずの課題だと思いますが、小豆島の若手生産者のひとりとして、一緒にがんばる仲間がほしいという想いは切実です。

美味しさに妥協しなければ、手延べそうめんづくりはとてもハード。

小麦粉を塩水で練り上げた生地は重いですし、気温や湿度の影響を受けやすいそうめんは、細やかな目配り・気配りが欠かせません。

私が弱いだけかもしれませんが、美味しいそうめんを目指して、ともに切磋琢磨する仲間がいることは心強いです。

昨年末のツイッター開設をきっかけに、全国各地のそうめん屋さんとつながることができました。

産地が違い、作るそうめんは異なれど、皆さん自分のつくるこだわり込めたそうめんを積極的に発信されています。

なかには、製法に関わる悩みや困りごとも投稿されていて、アドバイスが交わされる様子も… 後継者不足がますます進むであろうこれから、産地の垣根と距離を越えたつながりが大事になると感じています。

そしてサミットは、普段は遠く離れた生産者の方々と、リアルにお会いできる、貴重な機会です!

当日は懇親会もありますので、お声がけをさせていただければ幸いです。

 

 

写真は、「手延べひじき麺」開発にお力いただいた、池田漁協の皆さん

 

 


 

新たな出会いが生まれそうです。

 

そして、ツイッターとサミットをきっかけに、新たな出会いが生まれそうです。

「そうめんの美味しさを世界に伝えたい」と活動されているSHUNくんが工場見学に来てくれることになりました!

そうめん大好きな小学6年生で、全国の手延べそうめんの生産量が減少している状況を知って、手延べそうめん業界を盛り上げるために、クラウドファンディングも成功されています。

『俊麺(しゅんめん)』という、オリジナルデザインの手延べそうめんを商品化、「しょうが麺」「ごぼう麺」「にんにく麺」「トマト麺」「しそ麺」それに「白麺」という6種類の手延べ麺です。

いったい、どんな味がするのでしょうか?

一番、気になっているのは「ごぼう麺」。

ごぼうのやさしい風味は、手延べ麺によく合うと思います!

 

     

写真はSHUNくん。SHUNくんのお父様よりご提供頂きました。

 

サミットで小豆島を訪れるにあたり、工場見学をしたいとツイッターで投稿されていました。

その投稿を見た徳島のそうめん屋さんが、「小豆島のそうめん屋さん、どうですか?」とご縁をつないでくださいました。

 

本当に、ありがたい限りです。

 

手延べそうめんの製造現場をご覧になるのは初めてとのことですので、そうめんが延ばされる様子や、1束1束、そうめんを束ねる様子など、“手延べならでは”の作業風景をご覧いただければと思っています。

 

そうめんサミット当日は、3日は午後からの式典・鑑評会結果発表に出席、懇親会への参加、4日は会場内をいろいろと見て歩く予定です。

背中に石井製麺所の名前の入ったユニフォームを着ていますので、もし見かけたらお声掛けください!

 

手延べそうめんのことや、小豆島のことなど、お答えできるかと思います。

 

サミットが終わりましたら、当日の様子など、本ブログにてレポートを予定しています。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2022年11月24日 石井製麺所らしさを大切にしたい…その想いを込めたパッケージへ

瀬戸内海に浮かぶ小豆島。
白波が立つこともめずらしい内海(うちのみ)湾。
 
そんな穏やかな海の近くに、工場をかまえて50年以上になります。
 
堤防越しに眺める海の景色は、季節や時間でその色彩を変えます。
子どもの頃は、何気なく眺めていた景色でしたが、
もしかしたら石井製麺所らしさって、この風景にあるのかもしれないと気づいたのは、
島に帰ってきてからしばらく経ったときでした。
 
手延べ素麺づくりは、小豆島の自然とは切っても切れない関係があります。
小麦粉を練って、延ばして、乾燥させて仕上げる麺づくりにとって、
年間を通じて比較的雨が少なく、やさしい海風が吹く環境はやはり適していたのでしょう。
 
