【お!いしい けんぶんろく】 Vol.41
栄養成分の機能性について/アミノ酸②
いや〜熱い!
暑さが厳しい折、皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
石井製麺所では7月の発送シーズンのピークを過ぎましたが、まだまだ暑い日が続きそうとのことで、8月5日現在もたくさんのご注文を頂戴しております。
まだまだ、石井製麺所の素麵で少しでも涼しく美味しく元気よくお過ごしいただければと思います。
さて、今回のブログのお話は、4つ前のブログのテーマ「アミノ酸①」の続きになります。
アミノ酸が人の体に必要不可欠で、食べ物から積極的に摂らなければいけないということを学びました。
そのアミノ酸の働きで、食品に「うま味」を加えると聞かれたことがあるのではないでしょうか。
しかもそれを発見したのは日本人だとか。
グルタミン酸をはじめ、イノシン酸やグアニル酸というのは聞いたことがありますが、実はその他にもあるそうです。
このお話を調べたくてアミノ酸について調べていると、長くなりそうでしたので2回に分け、今回がその第二弾というわけです。
ところで、皆さんは、「もやしもん」というマンガをご存じでしょうか?
2004年に始まったそうですから今から20年前のマンガと言うことになりますが、発酵・熟成の勉強をするなら「読んだ方が良いよ」とお聞きしました。
そこには発酵熟成の理論や日本酒、ワインなどの詳しいお話をはじめ、日本の食糧事情や農業、酵母や菌のお話に加えてアミノ酸のお話もあるそうです。
ただ実は、昔、(原作の一部が)アニメ化されたときに見ていたことがあって、当時は面白いな〜と思っていただけでしたが、今になってその世界に踏み入れるとは思いもしませんでした。
最近はマンガをあまり読むことはありませんが、とても勉強になるとのことですので、一度、時間を作って読んでみたいと思います。
(追記)そして…思わずAmazonで全巻セットをポチってしまいました。便利な世の中ですね。
さてさて、お話を元に戻して。
小豆島の手延べ素麵は小麦粉とごま油の香りが特徴で、そこに「うま味」たっぷりのお出汁を利かせためんつゆが、素麵の美味しさをより一層引き立ててくれると思います。
新麺の開発に向けての勉強ではありますが、今回の「うま味」成分について学んでみると、自分好みの美味しいめんつゆができるのではないかと思っています。
「うま味」成分をいくつも掛け合わせると「うま味」の相乗効果といって、「うま味」の組合せは「1+1=2」ではなく、その何倍にも美味しさが膨らむそうですよ。
ぜひ今回のブログをお読みいただき、美味しいめんつゆやお出汁を利かせたお料理のお役に立てていただければと思います。
私も早速、「うま味」成分のひとつを多く含む干し椎茸と小豆島の醤油をベースに、オリジナルの美味しいめんつゆを作ってみたいと思います。
今回も最後までお楽しみいただければと思います。
【目次】
① 食べ物の味をつくり出すアミノ酸
② アミノ酸を増やし、より美味しくする発酵と熟成
③ 代表的なうま味成分と、うま味の相乗効果とは
④ うま味を発見したのは日本人
⑤ うま味を多く含む食品とは
⑥ 日本人と外国人の味覚の違いとは
⑦ 《美味しい小豆島の食財紹介》小豆島の美味しい出汁セット 編
① 食べ物の味をつくり出すアミノ酸
食べ物の味は、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」の5つの基本味に分類されます。
人間にとって味を感じることは、生命維持のための欠かせない感覚です。
人体に有害なものの酸味や苦味などを感知することで危険な食物を避け、糖分の甘味やミネラルの塩味などを感じて栄養素を積極的に摂取するために必要なことだそうです。
うま味は、タンパク質を摂取したことを体に知らせるシグナルの役割を果たしており、うま味を感じることによって唾液や消化液が分泌され、タンパク質の消化をスムーズに進めることができるとのことです。
タンパク質には「味」がありませんが、細かく分解されてペプチドやアミノ酸になると味を持つようになります。
タンパク質を構成するアミノ酸は一般的には無味ですが、タンパク質が分解されて生じる遊離アミノ酸は味を持つそうです。
アミノ酸の中でうま味成分となるものは、グルタミン酸とアスパラギン酸です。
【グルタミン酸】
体内で合成できない必須アミノ酸。
体内で抗酸化作用を発揮するグルタチオンの材料のひとつ。
