天日干しにこだわり、手延べにこだわり、健康食を目指した新しい素麺へ

電話:0879-82-2740

FAX:0879-82-6014

Twitter
Facebook

新着情報

商品について

2024年1月11日 『小豆島福箱』発売&新春プレゼント企画のご案内 → 当選発表

 

新春のお慶びを申し上げます。

おかげさまで石井製麺所一同、新しい年を迎えることができました。

 

年始より私たちの仕事について、あらためて考える毎日です。

小豆島のイチ製麺所として、変わらず美味しい手延べ麺をつくり続けるとともに、

私たちが思う島の魅力も、どんどん発信していきたいと思います。

 

お客様に「美味しい!」と喜んでいただけるように、毎日に磨きをかけて参ります。

本年も何卒、宜しくお願い申し上げます。

 

『小豆島福箱』のお買い求めはこちらから→【新春特別価格】小豆島福箱 | 石井製麺所 (thebase.in)

 

日頃のご愛顧に感謝をこめて、今年も2つの新春特別企画をご用意しました。

 

一、【新春特別価格】『小豆島福箱』発売

 

恒例の福袋企画、今年も『小豆島福箱』を限定20箱でご用意しました!

「もっと小豆島の美味しいものを皆さんに食べていただきたくて…」

今年は半生うどんはもちろん、小豆島の美味しいものを厳選して詰め合わせました。

 

セット内容
◯手延べ半生うどん×2袋
◯手延べきくらげ麺6束×1袋
◯小豆島のお米(2kg)×1袋
◯釜めしの素×1袋
◯新漬けオリーブ×1袋
◯干し椎茸×1袋
◯味醤油(360ml)×1本

 

小豆島のお米『安田の郷』は、数量が少なく、島外にはあまり出回っていませんが、

実は地元で美味しいと評判のお米なんです。

飲食店でも重宝されており、観光のお客様にも好評とのこと。

 

手延べ麺とお米が美味しく楽しめるお得なセットですので、

ぜひこの機会にお買い求めくださいませ。

 

 

 

二、新春プレゼントくじ(こちらは昨年ご利用いただいたお客様が対象となります。)

 

本ページにて、「新春プレゼントくじ」の当選番号を発表します。

ささやかではございますが、新年のお祝いとしてお楽しみいただけると幸いです。

お手元の「寒中お見舞いハガキ」のお年玉くじ番号の「下4桁」の番号を使用します。

石井製麺所の独自抽選で当選番号を決定するプレゼント企画です。

 

令和6年1月17日(水) 更新

大変お待たせをいたしました。

本日抽選を行いまして、下記の通り当選番号が決定いたしました。

 

当選番号

3225(3名)

4565(3名)

6244(4名)

 

ご当選された皆様、おめでとうございます!

プレゼントは順次お届けいたしますので、今しばらくお待ちくださいませ。

惜しくも抽選に漏れたお客様も、300円の割引券がございますので、ぜひご利用くださいませ。(下記に詳細がございます。)

 

抽選発表日:令和6年1月17日(水)

有効期限:令和6年 3月  末日

 

プレゼントの詳細は下記の通りです。【条件】をご確認くださいませ。

※プレゼントは自動適用いたします。

 

☆特等(大当たり) 『小豆島福箱』1箱(10名様)

【内容】:手延べ半生うどん×2袋、手延べきくらげ麺6束×1袋、小豆島のお米(2kg)×1袋、釜めしの素×1袋、新漬けオリーブ×1袋、干し椎茸×1袋、味醤油(360ml)×1本

【条件】:下4桁が一致

当選者の発表は、プレゼントの発送をもってかえさせていただきます。

 

☆特別賞(おしくも特等が当選しなかった方)『300円の割引券(1回限り)』

次回ご購入時(お電話、ご注文書、FAXでご注文の場合)に300円の割引をいたします。

 

◎ネットショップをご利用のお客様へ

誠に申し訳ございませんが、次回ご購入時の割引適用ができません。

次回ご購入時に、その次のご注文でご利用いただける割引クーポンをお知らせいたしますので、ぜひご利用くださいませ。

 

ご不明な点がございましたら、いつでも石井製麺所までご連絡ください。

【特別賞】の適用は、3月末日までのご注文に限らせていただきます。

予めご了承くださいませ。

 

TEL:0120-274-039

FAX:0879-82-6014

MAIL:141seimen@gmail.com

 

2023年8月15日 【Vol.19】メンコレ②/魚介を練り込んだ素麺の旨さの魅力

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.19

メンコレ②/魚介を練り込んだ素麺の旨さの魅力

 

 

 

 

8月2日〜4日に東京国際展示場で開催された「和麺産業展」に行ってまいりました。

既存の麺の進化形はもちろん、弊社も参考になるようなさまざまな食材を練り込んだ麺などを拝見しお話を伺いました。

驚いたのは、製麺所・製麺会社が新麺を開発しているだけでなく、異業種からの参入が多いことでした。

原料の輸入会社さんが乾麺をつくられたり、医療器販売会社さんが地域の健康に繋がる製品を開発したいと米粉麺をつくられたりと、そのチャレンジ精神はとても勉強になりました。

中でも、原料メーカーさんでは、その原料を活かせる場として乾麺をつくられている(製造委託)ということで話が弾み、弊社にも依頼があるなど思ってもみない収穫もありました。

食材を練り込んだ麺は、手延べ製法でも色々あると思いますが弊社でも独自の製法を開発しています。

新しい麺開発に色々な方々と取り組んで新しい方向性に繋がれば嬉しく思います。

 

さて今回のブログでは、「Vol.17 メンコレ①/海藻を練り込んだ素麺の新しい価値」に引き続き、生地に食材を練り込んだ素麺について調べてみました。

テーマは、「魚介を練り込んだ素麺」です。

魚介そのものは素麺に合わせる具材として相性が良く、「鯛そうめん」や「サバそうめん」など、各地の郷土料理にもなっていますね。

つゆやだしの原料にも使われることから素麵との関連性は深いものがあります。

また、素麵自体はシンプルな味わいで、つゆやだしの美味しさに大きく左右されますから切っても切れない関係ですね。

 

今回は、素麺自体に魚介を練り込むという、ちょっと珍しい麺について深掘りしてみました。

素麺自体に魚介を練り込むことで麺自体からだしが出るので、より旨みが増すようですし、小麦粉や胡麻油の芳ばしさの風味だけでなく、魚介と合わせた旨い麺づくりに繋がれば。

小豆島も海に囲まれ海産物の活用は比較的取り入れやすいと思うので、素麵として新しい方向性のひとつかなと注目しております。

 

ブログを進めるにあたって色々調べてみたのですが、5種類の素麺が特徴的かなと思ったのでブログでご紹介させていただきます。

もちろん他にもあるかもしれませんが、今回はこれらの素麺について、開発の経緯や製法など分かる限りでまとめてみました。

またお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

 

※以下にご紹介する素麺は、2023年8月15日現在の当社調べになります。

ご紹介した地域以外でも同様の商品を扱っておられるかもしれませんのでご了承ください。

また、これ以外にもこんな食材を練り込んだ素麺がある、という情報をお持ちの方は、ぜひお知らせください。

 

 

 

【目次】

① イカスミを練り込んだ「漆黒の素麺」

② 岩手に春を告げるイサダを練り込んだ「ピンク色の素麵」

③ ウニの風味と旨みが味わえる「黄色の素麺」

④ ウナギの白焼きを練り込んだ「滋味深い素麺」

⑤ おめでたい贈答品にピッタリの鯛を練り込んだ「めでタイ素麵」

⑥ 《美味しい素麺》新しい麺へのチャレンジ(試作) 編

 

 


 

 

① イカスミを練り込んだ「漆黒の素麺」

 

長崎県島原の手延べ素麺に、特殊製法でイカスミを練り込んだ麺があります。

手延べならではのコシの強さと、なめらかな口当たりが特徴。

口の周りや歯が黒くなってしまうことなく、イカスミの風味を満喫できます。

和風だけでなく中華風や洋風にアレンジするなど、パスタ感覚で楽しめるそうです。

実際に南島原で食べてみましたが、手延べ独特のツルツルッとした食感はそのままに、旨みを感じた記憶があります。

ただ、真っ黒な麺が出てきたときは衝撃を受けましたが…。

 

こちらの商品開発のきっかけは、高知県産の魚介類を一次加工し販売している企業に、長崎県の製麺工場から電話がかかってきたことだそうです。

長崎の素麺と高知のイカスミのコラボ商品といったところでしょうか。

 

イカスミはパスタやパエリヤなどでも活用され美味しさは証明されていますよね。

イカスミはイカが敵から逃げる時に吐き出す墨で、タウリンという旨味成分が豊富に含まれており、まろやかなコクと甘みがあります

ペプチドグリカンという成分に、免疫力を高めてくれる働きがあると期待されています。

また色素成分のメラニンには、花粉症や食物アレルギーを引き起こす細胞の活性化を抑える作用があるという研究結果も。

そのほか、細菌の増殖を抑える肌の水分量や弾力を維持する、などの働きも注目されるそうですよ。

 

また、沖縄には、沖縄県産モズクとイカスミを練り込んだ素麺があり、モズクの加工・販売を手掛ける企業が販売されています。

 

 

<参考サイト>

・濃厚な「イカスミ」にはどんな栄養がある?効果効能やおすすめレシピを紹介【管理栄養士解説】

https://macaro-ni.jp/111284

・島原そうめん イカスミ 練り込み

https://item.rakuten.co.jp/ko-yo-/1602834/

・興洋フリーズ株式会社

https://www.ko-yo-freeze.co.jp/

・モズク入りイカスミそうめん

http://www.mo19.com/shopping/2009/04/post_15.html

 

 


 

 

② 岩手に春を告げるイサダを練り込んだ「ピンク色の素麵」

 

イサダ漁の解禁は、三陸に春の訪れを告げる風物詩。

イサダは、岩手県が水揚げ量日本一を誇るオキアミの一種で、ピンク色の小さなエビのような形をしています。

その乾燥粉末を生地に練り込んだのが、「古館製麺」さんの「三陸イサダそうめん」。

「平成30年度岩手県水産加工品コンクール」において最高賞である「農林水産大臣賞」を受賞されています。

 

原材料には、有機JAS認定岩手県産ナンブコムギの小麦粉を100%使用。

食塩は震災の津波で一度は生産が途絶えましたが新たに「薪釜直煮製法」として復活を遂げた岩手県野田村の「のだ塩」だけを使用されているとのこと。

エビのような風味の、桜色の素麺で、冷やしても温めてもおいしいと評判です。

 

イサダは主に、釣りの巻き餌や養殖魚の餌として使われてきましたが、傷みやすいので食用としての有効利用が進んでいなかったそうです。

しかしながら近年は、EPAやDHA、アスタキサンチンなどの栄養を豊富に含み中性脂肪の蓄積を予防するとして注目されています

イサダを使いやすい乾燥粉末にすることで、酸化が抑えられ冷蔵保存することが可能になったそうです。

 

※写真はイメージです。写真はPhoto AC「オキアミ」より

<参考サイト>

・e地産地消 イサダ

https://www.ehealthyrecipe.com/meal/chisan_chisho/detail.php?szid=2104

・イサダ(ツノナシオキアミ)いわて食財図鑑

https://www.iwate-syokuzaiclub.com/shokuzai/data.php?n=217

・《こぼれ話23》イサダから健康によいパウダー

https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/138907.html

・平成30年度復興シーフードショーIWATEを開催しました!(県水産加工品コンクール結果発表)

https://www.pref.iwate.jp/sangyoukoyou/suisan/suisanbutsu/suisan/1017987.html

・古舘製麺所「三陸イサダそうめん」が「農林水産大臣賞」を受賞しました

http://hattouya.com/2019/02/02/525/

・古舘製麺所 三陸イサダそうめん

https://hattouya.shop-pro.jp/?pid=113515928

 

 


 

 

③ ウニの風味と旨みが味わえる「黄色の素麺」

 

長崎県島原の「野内製麺」さんがつくっておられるのが、壱岐市から取り寄せたバフンウニを何度もこしながら生地に練り込んだ素麺。

黄色がかった美しい色の、ウニ特有の豊かな風味と旨みが味わえる手延べ麺だそうです。

 

驚いたのは「麺の中に練りウニを練り込むことで豊かな風味と旨みが味わえます。」ということで、粉末化などせず練りウニを練り込んでいるとのことですからちょっと想像がつきません。

乾麺にするから乾燥するからといっても常温以下の乾燥温度ですから、このお素麺はとても興味深いです。

乾燥粉末にせず練り込むことができるなら、食材の旨味や栄養価をそのまま取り入れることができると思うので、健康麺を考える石井製麺所ではとても参考にしたい素麵です。

 

ウニに含まれる栄養価には、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれており、生活習慣病の予防や、血行を良くするなどの働きがあると言われます。

またカロテンやビタミンB群アミノ酸なども豊富に含まれています。

 

※写真はイメージです。写真はPhoto AC「バフンウニ」より

<参考サイト>

・野内製麺 手延べ ウニそうめん

https://nouchi-seimen.ocnk.net/product/15

・ふるさとチョイス 手延べウニそうめん

https://www.furusato-tax.jp/product/detail/42214/5534373

・ウニ/海胆/海栗/雲丹/うにの栄養価と効用

https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/uni3.htm#google_vignette

 

 


 

 

④ ウナギの白焼きを練り込んだ「滋味深い素麺」

 

熊本市の南東に位置する甲佐町の、白旗町のふもとにある養殖場で育てたウナギを練り込んだ素麺があります。

きれいな水と豊かな自然環境の中、循環式水質浄化システムを採用した完全屋内型施設で丁寧に育てられたウナギは、肉厚で脂がほどよくのり、繊細でやわらかく弾力のある肉質が特徴とのこと。

養鰻場を営む企業が地元の製麺会社である「肥後そう川」さんとコラボし、熊本県産の小麦粉を使った生地にウナギの白焼きを練り込んだ素麺が生まれました。

モチモチとした食感でのど越しがよいそうです。

 

ウナギといえば滋養強壮に良い食べ物というイメージがあり、その栄養価の高さは有名ですよね。

不飽和脂肪酸のDHAやEPAカルシウムビタミンAB1DEタンパク質コラーゲンなどが豊富に含まれており、動脈硬化や高血圧の予防、目の健康維持、疲労回復などの働きが期待できます。

 

この素麵の他にも「肥後そう川」さんは、特産品を活かしたオリジナルの手延べ麺の開発などを数多く手がけておられるようです。

企業姿勢としてとても勉強になりました。

 

※写真はイメージです。写真はPhoto AC「生鰻」より

<参考サイト>

・鰻の白焼きを練り込んだ うなぎ 手延べ麺

https://item.rakuten.co.jp/aomikan/10000969/

・うなぎ 手延べ麺 熊本産うなぎを練りこみました

https://gurusuguri.com/shop/z591800/gurusuguri_06/

・鰻屋 源八郎

https://gurusuguri.com/shop/z591800/

・商品開発 肥後そう川

https://www.sougawa.com/private-brand/

・うなぎに含まれる栄養と効果・効能|うなぎを使ったレシピを紹介

https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/30617

 

 


 

 

⑤ おめでたい贈答品にピッタリの鯛を練り込んだ「めでタイ素麵」

 

縁起物の代表格であるタイを練り込んだおめでたい素麺が、ざっと調べただけでも3つの地域でつくられています。

面白いのは、練り込むタイの状態が三者三様なことです。

 

宮崎県宮崎市の「清家商会」さんがつくっておられる「たいめん」は、九州産小麦を100%使用した生地に、タイのエキスと満潮の塩を練り込んだ素麺。

煮込むと、タイの旨みと塩の甘みが上質のだしとして溶け出すそうです。

 

福岡県福津市の地域商社である「福津いいざい」さんの素麺は「めんたい」。

玄界灘産の天然鯛の骨と皮をじっくり乾燥させて粉末にし、練り込んだ素麺です。

贅沢なのど越しとタイの濃厚な旨みが凝縮されているとのこと。

骨と皮を使うことでフードロス削減にも取り組み、環境にやさしい商品づくりをされています。

 

小豆島の「岡上食品」さんでは、生地を練る際にタイのだしを合わせ、コシと風味を活かした素麺に仕上げておられます。

小豆島に居ながら存じ上げませんでした。

ぜひ一度、タイを使った素麵の開発含め、素麺づくりについてお話を伺ってみたいと思います。

 

※写真はイメージです。写真はPhoto AC「新鮮な鯛の氷漬け」より

<参考サイト>

・たいめん

http://seikeshokai.kokage.cc/web-content/taihot.html

・ふるさとチョイス 福津発祥そうめん『めんたい』

https://www.furusato-tax.jp/product/detail/40224/5807301?query_id

・瀬戸内 鯛そうめん 2個セット

https://www.furusato-tax.jp/product/detail/37322/5379828

 

 

 


 

 

⑥ 《美味しい素麺》新しい麺へのチャレンジ(試作) 編

 

実は、何度か小豆島産や他の地域も含めて海産物を利用した新麺開発にチャレンジしたことがあります。

正直…。

とっても美味しくできました!