弊社の麺づくりも、そんな恵まれた自然のなかで行われています。
 
そして、私が仕事を引き継ぐよりずっと前から、
「余計なものを加えない」麺づくりにもこだわってきました。
着色料で鮮やかに色づけられた手延べ麺が多いなか、
弊社の手延べ麺は、はっきりいって人目を惹くものではなかったと思います。
 
先代に話を聞いてみたことがありますが、
そのこだわりに、はっきりとした理由はなかったそうです。
ただなんとなく、自分たちのつくる麺に、余計なものを加えたくなかっただけなのだと思います。
 
明確な理由がなくても、
それがお客様のためになると信じていたのでしょうし、
それを私も三代目として、肌で感じています。
 
今回、新しく6束商品として展開する『瀬戸凪シリーズ』は、
そんな石井製麺所らしさをパッケージデザインに込めて発売いたしました。
 
これまでと変わらぬ麺づくりの姿勢と、
これまで以上に、お客様に喜んでいただける新しい手延べ麺づくりを目指して参ります。
 
 
『瀬戸凪シリーズ』はこちらから→瀬戸凪シリーズ | 石井製麺所 (thebase.in)

2022年11月23日 小豆島らしい手延べ麺の開発へ!たどりついた《楽々膳・黒》シリーズ

「冬用の手延べ素麺」をコンセプトに、
“黒の食材”を練り込んだ3種の手延べ麺(ひじき、黒きくらげ、黒ごま)を発売しました。
 
素麺といえば暑い季節の食べ物と思われがちですが、
製麺所である我が家では季節を問わず、夕食の一品として、
あたたかいにゅうめんが食卓にのぼります。
 
味噌汁代わりのにゅうめんは、ぜひ皆様におすすめしたい「冬の素麺」です。
 
「小豆島手延べひじき麺」は、
小豆島産のひじきを粉末にして、独自製法で手延べ麺に仕上げた一品です。
ほんのりとした海の香りが感じられる麺になっており、
にゅうめんにすると香りが際立ちます。
 
特に栄養が優れているとされる、ひじきの茎の部分(長ひじき)を粉末にして麺に練り込んでいます。
(ひじきの茎の部分を食べる文化のない島にとって、実は食材の有効活用にもつながっている取り組みでもあります。)
 
今回、活用しているひじきは、
池田漁業協同組合様(以下、池田漁協)から仕入れさせていただいております。
 
実は小豆島の海でひじきが採れることが分かったのは最近のこと。
 
島外の方から、
 
「小豆島は足元に宝物がいっぱいあるのに、もったいない」
 
と声をかけられ、身近にあるひじきの存在に気づいたのだそうです。
 
池田漁協の中村さんが仰っていた「小豆島は宝島」という言葉に、
すごく共感しています。
島に帰ってきて5年目、これまでたくさんの食に携わる方々に出会ってきました。
自分のつくるものにこだわりを持って、美味しいものを届けたいとがんばっている人たちとの出会いを重ね、
「手延べ麺とともに、小豆島の“食財”も多くの人に知ってほしい」
と考えるようになりました。
 
「小豆島手延べひじき麺」は、そんな想いを形にすることができた素麺です。
 
小豆島の海の恵みを、伝統とこだわりの手延べ製法に込めて…
にゅうめんはもちろん、スープの具材などいろいろな料理でお試しくださいませ。
 
 
『小豆島手延べひじき麺』はこちらから→小豆島手延べひじき麺 6束 | 石井製麺所 (thebase.in)

2021年5月19日 「京宝亭ちゃんねる」にてご紹介いただきました!

素麺・うどんをお取り扱いいただいております、『京宝亭』様のYouTubeチャンネルにて、

弊社をご紹介いただきました。

手延べそうめんを製造工程が、ここまで詳しくまとまっている動画は珍しいと思います。

練った小麦粉生地が、少しずつ形を変えて素麺に仕上がっていく過程は、手前味噌ですが見ごたえがあるのではないでしょうか。

私もインタビューで登場しております😄

 

