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三代目ブログ

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2023年8月28日 【Vol.20】麺究者への道/パスタを研究してみる

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.20

麺究者への道/パスタを研究してみる

 

 

 

 

先日、弊社の工場見学にもお越しいただいたShunくんがテレビ出演された「イキスギさんについてった」で、VTR出演ですが三代目も少し出演しコメントさせていただきました。

その放送も拝見いたしましたが、コンセプトを持って製品開発するShunくんの姿に感嘆と共感を覚えました。

素麺が好きすぎて…だけでなく、手延べ素麺業界で生産者さんが減っていく現状を危惧して、小学生のShunくんが手延べ素麺の認知度を上げようとするその姿、本当に勉強になりました。

石井製麺所でも、手延べ素麺の新しい形として、さまざまな新麺開発に取り組んでいます。

中にはOEMによる新麺のご相談や製造の委託をいただいています。

この世にあるいろいろな麺が食文化や食卓の変化に伴って進化したように、現代のライフスタイルに合う手延べ素麺を追い求めていきたいと思います。

今回の「麺求者への道」はパスタについてです。
パスタとは、小麦粉と水を練り合わせてつくられた麺食品を総称するイタリア語です。
 
ひと昔前まではミートソーススパゲティやナポリタン、マカロニサラダくらいしか知らなかったものですが、イタリア料理が日本での市民権を得て、今や本格的なイタリアンから和製パスタまで幅広いメニューが浸透している印象です。
しかも人気は衰えることなく、お店も専門店をはじめ居酒屋やレストラン、ファミリーレストランの業態でもイタリア料理は拡大しています。
 
パスタも素麺と同様に乾麺をはじめ、つくりたてを食べる生パスタもあり、奥が深く、幅も広い麺類を代表するものです。
パスタが嫌い…という人を見たことがありません。老若男女に愛される麺類のひとつですね。

今回は、パスタの製法や種類、日本でこれほど普及した背景や、食べ方などについて調べてみました。

今なお拡大するその人気の秘密に迫り、手延べ素麺の新しい方向性に活かせればと考えています。

今回もお付き合いの程よろしくお願いいたします。

 

 

 

【目次】

① パスタに適した性質の「デュラム小麦」が主原料

② 長さや太さ、形状は千差万別!

③ パスタの起源は古代ローマのおかゆ?

④ パスタとソースの組み合わせは無限!?

⑤ 所変われば料理も変わる!パスタ入りスープ

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

 


 

 

① パスタに適した性質の「デュラム小麦」が主原料

 

パスタに使われる小麦粉は、素麺やパン、天ぷら粉などに使われるものとは種類が異なるそうです。

「デュラム小麦」というグルテン含有量が多い硬質の小麦をセモリナ状(粗びき)にした、鮮やかな黄色の「デュラムセモリナ粉」で、良質のタンパク質を多く含み、弾力性に富むため生地を形成しやすく、ゆでても形がくずれにくいコシの強さが特徴です。

このデュラムセモリナ粉に水を加えてよく練り、生地をつくります。

穴の開いた金型(ダイス)から高い圧力をかけて押し出し、さまざまな太さや形のパスタに成形します。

これを適当な長さに切断し、高温の熱風で水分を取り除いて乾燥させます。

ロングパスタは乾燥させてから切断するそうです。

こちらは素麺の製法に似ていますね。

乾燥パスタに茶色や白の斑点が見えるのは、デュラム小麦の胚乳の硬い部分や皮の一部などのためとのこと。

 

生地にイカスミ、トウガラシ、ホウレン草、トマトなどを練り込んで、風味や彩りを添える場合もあります。

本場イタリアでは、乾燥パスタはデュラムセモリナ粉と水で作ることが法律で義務付けられているそうです。

一方、生パスタは普通の小麦粉を使い、卵を加えることも多く、家庭で手打ちすることもあるようです。

生パスタは製造過程で加熱しないため小麦本来の香りや旨みが残りやすい、ゆで時間が短い、食感がもちもちしている、などの特長があります。

 

 

<参考サイト>

・Wikipedia「パスタ」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%BF#%E5%A4%96%E9%83%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF

・パスタを知る 日本パスタ教会

https://www.pasta.or.jp/knowledge

・パスタを知る 日清製粉グループ

https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/pasta/

・生パスタとは?乾燥パスタ麺との違いは?作り方・茹で時間や料理レシピなども紹介!

https://chisou-media.jp/posts/2880

 

 

 

 


 

 

② 長さや太さ、形状は千差万別!