しかしながら、原料の安定供給が難しいものや原価の高いものがあり、現段階ではペンディング中のものもありますが、試作は済んでいるので上手くいけばぜひ販売をしていきたいと考えています。

熊本の「肥後そう川」さんのように、地域に役立つ商品開発や、素晴らしい食材をお持ちの方々とコラボ商品などどんどん進めて行きたいと思います。

 

ぜひ今後も石井製麺所の手延べ麺にご期待ください。

 

※写真は(有)石井製麺所「X」の投稿より

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年7月5日 【Vol.17】メンコレ①/海藻を練り込んだ素麺の新しい価値

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.17

メンコレ①/海藻を練り込んだ素麺の新しい価値

 

 

 

 

生地に食材を練り込んだ白色以外の素麺の魅力について、「【お!いしい けんぶんろく】 Vol.11各地の特産品や健康への想いを練り込んだ素麺について」を書いたときに色々深く考えさせられました。

全国各地の生産者さんがそれぞれに試行錯誤を重ね、特産品や健康に良い食材などを使って、新しい付加価値を生み出しておられるのを垣間見たりすると私自身もウズウズしてきます。

ちょっとは素麺職人の面構えに(好奇心旺盛なだけですが)なってきたでしょうか。

また、最近は飲食店様や企業様から新しい素麺の開発のご相談などもいただけるようになりました。

素麺屋としては、「夏に美味しい素麺!」のご提供はもちろんですが、素麺会社として一年を通じて皆さまに選ばれる製品の開発がないと、小さな産地ではこれからの時代、より厳しくなっていくと考えています。

素麺屋として、職人として、三代目として日本三大素麺のひとつ「小豆島手延素麺」の根幹は大切にしつつ、その技術や経験を活かした新しい素麺開発をおこなっていきたいと思います。

そのための研究として様々な麺類・麺料理を研究し、今回のように素麺の新しい可能性を感じる素材のコラボ麺をつくっていきたいと考えます。

 

単純に小麦粉に素材の粉を混ぜるのでなく、食材の特性により、機能性が増したり、味わいがより深まることを期待しています。

なかでも海藻は、粉末にして練り込むことで、磯の風味が加わったり、独特の粘りが弾力を生んでのど越しが良くなったりといった相乗効果が得られます。

まずは今回、海藻の栄養価や歴史、海藻を練り込んだ素麺にはどんなものがあるか、などについて調べてみたいと思います。

 

月の後半のブログでは「麺究者の道」として様々な麺類・麺料理の研究を、月の前半は「メンコレ(麺コレクション)」として色々素麺にスポットを当ててみたいなと思っていますので、こちらもどうぞお付き合いの程よろしくお願いいたします。

 

 

干潮時に海の中に道が現れることで有名な小豆島のエンジェルロード。

ここは土庄町という、小豆島のもうひとつの町にあるのですが、この周りにもたくさんの海藻があるそうですよ。

小豆島も海苔の養殖が有名で、石井製麺所でも使用するひじきも収穫できます。

 

 

【目次】

① 海藻は大きく3つに分けられる

② 海藻にはさまざまな栄養成分が豊富に含まれる

③ 縄文人も食べていた?海藻の歴史

④ 各地でつくられている海藻練り込み素麺

⑤ 《美味しい素麺》小豆島手延べひじき麺 編

 

 


 

 

① 海藻は大きく3つに分けられる

 

海藻は、海の中に生える藻類です。茎・葉・根に分かれておらず、胞子によって繁殖することが特徴。

日本近海には1,500種以上の海藻が自生していると言われ、約50種類が食用とされているそうです。

海藻は大きく3種類に分類することができます。

 

【緑藻類】

アオサ、青のり、海ブドウなど。

陸上の植物と同じクロロフィルaという色素を持っています。

この色素は赤系と青系の光を吸収して光合成します。

残った緑色の光が吸収されず反射するため、緑色に見えるそうです。

緑藻の仲間が進化して陸上に進出したのが陸の植物だと考えられています。

 

【褐藻類】

ワカメ、昆布、メカブ、アカモク、ひじき、モズクなど。

クロロフィルa以外に、青緑色を吸収するフコキサンチンという色素を持っています。

緑色・橙色・黄色・赤色の光を吸収しないため、それらの色素が混ざり合って褐色に見えるそうです。

 

【紅藻類】

海苔、テングサ、フノリなど。

クロロフィルa以外に、緑色を吸収するフィコエリスリンという色素を持っています。

赤色の光を吸収できないため、赤色に見えるそうです。

海苔の仲間は、フィコシアニンという赤を吸収する色素も持っているため、黒っぽい色をしているそうです。

 

 

<参考サイト>

・同じ海藻でも色が違うのは、なぜなの?

https://www.kaneryo.co.jp/media/seaweed/928/

・ワカメ、昆布、メカブ、ヒジキの他に、食用の海藻はどんなものがありますか?

https://www.kaneryo.co.jp/media/seaweed/2171/

・海藻のはなし

http://kaisou.churashima.okinawa/distribute/index.html

 

 


 

 

② 海藻にはさまざまな栄養成分が豊富に含まれる

 

海藻には、鉄分やカルシウムなどのミネラルや、食物繊維などの栄養分が豊富に含まれており、生活習慣病の予防や、美容、ダイエットへの効果が期待されています。

主な栄養成分についてご紹介します。

 

【鉄分】

ひじき、海苔、昆布、ワカメなどに多く含まれます。

鉄は血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、体じゅうに酸素を届ける役割をしています。

不足すると貧血などにより、めまいや立ちくらみ、息切れなどの症状を引き起こす可能性があるそうです。

 

【マグネシウム】

ひじき、メカブ、モズクなどに多く含まれます。

骨や歯の成長を促進したり、強く保ったりする働きがあります。

神経情報の伝達や、血管の柔軟性を保つ役割もあるとのこと。

 

【カルシウム】

ひじき、海苔、昆布、ワカメ、アオサなどに多く含まれます。

牛乳よりも多くカルシウムを含む海藻もたくさんあります。

骨や歯を丈夫に保つほか、血液を固める、筋肉の収縮をスムーズにするなどの働きもあるとされています。

 

【ヨウ素】

昆布、ワカメ、海苔などに多く含まれます。

新陳代謝を促したり、成長ホルモンを活性化させたりする役割を担う甲状腺ホルモンを生成する働きがあります。

ただし過剰摂取すると甲状腺の機能を低下させてしまう可能性があるとされています。

 

【食物繊維】

ワカメ、ひじき、海苔、昆布などに多く含まれます。

水に溶けやすい水溶性食物繊維を多く含み、時間をかけて栄養素を吸収するため、血糖値の上昇を緩やかにします。

また、腸内環境を整えて大腸がんの発生を抑制する効果も期待されています。

 

【フコキサンチン】

美肌成分とも呼ばれるコラーゲンの分解を予防し、生成を助けます。

また、メラニンを生成するチロシナーゼの働きを阻害することで、日焼けを防ぐ作用があると考えられています。

さらに、脂肪の分解促進や蓄積抑制、DHAの生成促進など、さまざまな働きが注目されています。

 

【フコイダン】

メカブや昆布、モズクなどのネバネバ成分に多く含まれます。

免疫力を高める働きがあると言われ、風邪や花粉症の予防などに役立つと考えられています。

抗酸化作用も期待できます。

 

【アルギン酸】

肌を保湿する働きがあるとされています。

 

【セルロース】

便秘の改善や、老廃物の排出を促す働きがあるとされています。

 

 

<参考サイト>

・海藻は健康に良い?!海藻に含まれる成分と健康増進への効果

https://www.kaisou-tuhan.com/?mode=f13

・海藻に含まれる栄養にはメリットがたくさん!海藻に含まれる栄養素と働きを解説

https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/29527

 

 


 

 

③ 縄文人も食べていた?海藻の歴史

 

日本人は、古くから魚や貝類を採取して食用してきました。

先史時代の貝塚からは、腐りやすいためか海藻は出土していませんが、貝類のエサとなる海藻も食用されてきたと考えられます。

島根県の猪目(いのめ)洞窟からは、縄文時代や弥生時代などの遺物が出土しており、貝殻や魚の骨に混じってアラメやホンダワラ類とみられる海藻類が検出されたとのことです。

高知県の竜河洞遺跡では、多数の貝殻に混じり、ひじきとみられる海藻が付着した土器片が見つかっています。

青森県の泥炭遺跡では、縄文式土器の中からワカメのような海藻が束になった状態で見つかったとのことです。

 

海藻は、大和朝廷時代には神事の供物として用いられたそうです。

701年の「大宝律令」では租税の対象となっていました。

797年の「続日本紀」によると、昆布が朝廷に献上品として納められており、僧侶の供養料にも用いられていたとのこと。

中世以降には、ワカメが職人の給料として支払われていたそうです。

 

江戸時代になると、交通網が発達したことにより、コンブ、海苔、ワカメ、テングサ、ひじき、フノリなどが全国に流通するようになってきました。

乾燥すると軽くなるので、より普及しやすかったようです。

 

現代において、海藻は光合成することにより炭素を吸収することから、CO2吸収源対策の新たな選択肢として注目されているそうです。

環境にやさしい食材とされる海藻をさまざまな製品に利用しようと、開発が進められているそうですよ。

 

 

<参考サイト>

・縄文時代から海藻好きな日本人

https://www.rakuten.ne.jp/gold/kaisotonya/unchiku/jomon.html

・泥炭・貝塚遺跡

https://www.rakuten.ne.jp/gold/kaisotonya/unchiku/kaizuka.html

・海藻製品 にっぽん伝統食図鑑 農林水産省

https://traditional-foods.maff.go.jp/bunrui/kaisouseihin

 

 


 

 

④ 各地でつくられている海藻練り込み素麺

 

海藻が採取される地域で、海藻を練り込んだ素麺が多く開発されているようです。

開発の経緯などが分かる事例を中心に、いくつか調べてみました。

 

【海苔】

兵庫県明石市の海苔業者と、素麺職人が共同で研究開発。

素麺1束に寿司海苔1枚分が含まれています。

造りたては鮮やかな緑色ですが、徐々に紫色に変色してしまうため、当初は直売所での対面販売だけだったそうです。

今はネットでも購入できるようですが、期間限定生産で、色が変わらない方法を研究し続けておられるとのことです。

名産地である佐賀県有明産の海苔をブレンドした素麺もあります。

こちらは2人前(160g)に3枚(全形)分練り込まれているそうです。

 

【昆布】

昆布の養殖が盛んな岩手県普代でつくられています。

昆布をロープに植えつけ、黒崎沖の荒波で育てると、半年で5メートルほどの長さに成長するそうです。

刈り取った昆布をボイルして細く切り、シート状にして乾燥させた「すき昆布」に加工される工程で、余った昆布を粉末にして素麺に練り込んでいるとのこと。

つるつるした食感で、磯の風味と香りが感じられるそうです。

 

【ワカメ・メカブ】

兵庫県淡路島では、鳴門海峡産ワカメを練り込んだ手延べ素麺があります。

ワカメを乾燥、粉末加工して練り込み、磯の香りとしっかりしたコシ、なめらかな舌触りを味わえる緑色の麺に仕上げています。

同じく鳴門海峡産のワカメの、根っこの部分であるメカブを練り込んだ素麺もつくられています。

鮮やかな翡翠色で、香りとモチモチ、シコシコした食感が楽しめる、食物繊維などの栄養分も豊富に含んだヘルシーな素麺です。

メカブを入れすぎると生地がのびずちぎれてしまうため、試作を繰り返してギリギリの量を練り込んでいるそうです。

 

岩手県では三陸産のワカメとメカブを練り込んだ素麺もつくられています。

 

【アカモク・ナガモ】

宮城県白石市の特産品である「温麺(うーめん)」に、フコイダンを多く含む健康食材として注目されるアカモクの粉末を練り込んだ素麺がつくられています。

ゆでると特有のぬめりが出て、つるりとした食感が生まれるそうです。

 

徳島県でも、伊島産のアカモクを練り込んだ素麺がつくられています。

 

アカモクは新潟県佐渡では「ナガモ」と呼ばれており、これを練り込んだナガモ素麺もつくられています。

 

【フノリ】

新潟県魚沼の有名なグルメである「へぎそば」には、つなぎにフノリという海藻が使われています。

このフノリをつなぎに使った、油を使わない素麺が開発されています。

元々はへぎそばのお店のまかないとして作られたとのこと。

従業員に好評だったことから、本格的な生産に取り組んだそうです。

強いコシとつるつるした食感の、薄い緑色の素麺です。

 

【アオサ】

長崎県島原や愛媛県松山、福島県相馬などでつくられています。

磯の香りとのど越しの良いつるっとした食感が味わえます。

 

【モズク】

沖縄では、モズクを使ったなめらかでコシの強い素麺がつくられています。

 

【ひじき】

長崎県大村では、漁獲高全国1位を誇る長崎県産のひじきを使った素麺があります。

遠赤外線の装置を利用してつくられており、つるっとした喉ごしとモチモチした歯ごたえが特徴とのこと。

第1回大村ふるさと産品新作展 最優秀グランプリ」や「第30回長崎県特産品新作展 奨励賞」など、受賞歴多数。

 

同じく長崎県の島原でもひじき入り素麺がつくられています。

 

岡山県鴨方では、瀬戸内牛窓産の風味豊かなひじきを使い、食感のアクセントになるよう少し粗めの粒で生地に練り込んでいます。

 

写真は、石井製麺所で販売しております「小豆島手延べひじき麺」です。

健康を気づかう方に美味しく召し上がっていただければと、「薬膳」を勉強してたどり着いた素麺です。

きっかけは小豆島の漁協さんからのご相談でした。

ほんのりと磯の香りがする素麺で、冷やし素麺はもちろんですが、温かいつゆやスープとも相性の良い素麺です。

 

<参考サイト>

・兵庫県東播手延素麺協同組合 変わりダネ

http://bansyuuji.com/kawaridane.html

・海苔そうめん よかもんさがし

https://yokamonsagashi.jp/products/2169/

・昆布麺3兄弟+新商品「ふだい昆布そうめん」、郷土食「昆布はっと」

https://www.vill.fudai.iwate.jp/kanko/goods/konbumen.html

・淡路島手延べわかめそうめん

https://hyogomania.jp/SHOP/awhsm–s000063.html

・芽かぶそうめん 平野製麺所

https://mekabumen.net/mekabusoumen/

・小山製麺 めかぶそうめん

https://gotokumaru.jp/?pid=114880794

・【宮城 はたけなか製麺】クセになる食感 あかもくうーめん 温麺

https://item.rakuten.co.jp/syokoku-umaimonomeguri/h-a20/

・伊島 あかもくそうめん

https://fukura-tenobe-seimenjyo.jp/?pid=158392400

・佐渡のなが藻そうめん

https://shop.odakesyokuhin.co.jp/products/nagamosomen

・海藻ふのり仕立て 魚沼そうめん

https://shop.ng-life.jp/kojimaya/0038-003/

・あおさそうめん開発

https://nagasakinsfund.com/wakamedaiana/

・島原手延べあおさそうめん

https://wakameya.theshop.jp/items/59526993

・あおさそうめん

https://www.maruyama-foods1.com/p/%E3%81%82%E3%81%8A%E3%81%95%E3%81%9D%E3%81%86%E3%82%81%E3%82%93/

・もずく素麺

https://arakaki-tsusho.co.jp/?p=561

・長崎県大村発 磯仕立てひじき麺【合資会社荒木商会】

http://www.infomart.co.jp/foods/specialty/20121204_f.asp

・めんの山一 手延べひじき麺 5束袋入

https://www.yamaichi-shop.jp/SHOP/MHB-05.html

・宮田製麺株式会社 ひじき麺

http://oisiisoumen.com/shopdetail/009000000001/008/Y/page1/price/

 

 

 


 

 

⑤ 《美味しい素麺》小豆島手延べひじき麺 編

 

「黒」の食材にこだわった健康麺 〈楽々膳・黒〉

小豆島の海の香りがひろがる手延べ麺。
食物繊維、鉄分、ミネラル、ビタミンなど栄養素を多く含む小豆島産ひじきの粉末を練り込んでいます。
小豆島の池田漁協と協同で開発した手延べ麺で、海に囲まれた小豆島らしさを大切にした石井製麺所のこだわり麺です。

温かいお出汁にもよくあう太麺仕上げです。

開発秘話については、こちらもぜひご覧ください。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《小豆島手延べひじき麺》 https://141seimen.thebase.in/items/69194828

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年6月18日 【Vol.15】(番外編)『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』レポート 2日目

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.15(番外編)

『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』レポート

 

 

 

 

6月3日と4日の2日間、『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』が開催されました。

台風の接近で、サミットまで気が気でない1週間でしたが、本番は素晴らしいお天気、そうめんに相応しい晴れ空となりました。

 

今回はそうめんサミットの2日目レポートをお届けしたいと思います。

 

 

【2日目】

 

この日は、そうめんをテーマにしたエンターテインメントな1日。

 

2日目は「そうめんと遊ぶ日」となっており、前日の「そうめんを学ぶ日」とは打って変わり、“そうめんをテーマにしたエンターテインメント”な1日になっています。

「流しそうめん」、『そうめん落語』、大道芸、キッチンカーやイベントブースの出店などとても賑やかな一日でした。

1日目は鑑評会や公開討論会など緊張感のあった内容でしたが、この日も天気良く屋外でのイベントも多かったので、多くの人に小豆島ならではの楽しい一日をお過ごしいただけたのではないでしょうか。

 

 

 

オリーブ公園のイベント広場(屋外ステージ)で、流しそうめんが行われました!

小豆島では夏になると、時々、所々で流しそうめんを見ることはありましたが、本当に久しぶりに流しそうめんを見たように思います。

オリーブ公園から望む内海湾は、私も大好きな小豆島の景色のひとつです。

流しそうめんにピッタリなロケーションではないでしょうか。

 

今回は紙製のトングを用いるといった対策がされていました。

たしかに、この方法であればリスクを軽減することができます。

午前と午後、2回行われた流しそうめんですが、すごい行列であっという間に完食となりました!

来場者が目を丸くするほどの盛況ぶりで、流しそうめんの人を惹きつける力に驚かされます。

 

もしかすると、流しそうめんはもっと早く、たとえば4月~5月くらいに行うのがいいかもしれません。

「そうめんの季節がやってきた」ことを伝えるのに最適なイベントだと思います。

弊社の工場には、そうめんを天日干しするスペースがあるのですが、ここで毎年、流しそうめんイベントをするのもおもしろそうです。

 

 

次に足を運んだのは、『そうめん落語』。

香川県ご出身、FM香川「WEEKEND SHUTTLE」でメインパーソナリティとしても活躍されている落語家、桂こけ枝さんの落語です。

披露されたのはもちろん、そうめんにちなんだ落語。

開演には間に合わず、途中からの観覧でしたが、ホールは立ち見が出るほどの満員御礼でした。

『そば清(そばせい)』の蕎麦をそうめんに置き換えて、そうめんならではのアレンジがされた、おそらくこの日のための特別な演目だと思われます。

 

食べ比べでお金をせしめる主人公。

何杯でも箸が進み、思った以上に食べてしまえる、そんな“そうめんらしさ”満載の落語でした!

そうめんの大食い勝負なら、私もそれなりに勝負できるかもしれません。

 

 

広場にもどると、大道芸が行われていました。

私は存じ上げていなかったのですが、「吉田さんちの大道芸」はテレビにも出演され、SNSの総再生回数が1億回を超える、親子で活動されている大道芸人さんなのだそうです。

 

大道芸はこれまでも、ときどき目にすることはありましたが…感動して涙が出た大道芸は初めてでした。

お父さんと3人姉妹による、息の合った芸の数々に拍手が起こります。

高校卒業で引退(?)となる長女さんの、幼い頃から磨かれたであろう芸がすごかった!

おそらく、親子でひとつの舞台を作り上げる様に、私は尚更、感動したのだと思います。

 

この年齢になって、跡継ぎとなって、両親と日々仕事をしていますが、親子ならではの良さと難しさがあることを知っていますので…勝手な想像で、申し訳ないですが…

 

この日のために、三重の鈴鹿市からお越しいただいたとのことです。

ありがとうございました!

ブログを拝見したところ、三女さんは初フェリーだったようで、とても喜んでいらっしゃったとのこと。

小豆島での公演が、いい思い出になっていると嬉しいですね。

 

 

「OH!HAPPY MORNING」の公開録音。

私は残念ながら観覧できませんでしたが、やはりすごい人気でした。

終演後に写真撮影会があったようで長い行列ができていました。

翌日の6月5日と6日の放送を聴きまして、全国からリスナーの方がいらっしゃっていたことを知りました。

300人以上が集まったそうです!