多くのアミノ酸がグルタミン酸をもとに合成されます。
世界で最初に見つけられたうま味成分で、昆布出汁から発見されました。
昆布の他にも、トマトやブロッコリーなどの野菜類、チーズなどの発酵食品に多く、他にもゼラチン、大豆製品、アーモンド、豚肉などに多く含まれています。
【アスパラギン酸】
体内でアミノフェラーゼという酵素によって生成される非必須アミノ酸。
エネルギー生産の場である「TCA回路」の最も近くに位置するアミノ酸のひとつで、エネルギー源として利用されます。
アスパラガスから発見されたのが名前の由来です。
醤油や味噌など発酵食品のうま味はアスパラギン酸によるものです。
肉類や、桜エビ、ゼラチン、大豆製品、タラ、落花生などに多く含まれています。
その他、甘味や苦味などを持つアミノ酸もあります。
【その他の味】
<甘味>グリシン・アラニン・トレオニン・プロリン・セリン
<苦味>フェニルアラニン・チロシン・アルギニン・イソロイシン・ロイシン・バリン・メチオニン・リシン
<参考サイト>
・うま味の基本情報
https://www.umamiinfo.jp/what/whatisumami/
・旨味とアミノ酸の関係とは?旨味を構成する2つのアミノ酸を徹底解説
② アミノ酸を増やし、より美味しくする発酵と熟成
食べ物の味は、アミノ酸の種類や組み合わせにより決まります。
アスパラギン酸はうま味と酸味を持っており、グルタミン酸と組み合わせることでさらに美味しくなることが知られています。
たとえば完熟トマトは、グルタミン酸とアスパラギン酸が4:1の割合で含まれていると最も美味しいそうです。
また同じ食材でも、加工方法によってアミノ酸の量が変わるので、味も変わります。
食べ物の中のアミノ酸の数と種類が多いほど美味しくなります。
食べ物の中のアミノ酸を増やすには、タンパク質を分解する必要があります。
その方法には「発酵」と「熟成」の2つがあります。
【発酵】
食材に付着した菌やカビなどの微生物がタンパク質や糖質を分解して、うま味のもととなるアミノ酸やアルコールなどをつくり出すことにより、うま味や風味、栄養価が増したり、保存性が高まったりします。
麹菌や乳酸菌、酵母菌といった微生物によって、味噌、醤油、ヨーグルト、チーズ、ワインなどの発酵食品がつくり出されます。
【熟成】
食品がもともと持っている酵素の力で、タンパク質の構造を壊してアミノ酸へ変換します。
肉や魚を適切な環境下に置くと、タンパク質が分解されてアミノ酸などのうま味成分が増えて、より美味しくなります。
ただし温度や雑菌の管理は難しいため、家庭で熟成肉や熟成魚をつくることは避けたほうが良いようです。
③ 代表的なうま味成分と、うま味の相乗効果とは
うま味物質は、アミノ酸系と核酸系に大きく分けられます。
核酸は、ヌクレオチドとも呼ばれるリン酸を含んだ物質で、生物の代謝や運動エネルギー源となるアデノシン三リン酸(ATP)が有名です。
三大うま味成分とされるグルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸のうち、イノシン酸、グアニル酸は核酸系に分類されます。
この3つにアスパラギン酸とコハク酸を加えて五大うま味成分とすることもあり、コハク酸は有機酸系に分類されます。
有機酸とは、窒素を含まない炭素化合物で、エネルギー代謝サイクルに重要な物質です。
【イノシン酸】
カツオ節のうま味成分として発見され、カツオ節に多く含まれることで知られています。
体内のATPが酵素により分解された後の生成物で、肉や魚など動物性の食材に多く含まれます。
筋肉中にもともと含まれるアデニル酸が、動物の死後、酵素の働きによりイノシン酸に変化して増えます。
【グアニル酸】
干しシイタケなどの乾燥キノコやドライトマト、ズワイガニ、ウニなどに多く含まれます。
乾燥キノコの戻し汁にはグアニル酸の元となるリボ核酸が抽出され、それを一定の温度帯で加熱するとグアニル酸に変わるそうです。
生のキノコ類は細胞壁が壊れていないので、リボ核酸が抽出されにくく、グアニル酸の生成量が低いとのことです。
【コハク酸】
コハク酸脱水素酵素という形で体内に存在しています。
貝類や清酒のうま味成分で、酸味や苦味と混ざったようなうま味となります。
コハク酸をメインとした調味料は一般的ではありませんが、美容や健康への働きもあるため化粧品や入浴剤にも使われているそうです。