 

パスタの種類は500種類以上とも言われています。

イタリアでは地方によって同じ種類でも違う呼び方の場合もあり、明確に分類することは困難なようです。

その形状から、大きくロングパスタとショートパスタの2つに分けられますが、そのほかにも板状や団子状、詰め物入りのものなどもあります。

 

【ロングパスタ】

スパゲティ:太さ約1.7〜2.0mm、断面は円形

「ひも」を意味するイタリア語が語源。

日本で一番なじみが深いパスタ。

 

 

スパゲッティーニ:太さ約1.6mm(スパゲティより少し細め)

あっさりしたシンプルなソースによく合う。

 

カペッリーニ:太さ約1.2mm未満、断面が円形(パスタの中で最も細い)

「髪の毛」を意味するイタリア語が語源。

冷製やスープの具に良く使われる。

 

 

リングイーネ:断面が、短径1mm、長径3mmほどの楕円形

もちもちした食感で、ソースがよく絡む。

 

 

タリアテッレ(フェットチーネ):幅4〜8mm前後の平打ちパスタ

北部ではタリアテッレ、南部ではフェットチーネと呼ばれる。

ホウレン草などの野菜を練り込んだものも。

 

 

パッパルデッレ:幅10〜30mmの平打ちパスタ

「食いしん坊」を意味するイタリア語が語源。

 

【ショートパスタ】

ペンネ

先が尖った円筒形で、「ペン先」が語源。

トマトソースと相性が良い。

表面に波状の筋が入ったものはペンネリガーテと呼ばれる。

 

 

フジッリ

らせん状にねじれた形状。

ソースが絡みやすく、グラタンやサラダなどにも使われる。

 

 

マッケローニ

日本ではマカロニでおなじみ。

直径3〜5mmの円筒形。

「素晴らしい」が語源。

 

 

リガトーニ

直径8〜15mmの円筒形。

「線を引く」が語源。

表面に波状の筋が入っていて、もちもちした食感。

 

 

ファルファッレ

真ん中をつまんだリボンのような形状。

「蝶」が語源。

サラダやスープの具材に使われる。

 

 

コンキリエ

巻貝のような形状

「貝」が語源。

大型のものはコンキリオーニといい、中に具材を入れることも。

 

 

オレキエッテ

丸い生地を親指の腹で押してくぼみをつくった、ドーム型の形状

「赤ちゃんの耳」が語源。

 

 

【その他】

ラザニア

板状の平打ちパスタ。

ゆでたラザニアにホワイトソースとミートソースを重ね、チーズをのせてオーブンで焼き上げる調理法が一般的。

 

 

ニョッキ

小麦粉にジャガイモ、ホウレン草、カボチャなどを混ぜてつくる団子状のパスタ。

ショートパスタの元祖とも言われている。

 

 

ラビオリ

小さな袋状の生パスタで、中に肉や野菜、チーズなどの具材が入っており、ゆでたものにバターやハーブをからめる、ソースをかけてオーブンで焼く、などの調理法がある。

 

 

<参考サイト>

・パスタの種類を解説!特徴に合わせたおすすめレシピもご紹介

https://www.kurashiru.com/articles/c9a1a093-9680-4ef2-9023-6e2a7862d8ef#183782

 

 

 


 

 

③ パスタの起源は古代ローマのおかゆ?