 

 

 

キッチンカーや、地元の企業の皆様が出店。

出店されていたブースももちろん拝見してきました。

イベントを中心に見て回ったので、いろいろと食べて回る時間はなかったのですが、こちらもにぎわっておりました。

 

どうやら、そうめんを使った特別メニューも出ていたそうで、後で知ってもったいないなと思った次第です。

魚のスープで味わう、そうめんのジェノベーゼ風アレンジだったとか…そうなんです。

そうめんはスープにして食べるとすごく美味しいんです!

たとえば朝食に「スープそうめん」は、もっと試してくれる人が増えるといいなと思っています。

 

 


 

そうめんの可能性と美味しさを満喫できた2日間でした!

 

ということで、そうめんサミットのレポートは以上となります。

ひとりでは回り切れなかったイベントもありましたが、ひとりの“そうめん好き”として、そうめん尽くしの2日間を満喫できました。

 

会場の雰囲気を少しでも共有できましたら…

 

もし心残りをあげるとするならば…

島外の生産者、全国のそうめん製造者の方々と、あまり交流できなかったことでしょうか。

特に、若い世代の生産者と話をしてみたいと考えていたのですが、そもそも会場を見回したときに、私と同世代と思われる方を見つけることができませんでした。

冷静に考えれば、そうめんシーズン真っ只中のこの時期に、小豆島まで足を運べる生産者さんは少ないと思います。

 

その中にあって、淡路島の手延べそうめん生産者の方と、わずかな時間ではありましたが交流できたのは貴重な時間でした。

同じ瀬戸内海に浮かぶ、隣同士の二つの島。

しかし、私の知る限り、交流があるという話は聞いたことがありませんでした。

帰ってから調べてみると、淡路島も天日干しのそうめんがつくられていて、小豆島そうめんと共通した製造風景が見られるようです。

一方で、初めて見る製造機械があったり、家族の連携の仕方、役割分担が違っていたり、勉強になります。

特産品のわかめや玉ねぎを練り込んだそうめんもあるので、「製造方法など情報交換がしたい」といった話にもなりました。

 

「協同」という話は、原料メーカーや機械メーカーといった、いわゆるステークホルダー的な関係だけでなく、同業他社という関係においても大事になるのでは?と考えています。

 

 

後継者問題について考えた時…

作業の負担軽減、製法の改善も重要ですが、実はそれよりも先に、「仲間づくり」が大事なのでは?と…

遠く離れていても、がんばっている同世代の生産者がいることは、勇気づけられるように思うのです。

そうめんそのものが進化していくためにも、皆で意見を出し合い、助け合うネットワークがあってもいいのではないでしょうか。

 

 

このサミットをきっかけとして…

ますますそうめん業界のためにがんばっていきたいと気持ちを新たにしました。

そうめん業界の道筋を示し、そうめんサミットを成功に導いた、小豆島手延素麺協同組合の皆様をはじめとする実行委員会の皆様、業界関係者の皆様、当日イベントを盛り上げていただいた皆様に感謝を申し上げます。

当日ご来場いただきました皆様、そうめんファンの皆様にも御礼を申し上げます。

 

これからツイッターでつながった各地の生産者の方々を訪ねてみたいと思っています。

いつか、全国の生産者の方々が集まるサミットが開催できるとおもしろそうです。

若手のコミュニティもつくっていきたいですね。

 

小豆島そうめんの、そして日本のそうめんのこれからに、ご期待をいただけると幸いです。

 

 


 

場外サミットも開催!

 

前回のブログでも書きましたが、そうめんサミットをきっかけに、すごく嬉しい出会いもありました。

手延べそうめんが大好きな小学6年生のSHUNくんが、サミット前日に工場見学にお越しくださいました!

 

台風の接近が心配された6月2日、お父様と飛行機に乗って、遠路はるばる小豆島まで…

 

製造体験のため、これから延ばすそうめんを用意していたところ、SHUNくんが到着。

シャッターを開けて、工場の中でそうめんがつくられている様子を見た瞬間のSHUNくんの笑顔が忘れられません。

両手を広げて、喜んでくれました。

 

 

SHUNくんは、手延べそうめんを盛り上げる活動をされています。

きっかけは、とあるお店で大好きなそうめんメニューがあったそうですが、生産者の廃業によって、そのメニューが食べられなくなってしまったこと。

自分の好きなそうめんが、後継者不足もあってどんどん生産量が減っている現状を知り、何かできることがないか、と活動を開始。

お父様と二人三脚で、全国のそうめんを食べたり、イベントに出店したり、そしてこの度、初めて手延べそうめんの製造現場を見学することになったそうです。

 

 

初めて見る手延べそうめんがつくられる様子に、興味津々。

お土産にとプレゼントした、そうめんを捌く箸を両手に、箸分け作業を体験していただきました。

箸分けはなかなか力のいる作業でもあるのですが、どんどんチャレンジ。

すぐにコツをつかんで、いろんな作業にも挑戦していました。

 

 

最後は、そうめんを結束する機械を見ていただき、実際に束ねたそうめんを箱に詰める作業を体験してもらいました。

そうめんの重さを計り、箱に詰めて、中身をそろえるため最後に箱を両側から、ポンポンっと叩く姿は、すごく様になっていました。

 

私の両親は、まるで孫ができたかのように喜んでおり、短い時間ではありましたが、私たち家族にとっても思い出となる出会いになりました。

 

 

サミット当日もご一緒させていただき、弊社がお世話になっている小田象製粉(株)の研究開発担当の方とのお話の場も設けさせていただきました。

実は、SHUNくんに会うことを担当者の方も大変楽しみされていまして、この場を「場外サミット」と仰っていました。

 

SHUNくんの夢は、そうめんのお店を開くことだそうです。

手延べそうめんを応援してくれているSHUNくんに、生産者としてしっかり応えていきたい。

手延べそうめんがなくなってしまっては、お店ができなくなってしまいます。

 

そうめんを応援してくれる小学生がいることが、どれだけ喜ばしいことなのか。

SHUNくんと出会えたことも、今回のサミットが小豆島で開催されてよかったと思うことのひとつです。

 

最後まで、「また工場に行きたい!」と言ってくれていました。

ぜひまた、小豆島に遊びに来てください。

小豆島そうめんは、いつでも歓迎ですよ!

 

 

 

小豆島のいち生産者が、いち参加者として楽しませていただいた「そうめんサミット」。

貴重な出会いと、これからの“やり甲斐”もいただけた、とても貴重な体験でした。

これからも小豆島手延べ素麺をどうぞよろしくお願いいたします。

もちろん、石井製麺所もよろしくお願いいたします!

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年6月12日 【Vol.14】(番外編)『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』レポート 1日目

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.14(番外編)

『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』レポート

 

 

 

 

6月3日と4日の2日間、『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』が開催されました。

台風の接近で、サミットまで気が気でない1週間でしたが、本番は素晴らしいお天気、そうめんに相応しい晴れ空となりました。

 

今回はそうめんサミットのレポートをお届けしたいと思います。

 

 

【1日目】

 

スタートは『日本三大そうめん食べ比べ』から。

 

兵庫の播州そうめん、奈良の三輪そうめん、そして香川の小豆島そうめん。

それぞれのそうめんを食べたことはありますが、一度に3種類のそうめんを食べるのは初めての体験です。

 

             

 

まずは見た目の比較。

器に盛られたそうめんを見比べると、三輪そうめんが一番細いことがよく分かります。

播州そうめんと小豆島そうめんの違いは僅かですが、若干、小豆島そうめんが太いような気がします。

手延べ製法の性質上、太さに多少のバラつきが生じるので個体差はあると思いますが、見た目だけでも産地を判断できそうでした。

 

太さが異なれば、食感が変わります。

三輪そうめんは細いので、軽い食感になりそうですが、意外にも食べ応えがある印象でした。

これはおそらく、他のそうめんと同じ感覚で箸に取ると、細い分、より多くの本数のそうめんを取ることになるからかもしれません。

播州そうめんは、はっきりとコシが強いと感じました。

そうめんの一本、一本に存在感があります。気持ちよくのどを通る感じで、噛んだ時にプチっと歯切れのよい感覚も特徴でしょうか。

小豆島そうめんは、こればかりは食べ慣れているところもありますが、ツルツルっと軽やかなのど越しの良さを感じます。

違いを感じたのは歯ごたえ。

芯というほどはっきりしたものではないものの、最初はやわらかく、最後にプチっと切れるような、極端に言えば2段階の噛み応えでした。

 

そして、味の違い。

これが今回、一番分かりやすい違いでした。

小豆島そうめんは、言葉で表現するのは難しいですが、口に入れたとき、のどを通るときに感じる「風味」があります。

これはおそらく、使っている油が「ごま油」であることが理由だと思われます。

味に影響を及ぼすものとして原材料の違いは大きいはずで、「ごま油」の使用は小豆島ならではの特徴です。

はっきりと断定できないのは、その風味が「ごまの風味」だと言い切れないからです。

(私の舌が未熟だという可能性もありますが…)ごまの味がするとは言えないものの、鼻に抜けて感じられる風味があることは間違いありません。

これが、小豆島の島民にとっての「そうめんの味」なのだと改めて実感しました。

 

 

食べ比べてみると、たかがそうめん、されどそうめん、その美味しさには違いがありました。

「私は播州が好き」「私は三輪が一番」「やっぱり小豆島」そんな声が聞こえてくるのも当然だと思います。

繊細な味覚センサーは、その土地の気候、製造環境、職人さん独自のこだわりといった数値化できない微細な違いを感じ取っているのかもしれません。

 

 


 

次に向かったのは『式典・鑑評会結果発表・表彰式』、および『公開討論会』。

 

今回のサミットでは、「そうめんは、宇宙だ!」と題して、「そうめんを食す。そうめんを語る。そうめんを学ぶ。」ことを掲げています。

これが本サミットのメインイベントです。

サミット=首脳会議の名の通り、全国からそうめんおよび乾麺に関わる組合、企業の代表者や生産者の方々が集まりました。

 

 

業界初の試みとして、『第1回 全国そうめん鑑評会』が実施され、その結果発表と表彰式が行われました。

「業界の技術研鑽・品質向上につなげるだけでなく、縮小していくそうめん市場を上向きにし、手延べ文化の維持継承、そうめんに対する消費者の認識・心理的価値を高め、そうめん文化全体を向上させる」ことを目的としています。

全国から全16作品の応募があり、同条件のもと食味に関するブラインド審査の結果、金賞6作品、入賞10作品が選ばれました。

 

【金賞】以下、五十音順

◯静岡県浜松市 池島フーズ株式会社

◯岡山県浅口市 かも川手延素麺株式会社

◯香川県小豆郡 創麺屋株式会社

◯徳島県つるぎ町半田 半田手延べそうめん協同組合

◯兵庫県たつの市 兵庫県手延素麺協同組合

◯長崎県南島原市 島原手延素麺協同組合/平川製麺

 

【入賞】以下、五十音順

◯兵庫県南あわじ市 淡路手延素麺協同組合

◯岡山県 岡山県製粉製麺工業協同組合

◯兵庫県たつの市 カネス製麺株式会社

◯香川県坂出市 木下製粉株式会社

◯愛知県蒲郡市 株式会社金トビ志賀

◯秋田県湯沢市 株式会社後文

◯茨城県稲敷郡 茂野製麺株式会社

◯香川県小豆郡 小豆島手延素麺協同組合

◯長崎県南島原市 長崎県有家手延素麺協同組合

◯奈良県桜井市 奈良県三輪素麺工業協同組合

 

地場産の小麦粉をはじめとする国産原料を使用したそうめんや、食塩や油を使わないそうめんが出品されていました。

小麦粉以外の原料を練り込むそうめんは、今回の応募条件から除外されていたので、シンプルに、小麦粉の味や、製法や技術が評価されやすい鑑評会になったのではないでしょうか。

 

審査員の方々のコメントを聞くと、どれも美味しく、甲乙をつけるのが難しかったようです。

しかし、5項目(味/香り/コシ/のどごし/色つや)の評価基準で点数化された審査だったため、やはり金賞作品には、金賞たる理由があるのだと思います。

可能であれば、各作品について、具体的な感想を聞きたかったというのが本音ですね。

 

公開討論会では、審査員の方々と業界団体の代表者の方々が登壇され、鑑評会の結果も踏まえて議論が行われました。

生産者、販売者、飲食店、それぞれの立場から、そうめんの未来を考えます。

 

そうめんの生産量が減少している、という業界全体の課題。

原因はいくつかあるのでしょうが、食生活の多様化の影響が言及されていました。

日本三大そうめんを食べ比べただけでも分かったように、そうめんには個性があります。

最近は、都内にそうめん専門店が増えており、「そうめんの食べ方」が注目されているようで、料理に合わせて最適なそうめんを選ぶことが大事とのこと。

私も恵比寿にある専門店『そそそ』を訪ねたことがありますが、「明太クリームそうめん」といったメニューが人気を博しているそうです。

 

飲食店においては、のびにくさも重要になります。

そこで提案されていたのは、「古(ひね)」と呼ばれる熟成麺の活用です。

播州そうめんでは特に、古物(ひねもの)として、ワンランク上のそうめんとして扱われています。

冬に製造したそうめんを、ひと夏(梅雨の時期)の間、蔵の中で寝かせたものを指します。

熟成したそうめんはコシが強くなり、茹でのびもしにくくなるという特徴があります。

 

一方で、新しいそうめんにも、新しいそうめんらしい良さがあり、やはり原料由来の風味が際立つのは新しい麺とのこと。

これは弊社でも大事にしている考え方になります。

ごま油を使用していたり、その風味が特徴である小豆島そうめんにとっては、できたての新しいそうめんを食べるのが合っていると思います。

そのため、小豆島では古物(ひねもの)は一般的ではないですが、麺のコシが強くなる現象は有効活用できると考えています。

たとえば、練り込み系のそうめんは、その原料によってはコシが弱くなることがあるようです。

そんなとき、数か月の熟成を経ることでコシを強くできる可能性も考えられますね。

 

後継者不足の問題にも話が及びました。

跡を継ぐ若い人がいないことは、産地を問わない共通の課題です。

小豆島そうめんの場合、平成初期には200件を超える製麺所がありましたが、今では60件ほどになっているそうです。(小豆島手延素麺協同組合の組合員数)

 

手延べそうめんは、その製法上、長時間作業が必要とされます。

弊社の場合、早朝の3時30分から、およそ15~16時間といったところでしょうか。

これは小麦粉の性質を最大限に生かし、“寝かせては延ばす”を繰り返して麺にしているからです。

美味しさのためには妥協できない、ひとつひとつの工程があります。

そうめん屋単独では、これ以上の作業時間、工程の短縮化は難しいのが現状です。

 

しかし、他産地では、小麦粉など原料メーカーや製麺機械メーカーとの「協同での技術発展」が既に行われているそうです。

製麺所が要望を出し、新しい小麦粉や機械が開発され、製麺所が実験する。その繰り返しで、作業時間が12時間まで短縮されているとのこと。

会場でお会いした機械メーカーの方から、「小麦粉を練る機械も進化しており、練り方によってその後の熟成時間を短縮できる」という話もお聞きしました。

 

小豆島のそうめん屋は、他産地と比較しても、1軒あたりの規模が小さいそうです。

(もちろん、規模だけが理由にはなりませんが)弊社もいわゆる家族経営(両親と私)の1社ですので、長年の製麺経験による経験値と技術はあっても、科学的な知見が不足しているのは間違いありません。

 

自社だけでできることに、限界があるのは明らかです。

 

討論会を聞きながら、協働での技術発展が不可欠だという理解とともに、その主導はそうめん屋(生産者)でなければならないと強く思いました。

 

そうめんを深く知り、料理へ生かすことも大切ですが、たとえば「パスタ風にアレンジしたそうめん」があったとして、それはどこまでいっても「~風」でしかなく、パスタには敵わないものだと思います。

本当に必要なのは、他の麺類に寄せていくような、そうめんのアレンジに留まることなく、そうめんそのものの進化と呼べるような、新しいそうめんの開発だと考えています。

生産者にとっても、もちろん食べる人にとっても新しい、画期的なそうめん。

業界が活気づくような、斬新な切り口のそうめん。

奇をてらうのではなく、しかし「おもしろい!」と感じていただける、そんなそうめんを創りたい。

 

幸いなことに、弊社では新商品やOEM商品の開発にあたって、製粉会社さんや地元研究機関の専門家の方にご協力をいただいております。

「協同」をこれから必要不可欠になる手段と捉えて、主体的に動く。討論会を踏まえた、自分なりの結論です。

 

 


 

1日目の最後は懇親会です。

 

遅れての参加になってしまい、会場に入ると宴もたけなわでした。近くの席には島の同業者の皆様、同じテーブルには素麺組合の皆様。

実は、素麺組合の、特に生産者の方々とお話するのは、これが初めてでした。

素麺組合には若い組合員で青年部が組織されているそうです。

小豆島において、組合員ではない、いわゆる独立した弊社のようなそうめん屋は、通称アウトサイダーと呼ばれています。

言葉だけ聞くと悪い意味に受け取られるかもしれませんが、あまり深い意味はないはずです(笑)。

「立場や所属の垣根を取り払って、技術交流ができれば…」若手の生産者としてのつながりが、これからの小豆島そうめんにとってプラスになると考えています。

 

また、ツイッターでフォローをいただきました、そうめん研究家のソーメン二郎さんと、初めてご挨拶をさせていただきました!

ソーメン二郎さん、業界で知らない人はいないでしょうし、そうめんのPRでテレビや雑誌でも大活躍されております。

そうめん発祥の地、奈良県桜井市のご出身、三輪そうめんの製麺所の家系のお生まれで、「実家に帰省するたび、製麺所の廃業を目の当たりに」されたことで、そうめん業界に対する危機感を抱いたそうです。

 

 

最近では「クラフトソーメン束の会」を主宰され、全国の小規模な手延べそうめん製造所のつくるそうめんにスポットライトを当てる活動をされています。

いつか、ソーメン二郎さんにも注目してもらえる、新作そうめんを創りたいです。

 

参考サイト:https://www.mizkan.co.jp/craft-somen/

 

2日目に続きます。。。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年4月23日 【Vol.12】手延べ素麺三大産地のひとつ・小豆島について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.12

手延べ素麺三大産地のひとつ・小豆島について

 

 

 

 

素麺の産地・香川県小豆島は、瀬戸内海に浮かぶ島です。

穏やかな海に囲まれ、風光明媚な景勝地や食にまつわる施設など、見どころいっぱいの観光地でもあります。

お出かけに最適なこれからの季節、足を延ばしてみてはいかがでしょうか?