うま味物質は単独で使うよりも、アミノ酸であるグルタミン酸と、核酸系のイノシン酸やグアニル酸を組み合わせることで、うま味が飛躍的に強くなることが知られており、それを「うま味の相乗効果」と呼びます。
グルタミン酸とイノシン酸の比率が1:1の時にもっともうま味が強くなるそうで、単独で味わうときに比べて約7〜8倍とされています。
世界各地で古くから、うま味を組み合わせて出汁をとることが経験的に行われてきました。
例えば、和食では昆布(グルタミン酸)とカツオ節(イノシン酸)、洋食ではトマト(グルタミン酸)と海老(イノシン酸)とムール貝(コハク酸)、セロリ・タマネギ・ニンジン(グルタミン酸)と牛肉(イノシン酸)、中華料理では白菜・ネギ(グルタミン酸)と鶏肉(イノシン酸)、など。
<参考サイト>
・うま味の成分
https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/ingredient.html
・旨味とは?主要な5つの旨味成分と多く含まれている代表的な食材
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/umami-component
・イノシン酸とは?鰹節に多く含まれているイノシン酸の生成メカニズム
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/inosinic-acid
④ うま味を発見したのは日本人
うま味は基本味の一種で、甘味・酸味・塩味・苦味の4つの基本味を混ぜ合わせてもつくることができない、独立した味です。
基本味は長年、甘味・酸味・塩味・苦味の4つであると考えられてきました。
1908年、池田菊苗博士が昆布出汁の主要な味の成分であるグルタミン酸の抽出に成功し、その味を「うま味」と命名しました。
これに続いて、カツオ節に含まれるイノシン酸、干しシイタケに含まれるグアニル酸も、うま味を持つことが解明されました。
池田菊苗博士は、グルタミン酸を主成分とした調味料(グルタミン酸ナトリウム)の製造法特許を取得しました。
この功績により特許庁の「日本の十大発明家」の一人に選ばれています。
1909年には最初のうま味調味料が市販され、1940年代までには世界各地でも販売されるようになり、現在では世界100カ国以上で広く使われているそうです。
1985年に開催された「第一回うま味国際シンポジウム」を機に、「うま味(UMAMI)」という用語が国際的に使用されることになったそうです。
うま味は、欧米では長らく味覚として捉えられていませんでした。
ようやく味覚として認められたのは2002年以降、うま味の受容体が発見されてからだそうです。
人間は舌にある味蕾により味を感じます。
味蕾とは、味を感じる味細胞が数十個集まっている器官です。
味細胞にあるタンパク質分子である味覚受容体の中で、グルタミン酸により強く活性化されるものがあることが分かったのが2002年とのことです。
ちなみにうま味の相乗効果の分子メカニズムが解明されたのは、2008年。
イノシン酸などの核酸系のうま味成分が、うま味受容体においてアミノ酸とは異なる部位に結合し、受容体の活性を増強することで、受容体がグルタミン酸のうま味をより強く受け取るようになることが分かりました。
<参考サイト>
・食とアミノ酸
https://www.ajinomoto.co.jp/amino/life/shoku.html
・うま味の知識
https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/discovery.html
・世界で認められてこなかった「旨味」が味覚研究の鍵になっている
https://www.meiji.net/it_science/vol377_yasuka-toda
⑤ うま味を多く含む食品とは
うま味は、私たちが普段から口にする様々な食品に含まれています。
その中でもうま味を多く含むいくつかの食品について、調べてみました。
【昆布】
褐藻類に属し、北海道を中心に広く東北の一部にかけて収穫されます。
グルタミン酸を豊富に含み、アスパラギン酸も含みます。
主に出汁用として使われるのは、真昆布、羅臼昆布、利尻昆布です。
2 年成長したものを7月から9月にかけて収穫し、その日のうちに乾燥します。
昆布出汁の取り方には、「水出し」と「煮出し」があります。
「水出し」は、昆布を水に入れてラップや蓋をして冷蔵庫で一晩寝かせます。