 

パスタの起源については、主に2つの説があるそうです。

1つは、紀元前4世紀のヨーロッパ。

エトルリア人の遺跡からパスタをつくる道具が出土しています。

古代ローマのパスタは、焼いたり揚げたりして食べられていたようです

また、小麦やキビなどの穀物を粗挽きにして煮込んだ「プルス」というおかゆのような食べ物が元祖とも言われています。

これを板状に伸ばして焼いたものが、ピッツァやラザニアの原型に近いとのこと。

 

もう1つの説は、1500年前に麺類の始まりとされた中国の「湯餅(たんぴん)」が、マルコ・ポーロによってイタリアに伝えられたというものです。

 

中世になると、パスタをスープに入れたり、ゆでてソースと和えたりしていたと考えられ、15世紀にはスパゲティの元祖ともいえる棒状の乾燥パスタがつくられるようになったそうです。

16世紀に押し出し製法の圧力機が発明され、量産が可能になったことで、飢饉に備える非常食として富裕層以外にも広まりました。

また、大航海時代に新大陸から持ち込まれたトマトが17世紀頃からナポリ地方を中心に食用として栽培が盛んになり、パスタとトマトの組み合わせが広く普及したそうです。

1770年代、それまで手づかみで食べる庶民の食べ物だったスパゲティを、ナポリ国王のフェルディナンド2世が宮廷で食べるために考案されたのが、先が4本に分かれたフォークと言われています。

18世紀後半には産業革命により、パスタ製造の機械化が急速に進みました。

 

日本に初めてパスタが持ち込まれたのは、幕末の横浜の外国人居留地だったと言われています。

国内で作られたのは明治16年(1883年)頃、フランス人宣教師が長崎にマカロニ工場をつくったのが最初だそうです。

パスタが一般化したのは昭和30年(1955年)以降、イタリアから本格的製造機が輸入されてからのこと。

その頃は複数の小麦粉をブレンドして日本人の好みに合わせていたそうです。

昭和61年(1986年)頃から、デュラムセモリナ100%の国産パスタが家庭にも浸透していきました。

 

メニューの変遷としては、戦後、ミートソーススパゲティやナポリタンがデパートの食堂や喫茶店で定番となり、1970年代にはファミリーレストランのメニューとしても登場。

1980年代には本格的なイタリアンレストランが開業され、1990年代には「イタめし」がブームとなり、パスタの存在感が拡大してきたということです。

 

 

<参考サイト>

・起源は紀元前4世紀!?知られざるパスタの歴史

https://food-drink.pintoru.com/pasta/history-of-pasta/

・【知っておきたい食の豆知識】パスタの歴史と種類について

https://cuisine-kingdom.com/historyofpasta/

 

 

 

 


 

 

④ パスタとソースの組み合わせは無限!?

 

パスタをゆでる時は、水に対して1%の塩を入れます。

下味をつけてソースとの味なじみを良くする、パスタを引き締めてコシを出す、デンプンの糊化を遅らせて表面がぬるぬるするのを防ぐ、などの役割があるそうです。

ゆで加減は「アルデンテ」がベストとされています。

アルデンテとはイタリア語で「歯ごたえのある」という意味で、少し歯ごたえが残る程度のゆで加減ということ。

一般的に「髪の毛1本分の芯が残る程度」などと言われます。

表示されているゆで時間より少し早めに1本引き上げて、硬さを確かめるとよいようです。

アルデンテでゆで上げ、ソースと和えたり炒めたりすることで、食べる時にちょうど良い硬さになるそうです。

 

冷製パスタの場合は、表示時間より少し長めにゆでて、氷水で急速に冷やしてパスタをしめると歯ごたえが良くなります。

ゆで上がったパスタはソースと組み合わせて食べられます。主なソースの種類とその特徴などをご紹介します。

 

【トマト】

トマトの酸味や甘み、旨みを生かしたソース。

トマトを煮詰めることで酸味が程よく飛び、濃厚な味わいが引き出される。

「ポモドーロ」や、辛い「アラビアータ」、魚介類を使った「ペスカトーレ」や「マリナーラ」、アサリを使った「ボンゴレ・ロッソ」など。

 

【オイル】

オリーブオイルをメインに、ニンニクや唐辛子を合わせたシンプルなソース。

素材そのものの味や香りをダイレクトに味わえる。

「ペペロンチーノ」や、アサリの「ボンゴレ・ビアンコ」など。

 

【クリーム】

バター、生クリーム、牛乳を使用したまろやかなソース。

平打ちパスタのフェットチーネと相性が良いとされる。

キノコとベーコンの「ポルチーニクリーム」や、トマトソースと合わせた「トマトクリーム」など。

 