6月3日・4日には、小豆島で「全国そうめんサミット」が開催される予定。

兵庫県播州、奈良県三輪につぐ第3回となり、関係者だけでなく一般の方にも楽しんでいただける食べ比べなどのイベントが盛りだくさんだそうです。

今回は、小豆島の観光情報や特産品についてご紹介します。

 

三代目:今回は、夏の需要期を迎える前に今一度、三大産地として整理してみたいと考えました。

そのきっかけは、「全国そうめんサミット」です。

基本的には、小豆島手延素麺組合様が仕切ることになりますが、小豆島で製麺に携わる者として、全く無関係ではありませんし、もちろん、準備や出店でお手伝いもしてまいります。

何よりも楽しみにしているのは、これまでブログでも触れてきた産地の方々にリアルにお会いできることです。

きちんと胸を張って、小豆島手延べ素麺の製麺所三代目として、ご縁をいただく皆さまにご挨拶できるように振り返りの意味も含めてブログに書いてみました。

「全国そうめんサミット」に向けて、小豆島にお越しになる皆さまのご参考になれば幸いです。

 

<参考サイト>

・第3回全国そうめんサミット2023in 小豆島 公式サイト

https://somen-summit-2023.com

 

※写真はphotoAC「オリーブ公園の風車から見える風景」より

 

【目次】

① 小豆島でおすすめの観光スポット

② 食の特産品が豊富な小豆島

③ 小豆島が素麺づくりに適している理由

④ 小豆島手延べ素麺と讃岐うどんの違い

⑤ 《産地紹介》富山県・大門(おおかど)素麺

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

 


 

① 小豆島でおすすめの観光スポット

 

小豆島と聞いてどんなイメージを思い浮かべますでしょうか?

島には自然や文化、グルメなど、様々な魅力があふれています。

そんな小豆島の魅力を存分に体感できるおすすめスポットを、厳選してご紹介します。

※営業状況など詳細については、各施設にお問い合わせください。

 

【道の駅 小豆島ふるさと村】

遊ぶ・体験する・泊まる・食べる・買う、の5つを楽しむことができる公共の施設。

「手延べそうめん館」では、素麺の製造工程を見学することができます。箸分け作業の体験(有料)や試食も。

「全国そうめんサミット」の会場にもなります。

 

【醬の郷(ひしおのさと)】

小豆島の地場産業である醤油と佃煮の工場が集中するエリア。

明治時代に建てられた醬油蔵の漆喰の白壁が、風情ある景観を生んでいます。

醬の郷にある「マルキン醤油記念館」では、小豆島独自の醬油の製法が紹介されており、醤油を使ったグルメも堪能できます。

 

※写真はphotoAC「醤の郷」より

 

【かどや製油 資料展示室「今昔館」】(現在は休止中)

安政5年(1858年)の創業以来、発祥の地である小豆島でごま油をつくり続けるかどや製油さんの工場内にある資料展示室。

ごま油の製造工程や歴史を学んだり、テイスティングを体験したりできます。

 

【オリーブ園】

全国で最初にオリーブ栽培に成功した、日本のオリーブ栽培発祥の地。

3ヘクタールの敷地には、日本最古のオリーブの原木を含む約2,000本のオリーブが植えられています。

世界各国のオリーブオイルをブレンドしてオリジナルオイル作り体験も。

 

【エンジェルロード】

1日2回、引き潮の間だけ現れる、島から島へ歩いて渡れる砂浜の道。

大切な人と手をつないで渡ると幸せになれるという言い伝えがあるそうです。

 

※写真はphotoAC「小豆島エンジェルロード(道が出現する前)」より

 

【寒霞渓】

国立公園で、日本三大渓谷美のひとつ。

ロープウェイから、美しい溪谷と瀬戸内海の素晴らしい景色を一望できます。

秋の紅葉シーズンは、全国各地からたくさんの観光客の方がお越しになります。

 

※写真はphotoAC「秋の寒霞渓」より

<参考サイト>

・小豆島観光マップ

https://www.shodoshima-kh.jp/enjoy/map.html

・自然もグルメも楽しめる小豆島のおすすめ観光スポット11選

https://www.knt.co.jp/travelguide/kokunai/052/

・ここは押さえておきたい!小豆島のおすすめ観光スポット22選

https://www.ikyu.com/kankou/arealist8428/

・小豆島ふるさと村 素麺工場・見学体験

https://www.shodoshima.jp/expelience/taiken/visitor/567.html

・醤の郷(ひしおのさと)

https://shodoshima.or.jp/sightseeing/detail.php?id=270&c=2

・マルキン醤油記念館

https://marukin.moritakk.com/kinenkan/

・ごま油資料展示室見学 -かどや製油-

https://shodoshima.or.jp/sightseeing/detail.php?id=163&c=2

・かどや製油の資料展示室 今昔館のご案内

https://www.kadoya.com/enjoy/page04.html

・小豆島オリーブ園

https://www.1st-olive.com/guide/

・エンジェルロード

https://www.shodoshima-kh.jp/angel/

・寒霞渓の魅力

https://www.kankakei.co.jp/miryoku/

 

 

 


 

 

② 食の特産品が豊富な小豆島

 

小豆島には、素麺の他にもいろいろな特産品があります。

「オリーブオイル」「醤油」「佃煮」の3品目には、地域食品ブランドの表示基準である「本場の本物」に認定されている商品もあります。

小豆島の素麺づくりに欠かせない「ごま油」も、島の特産品です。

 

【オリーブオイル】

日本のオリーブ栽培は香川県が95%を占め、オリーブオイルの生産量も日本一。

小豆島オリーブオイルは、精製油や添加物をまったく加えず、オリーブの実を搾っただけのフレッシュな香りと風味が特徴です。

地元で丁寧に手摘みした新鮮な果実を、すぐさま地元の工場に運び、非加熱でつくっています。

明治41年(1908年)、試験的に植樹されたオリーブが、温暖で雨の少ない小豆島の気候風土で根付き、定着しました。

宮内庁御用達の品目に選ばれたり、世界規模のオリーブオイル品評会で好成績を収めたりしたこともあるそうです。

5月頃にオリーブの花が咲き、6月頃から小さな実を付け、徐々に大きくなり9月の下旬には収穫が始まります。

10月10日に「オリーブの新漬け」が解禁され、いよいよオリーブの旬の季節になります。

農家さんは毎日のように収穫に追われ、翌年の1月頃にはだいたいの収穫が終わり、オリーブオイルの搾油作業を行っているようです。

日本の気候で育つオリーブで作られたオイルはとてもマイルドで、和食にとても良く合い、発酵食品にもピッタリだと言われます。

そうめんつゆに数滴垂らして召し上がっていただければ、清々しい香りとめんつゆのコクが相まって、上質なそうめんを味わっていただけるのではないでしょうか。

 

 

【桶(こが)仕込醤油】

小豆島は江戸時代から約400年つづく醬油の産地。

日本の4代醬油産地のひとつでもあります。

色やコク、香りがよい島の醬油は、昔から桶(こが)と呼ばれる巨大な杉の桶を使って醸造(発酵・熟成)されてきました。

桶(こが)の大きさは、上部の直径が約2.2メートル、深さ約1.7メートル、容量約32石(5800リットル)。

古いものは100年以上、新しいものでも50年ほど使いこまれており、100~200種類もの酵母菌や乳酸菌といった微生物が棲み着くことで、味わいやうま味を引き出せるそうです。

化学調味料、合成保存料、合成着色料などは一切使用せず、1~2年かけてゆっくり発酵・熟成させてつくられるものや、一度仕込んだ醤油を基にさらに仕込む「再仕込み醤油」などもあります。

小豆島の醤油蔵では、昔ながらの桶仕込みだけでなく、最先端の技術を活用して効率良く醤油をつくる技術も持っています

「グルテンフリーの醤油」や「オリーブ酵母で仕込む醤油」など、バラエティに富んだ様々な醤油もつくられています。

また、醤油をベースに、出汁の素やめんつゆ、ポン酢、ドレッシングなど家庭になくてはならない調味料の開発も行っておられます。

 

 

【佃煮】

太平洋戦争後の昭和20年(1945年)、特産品である醤油を活用した島の経済復興を目的として、佃煮がつくられ始めました。

食糧難の時代に芋のつるを醤油で煮込んだ佃煮を開発したところから始まったそうです。

現在、佃煮の素材は島で数百以上もあるとされますが、「本場の本物」認定品は、30年以上にわたり使われ続けている昆布、のり、わかめ、しいたけ、おじゃこちりめん、きゃらぶきの6品目だけとされています。

具材へのこだわりはもちろん、製造技術に多くの特徴を持つ会社もあります。

最近では、「宇宙食」としての佃煮製造技術を持つ会社から、化学調味料・合成保存料・合成着色料を一切使用せず、自然そのままの味わいにこだわり、心から安心して楽しむことができる佃煮の製造にこだわる、昔ながらの佃煮工場もあります。

 

【ごま油】

江戸時代末期の安政5年(1858年)、小豆島で創業したのが、ごま油の国内シェア50%以上を占めるかどや製油さんです。

小豆島の手延べ素麺づくりにごま油が使われるからこそ、小豆島で創業されたといえるでしょう。

国内流通する量のほとんどを小豆島にある大規模工場で生産しておられます。

工場は土庄港の近くにあり、風向きによってはごまのよい香りが町中に漂います。

 

<参考サイト>

・本場の本物  現在の認定品目

https://honbamon.com/product/index.html/page/2

・小豆島ってどんな島?(産業)

https://shodoshima.or.jp/what/industry/

・小豆島町の特産品 本場の本物

https://www.town.shodoshima.lg.jp/gyousei/kakuka/shokokanko/4/899.html

・産業について

https://www.town.shodoshima.lg.jp/kanko/other_info/specialty/3410.html

・「かどや製油」ごま油一筋で159年栄える秘密

https://toyokeizai.net/articles/-/178988

・食の原点 小豆島

http://shodoshima-food.com/?page_id=38

・日本一の生産量「ごま油」

https://furusato-tonosho.furusato-basic.com/features/detail/27

 

 


 

 

③ 小豆島が素麺づくりに適している理由

 

小豆島の特産品として忘れてはならないのが、手延べ素麺。

小豆島が素麺の名産地になったのには、いくつかの理由があると考えられます。

ひとつは気候。

瀬戸内海に位置する小豆島は、気候が穏やかで雨が少なく、素麺づくりの最盛期である冬も雪が降ることはほとんどなく乾燥しているため、天日干しでの素麺づくりが行われています。

また、瀬戸内海でとれる塩、以前では讃岐平野で栽培されていた小麦(現在は手延べ素麺作りに合う海外産の小麦を国内で精麦して使用している場合もあります)、良質な清水などの原料が調達しやすかったことも理由のひとつといえるでしょう。

小豆島手延べ素麺づくりに欠かせないごま油や、素麺にベストマッチの醬油が小豆島の特産品であることも、何らかの因果関係がありそうです。

 

 

<参考サイト>

・小豆島ってどんな島?(基本・地勢・気候)

https://shodoshima.or.jp/what/

 

 


 

 

④ 小豆島手延べ素麺と讃岐うどんの違い

 

小豆島のある香川県にはもうひとつの有名な麺、讃岐うどんがあります。

素麺とうどんはどちらも小麦粉でつくる麺なので、違うのは太さだけと思っている方がおられるかもしれません。

実際は製法が大きく異なるため、それに伴って使う原料や食感なども変わってきます。

具体的にどんな違いがあるか、ご紹介します。

(讃岐うどんにも手延べ製法でつくられたものがありますが、ここでは手打ちうどんと手延べ素麺を比較してご紹介します。)

 

・油を使うか使わないか

まずは原料について。小麦粉・塩・水は共通ですが、素麺はそれに加えて食用油が必要です。

小豆島手延べ素麺ではごま油を使用しています。

油がえしという製造工程で、麺の表面の乾燥を防ぎ、生地同士がくっつかないように油でコーティングします。

手打ちうどんでは油は必要ありません。

 

・生地をのばすか切るか

手延べ素麺は、練り合わせた生地に油を塗ってよりをかけ、のばしては重ねて…を繰り返しながら細長くしていきます。

この工程により、小麦粉に含まれるグルテンが一定方向に、重なった地層のように組織されます。

これをさらによりをかけながら細くのばすことで、断面が丸くなり、なめらかな食感とコシ、つるつるとした喉越しが生まれるのです。

時間が経ってものびにくいのも特徴のひとつです。

 

同じ素麺でも手延べではなく、機械で生地を薄くのばし、細く切って乾燥させる「機械製法」で作られた素麺は、断面が四角く、大量生産に向き比較的安価でできますが、手延べ麺のようなツルツル感はありません。

手打ちうどんの場合は、小麦粉・水・塩を混ぜた生地をこねては熟成し…を繰り返して生地を鍛えます。

それを麺棒で薄くのばして、包丁で切ります。原料から麺に仕上がるまでの時間は、手延べ製麺よりはるかに短いです。

グルテンの組織を包丁で断ち切るため、麺の断面は四角く、しこしこした食感が生まれます。

 

・太さの違い

素麺とうどんの乾めんについては、日本農林規格(JAS)により、直径1.3ミリメートル未満のものが素麺で、1.7ミリメートル以上がうどん、と太さの規格が定められています。

石井製麺所では、冬季限定で「手延べ半生うどん」を販売しております。

小豆島手延べ素麺の製法で仕上げた、角のないツルツル、モチモチした食感が好評いただいております。

また賞味期限の長い「手延べ乾うどん」は通年販売。

素麺と食べ比べていただける「手延べ太さくらべセット」もご用意しております。

太さによる味わいの違いを、ぜひ実感してみてください。

 

三代目:よく勘違い?されるのが、讃岐うどんと小豆島手延べ素麺を同じもの?に思われることです。

うどんがあるから素麺がある(うどんを細くして素麺を作っている)と思われる方もいらっしゃいますし、実際にそうだと思っていたというお話をよくお聞きします。

ですが、太さは置いておいて、製法はかなり異なる物です。

どちらが簡単と言うことではないのですが、素麺の場合、細く伸ばす分だけどうしても時間がかかる物だと思います。

また、讃岐うどんは“打ちたて”を味わうのが一番ですが、素麺は完成後も(保存状況はしっかりと管理する必要はありますが)、さらに寝かせることで“古物(ひねもの)”と言われる希少な高級素麺になります。

同じような地域で似て非なる食品が発展するのは、離島である地理的な特徴(ガラパゴス的)なのかも知れませんね。

 

 

<参考サイト>

・手打ちと手延べの違いまとめ|麺の原料や製法に食感の秘密があった!

https://mlb-nff-nba.com/%E6%89%8B%E6%89%93%E3%81%A1%E3%81%A8%E6%89%8B%E5%BB%B6%E3%81%B9%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%EF%BD%9C%E3%82%88%E3%82%8A%E6%89%8B%E9%96%93%E3%81%8C%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/

・うどんとそうめんの違い

https://www.flour.co.jp/news/article/070/

 


 

 

⑤ 《産地紹介》富山県・大門(おおかど)素麺

 

庄川の扇央部から少し下がったところにある、砺波市大門(おおかど)地区で伝統的につくり続けられている手延べ素麺。

「丸まげ素麺」とも言われるユニークな形状が特徴です。

古風な和紙の包み紙ひとつひとつには、製造者の氏名が記されています。

初冬から晩春にかけ、清流庄川の水を使ってつくられる素麺は、鉢伏山から吹きおろす寒風で乾燥させることで、よくしまったコシのあるなめらかな麺に仕上がります。

細くて長い麺が完全に乾かないうちに丸めて仮包装し、さらに10日間かけて本乾燥する、手間ひまかけた素麺です。

天気が変わりやすいこの地で、外干し作業中に雪が降ってきてもすぐ屋内に運べるよう、麺を丸めるようになったといわれています。

ゆでる時には、丸まげ状の麺を2つに割らないと、とても長い素麺になってしまうとのこと。

丸い形状が鍋にすっぽりとおさまるのでゆでやすいそうです。

 

大門素麺の起源は江戸時代後期にさかのぼります。

大門村の売薬行商である田守三石衛門が加賀藩の御用素麺を持ち帰ったことから、中島次兵衛という村人が加賀に行ってその製法を習得したそうです。

そして村の有志で農閑期の副業として素麺づくりを行うようになったのが始まりといわれています。

最盛期の昭和初期には60数軒の農家で取り組んでいたという記録があるそうですが、現在では12軒前後の農家が素麺づくりに従事しているとのことです。

 

 

<参考サイト>

・砺波市じまんの特産品 大門素麺

http://www.tapc.jp/tokusan/tokusan_somen.html

・古来より伝わる手法をそのままに江戸時代から作り続けられている丸まげ素麺

https://www.corezo-mall-tokusyu.com/ookadosoumen

・JAとなみ野 大門素麺

https://www.ja-tonamino.jp/tokusan/ookado?pcview=true

・大門素麺

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%96%80%E7%B4%A0%E9%BA%BA

・大門素麺について

https://kakizato.jp/noodles/

 

 


 

 

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

昨年、大変ご好評をいただいた「手延べレモン素麺」が5月1日から販売を再開いたします!