「煮出し」は、鍋に水と昆布を入れて30分ほど置いてから火にかけ、沸騰直前で昆布が浮いてきたら取り出します。
昆布のうま味は60℃で最も抽出され、80℃を超えると抽出されにくくなるそうです。
昆布を取り出した後の出汁は、臭みをなくすため沸騰させたら完成です。
【カツオ節】
タンパク質が豊富なカツオを乾燥させて、発酵を誘発する有益なカビを含浸させることにより、深く豊かな風味を生み出しています。
数カ月かけて完成したカツオ節は、削り機で削られ和食の出汁に使用されます。
生のカツオよりもイノシン酸が豊富に含まれ、昆布出汁のグルタミン酸と合わせるとうま味が相乗的に増します。
薄く削ることで、水に溶けやすい性質を持つイノシン酸の抽出を短時間で行うことができ、水に溶けにくい他のアミノ酸の雑味や濁りを防ぐそうです。
カツオ節の出汁の取り方は、鍋に水を入れて火にかけ、気泡がポコポコ湧いてくる程度に沸騰したら火を止め、すぐにカツオ節を入れ、蓋をせず10分置きます。
厚削りの場合は、火を止めずに弱火で10分~20分煮出します。
ザルにキッチンペーパーを敷いてゆっくり出汁を濾したら完成です。
カツオ節を混ぜたり搾ったりすると苦味や生臭さが出てしまうそうです。
【干しシイタケ】
生のシイタケにはグルタミン酸やイノシン酸が豊富に含まれています。
乾燥させることでグアニル酸が生成し、また水分が減ることでうま味成分が凝縮されます。
干しシイタケは風味豊かで独特の香りがあり、その戻し汁は出汁として利用されます。
干しシイタケのうま味は10℃を超えると破壊され始めるそうなので、水に干しシイタケを入れてラップや蓋をして冷蔵庫で一晩寝かせて出汁を取るのが良いそうです。
【醤油】
大豆・小麦・塩を主原料とし、微生物による発酵によってつくられる液体発酵調味料。
醤油のうま味は、大豆と小麦に含まれるタンパク質が麹菌の酵素で分解され、グルタミン酸を始めとする約20種類のアミノ酸に変化することで生まれます。
基本味の5味をすべて兼ね備え、300種類以上の香り成分を持ち、料理に深い味わいを与えます。
【味噌】
原料である大豆にはタンパク質が豊富に含まれており、麹菌の働きにより、味噌ができるまでの発酵過程で、その約30%がさまざまな種類のアミノ酸に分解されていきます。
グルタミン酸が最も多く含まれ、次いでアスパラギン酸が多く含まれます。
発酵期間が短い白味噌はアミノ酸の量は少なく、発酵期間が長くなるほどアミノ酸が増えていきます。
【トマト】
グルタミン酸を多く含み、熟すにつれてさらに増えます。
ドライトマトは、うま味が凝縮されています。
世界中でトマトを用いた調味料が使われています。
トマトソースは一般的に肉や魚と一緒に食されるため、肉や魚に含まれるイノシン酸との相乗効果でうま味が一層強く感じられます。
【チーズ】
チーズは熟成期間が長くなればなるほど、タンパク質がアミノ酸に分解され、うま味成分が増加します。
通常2年間、最高級品では4年間も熟成させる「パルミジャーノレッジャーノ」というチーズには、昆布に含まれるのと匹敵する量のグルタミン酸が含まれています。
他にも「エメンタール」や「チェダー」「カマンベール」などにも豊富だそうです。
熟成させていないフレッシュチーズには特有の味を持つ遊離アミノ酸がほとんど含まれていないため、あっさりとした味わいです。
【生ハム】
加熱工程のないハムで、イタリアのパルマハム、スペインのハモン・セラーノ、中国の金華ハムなどが有名です。
原料となる生の豚肉にはイノシン酸が豊富に含まれていますが、豚肉を塩漬けした後長期間熟成させることによりイノシン酸は減少し、グルタミン酸が増加します。
さらに水分が減少するのでうま味が凝縮されます。
<参考サイト>
・うま味を多く含む食品
https://www.umamiinfo.jp/richfood/
・うま味成分とは?種類の違いや含有量の多い食品も紹介
https://www.furutaya.com/blog/umami-ingredients/
・今日からできる!5つの素材別だしの取り方とだしがら有効活用方法
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/stock-cooking
⑥ 日本人と外国人の味覚の違いとは
うま味が欧米で味覚として長年認められていなかったと前述しましたが、実際、日本人と外国人とで味の感じ方は違うものなのでしょうか?