【バジル】

イタリア料理で定番のハーブであるバジルの葉をペースト状にしたソース。

バジルの香りが独特の味わいを生む。

「ジェノベーゼ」など。

 

【ミート】

ひき肉と細かく刻んだタマネギなどをトマトで煮込み、ウスターソースやケチャップ、砂糖などで甘く味付けした、アメリカ発祥のソース。

ワインで具材を煮込んだ「ボロネーゼ」など。

 

【チーズ】

チーズを溶かし込んだソース。

濃厚なチーズの旨みをパスタに絡めて楽しめる。

ベーコン、卵、チーズにコショウをきかせた「カルボナーラ」、4種類のチーズを組み合わせた「クアットロ・フォルマッジョ」など。

 

【和風・その他】

醬油や麺つゆ、納豆、梅、キノコなどを使った日本独自のソースや、大葉やネギ、海苔などのトッピング、日本発祥のメニューも。

「たらこパスタ」はたらこをそのまま、もしくは生クリームやバターと絡める。

「ナポリタン」は、タマネギやピーマンを炒め、ケチャップを絡めてつくる。

 

パスタとソースの相性については、細いものや小さいもの、表面に凹凸があるものはソースが絡みやすいので、オイルなど軽いソースと合います。

逆に、太いものや大きいもの、表面がつるつるしているものは、ミートやチーズなど濃厚なソースと合わせるのが基本だそうです。

 

 

<参考サイト>

・パスタをゆでるときに塩を入れるのはなぜ?適切な分量も解説

https://delishkitchen.tv/articles/760

・全部知ってる?パスタソースの種類と特徴一覧

https://food-drink.pintoru.com/pasta/type-of-pasta-sauce/

・パスタソースの種類と特長を解説!あなたはいくつ知っている?

https://nishikiya-shop.com/column/220

 

 

 


 

 

⑤ 所変われば料理も変わる!パスタ入りスープ

 

日本には、ソースがサラッとしたスープ状の「スープパスタ」があり、パスタ料理のひとつとして認識されています。

イタリアにはスープにパスタを入れた料理がありますが、それはあくまでもスープという位置づけなのだそうです。

 

イタリアのスープには「ズッパ」と「ミネストラ」というものがあり、どちらも野菜たっぷりのスープです。

これらを明確に区別することはイタリア人でも難しいようですが、「ズッパ」はパンが添えられたり具として入っていたりするもの。

「ミネストラ」は、パスタやお米が入ったスープを指す言葉のようです。

 

日本では「ミネストローネ」という言葉をよく聞きますが、こちらはジャガイモや豆類が入っているスープで、イタリアではあまり聞かれない言葉とのこと。

他に「ミネストリーナ」というものもあり、これはブロードというだし汁に小さいパスタが入っているシンプルなスープで、おかゆや雑炊のように体調の悪い時などに食べられるものだそうです。

 

 

<参考サイト>

・イタリア版おかゆ?パスタ入りスープ!ミネストリーナ

https://itagiappo.com/minestrina-27

・おすすめレシピ付き!イタリアの食べるスープ「ズッパ」とは?

https://tabicoffret.com/article/78691/#1.2

・ズッパとミネストラ

http://blog.tre-panche.ciao.jp/?eid=272

 

 


 

 

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

後味すっきり、夏に食べたいレモン風味の手延べ素麺です。

実は9月30日までの期間限定素麺ですので、この機会にぜひお求めください。

レモン素麺には、瀬戸内レモンの果皮粉末を練り込み、ふわっとレモンの香りを楽しめる素麺に仕上げています。
手延べ製法ならではのツルツル感と、すっきりとした味わいで、暑い夏でもどんどん箸が進むお素麺になっております。

レモンの果実は、果皮に香りが、果汁に酸味が含まれています。
めんつゆに果汁を加えることで酸味をプラス。
さらにレモン感あふれる素麺をお楽しみいただけます。

夏の思い出の〆に手延べレモン素麺はいかがでしょうか。

写真は、塩焼きそば風レモン素麺です。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べレモン素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/62424747

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。