2022年5月の発売から夏季限定品として発売し、8月末日までに約4000袋も販売させていただきました。

本当にありがとうございます。

その人気の「手延べレモン素麺」が帰ってきます。

当社独自製法により、小麦と一緒に瀬戸内産レモン果皮を練り上げていますので、麺を口に運ぶたび、ふわっとレモンの香りが拡がります。

食欲の落ちる暑い日でも、食欲をかき立てる優しいレモンの香り。

暑い夏に、ぜひおすすめしたい素麺です。

もちろん、香料・着色料・保存料は一切使用していませんので安心してお召し上がりください。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年4月10日 【Vol.11】各地の特産品や健康への想いを練り込んだ素麺について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.11

各地の特産品や健康への想いを練り込んだ素麺について

 

 

 

 

素麺は、小麦粉・水・塩といったシンプルな食材で作られています。

しかしながら、長年にわたる素麺の製造の歴史において、産地ごとの特性アピールの必要性の高まりや、製麺所独自の開発などにより、さまざまな素麺が作られるようになってきたのではないでしょうか

スープや具材の添付、特徴的なパッケージなどで差別化が図られているものもありますが、今回は製造する過程で別の食材を生地に練り込むことにより、独自の色あいや味わいを生み出しているものを調べてみました。

食材を加えることで見た目の変化だけでなく、その食材が持つ風味や健康効果を素麺にプラスすることができます

思い通りの商品を完成させるまでには、配合量や製法などさまざまな試行錯誤が必要ですが、全国各地でバラエティ豊かな練り込み素麺が数多く生み出されています。

素麺を使ったさまざまなメニューも魅力的ですが、素麺自体の特色を楽しんでいただくきっかけになればと思います。

今回は、いろいろな食材を練り込んだ素麺について調べた結果をご紹介します。

 

※以下にご紹介する素麺は、2023年4月10日現在の当社調べになります。ご紹介した地域以外でも同様の商品を扱っておられるかもしれませんのでご了承ください。

また、これ以外にもこんな食材を練り込んだ素麺がある、という情報をお持ちの方は、ぜひお知らせください。

 

三代目:インターネットで調べただけですので、産地に行けばもっと色々な素麺があると思いますが、それでも本当にたくさんの素麺が見つかりました。実際に石井製麺所でも、さまざまな素材を加えて製麺していますが、思った通りの色が出なかったり、素麺の細さにまで伸ばせなかったりとひとつの麺を作るのも本当に大変です。

様々な産地の製麺所が独自性を出すために多種多様な素麺を作られていることを知ると、「負けていられない!」と“製麺者魂(?)”に火が付きます。

年々、色々な原料メーカーや販売店様から新麺開発のご相談もいただきます。

今後もノウハウをしっかりと蓄積しながら、美味しい素麺を作り続けていきたいものです。

 

 

【目次】

① 各地の特産品や想いを練り込んだ魅力的で独特な素麺たち

② 《産地紹介》岩手県・卵麺(らんめん)

③ 石井製麺所の新しい素麺への想い・これからの素麺作り

④ 《美味しい素麺》手延べ 小豆島オリーブオイル素麺 編

 

 


 

① 各地の特産品や想いを練り込んだ魅力的で独特な素麺たち

 

国内のさまざまな素麺の産地や製麺所では、多種多様な食材を練り込んだ素麺(麺)が開発されているようです。

インターネットでざっと調べただけでも、60種類以上が確認できました。

中には、味の想像がつかないようなものも。

大まかに分類してご紹介します。

 

 

まずは、海産物を使った素麺から。日本は海に囲まれているので、色々なものができそうですね。

<海藻>

素麺につきものの海苔や、だしに欠かせない昆布などの海藻は、素麺と相性が良いようです。

粉末にして練り込むことで、磯の風味が加わったり、独特の粘りが弾力を生んでのど越しが良くなったりといった相乗効果が得られます。

佐賀県有明海の海苔や、岩手県三陸産の昆布やメカブ徳島県鳴門のワカメ宮城県のアカモク(新潟県ではナガモと呼ばれているそうです)、新潟県のフノリなどを使った素麺が作られています。

 

<魚介類>

魚介類を練り込んだ素麺は、麺自体からだしが出るので、より旨みが増すようです。

熊本県甲佐町で育てたウナギの白焼きを練り込んだもの。

タイのエキスを入れた縁起の良い素麺。

ウニを練り込んだ風味豊かなもの。

オキアミの一種であるイサダを使ったピンク色の素麺や、イカスミを入れた真っ黒な素麺もあります。

 

※写真はphotoAC「小豆島エンジェルロード(道が出現する前)」より

 

小麦以外のものを使用した麺や穀物・豆類・芋などを練り込んだ珍しい素麺たち。

<穀類>

山形県のブランド米「はえぬき」「どまんなか」、それぞれの米粉を使用した素麺もあります。

岩手県一関市では古代米の「黒米(紫黒米)」を、山形県西川町では発芽胚芽米を練り込んだ素麺も。

 

岩手県軽米町で作られる稗(ひえ)を使った素麺は、胡桃に似た甘味とシコシコした食感が特徴だそうです。

長崎県には、雑穀16種類(小豆・もちきび・もち麦・もち玄米・ハト麦・もち赤米・黒豆・丸麦・稗・青大豆・発芽玄米・もち黒米・とうもろこし・もちあわ・胚芽押麦・黄大豆)を練り込んだ素麺が。

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な、体に良い素麺とのことです。

 

<ごま、芋、豆類>

石井製麺所でも販売している黒ごまの粉末を練り込んだ素麺は、兵庫県播州や長崎県島原といった素麺の産地でも作られていますが、熊本県に本社のあるごま食品製造販売会社・オニザキさんの「黒胡麻そうめん」は、なんとごまの粒をそのまま生地に練り込んでいるそうです。

ごまの風味と食感がしっかり味わえる素麺ですね。

 

新潟県では五泉産のえごまの葉を練り込んだ素麺があります。

九州産の紫芋や、山口県柳井でとれた自然薯を入れたものも。

京都府丹波市や岡山県美作市では、それぞれの地域で生産した黒豆を使った素麺を作っています。

 

 

食材として練り込みやすいのは野菜や薬草など。キレイな色の麺に仕上げることもできます。

<野菜>

全国各地で、それぞれの地域の特産品である野菜を練り込んだ素麺が開発されているようです。

なじみ深いものでは、ニンジンカボチャホウレン草オクラトマトタマネギゴボウレンコンシソ小松菜など。

他にも、岐阜県大垣市では地域で苗から育てた明日葉が、石川県金沢市では能登野菜の中島菜が、それぞれ素麺に使われています。

 

<果物>

石井製麺所ではオリーブオイルを練り込み、表面にも塗って仕上げたオリーブオイル素麺がありますが、同じく小豆島でオリーブの果実を練り込んだ素麺を作っておられる生産者さんもいます(ちなみにオリーブは野菜ではなく果物に分類されるようです)。

や、カボス伊予柑ユズミカンなどの柑橘類は、その酸味が素麺と相性ばっちりですね。

これらの果物の産地で、練り込み素麺が作られているようです。

驚いたのは、甘い果物を練り込んだ素麺の種類の多さです。

栃木県のイチゴ「とちおとめ」山形県のサクランボ千葉県市川の梨大分県清川の桃なども、その果汁を使用した素麺が販売されています。

他にブルーベリーメロンブドウネーブルなどの素麺もあるようです。

小豆島でもスモモの素麺があります。

ユニークなのは福岡県香春町の柿の皮を使った素麺。特産品である干し柿の製造過程でできる渋柿の皮を練り込んでいるそうです。

味はほんのり甘みがあり、モチモチとした食感とのこと。

食材を無駄にせず有効活用する、素敵な取り組みですね。

 

<葉>

植物の葉にも、食物繊維が豊富なものや健康への効果が期待できるとして食用されるものがいろいろあります。

素麺の産地である徳島県半田では、稲の若葉山形県月山では、桜の葉千葉県市川では、国産の赤松の葉を粉にして練り込んだ素麺があります。

徳島県の特産品である阿波藍の産地・上勝町では、手摘みした藍の葉を天日乾燥して粉にし、素麺に練り込んでいます。

 

<薬味>

素麺にピッタリの薬味が、あらかじめ練り込まれた素麺もあります。

奈良県三輪市、栃木県栃木市、千葉県市川市では、ショウガ徳島県上勝町ではワサビが、粉末にして素麺に練り込まれています。

熊本県には、ニンニクを練り込んだ素麺もあるそうです。

 

<その他植物>

他にも、その地域ならではの植物を使った素麺が各地で販売されているようです。

素麺発祥の地といわれる奈良県三輪では、これまた特産品である吉野葛を加えた素麺が。

葛特有のつるみと弾力が味わえるそうです。

熊本県八代市は、畳の原料として知られるい草の産地。い草の粉末を入れた素麺が、学校の給食などにも採用されているそうです。

素麺の生産量第2位の長崎県島原では、昔から薬草を栽培していたそうで、4種類の島原薬草(オオバコ・ウイキョウ・ナズナ・タンポポ)を練り込んだ素麺があります。

 

 

輸出品としても人気のある、日本ならではの特産品を練り込んだ素麺たち。

<お茶、酒>

緑茶の粉末や抹茶を練り込んだ素麺は、長崎県島原市、奈良県三輪市、静岡県菊川市など、素麺やお茶の名産地で作られているようです。

岩手県北上市には、桑の葉の茶粉末を使った素麺があります。

兵庫県播州は、素麺とともに日本酒の産地としても有名。清酒を加えて作った素麺は、旨みが増し、のどごしがぐっと滑らかになるそうです。

 

 

<番外編>

【お!いしい けんぶんろく】Vol.6「冬が手延べ素麺づくりに最適な理由」でご紹介した、愛媛県の五色(ごしき)素麺。

もち麦・蜜柑・梅・抹茶などを練り込んだ色とりどりの素麺が特産品となっています。

 

三代目:こうしてみると本当に多種多様な素麺があることに驚かされます。

実際に試してみて断念したもの、まだ挑戦していないものなどもあるので参考にできれば。

特に難しいのが“伸ばし”に影響を受ける糖分や酸を含んだ食材を利用するときです。

カリウムが多いものなども影響を受けるようです。

産地の方々と交流しながら、自分たちの特色を出せる素麺開発に取り組めればよいなと思います。

 

<参考サイト>

・肥後そう川×甲佐養鰻場コラボ「くまもと うなぎ麺」

https://www.47club.jp/45M-000092mvx/goods/detail/10168401/

・軽米町産業開発の公式ショッピングサイト 稗そうめん

http://www.karumaisan.jp/shop/products/detail.php?product_id=41

・ごまのオニザキ 黒胡麻そうめん

https://www.onizaki.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=24&category_id=14

・上石津の特産品 明日葉そうめん

https://ogaki-tokusanhin.jp/product/product-52/

・【のと野菜使用】中島菜手延そうめん

https://www.umai-mon.com/user/product/24470

・手延べオリーブそうめん

https://www.saegusaseimen.com/item/OSS-1/

・福岡県香春町の特産品【柿皮そうめん】ドン‼

https://kawarakanko.thebase.in/items/30030013

・阿波藍そうめん

https://gin-sato.jp/SHOP/4580280300473.html

・【イナダ有限会社】栄養が凄いと話題の”食べるイ草”を専門店で堪能してきた

https://8246renraku.net/archives/inada-igusa.html

・島原手延べ薬草麺のスープカレーそうめん

https://www.yamaichi-shop.jp/SHOP/NYK-02.html

・日本盛 手延酒そうめん

https://shop.nihonsakari.co.jp/shop/g/g05477-0-0/

 

 

 

 


 

 

② 《産地紹介》岩手県・卵麺(らんめん)

 

岩手県では、盛岡冷麺・じゃじゃ麺・わんこそばなどたくさんの種類の麺が製造販売されています。

それらに比べて全国的な知名度は高くないようですが、岩手県の名産品のひとつとして地域に根付いているのが「卵麺」で、「鶏卵素麺」ともいわれます。

県南部の奥州市江刺区周辺でよく食されているそうです。

小麦粉と塩に、新鮮な卵をふんだんに使って練り上げる素麺は、黄色でほんのり卵の風味が感じられ、水分をあまり使わないためシャキッとした歯ごたえがあり、ゆでのびしにくいのが特徴とのこと。

 

今から約300年前、松屋十蔵というキリシタン信者が遠く長崎県から岩手県へ逃れてきました。

そしてオランダ人から伝授されたという鶏卵を使った麺を「蘭麺」として売り出したのが始まりと言われています。

卵と小麦粉を合わせるのは、カステラの製法から生まれたアイデアのようです。

明治時代になり、岩手を訪れた板垣退助がこの麺を大変気に入って「蘭麺」や「鶏卵素麺」より短く分かりやすい「卵麺」という名を提案した、というエピソードが伝えられています。

 

※写真はAdobe Stock「岩手県奥州市 春と明治記念館」より

<参考サイト>

・郷土料理|ほんのり香る卵と歯ごたえがおいしい 卵めん(岩手県)

https://www.shizensyokuhin.jp/archives/articles/753

・江刺岩谷堂 吉田製麺「卵めん」

https://www.umai-mon.com/user/collection/929

・卵めんの吉田製麺

https://ranmen.co.jp/item-detail/81000

 

 

 


 

 

③ 石井製麺所の新しい素麺への想い・これからの素麺作り

 

素麺は夏の食べ物というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、冷やしても温かくしても美味しく、一年を通して食べていただける食材です。

より多くの機会に、いろんな楽しみ方で食べていただけるよう、石井製麺所では厳選された食材を練り込んだ素麺の商品開発に積極的に取り組んでいます。

『食べて美味しいだけではなく、体にもうれしい、皆さんに喜んでいただける素麺を』

その想いで、健康に良い食材や、小豆島の特産品を練り込んだ素麺を開発しています。

 

こだわりの素麺をご紹介します。

 

<しょうどしま長命草素麺>

「1株食べると、1日長生きする」と言われるほど高い栄養価を持つとされる、小豆島の新しい健康食材「長命草」100%の粉末を練り込んでいます。

翡翠色で抹茶風味の中太麺で、温かいおだしともよく合います。

 

<楽々膳・黒>

「黒」の食材にこだわった健康麺シリーズ。

「薬膳」では黒い食べ物は冬に食べるとよいと言われているそうです。

小豆島産ひじき、香川県産きくらげ、黒ごまをそれぞれ練り込んだ素麺です。

 

<小豆島オリーブオイル素麺>

健康的なオイルとして注目される、貴重な小豆島産のオリーブオイルを生地に練り込み、表面にも塗って仕上げています

 

<レモン素麺>

瀬戸内産レモン果皮を使用。レモンの香りがふわっと広がり食欲をそそります。

 

<山芋素麺>

山芋パウダーを練り込み、もちもちツルンとした食感が特徴。

 

<蕎麦風味>

良質なそば粉と小麦粉、山芋パウダーを絶妙なブレンドで練り込み、オリーブオイルを表面に塗って仕上げています。

 

※写真は石井製麺所の手延べ麺 蕎麦風味の掛場のいちシーン

<参考サイト>

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

 


 

 

④ 《美味しい素麺》手延べ 小豆島オリーブオイル素麺 編

 

皆さんは「小豆島」といえば、何を連想されるでしょうか?

最近では新聞広告やテレビCMなどで多く見かけるオリーブ(オイル)だったりしませんでしょうか?

小豆島でのオリーブ栽培の始まりは約110年前に遡ります。

それから何度も栄枯盛衰を繰り返し、現在では小豆島の主要な特産品になっています。

しかしながら、小豆島内のオリーブ生産量は気候の影響や、農家さんの高齢化などもあり生産量は大きくなく、収穫も大変なご苦労があるとお聞きします。

そんな貴重な小豆島産のオリーブオイルを使用したちょっぴり贅沢な素麺です。

小豆島産のオリーブオイルを生地に練り込み、さらに表面にも塗って 仕上げた、ますます小豆島を感じていただける一品です。

健康的なオイルとして注目されるオリーブオイルは素麺との相性も良いので、よりなめらかで見た目にも美しい素麺ができます。

さっぱりとしてツルツルとした食感が楽しめる素麺です。

小豆島では5月頃に小さくて白いオリーブの花が見頃となりますので、観光にお越しの際はぜひご覧になってみてください。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べ小豆島オリーブオイル素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/12170333

 

 

 

 

三代目:次回のブログは4/23ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年3月27日 【Vol.10】麺類の美味しさを際立たせる薬味や具材について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.10

麺類の美味しさを際立たせる薬味や具材について

 

 

 

 

素麺やうどんなどの麺類は、他の食材と合わせることで美味しさがより際立ったり、栄養バランスがぐんと良くなったりします。

香りや彩りを添える薬味や、ボリュームを増して新たな味わいを生み出す具材は、まさに多種多様。

麺の種類や地域によっても好まれるものが異なり、バラエティに富んでいます。

今回は、麺類によく合う薬味や具材について、その働きや地域による違いなどをご紹介します。

 

三代目:私がお素麺を食べるときは割とシンプルなつもりですが、地域やご家庭によっても食べ方に違いがあると思います。

特に具材などは、嗜好にもよるので多種多様な感じではないでしょうか。

また、麺類全般に視野を拡げると、うどんと素麺のように太さが違うだけの麺類でも、全くといって良いほど食べ方や盛り付け方も変わってきます。

今回は、ブログの中で他産地について書き進める内に、具材について気になったので調べてみました。

皆さんのご家庭ではどのように素麺を食べられるのでしょうか?

今回のブログで食べ方のバリエーションが拡がれば幸いです。

 

 

【目次】

① 薬味の歴史とその役割

② いろいろな薬味とその働き

③ 麺の種類別、人気の薬味や具材

④ 各地でいろんな具材と食べられている素麺

⑤ 健康に役立つ具材や食べ方

⑥ 《産地紹介》宮城県・白石温麺(うーめん)

⑦ 《美味しい素麺》手延べしょうどしま長命草素麺 編

 

 


 

① 薬味の歴史とその役割

 

薬味は、素麺やうどんなどの麺料理に欠かせない名脇役。

漢方用語で、主となる薬に加える補助の薬のことを「加薬味」と呼んだのが語源と考えられています。

中国では昔から、自然界に存在するすべての動植物は健康維持や増進にとって重要な食べ物であるという「食医同源」「食薬同源」の思想がありました。

ここから生まれた「中医学」が発展して「薬膳」となり、日本でも「医食同源」として、現代でも栄養学や健康のための食事指導などにおいて参考にされているそうです。

日本では中世より薬味の概念が発展し始め、江戸時代になってから広く利用されるようになったそうです。

大根・ネギ・シソ・カラシ・ショウガ・ワサビ・山椒・ユズなどが、料理に香りや辛みを加えるために用いられていたようです。

薬味の作用としては、食欲増進・芳香を添える・風味を添える・季節やいろどりを出す・異臭をやわらげる・毒消しや防腐効果・消化を助ける、といった働きがあると言われています。

 

三代目:私は、彩りや味の変化のつもりで薬味を使っていることが大半でしたが、語源から考えても“薬”と切っても切れない考え方だったんですね。

「医食同源」と言われるように、食は体の健康を支える大きな要因なのですから、“薬味”という考え方はとても重要なんだと考えさせられました。

ちょこんと添えるネギや生姜にも意味があって、それは先人からの教えでもあると思います。

麺づくりの麺を考えるだけでなく、具材も含めたお客様の食べ方もイメージして、考えることが大切なんだと改めて思いました。

 

 

<参考サイト>

・“薬味”は“薬”?

https://sozairyoku.jp/%E2%80%9C%E8%96%AC%E5%91%B3%E2%80%9D%E3%81%AF%E2%80%9C%E8%96%AC%E2%80%9D

・薬味の歴史と夏の薬味

https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho/1307_joho01.html

・日本における香辛料の発展と歴史

https://voxspice.jp/spicestory/1108

・そうめんに薬味が必要な理由とは?薬味の役割をご紹介

https://delishkitchen.tv/articles/483

・そばのあいうえお「や 薬味(やくみ)」

https://www.nichimen.or.jp/know/aiueo/ya/

 

 

 


 

② いろいろな薬味とその働き

 

麺料理などによく用いられる薬味について、期待される働きをご紹介します。

 

<ネギ>

アリシンという物質が含まれ、胃腸の働きを高める、血行を良くする、新陳代謝を活発にする、疲労物質である乳酸を分解する、などの作用があるとされます。

ビタミンなども多く含まれています。

 

<ショウガ>

辛み成分ショウガオールに強い殺菌作用があり、生で食べると解毒作用も。

香り成分シオネールには食欲増進作用が期待されます。

また、胃液や唾液の分泌を促して消化を良くしたり、加熱すると新陳代謝を促して、体を温め冷えを改善すると考えられています。

 

 

<ミョウガ>

香り成分アルファピネンに、食欲増進や消化促進、抗菌作用があるとされます。

血行を良くして発汗を促したり、ホルモンバランスを整えたりする働きもあると言われています。

 

<ワサビ>

アリルイソチオシアネートという辛み成分に、抗菌・抗虫作用や、食欲増進、血栓予防、免疫力向上などの働きがあるとされます。

 