素麺と同じく、小豆島の醤油も400年を越える歴史があるといわれています。

そんな醤油を生かした食品として、戦後は佃煮づくりも始まりました。

私が生まれ育った苗羽(のうま)地区には、そんな醤油づくりと佃煮づくりが盛んなエリアがあり、

醤油づくりに欠かせない酵母菌など、微生物の力によって黒くなった壁が立ち並び、

醤油の香りが漂うその大通りは、今では「醤の里(ひしおのさと)」として観光客に人気の散策路になっています。

 

子どもの頃から馴染み深い、そんな醤の里に『京宝亭』はあります。

醤油蔵の風情を残した、ひときわ美しい白壁が目を引きます。

選りすぐりの小豆島の名産品と佃煮を取りそろえた店内は、ミュージアム、カフェも併設されており、

目で楽しむ、舌で楽しむ、持ち帰って楽しむ、そんなお店になっています。

 

実は2020年にリニューアルオープンしたばかり。

お店に入ったら、まずは天井を見上げてみてください。

醤油蔵の名残りを深く残しながらも、現代的なデザインの高い天井が私のお気に入りです。

カフェでは弊社素麺を、特製の佃煮つゆでいただく新メニューが人気だそうですよ。

 

小豆島にお越しの際は、ぜひ『京宝亭』を訪ねてみてください!

小豆島の魅力発掘が得意な店員さんと、素麺にも造詣が深い店長さんがお出迎えしてくれます🤗

 

 

『京宝亭』HP→京宝亭 / 小豆島のお土産にミュージアム併設アンテナショップ&カフェ (kyohotei.co.jp)

 

京宝亭YouTubeチャンネル『京宝亭ちゃんねる』→京宝亭ちゃんねる – YouTube

2021年5月1日 小豆島そうめんの歴史をたどる➂

「小豆島の素麺は、昔は島内で栽培した小麦を、島内で製粉してつくっていた。」

その名残を探して歩きます。

 

水車については、事前に調べたところ、6年ほど前に、同じように水車を探した方のブログがありました。

音楽水車プロジェクト (musicmill.jp)

テナーサックス奏者の岡淳(おかまこと)さんのページです。「私の父方の祖父の実家は小豆島の中山という地域で水車を営んでいました」と書かれており、ご自身のルーツを探す旅として小豆島を訪れたそうです。

 

おかげさまで、だいたいの位置は分かっていたのですが、それでもなかなか見つかりません。

歩いていた地元の方に尋ねてみても、水車は残っていないとのこと。

あきらめずに探索2日目。

車道から川の方向に下る脇道を下った先に、ようやく見つけました!

ブログの写真にもあった「ぬしゃ水車」(資料では「ぬしや」と記載)で間違いありません。

(土地の所有者のご親族の方に、撮影許可をいただきました。)

目の前に現れた水車は、想像よりも大きく、全体が深く錆びてはいるものの、

水車の形をほぼとどめていました。

資料によると、明治40年製の水車で、製粉した小麦粉は素麺の製造に使用されていたそうです。

おそらく、この水車のそばに水車小屋があったはずで、その中で石臼挽きの小麦粉がつくられていたのだと思われます。

金属製の軸もそのまま残っており、整備すれば回りそうなぐらい。

 

この水車が目の前で動いていれば、どんな動きをするのか、どんな音がするのか、どうやって石臼に動力を伝えるのか、水車小屋はどんな設備が必要なのか、石臼はどんなスピードで回るのか、石臼挽きの小麦粉は美味しいのか…

 

想像がどんどん膨らみます😄

 

雨風に晒されながらも、今でもこの形を見ることができるのは奇跡的かもしれません。

 

 

たとえ実用的なものでなくなったとしても、これだけはっきりと歴史を物語れるものがあまり知られていないのはもったいないです。

このままではいつか朽ちてなくなってしまうでしょう。

「もし、この水車を再び動かすことができたなら…」

単に素麺のルーツ、歴史あるものを守り伝えるだけでなく、

目の前で動く水車を見て、聞いて得られる何かがあるのではないか。

石臼で挽いた小麦粉でつくった素麺はどんな味がするのだろうか。

(実際に石臼挽きには、石臼ならではのメリットがあるそうです。)

 

素麺の歴史に触れたくてスタートした探索でしたが、

これで終わりにするのではなく、もっともっと深堀りしてみます。

まだ具体的な計画があるわけではないですが、

「水車のある素麺屋」もおもしろそう!