<シソ>

香り成分ぺリルアルデヒドやシアニジンに殺菌・防腐作用があり、食中毒の予防が期待できます。

胃液の分泌を促して食欲を増進させたり、神経をしずめイライラを抑えたりする働きもあるとされています。

 

<三つ葉>

クリプトテーネンという香り成分に、食欲を増進させ消化を促したり、気持ちをリラックスさせイライラを解消させたりする働きがあるとされます。

 

<ゴマ>

栄養価が高く、血中コレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸や抗酸化物質も豊富に含みます。

そのままよりすりゴマにしたほうが栄養成分が吸収されやすいそうです。

 

<大根おろし>

ビタミンCやジアスターゼという消化酵素が多く含まれており、消化を助け、胃腸の働きを整える働きが期待されます。

辛み成分には、殺菌作用や臭みを消す働きもあると言われます。

 

<梅干し>

強い抗菌作用があり、食あたり予防に使われてきました。

クエン酸が豊富に含まれ、疲労回復にも期待されます。

血液をサラサラにしたり胃腸や肝臓の働きを高めるとも言われています。

 

<ユズ>

ビタミンCとクエン酸が豊富に含まれ、疲労回復に役立つとされます。

食欲増進や胃腸の働きを整える作用も期待できます。

 

<海苔>

食物繊維やビタミンB1、B2を多く含みます。

特にビタミンB1、B2は糖質を効率良くエネルギーに変えてくれるので、食欲が無いときや疲れやすいときに食べると疲労回復にも効果的。

 

三代目:麺料理ではないのですが、以前、台湾旅行で「酸菜白肉鍋」というお鍋料理を食べた時の話です。

たくさんの調味料や薬味、付け合わせが並べられていて、それを自分好みに“調合”してお鍋をいただくのですが、そのときの食べ方は同席した人それぞれでした。

食べるメニューは同じなのですが薬味で個性が出るというか、変化を付けることでそれぞれの味になるのは面白いなと感じたことがあります。

今思えば、その時の体調で食べたい味を無意識に調整していたのかも知れません。

具材を人それぞれに合わせて変えるというのは大変ですが、薬味や付け合わせなら対応できそうですよね。

素麺はそういった意味で、たくさんの方に受け入れられやすい土壌があるのかなと感じます。

 

 

<参考サイト>

・飲食店なら知っておきたい薬味の役割!効果・効能も紹介!

https://www.inshokuten.com/kitchen/magazine/47

・薬味の種類|それぞれの効能や特徴

https://www.kurashiru.com/articles/2166dab3-e54d-4d62-8b53-2a2774a5b98a

・薬味の効能と健康パワーを知っていますか?

https://story.ajinomoto.co.jp/health/004.html

・実はすごい海苔の健康効果!日本人だからこそ享受できる海苔のパワー

https://marche.onward.co.jp/shop/pages/appetizers121.aspx

 

 


 

③ 麺の種類別、人気の薬味や具材

 

素麺やうどん、ラーメンなど、麺の種類別に、どんな薬味や具材が好んで合わせられているか調べてみました。

同じ小麦粉から作られる麺でも、それぞれの個性が表れる興味深い結果となりました。

 

<素麺>

「あなたがそうめんに必ず入れる薬味はどれ?」という2021年のインターネット調査によると、トップ5は、ネギ、ショウガ、ミョウガ、ワサビ、シソという結果でした。

以下は薬味というより具材に入りそうなものですが、錦糸卵、キュウリ、納豆、シーチキン、オクラ、メカブ、トマト、明太子、などの回答もありました。

素麺に入れる具材の人気ランキングも探しましたが、見当たりませんでした。

 

 

<うどん>

少し古いですが、2013年のインターネット調査「好きなうどんの具材ランキング」では、トップ5は天ぷら・かき揚げ、油揚げ、卵、わかめ、肉となっていました。

以下、山菜、とろろ、大根おろし、とろろ昆布、もち、と続きます。

 

<ラーメン>

「ラーメンの具材で好きなものを選んでください(複数回答可)」という2017年のインターネット調査によると、トップ5はチャーシュー、煮玉子、ネギ、メンマ、もやし、となっていました。以下、炒め野菜、海苔、ワンタン、キクラゲ、肉味噌とのことです。

 

<パスタ>

具材というとバリエーションが豊富すぎるのでしょうか、人気の具材ランキングは見つけられませんでしたが、「一番好きなパスタの味」という2022年のインターネット調査がありました。

トップ5はたらこ・明太子、カルボナーラ、ボロネーゼ、ポモドーロ・トマトソース、ペペロンチーノとなっています。

以下、ジェノベーゼ、ナポリタン、ミートソース、和風パスタ、アラビアータ、と続きます。

 

 

三代目:ラーメンと素麺は形状だけでなく製法や原料も異なりますが、素麺とうどんは全く同じ原料で太さが違うだけ。

薬味はほとんど同じでも、うどんは盛り付けの具材を色々と選ぶことで“食事”として成立しているような気がします。

最近では、素麺の専門店が増えていると言われますが、そちらでは“食事”としての素麺を味わえるようなメニューやレシピの工夫があるようです。

石井製麺所では白い素麺だけでなく毎日食べていただけるような、食べ続けるからには体に負担が少なく栄養価の良いものになればと…例えば『長命草素麺』のように健康面へ配慮した素麺もご用意しております。

そういう意味では、毎日の食事にお楽しみいただけるような具材や食べ方を合わせたご提案も考えていきたいと思います。

 

<参考サイト>

・「そうめんに必ず入れる薬味」ランキングTOP34!第1位は「ネギ」に決定!

https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/364344/

・好きなうどんの具材ランキング 1位は「天ぷら、かき揚げ」で61%

https://news.nifty.com/article/item/neta/12225-130515002272/

・ラーメンの具材、トップに君臨するのは!?

https://www.kinrei.com/fan/news/kokumen/201801/15095535.php

・好きなパスタの味ランキングTOP15!千票以上から選ばれた人気の種類は?

https://macaro-ni.jp/108527

 

 

 


 

④ 各地でいろんな具材と食べられている素麺

 

素麺の具材について調べてみると、地域ごとにさまざまな具材や味付けで食べられていることが分かりました。

ぜひ、素麺アレンジの参考にしてみてください。

 

<具材いろいろ>

・冷やし中華風

関西では、キュウリ、錦糸卵、ハム、カニカマなどを素麺のうえにトッピングして食べる習慣があります。

 

・ナスそうめん

石川県金沢市では、ナスと素麺を一緒にだしで煮て、醤油や味噌で味付けする郷土料理があります。

また香川県では、ナスを油で炒めて砂糖と醬油で味付けしたものに、ゆでた素麺を加えます。

どちらも家庭料理として一般的に食べられているようです。

 

・サバそうめん

甘辛いだしで煮たサバの切り身を、その煮汁にからませた素麺に乗せる、滋賀県長浜市の郷土料理。

ご当地グルメとして飲食店でも提供されています。

かつて日本海から京都を結ぶ「鯖街道」と呼ばれるルートがあり、サバが入手しやすかったそうです。

 

・鯛そうめん

タイをのせた素麺は、お祝いの料理として供される地域が多く見られ、「鯛麺」とも呼ばれています。

香川県では、ゆでた素麺を大皿に盛り、その上にタイの姿煮をのせます。

広島県や愛媛県の瀬戸内海沿岸地域ではさらに、木の芽やキュウリ、錦糸卵、シイタケの煮たものなどを添えます。

愛媛県松山市では五色素麺を用いることが多いそうです。

熊本県では、上益城地域でタイの姿煮をのせる形のほか、天草地域ではタイのアラを炊いて、煮汁を素麺にかけるそうです。

徳島県牟岐町には、れんこ鯛を甘辛く煮付け、その煮汁で素麺を食す「島そうめん」と呼ばれる料理があります。

素麺は錦糸卵やかまぼこ、ネギなどで飾り付け。れんこ鯛とともにお祝いごとの席で供されます。

 

<味付けにひと工夫>

・酢味噌そうめん

静岡県や愛知県の一部では、めんつゆではなく酢味噌を素麺にかける食べ方があるそうです。

赤味噌に、酢、みりん、砂糖を混ぜた酢味噌のさっぱりとした酸味が、食欲の落ちやすい夏にぴったりです。

 

・白エビ素干だしのそうめん

富山県の名産品である白エビは夏が旬ですが、素干しにすることで長期保存が可能になります。

白エビの素干しでとった、旨みが凝縮されただしに、醤油や砂糖を加えてつゆをつくります。

 

<あたたかくして>

・にゅうめん

素麺発祥の地とされる奈良県や、三大産地のひとつである兵庫県播磨地方では、素麺は夏は冷やして、冬はあたたかいつゆに入れて「にゅうめん」として、と一年を通して食されています。

・ばち汁

兵庫県播磨地方や岡山県浅口地方には、手延べ素麺をつくる過程で出る麺の端の部分を使った汁ものがあります。三味線のばちに似た形状から「ばち」と呼ばれ、素麺よりコシが強く塩気が多いのが特徴。野菜をだしで煮てばちを入れ、醤油で味をととのえる「ばち汁」が、家庭や給食で食されています。

 

<炒めて>

・油ゾーメン

鹿児島県奄美地域の郷土料理で、豚肉と野菜、素麺を炒めたもの。

沖縄の「そうめんチャンプルー」に似ていますが、炒める時にだし汁を入れるためのど越しが良いのが特徴です。

手軽に作れるので家庭で食べられているほか、飲食店でも提供されています。

 

・ソーミンタシヤー

素麺と野菜やツナなどを、塩や醬油で炒めてシンプルに仕上げる、沖縄県の家庭料理。

ちなみによく知られている「チャンプルー」は、炒めた豆腐が入るものを指すそうです。

 

 

<参考サイト>

・そうめんの薬味や、つけつゆは関東と関西では違うものなの?

https://kenkoubaizou.com/k2k0000282-post/

・そうめんの地域別の食べ方まとめ!飽きずに美味しく食べる工夫も公開

https://shop.ninben.co.jp/blog/?p=3799

・地域別そうめんの食べ方ランキングTOP10!みんなが試したいアレンジは?

https://macaro-ni.jp/111998

・うちの郷土料理 種類検索 麺料理

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/type/noodles.html

 


 

⑤ 健康に役立つ具材や食べ方

 

いろんな具材と相性の良い素麺を、毎日の食生活でもっと上手に活用してみませんか?健康に役立つ具材や食べ方を、調べてみました。

<消化を促進する>

おなかの調子が良くないなど、胃に負担の少ない食事を心がけたいときに。素麺は短い時間で消化できる食材です。

100gあたりの消化時間は約2時間。同量の白米やうどん、そばは約2時間30分、パンは約3時間だそうです。

柔らかくて脂質や刺激の少ない素麺は、胃にやさしい食べ物といえます。

あたたかくして食べるとより良いようです。

合わせる具材としては、繊維のやわらかい茹で野菜、例えば、大根、タマネギ、キャベツなど。

また、豆腐や鶏ささみ、大根おろし、梅干しなどもおすすめです。

 

<糖質や脂質の吸収を穏やかにする>

ダイエット中など、糖質や脂質の取りすぎが気になる方に。

素麺は、うどんやパスタ、中華麺と比べると、1食あたり10gほど糖質量が少ないそうです。

合わせる具材としては、食物繊維が豊富なものがおすすめです。

具体的には、野菜、きのこ類、海藻類、豆類など。

食物繊維は、消化吸収を穏やかにして血糖値の上昇を抑えるため、糖質の吸収を抑える働きがあるそうです。

 

<塩分の排出を促す>

素麺はつくる過程で塩を使いますが、食べるときにゆでる、また水洗いすることにより、塩分の多くは抜けます(【お!いしい けんぶんろく】Vol.9「人体にも手延べ素麺にとっても欠かせない塩について」参照)。

塩分の取り過ぎが気になる方は、めんつゆの塩分量に注意が必要です。

出汁を強めに利かせたり、薬味を工夫したりと味に変化を持たせることで、体への負担を減らして美味しく召し上がっていただけます。

また、カリウムが豊富に含まれる食材を合わせてとるとよいでしょう。

具体的には、アボカド、ホウレンソウ、小松菜、枝豆、ワカメ、海苔など。長命草にも多く含まれます。

カリウムには塩分の排出を促す働きがあります。

 

三代目:もっとライフスタイルに合わせた素麺・麺の開発が必要だなと感じました。

 

 

<参考サイト>

・体調不良の時におすすめ!消化に良い食材「そうめん」

https://www.handamen.com/blog/somen_digestion/

・そうめんは消化に良い食べ物?消化時間の比較と消化を良くするおすすめレシピ

https://gourmet-note.jp/posts/19180

・【管理栄養士監修】糖質の吸収を抑える夏の麺類レシピ!

https://sixthsenselab.jp/puravida/articles/1808_01/

・そうめんは塩分が多い?すぐに使える塩分を摂りすぎない減塩レシピ

https://dime.jp/genre/1405923/

 

 

 


 

⑥ 《産地紹介》宮城県・白石温麺(うーめん)

 

宮城県白石市の特産品である「温麺(うーめん)」は素麺の一種ですが、油を使わないでつくるのが特徴です。

一般的な手延べ素麺は、麺と麺がくっついたり乾燥したりするのを防ぐため、油を塗っています。

白石温麺は油を使わず、長さも9cmと短いことから、消化が良くて食べやすいと言われています。

太さは素麺より0.3㎜ほど太めで、食べごたえがあります。

白石温麺の歴史は約400年前、江戸時代にさかのぼります。

白石の城下町にいた鈴木味右衛門という青年は、胃腸が弱く病弱な父親が元気になる食べ物を日々探し回っていたそうです。

ある日彼は、旅の僧侶から油を使わず麺を作る方法を教えられ、苦心の末つくった麺を温めて父に食べさせました。

その美味しさと食べやすさから食が進み、父親は回復したそうです。

この麺を献上され、誕生秘話を聞いた白石城の城主・片倉小十郎が、味右衛門の父への想いに感銘を受け、「人を思いやる温かい心を持つ麺」という意味を込めてこの麺を「温麺」と名付けたと言われています。

さっぱりと上品な味わいで、仙台藩主の伊達家から大名・公家への贈答にも用いられたそうです。

白石地方は、蔵王連峰から流れる白石川の清流や温和で乾燥した気候に恵まれ、小麦粉が豊富に採れることから、良質な温麺の産地となりました。

温麺は一年を通して食されており、醤油や味噌でつくった汁につけて食べるのが一般的だそうです。

その扱いやすさと食べやすさから、離乳食や高齢の方の食事にも重宝されているとのことです。

 

 

<参考サイト>

・白石うーめん(温麺) の優しいおいしさ|歴史と名店をご紹介

https://shiroishi.ne.jp/feature/1802

・白石温麺|歴史が育んだ伝統の味

https://shiroishi.ne.jp/feature/4256

・白石うーめん(温麺) の歴史

http://www.u-men.co.jp/shiroishi_u-men/

・うーめん(白石温麺)とは?そうめんとの違いや食べ方をご紹介

https://delishkitchen.tv/articles/1493

・Wikipedia「温麺」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E9%BA%BA

 

 

 


 

⑦ 《美味しい素麺》手延べしょうどしま長命草素麺 編

 

「素麺で始める 新しい健康習慣」をコンセプトに開発した健康麺です。
大切なお客様のために、からだに嬉しい素麺を作りたい。
そう考えていたときに出会ったのが「しょうどしま長命草」でした。
「1株食べると、1日長生きする」と言われるほど、高い栄養価と、強い生命力を持つ長命草。
小豆島の特産品である醤油を製造するときにできる醤油粕を肥料として、無農薬で栽培された「しょうどしま長命草」は、小豆島生まれの新しい健康野菜です。

石井製麺所では手延べ製法にこだわり、小豆島で初めて、「手延べ製法による長命草素麺」を商品化しました。
無添加・無着色にもこだわり、安心してお召し上がりいただける、ツルツル食感が自慢の一品です。

石井製麺所では、「しょうどしま長命草」栽培を応援しています。

石井製麺所の所有する畑の一部を「しょうどしま長命草」栽培に活用いただき、一緒に島の食について考えています。

大切な方への贈り物にピッタリなお素麺です。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べしょうどしま長命草素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/29007893

 

 

 

 

三代目:次回のブログは4/10ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年3月13日 【Vol.9】人体にも手延べ素麺にとっても欠かせない塩について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.9

人体にも手延べ素麺にとっても欠かせない『塩』について

 

 

 

 

素麺は、小麦粉を塩水で練り合わせて作ります。

調べると小麦粉を使った麺づくりに塩が用いられるようになった歴史は古く、平安時代中期の書物「延喜式」には、素麺のルーツとされる「索餅」の材料として塩の記述が見られます。

今回は、人体にも不可欠な塩の働きやその歴史、手延べ素麺における塩の役割などをご紹介します。

 

三代目:石井製麺所では、午前3時30分頃から練り作業を行っています。

天候や温度・湿度を観て、小麦粉と食塩水の最適な配合量を量り、30分~40分ほど丁寧に練り合わせます。

この工程をしっかりおこなわないと、この後のすべての工程が台無しになってしまいます。

ただ小麦粉に食塩水を加えるのではなく、上手く混ざるように食塩水を流し込む場所とタイミングを選んでいます。

こまめに手を加えながら、グルテンがしっかり形成された麺生地をつくるためにムラなく、無駄なく練り上げます。

 

 

【目次】

① 人体に不可欠な塩の働き

② 手延べ素麺の原料としての塩の役割

③ 素麺を食べても塩分取り過ぎにならない理由

④ 奥が深い塩の歴史《世界編》

⑤ 知っていそうで知らない?!塩の歴史《日本編》

⑥ 《産地紹介》三重県・大矢知(おおやち)素麺

⑦ 《美味しい素麺》小豆島便り〈冬〉(ギフトセット) 編

 

 


 

① 人体に不可欠な塩の働き

 

塩は、人間が生きていくうえで大切な働きをしています。

体内の塩分量は、大人で体重の0.3~0.4%、子供では約0.2%とされています。

例えば体重60kgの人の体内の塩分量は約200gということになります。

塩は体内でナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれて存在しており、いろいろなシステムの働きを守り、維持する役割を果たしています。

 

<細胞を正常に保つ>

人間の体を構成する細胞は、細胞外液という液に囲まれています。

塩はイオンの状態で細胞外液に多く含まれ、細胞外液の量を維持しています。

このことにより、全身の細胞に酸素や栄養分が運ばれたり、二酸化炭素や老廃物が肺や腎臓に運ばれ排出されたりします。

また、細胞外液の濃度を調整し、バランスを一定に保つことで、細胞の働きを支えています。

 

<消化や吸収を助ける>

体内の塩化物イオンは胃酸の主成分となり、胃で食べ物を殺菌したり、消化を助けたりしています。

ナトリウムイオンは小腸で、アミノ酸やブドウ糖などの吸収を助けています。

 

<情報を脳や体に伝える>

神経細胞は、ものを触ったときなどの刺激を脳に伝える、脳から体を動かすように筋肉に命令を伝える、などの働きをしています。

神経細胞が刺激や命令を伝えるときに必要となるのがナトリウムイオンです。

 

以前は塩の取り過ぎが高血圧の原因と考えられていましたが、近年では、塩の摂取と血圧の上昇は必ずしも結びつかないことが明らかになってきているそうです。

 

三代目:私、実は3月の前半に体調を崩して入院しておりました。

術後経過も順調で、復帰して現在は元気にしております。

いわゆる病院食というと、「味気がない」といったイメージがあり、「手術後は重湯だった」というお話も聞いたことがありました。

もちろん、病気の内容や重さによって食事の内容は変わるのだと思いますが、意外にも手術翌朝の朝食から「ふりかけ」が付いていたり、栄養バランスが考えられた食事ながらも、ちゃんと塩気があるものが出されました。

今になって振り返ると、この塩気がとても美味しく、ありがたく感じられました。

「傷ついた体に染み渡る」といった感じでしょうか。なんとなくですが、回復しようとする体が塩気を求めていたように思います。

どうやら「塩気がある食事が出るようになると、不思議と食欲が湧いてきておかわりが欲しくなった」という患者さんもいらっしゃるようです。

食欲がわいてきたからではなく、塩気を取ると美味しく感じ、おかわりが欲しくなったみたいですね。

人間は塩味の刺激により、美味しいと感じる正常な味覚が保たれるんでしょうね。

大学生の時分にも、アーチェリー部で活動をしていたときは、熱中症や脱水症状を起こさないように、塩分(ミネラル分)補給はとても気をつけていました。

激しい発汗や下痢などで体内の塩分が足りなくなると、脱水症状、血圧低下、立ち眩み、倦怠感、精神不安定、眠気、脱力感など、さまざまな症状が現れるそうですから、闇雲に塩分を拒否するのでは無く、上手に向き合っていく必要がありますね。

 

 

<参考サイト>

・塩と健康の関係

https://www.nihonkaisui.co.jp/small_customer/learning_salt/health

・体内の塩

https://www.shiojigyo.com/siohyakka/about/human/inside.html

・塩とからだの大事な関係

https://www.shiotokurashi.com/life

 

 


 

② 手延べ素麺の原料としての塩の役割

 

素麺やうどん、ひやむぎなどの麺は、小麦粉と水だけではなく塩を加えて作られます。

塩を入れる理由としては、科学的根拠のあるものがいくつかあります。先人達のアイデアや知恵は本当に素晴らしいものです。

この手延べ素麺作りの叡智を活かし、さらなる美味しい素麺作りを続けたいものです。

 

<グルテンを引き締める>

麺のコシの元となるグルテンは、小麦粉のたんぱく質が水と合わさることで形成されます。

生地をこねて引きのばすことにより、グルテンが何層にも重なった地層のように組織されます。

塩には、このグルテンを強く引き締める働きがあります。

夏は気温が高く、生地がだれやすくなるので塩を多くし、逆に冬は生地が硬くなるので塩を減らす、といったように、季節や天候などにより塩分濃度の微調整が必要です。

まさに、良い塩梅が美味しい素麺に不可欠なのです。

 

<酵素の活性を抑制する>

塩が小麦粉に含まれるたんぱく質分解酵素の働きを抑えることで、生地がじっくり熟成され、より弾力が増します。

 

<保存期間を長くする>

水分活性が小さくなるため雑菌が繁殖しにくくなり、保存性が向上します。

 

<乾燥を防ぐ>

塩には吸水性があり、水分を蓄えようとします。

熟成を繰り返しながら麺を細く延ばしていく手延べ製法において、塩は急激な乾燥によるひび割れを防ぎ、表面をなめらかに仕上げるのに役立ちます

 

<ゆで時間を短縮する>

ゆでる時に、麺に含まれている塩がお湯の中に溶けだし、お湯が麺の中に入り込んで、でんぷんが糊化します。

塩を多く含んでいれば、それだけ早くゆで上がることになります。

 

<味を良くする>

ゆでることで塩分の多くは溶け出しますが、わずかに残った塩味が、麺の風味や旨みを引き立てます。

 

三代目:今、新麺開発を行っているのですが、塩の重要性を特に感じます。

麺の伸びをよくするのにも、止めるのも塩加減ひとつです。

入院中は、新麺開発を進めることができず、体がウズウズしていましたが、ここはグッと我慢の日々でした。

新麺開発のための理論を整理するために色々とまとめ直していましたが、やはり塩加減というのが肝心で、これから暖かくなるにつれ、また塩分量も変化させないといけません。

“麺は生き物”と感じることが多々ありますが、塩によってコントロールする技術や経験を積み、麺づくりと上手に付き合っていきたいものです。

そのためにも今回の『塩』というテーマは、今の時分にピッタリなのだと感じます。

 

 

新麺を試作で伸ばす様子。

今回は、想像以上に伸びてしまい、塩加減の難しさを痛感しました。

これはこれで美味しく食べましたが、皆さまにお届けするのはもう少し先になりそうです。

 

<参考サイト>

・うどんに塩を入れる理由

https://www.flour.co.jp/news/article/111/

・手延べそうめん、うどんの副原料

https://www.shimabara-soumen.com/article/14245881.html

・うどんと塩

https://www.nichimen.or.jp/know/zatsugaku/19/

 

 


 

③ 素麺を食べても塩分取り過ぎにならない理由

 

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食塩摂取の目標量(食塩相当量として)は、成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されています。

文部科学省の食品成分データベースによると、手延べ素麺(乾麺)の1人前100gに含まれる塩分の量は5.8gですが、ゆでるとお湯に溶けだすため、塩分量は0.3gにまで減少します。

さらに水洗いすることでも塩分が抜けます

このように、素麺はけして塩分の多い食品ではありません。

 

 

三代目:塩分の取り過ぎが気になる方は、たっぷりのお湯でゆでてしっかり水洗いすることを心掛けてみてください。それだけでも随分変わります。

また、一番肝心なのは、食べる際にめんつゆの塩分量に気を付けられることだと思います。

出汁を強めに利かせたり、薬味を工夫したり味に変化を持たせることで美味しく、ぐっと体に負担が少なく召し上がっていただけます。

最近ではオリーブオイルを数滴垂らして召し上がっていただくこともおすすめしています。

特に私がおすすめしているのは、和風出汁に合うオリーブオイルです。

コクが出て、清々しい香りがして、つるんっと召し上がっていただけますよ。ぜひお試しください。

 

 

<参考サイト>

・厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-024.html#:~:text=%E3%80%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96,%E6%9C%AA%E6%BA%80%E3%81%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・文部科学省 食品成分データベース

https://fooddb.mext.go.jp/search.html

・そうめんは塩分が多い?すぐに使える塩分を摂りすぎない減塩レシピ

https://dime.jp/genre/1405923/

・「そうめん」の塩分量はどれくらい?管理栄養士が教える減塩のコツ3つ

https://macaro-ni.jp/109133?page=2

 

 


 

④ 奥が深い塩の歴史《世界編》

 

地球の表面積の70%は海で、海水には塩が約3%の濃度で溶けています。

人類は大昔から、生活に欠かせない塩を手に入れるため、各地でそれぞれの環境に応じてさまざまな製塩を行ってきました。

現在、世界中で1年間に約1億8千万トンの塩が生産され、そのうちの約4分の1が海水から、残りは岩塩や塩湖などから採られているそうです。

古代文明の塩の歴史について、記録を記したものがあったので3つの時代についてご紹介します。

 

<古代中国>

山西省運城市の運城塩湖では、紀元前6000年には製塩所ができ、湖面に浮かぶ塩の結晶を採っていたとされています。

紀元前450年頃には、塩を煮詰めるために鉄鍋を使ったという記録が残っているそうです。塩づくりに鉄を使ったことが分かる最初の資料と考えられています。

唐の時代、塩の製造や販売は国が取りしきっており、王朝は財政状況に合わせて塩の値段を操作することで、万里の長城の建造費を捻出することができたと言われています。

 

<古代ローマ>

ローマ帝国では、塩は誰にでも与えられるべき、多くの人に行きわたらせたいものと考えられており、庶民の食卓にも塩が置かれていたそうです。

イタリアやローマから広がる領土には多くの製塩所がつくられ、その周辺に都市が築かれました。

塩を各地に運ぶためにつくられた「塩の道」が世界へと広がり、ローマ勢力はその勢力を拡大していったとされます。

給料を意味する「サラリー」、兵士を意味する「ソルジャー」という言葉は、ラテン語で塩を意味する「サル」が由来とされています。

 

<古代エジプト>

古代エジプトでは、ナイル川の先に広がるアフリカの砂漠の干上がった湖から塩を入手することが容易だったようです。

塩を調味料の材料にしたり、肉や魚、野菜を塩漬けにしたりしていたという記録が、パピルスや壁画で残っているとのことです。

葬儀のお供え物として、塩漬けの魚と食卓塩入れがあったという話もあります。

 

※写真はAdobe Stock「Pamukkale, natural pool with blue water, Turkey」より

<参考サイト>

・世界の塩・日本の塩

https://www.tabashio.jp/collection/salt/s4/index.html

・塩の歴史

https://www.shionavi.com/salt/history

 

 


 

⑤ 知っていそうで知らない?!塩の歴史《日本編》

 

日本で塩づくりが始まったのは、縄文時代の終わり頃と考えられているそうです。

狩猟生活を送っている時代は、海から取れる魚貝類には塩味がついており、動物の肉にも塩分が含まれているため、人体はそれほど塩分を必要としなかったようです。

稲作をはじめとした農耕生活に変わり、食生活が穀物主体のものになると、ナトリウム不足になりがちなため、塩分を摂取する必要が生じてきたと言われます。

日本は岩塩などの塩資源に恵まれておらず、多雨多湿のため天日だけで塩を作ることも難しく、海水を煮詰めて塩の結晶を取り出すしかなかったようで、それぞれの時代で知恵と工夫を凝らした製塩法が生み出されたようです。

四方を海に囲まれた日本は簡単に塩が採れると考えてしまいますが、岩塩などから塩が採れる国と比べ、人力で海水をくみ上げたり、海水を煮詰めたり、精製も必要で時間も手間も掛かることから、日本で塩は長い間、大変貴重なものだったということがうかがえます。

以下に、日本での古来からの塩の製法を調べてみました。

 

<縄文・弥生時代>

海水をそのまま煮詰める「直煮(じきに)製塩」。全国各地で、製塩用の土器が出土しているそうです。

煮詰める途中で土器が割れるなど、一筋縄ではいかなかったと想像されます。

 

<弥生時代>

ホンダワラなどの海藻を積み重ねた上から、海水をかけては乾かす作業を繰り返していたようです。

塩の結晶が付いた海藻を焼き、できた灰を釜に入れて海水を加え濃い塩水にし、その上澄みを煮詰めて塩をつくる「藻塩焼(もしおやき)製塩」を行っていたとされます。

海藻は乾燥しにくく燃えにくいので少しの塩しか採れなかったそうです。

 

<室町時代中期>

「揚浜式(あげはましき)塩田製塩」が行われるようになりました。

粘土板の上に砂を敷き詰め、水が染み込まないように固めた塩田に、人力で汲み上げた海水を繰り返しまいて天日乾燥させ、砂に塩分を付着させます。

砂が乾いたら海水で洗い流してかん水を採り、釜屋と呼ばれる小屋で煮詰めて製塩をおこなったようです。

 

<江戸時代>

潮の干満差を利用して塩田に海水を引き込み、毛細管現象によって砂を湿らせる「入浜式(いりはましき)塩田製塩」が行われ、海水を汲み上げる労力が要らなくなったそうです。

それ以外の作業は「揚浜式塩田」と同様でした。

瀬戸内海沿岸の10カ国(長門、周防、安芸、備前、備中、備後、播磨、伊予、讃岐、阿波(現在の兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県))を中心に大規模な「入浜式塩田」が築造され、「十州塩田」と呼ばれました。

「入浜式塩田」という方法は、塩の干満差が大きい瀬戸内海沿岸で開発・発展してきたとされ、現在でも塩のメーカーが瀬戸内海沿岸に多いのは、ここに由来しているそうです。

昭和30年頃までの約400年にわたり、日本独特の製塩法として盛んに行われたそうです。

 

<1953年~1971年>

昭和30年頃から「流下式枝条架併用(りゅうかしきしじょうかへいよう)塩田製塩」が主流となりました。

ポンプで汲み上げた海水を、緩やかな傾斜をつけた塩田に流し、水分を蒸発させて濃い海水にします。

これを竹の枝を組んだ「枝条架」の上からしたたらせ、太陽と風で水分を飛ばしてさらに濃縮させ、煮詰めて塩をつくります。

これまでの「入浜式塩田」と比べ、生産量は2.5~3倍に増加し、労力は約10分の1 になったそうです。

 

<1972年~>

イオンの性質を利用して海水中の塩分を集める「イオン交換膜製塩」に、全面的に切り替えられました。

塩の主成分・塩化ナトリウム(NaCl)は、海水中では電気を帯びたイオン(Na+とCl-)になっています。

陽イオンだけを通す陽イオン交換膜と、陰イオンだけを通す陰イオン交換膜を交互に並べ、電気を流すことで、濃い(Na+とCl-が多い)塩水と、薄い(少ない)塩水ができます。

こうしてできた濃い塩水を煮詰めて塩が作られています。

「イオン交換膜」による製塩法が開発されるまで、日本では実に1000年以上も塩田による製塩が続いてきたのです。

 

<1997年~>

1905年から「塩専売法」という法律のもと、塩の製造・販売は国により管理されてきました

1997年、新しい法律に変わったことで「イオン交換膜製法」以外でも塩をつくることができるようになりました。

2002年には塩の製造・輸入・流通が完全に自由化されたことで、塩製造者が増え、様々な方法で塩づくりが行なわれています。

 

三代目:塩が大変貴重だったということから、手延べ素麺作りが発達したのは、塩が比較的身近にあった海に近いエリアであるのが納得できます。

まあ、海に囲まれている日本ですから海に面していること自体は珍しくも無いのでしょうが、海に面していない奈良県桜井市の三輪素麺が発祥となったのは、少し不思議な感じがしますね。この辺は、機会があればまた調べてみたいと思います。

 

※写真はPhotoAC「香川県宇多津町 うたづ臨海公園にある復元塩田」より

<参考サイト>

・日本の塩 世界の塩

http://www.tokyosalt.co.jp/woldsolt

・世界の塩造り、日本の塩造り

https://www.nihonkaisui.co.jp/small_customer/learning_salt/Japanese_salt

・日本の塩づくりの歴史

https://www.shiojigyo.com/siohyakka/made/history.html

・日本の塩つくりの歴史

https://www.hakatanoshio.co.jp/salt/history/

・株式会社天塩「塩とは」

https://www.amashio.co.jp/shio/#h-anker2

 

 


 

⑥ 《産地紹介》三重県・大矢知(おおやち)素麺

 

大矢知素麺は、三重県四日市市大矢知地区で作られる素麺です。

今から約200年前の江戸時代末期、1人の旅の僧侶が大矢知の農家に一夜の宿を請い、人々の親切なもてなしに大変喜んで、そのお礼として素麵の作り方を授けたのがその始まりとされています。

 

朝明川の清流と、鈴鹿おろしと呼ばれる乾燥した北西の季節風という気候風土に加え、北勢地域が小麦の産地であったことなど、素麺づくりに適したこともあり、農閑期である冬の副業として、素麺づくりが盛んになったと言われています。

 

明治時代には近代的な手延べ製法が伝わり、昭和初期の最盛期には生産者が300軒を超え、手延べ製法を用いてひやむぎやきしめん、うどんも生産されるようになったそうです。

機械生産への移行などにより生産者は急速に減少し、現在は10件ほどの事業者が伝統的な手延べ製麺の技術をつないでいるとのことです。

 

大矢知素麺は少し太めの麺で、手延べならではの強いコシやなめらかな舌触り、歯切れの良さが特徴です。

農林水産省の統計(平成21年)によると、手延べ素麺の都道府県別生産量において、三重県は全国第9位となっています。

 

 

<参考サイト>

・Wikipedia「大矢知素麺」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%9F%A2%E7%9F%A5%E7%B4%A0%E9%BA%BA

・四日市市広報2022年2月上旬号

https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1643956619284/simple/202202joujun0205.pdf

・大矢知手延べそうめんの歴史

http://soumen-guide.net/archives/140

・大矢知手延べそうめんの特徴

http://soumen-guide.net/archives/143

・乾めん類の都道府県別生産量

https://www.shimabara-soumen.com/article/14800426.html

 

 


 

⑦ 《美味しい素麺》小豆島便り〈冬〉(ギフトセット) 編

 

小豆島民にとって“馴染み深い品々”を集めました。

小豆島には手延べそうめんのほかにも、 醤油やオリーブといった歴史ある食品産業があります。

当店自慢のそうめん・うどんと、 小豆島を代表する食品をセットでお届けします。

数ある醤油蔵、オリーブオイルメーカーのなかでも、 古くから島民の食卓に欠かせない二品を選びました。

濃縮タイプで大きめサイズの万能つゆと、 さらっとクセのない味わいのオリーブオイルは、 色々な料理にお使いいただけます。

本文でも書いたように、素麺に含まれる塩分は茹でたり、水ですすいだりしている内に自然と流れ落ちていきますが、めんつゆなどに含まれる塩分が多いと結局同じことになってしまいます。

山芋の粉を練り込んだ「手延べ山芋素麺」や「手延べオリーブオイル素麺」など、普通の素麺とはまた違った味わいやお料理にお使いいただける素麺をセットにしています。

ですから、濃く味付けしたり濃いつゆにつけたりしなくても美味しく召し上がっていただけるのではないでしょうか。

また、石井製麺所の素麺を美味しく召し上がっていただくのにおすすめなつゆ「マルキンデラックスつゆ」もセットにしています。

6倍濃縮タイプなので、塩分が気になる方は少し薄めるなどお好みの濃度でお召し上がりいただけます。

さらに、オリーブオイルもセットしていますので、めんつゆに少し垂らしてお召し上がりいただければ、コクが出て美味しくなると思います。

石井製麺所の人気の素麺とおすすめ商品をセットにしたギフトセットですので、ご自宅用はもちろん、大切な方への贈り物にいかがでしょうか。

春先のお祝い事にもピッタリですよ。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《小豆島便り<冬>》 https://141seimen.thebase.in/items/55454413

 

 

 

 

 

三代目:次回のブログは3/27ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年2月26日 【Vol.8】小豆島手延べ素麺ならではのごま油について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.8

小豆島手延べ素麺ならではの『ごま油』について

 

 

 

 