まずはそんな妄想から…

2021年4月4日 小豆島そうめんの歴史をたどる②

小豆島の手延べ素麺、その歴史の跡を探して…

今回は殿川をさらに上流に向かいました😃

 

殿川ダムから車で上へ上へと。

道路脇から見下ろすと、山の木々の隙間から川の流れが見えます。

しばらく進むと目当ての建物が!

こちらは「殿川水天宮」。

事前に調べたところによると、別名「毘盧遮那大龍神(びるしゃな)」と呼ばれるそうで、

幕末から明治にかけて、このあたり(中山地区)の製粉業者の皆さまに信仰されていた神様だそうです。

当時の製粉方法は石臼によるもので、動力として水車が用いられていました。

その水車を回すために水と川は不可欠な存在。

川の流れを龍に見立て、「水車の神」として信仰されていたのだと思います。

場所は川のかなり上流ですが、水量も豊富に見えます。

綺麗に澄んだ水で、この光景は昔と変わらないものなのでしょうか。

赤い橋を渡った先に本殿がありました。

丁寧に管理されているようで、お供え物の様子からも最近お参りされた方がいらっしゃるようです。

資料では毎年7月6日に神事が行われていたそうです。

今となっては製粉業はなくなってしまいましたが、現在も神事は行われているのでしょうか。

 

ただでさえ小豆島は水不足で悩まされていたはず。

ダムが整備されるまでは、私の子どもの頃も断水がありました。

水は製粉業者、ひいては素麺業者にとっても大切なものだったはずです。

当時は神様への祈りも生業の一部。

自分たちの命をつなぐ、大事な大事な祈りの場ということでしょうか。

 

原料の調達が便利になるにつれて、こういった慣習も薄れてきたのだと思います。

便利になり、品質も向上するのは喜ばしいことですが、

その一方で昔の人々が大切にしていたものを守り伝えることも、

小豆島そうめんの担い手として大事な役割です。

 

次回はいよいよ水車とご対面です😄

2021年3月8日 小豆島そうめんの歴史をたどる①

小豆島の伝統産業のひとつ、手延べ素麺。

農家さんの冬の収入源として、奈良県の三輪地方から技術を持ち帰り、

小豆島素麺の歴史がスタートしました。

その歴史は400年を超えて、私たち石井製麺所もその歴史の50年を担ってきました。

 

とはいえ、知識としてその歴史は知っていても、身のまわりでその歴史を感じ取ることはできません。

資料によると、昔は小麦の栽培および小麦粉の製粉も島内で行っていたそうです。

製粉には石臼と水車が活躍していましたが、その跡は見たことがなく…

今回はその昔、製粉が盛んだった中山地区、肥土山地区を歩いてきました。

こちらは殿川ダムから下流側を見た風景。

どうやら伝法川および殿川流域が製粉の中心地だったそうです。

 

なかなかその形跡を見つけることができなかったのですが、

伝法川沿いに上流に向かって歩いていると…

ありました、石臼です!

これまではまったく気づかなかったのですが、

ひとつ見つけると土手や家の軒先、駐車場の片隅にたくさん落ちている(置かれている?)のを見つけられるように…

はっきりと溝が残っており、きれいにすればまだ使えそうです😄

今の製粉技術の方が進歩していると思いますが、石臼で挽いた小麦粉はどんな感じになるのか興味が湧いてきます。

肥土山農村歌舞伎の桟敷席脇にも😲

 

いろいろな場所に、たくさんの石臼を見つけることができました。

昔の農家さんにとっては小麦だけに限らず、石臼が生活の一部として使われていたのだと思います。

 

近所では見たことがないだけに、同じ小豆島であっても、地域ごとに生活様式・文化の違いを感じます。

川沿いに立ち並ぶ民家、広がる田畑とともに、

「農閑期を支えた手延べ素麺」というルーツに触れたように思います。

 

次回は、殿川をさらに上流に向かってみます!