「手延べ素麺」とは一般的に、小麦粉に食塩と水を混ぜこねて生地を作り、食用植物油を塗りながら手を使って細く伸ばし麺に仕上げたもので、その太さにより素麺、ひやむぎ、うどんなどと規定されています(お!いしい けんぶんろく】 Vol.4「素麺の規格は太さにより決まっている」参照

今回のブログでは、手延べ素麺づくりの工程では欠かせない食用植物油、今回は小豆島独自とも言える『ごま油』について掘り下げてみたいと思います。

なぜ小豆島だけで素麺づくりにごま油が使われるようになったのか…実は、はっきりしたことは分かっていないそうです。

ですが、美味しさや機能性の面で多くのメリットがあり、ごま油を使うことは理にかなっていると言えます。

今回は、ごま油の歴史や栄養価、素麺に適している理由などについてご紹介します。

 

三代目:昨年12月、小豆島土庄町にあるごま油で有名な『かどや製油』様へ工場見学に行ってきました。

圧倒的な国内シェアを誇り、海外への輸出も積極的に行うお会社様ですから、緊張して伺ったのですがご対応頂いたご担当者様はじめ、研究部門のご担当者様含め多くの方にお迎えいただき、アットホームな雰囲気で一気に和んでしまいました。

工場で働くほとんどの方が小豆島ご出身とのことで、とても身近にも感じました。

恥ずかしながら、そういったことが全く分かっていませんでした。

ですが、今回の訪問を通じて『ごま油』の良さや、その理にかなった小豆島手延べ素麺の美味しさの秘訣などに触れることができたと思います。

『かどや製油』様へのリスペクトと感謝の気持ちを込めて、色々と調べてみましたので、よければ皆さまもご一緒に『ごま油』の魅力にお付き合いください。

 

今回、快く訪問を受け入れてくださった『かどや製油』の皆さまです。

 

【目次】

① 古代文明の時代から重用されてきた『ごま』と『ごま油』

② 日本で奈良時代から使われている『ごま油』

③ 『ごま油』の栄養と健康や美容への効果

④ 素麺作りに『ごま油』を使うメリットとは

⑤ 『かどや製油』の『ごま油』について

⑥ 《産地紹介》愛知県・和泉素麺

⑦ 《美味しい素麺》手延べ素麺 太麺 編

 

 


 

① 古代文明の時代から重用されてきた『ごま』と『ごま油』

 

『ごま』はアフリカのサバンナ地帯が原産地とされています。今から約6000年前、アフリカの人々が原生の『ごま』を食用に改良したのが始まりで、そこから中東やヨーロッパに伝わり、さらにシルクロードを経由して、中国や日本に伝来したと考えられています。

 

古代エジプトでは、搾った『ごま油』を灯火や香料などにするほか、卵や蜂蜜と合わせて滋養強壮の妙薬として使っていたそうです。

あのクレオパトラがボディオイルとして愛用していたという説も。

またミイラを保存するための防腐剤として活用されたという記述もあるそうです。

 

世界最古の文明であるメソポタミアでは、天地創造の神話において、神が人間の世界を作る時、ごま酒を飲んだと伝えられているそうです。

『ごま』は、菓子、軟膏、儀式用の燈明など、さまざまな場面で利用されていたとのこと。

粘土板に『ごま』と銀貨の交換レートが記載されていた記録も残っているそうです。

 

2500年ほど前のギリシャでは、医学の父と呼ばれるヒポクラテスの書に、『ごま』が薬用として利用されていた記録があるそうです。

 

インダス文明を代表するモヘンジョダロ遺跡やハラッパ遺跡でも、『ごま』が多数出土しています。

代表的な利用方法として、人類最古の医学といわれる健康法「アーユルヴェーダ」では、『ごま油』が薬剤として用いられるそうです。

 

中国では、紀元前3000年頃の浙江良渚遺跡から『ごま』が出土しているとのことです。

世界最古と言われる医薬書「神農本草経」には、黒ごまは「気力を増し、脳髄を補い、飢えず、老いず、寿を増す」不老不死の薬効があると記されているとのこと。

宋の時代の医薬学書「経史証類大観本草」では、練りごまと蜂蜜を混ぜて丸めた「精神丸(せいしんがん)」という薬が、よろずの病を治すとして紹介されているそうです。

 

 

<参考サイト>

・【ごまの豆知識①】ごまはどこから来たの?ごまの歴史について

https://www2.katagi.co.jp/blog/2017/07/blog2.html

・「ごま」にまつわるよもやま話。起源と歴史、日本伝来について

https://www.kenkodojo.com/column/knowledge/detail174/

・ごまのはじまり(ごまの起源)

https://www.kuki-info.co.jp/learn-enjoy/stories.html

 

 


 

② 日本で奈良時代から使われている『ごま油』

 

日本では紀元前1200年頃、縄文時代末期の遺跡で『ごま』の種子が発見されています。

その後、仏教伝来とともに大陸から『ごま』の搾油技術が伝わり、灯油が作られるようになったそうです。

奈良時代には栽培が始まり、食用文化も広がり始めたようです。

正倉院文書には、米や麦の粉を蜜でからめて『ごま油』で揚げた、かりんとうのような菓子があったという記述があるそうです。

平安時代の辞書「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には、「油飯(あぶらいい)」という料理の解説として「ごま油にて飯を炊く」との旨が書かれていて、ご飯を炊くときに水と一緒にごま油を入れていたと推測できるとか。

食べることができたのは貴族だけで、『ごま油』は庶民にはまだまだ手の届かないものだったようです。

 

鎌倉時代に中国から伝わったすり鉢が普及したことから、室町時代には『ごま』料理の幅が広がったと言われます。

室町時代の書とされる「大草家料理書」には、鯛南蛮焼の作り方に『ごま油』の記述が見られるそうです。

江戸時代の初期に黄檗宗の開祖である隠元禅師が中国から伝えた「普茶料理(ふちゃりょうり)」という精進料理には、『ごま油』を用いた揚げ物などのメニューがあり、現代でも親しまれている南部胡麻煎餅や、ごま和え、ごま豆腐などの料理も誕生したようです。

明治時代になると、料亭やてんぷら店の広がりに伴い、『ごま油』が一般に普及していったようです。

 

三代目:こうやって見ると、小豆島に手延べ素麺が伝わってきたときには、まだ『ごま油』はとても貴重なものだったと推測できます。

『かどや製油』様に伺ったところ、「小豆島に手延べ素麺が伝わったのが先か、『ごま油』の製造が先なのか」は、よく分かっていないそうです。

また、『かどや製油』様も昔から今のように大きかったわけではなく、たくさんの製油所が統合されて大きくなっていったそうなのですが、「なぜ『かどや製油』に統合されたのか」も、よく分かっていないそうです。

小豆島でも『ごま』の栽培は行っていたのでしょうが、『ごま油』を作るとなると相当な量の『ごま』が必要だったのではないでしょうか。

しかも、手延べ素麺発祥の地の三輪素麺でも使わない物であり、希少で高価な『ごま油』を誰が使ってみようと思ったのでしょうか。

 

※写真はAdobe Stock「朱雀門広場の遣唐使船」より

<参考サイト>

・ごま油の豆知識

https://www.nisshin-oillio.com/goods/goma/knowledge/import.php

・ごま油のお話し

https://www.oil.or.jp/info/59/page01.html

 

 


 

③ 『ごま油』の栄養と健康や美容への効果

 

特有の芳ばしい香りが特徴の『ごま油』には、ここまでで調べたように「美味しさ」はもちろん、「健康」「美容」「薬」「長寿」などの特徴があり、「抗酸化作用」をはじめとした健康効果をもたらす体にうれしい成分が多く含まれています。

こうした作用が小豆島手延べ素麺の美味しさの秘訣になっているのだと考えられます。

ここでは『ごま油』の主な栄養成分について調べてみたので、ご紹介したいと思います。

 

<ゴマリグナン>

ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり、老化予防などに役立つと言われています。

また活性酸素を取り除く働きもあり、生活習慣病の予防にも期待されています。

ゴマリグナンの中で最も多く含まれているセサミンには、アルコールの分解促進、コレステロールの減少、血圧上昇の抑制、肝機能の改善、免疫力を高めるなどの働きが期待できます。

またセサモリンは、『ごま油』の製造過程でセサミノールやセサモールに変化します。これらには、油の酸化を抑制する効果もあるとされています。

 

<リノール酸>

不飽和脂肪酸のひとつで、体内で合成することができないため、食事から摂取する必要がある成分です。

『ごま油』は、全食品の中でも上位に入るほどリノール酸を豊富に含みます。

血中の総コレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防する効果があるとされています。

 

<オレイン酸>

不飽和脂肪酸のひとつ。

悪玉コレステロール値を下げる働きや、腸の働きを活性化して便秘の解消に役立つ働きがあると言われています。

 

<ビタミンE>

強い抗酸化作用があり、体をストレスから守り老化を抑える働きがあります。

不飽和脂肪酸の酸化を防いでシミやしわの増加を予防、悪玉コレステロールの酸化を防いで動脈硬化予防、毛細血管を広げて血行を改善し冷え性を解消、などの効果が期待できます。

日本人が摂取するビタミンEの約30%は、植物油から摂取しているそうです。

 

<セレン>

ミネラルの一種で、活性酸素に対抗する酵素を作る働きがあり、老化防止やがんの発症リスクの軽減が期待されています。

ビタミンEと一緒に摂取することで相乗的な作用が期待できます。

 

これらの成分は、『ごま』の堅い皮の内側にあり、皮つきのまま食べると体に良いとされる成分も吸収されずにそのまま体外に排出されてしまうそうです。

そのため、吸収の良い食べ方には、

煎りごま」よりも「すりごま」「ねりごま」「液状」の状態の方が、栄養成分が消化・吸収されやすくなるそうです。

 

三代目:自分よりも強い立場の人へ取り入ろうとする際に「ごまをする」という表現がありますが、「ごますり」は栄養価の吸収を助けるためですから、本来、相手を思いやる行為なのかも知れませんね。

 

 

<参考サイト>

・スーパーフード・ごまで健康生活

https://www.kadoya.com/enjoy/page06.html

・アンチエイジング効果にも期待!ごま油の栄養

https://magokoro-care-shoku.com/column/nutrition-of-sesame-oil/#%E2%97%86%E3%81%94%E3%81%BE%E6%B2%B9%E3%81%AE%E4%BF%9D%E5%AD%98%E6%96%B9%E6%B3%95

・ごま油の健康効果・効能・栄養|上手な選び方と使い方

https://kawashima-ya.jp/contents/?p=12301

 

 


 

④ 素麺作りに『ごま油』を使うメリットとは

 

手延べ素麺では、麺の生地の表面に油を塗りながら引き伸ばし巻いていく「油がえし」という工程があります(【お!いしい けんぶんろく】 Vol.2 「手間を惜しまない伝統の製法・手延べ素麺」参照)。

麺の表面の乾燥を防ぎ、生地同士がくっつかないように油でコーティングする工程です。

他の産地では綿実油を使って行いますが、小豆島では100%純正の『天然ごま油』を使います。

抗酸化作用の強い『ごま油』を使うことで、素麺の酸化が抑えられるため、油臭さを取り除く工程が必要ありません。

 

素麺は熟成させることでコシが強くなり、ゆで伸びしにくくなります。

適切に管理された倉庫で貯蔵された素麺は、高温多湿の梅雨を越すことで熟成し、麺質が変化します。

梅雨を1回越したものを「新物」、2回越したものを「古物(ひねもの)」、3回越したものを「大古物(おおひねもの)」と言い、古いものほど貴重とされる産地もあります。

小豆島素麺で使われる『ごま油』は、油の酸化を抑える働きのあるゴマリグナンやγ-トコフェロール(ビタミンEの一種)を含んでいるため、麺の劣化が抑制され、美味しさや風味を保ったまま長持ちさせることができると考えられています。

 

小豆島手延べ素麺に『ごま油』を使用することで、麺にできる『ごま油』のコーティングが酸化を防ぎ、ゆっくりと麺を熟成させることができ、またそれが特有の芳ばしい風味や黄味がかった色合いを生み、小豆島の手延べ素麺の特長のひとつとなっていると言えます。

 

三代目:『かどや製油』様で、様々な油の酸化度合いを比較した図を拝見させていただきましたが、『ごま油』が大変優れていることが一目瞭然でした。乾麺を保存するのに、まさにピッタリな『ごま油』が身近にあったからこそ、小豆島手延べ素麺はここまで発展したのだと感じます。

先人たちの、美味しくしようとするその知恵や努力が、今まさに、産地の大きな特徴ともなっています。

 

 

<参考サイト>

・小豆島はそうめんの町

https://shodoshima.npnp.jp/about/somen/

・「そうめん」も熟成がおいしい?

https://www.educe-shokuiku.jp/news/food/somen/

・手延べそうめんの「厄(やく)」とは

https://www.shimabara-soumen.com/14662419348225

・そうめんは古いもののほうがおいしいって本当!?

https://www.olive-hitomawashi.com/column/2018/08/post-2913.html

 

 


 

⑤ 『かどや製油』の『ごま油』について

 

石井製麺所がある小豆島町と反対側にある小豆島のもうひとつの町、土庄町に『かどや製油』様はあります。

土庄町には高松や岡山から港にフェリーが入ってくる航路がありますが、着岸前には目の前に大きく拡がる工場を見ることができます。

時間帯によって(風向きによって)、『ごま』の芳ばしい香りが町中に漂うのも、小豆島ならではのこと。

 

『ごま油』の国内シェア約50%を占める『かどや製油』様は、小豆島発祥の企業です。

江戸時代末期の安政5年(1858年)に創業。

店舗と工場が交差点の角にあったことから「かどや」の名が付いたそうです。

小豆島の素麺づくりに欠かせない『ごま油』を扱い、関西で広く知られるようになりました。

昭和32年(1957年)、東日本地区の代理店である小澤商店と共同で出資して、東京の品川に本社を置き、全国に事業を拡大しました。

今でも小豆島で大規模工場を稼働しています。

 

『ごま油』には、『ごま油』100%の「純正ごま油」と、大豆や菜類などの食用油をブレンドして作った「調合ごま油」の2種類があるそうです。

現在は、「特定保健用食品」の許可を得た「トクホのごま油」も販売しておられます。

 

かどやの「純正ごま油」の原料は、『ごま』100%。

良質な『ごま』ならではの香りや味、栄養価の高さが特徴です。

もちろん、石井製麺所では、『かどや製油』様の『ごま油』を使って手延べ素麺を作っています

 

三代目:これだけすごいお会社様ですから、本当に感心しきりなのですが、最後に。

日本全国、世界のあちこちに『ごま油』を供給されているので、見学をしていても気になったのは油を搾った残りかす…。

とんでもない量が出て困っているのでは?と思ったのですが、それは全て動物用飼料として再利用されているそうです。

そんな『ごま』を知り尽くした『かどや製油』様に負けないように、小豆島手延べ素麺をもっとたくさんの方に食べていただけるように精進してまいります。

 

 

<参考サイト>

・かどや製油株式会社

https://www.kadoya.com/specialty/pure/

・日本を代表するごま油!小豆島のかどや製油の歴史

https://humoto.jp/skanko/page-279/

・「かどや製油」ごま油一筋で159年栄える秘密

https://toyokeizai.net/articles/-/178988

 

 


 

⑥ 《産地紹介》愛知県・和泉素麺

 

今回は、手延べ麺を製造する8産地目をご紹介します。

和泉素麺は、愛知県安城市和泉町に江戸時代中期から伝わる手延べ素麺です。天明の大飢饉(1782年~1788年)の頃、麦を生産していた和泉地区で、貧困に苦しむ農民が副業として素麺作りを覚え、広まったと言われています。

和泉素麺の特徴は、日本一とも言われるその長さ。麺を約3メートル60センチの長さまで伸ばして作り、長いまま商品としています。

その昔、木造家屋に使用される「貫(ぬき:柱などに通す水平材のこと)」という木材を、麺をつくる時に用いて長く伸ばすようになったそうです。

この貫の長さが、昔の尺度で二間分(一間=約1メートル80センチ)あったことから、日本一長い素麺ができたと言われています。

和泉素麺のもうひとつの大きな特徴は、半生麺であること。

多くの手延べ素麺の産地では乾燥している冬に素麺を作りますが、和泉素麺は夏に作られます

日中の暑い日差しで乾燥させた麺を、夕方頃から吹く三河湾の湿った南東の風、通称「そうめんの風」によって半生の状態に戻します。

これにより、麺はしんなりと柔らかく絹のような風合いになり、表面はなめらかでのど越しもよく、もちもちの食感が生み出されるそうです。

一度乾燥させているので、日持ちもするとのこと。

この独特の半生戻し製法を生み出したのも、和泉村の人々の知恵ではないかと考えられています。

文化5年(1808年)和泉村庄屋の都築孫助が、重原藩(刈谷)への暑中見舞品として素麺を贈っていたと言われています。

この素麺が好評で、それから毎年、陣屋の暑中見舞いに贈ったり、藩内の庄屋連中にも素麺料理をふるまったりしていたそうです。

昭和の初めには天皇陛下への献上品となったこともあるようです。

ピーク時には和泉地区を中心に60~70軒の製麺所があった時期もあるそうですが、食糧事情が緩和された昭和40年頃には、生産戸数は2~3軒までに激減し、現在では、古来からの伝統的な製造方法を継承して製造している生産業者は数軒のみだそうです。

 

※写真はPhotoAC「愛知県安城市の安城七夕まつり」より

<参考サイト>

・もっちもちで長~~い半生そうめん!愛知「和泉そうめん」の魅力とは?

https://icotto.jp/presses/11264

・和泉手延長そうめん

https://www.masugiseimen.com/izumi.php

・和泉そうめん(安城和泉手延べめん)の歴史

https://www.fukurokuju-gift.com/hpgen/HPB/entries/14.html

・私たちのこだわり | うどん 通販は半生手延べ一丈麺「和泉そうめん丈山の里」

https://www.izumi-somen.co.jp/p_process/

・和泉の長そうめんの由来

http://www.miyakoseimen.com/jp/business/

 


 

⑦ 《美味しい素麺》手延べ素麺 太麺 編

 

「小豆島400年の伝統」と「石井製麺所のこだわり」の基本といえる手延べ素麺の太麺をご紹介いたします。

小豆島の穏やかで雨の少ない気候の中で、400年を超える伝統を持つ手延べ素麺。
石井製麺所では「天日干し」と「屋内干し」のバランスにこだわり、日々最適な乾燥具合を目指して、素麺に寄り添いながら心を込めてつくっています。

こちらは一般的な素麺より、少し太めに仕上げた「太素麺」です。
2日間かけてじっくり乾かすことで、太めでありながらよく締まった麺に仕上げています。

太めの麺はにゅうめんなど、温かい食べ方によく合います。
サラダ、パスタなど洋風アレンジもできます。
一度お召し上がりいただくとリピートされる方の多い一品です。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べ素麺 太麺》 https://141seimen.thebase.in/items/29006413

 

 

 

 

 

三代目:次回のブログは3/13ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。