日本人100名と外国人100名を対象に行われた「味覚力調査」(AISSY株式会社・2015年)によると、「うま味」についての日本人の正答率は71%で、外国人の正答率の34%の2倍以上だったそうです。
さらに「味覚力調査」の全体の傾向を見ても、外国人に比べて日本人の方が「味覚を感じる力が強い」ということが分かったとのことです。
また、世界各国の代表的な料理を比較したところ、日本の料理はうま味が強いという結果が出たそうです。
緑茶と紅茶、コーヒーの比較でも、緑茶は旨味の強さが特徴と言えるようです。
<参考サイト>
・日本人100名vs.外国人100名「味覚力調査」を実施/日本人の「旨味」正答率71%、外国人の正答率34%の2倍以上
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000012897.html
・日本人の味覚力は外国人の倍以上だった!
https://dime.jp/genre/416112/#google_vignette
⑦ 《美味しい小豆島の食財紹介》小豆島の美味しい出汁セット 編
小豆島の原風景とも言える、山あいの、川沿いに田畑が広がる中山(なかやま)に、 知る人ぞ知る美味しいシイタケを育てる「箭木(やぎ)椎茸園」があります。
その原木シイタケを使った干しシイタケを、美味しいめんつゆやスープに使えるようにとご相談させていただき、現在は干しシイタケを仕入れ、石井製麺所の手延べ麺とセットにしています。
ご相談に伺った際にはシイタケの栽培現場も見学させていただきました。
ほだ場(収穫場)一面にずらっと並べられたクヌギの原木は、 柔らかい日の光を浴びて、次に育つシイタケのために静かに力を蓄えているのでしょうか。
案内をしていただいたのは、五代目の箭木槙也さん。
代々ご家族でシイタケ農家を営まれており、現在は四代目であるお父様(箭木宏中さん)と、 親子二人で力を合わせて、原木の切り出しから乾燥(干しシイタケ)まで手掛けていらっしゃいます。
石井製麺所は海近くにある製麺所ですが、小豆島は車で少し走ると山の景色に出会います。
その山間の奥深いところに「箭木椎茸園」さんがあり、ここまで奥深く来たのは初めてでした。
シイタケ栽培に対するお考えをお聴きすると、「いかに雑菌に負けないように、シイタケ菌を原木内に行き渡らせるか」が勝負…とのこと。
原木の伐採と植菌の時期、木の種類や太さに応じたシイタケ菌の品種の選び方など、 目には見えない小さな菌のために心を配る、その仕事の一端を教えていただきました。
そんな箭木さんの育てる干しシイタケは、小豆島の産直でも人気で、島民にとって特別な一品です。
肉厚でうま味が詰まったシイタケは、いつもの食卓をちょっと贅沢なものにしてくれます。
「傘の裏側に黄色は、美味しい干しシイタケ茸の目印」 小豆島の“とっておき”の干しシイタケです。
【干しシイタケのうま味成分は、そうめん・うどんと相性バッチリ!】
箭木さん直伝の出汁の取り方は、 「干しシイタケを冷水で“5時間”かけてゆっくり戻す」こと。
干しシイタケのうま味成分グアニル酸の性質を踏まえた、これがベストな方法なのだそうです。
その干しシイタケのうま味を活かしためんつゆやお出汁で美味しい手延べ麺を召し上がってみてはいかがでしょうか。
いつもより時間をかけて、ちょっと贅沢な味をお楽しみください。
《美味しい出汁で味わう<夏>セット》 https://141seimen.thebase.in/items/86095113
『お!いしい けんぶんろく』について
本ブログでは、新製品開発のためにデータベース的にいろいろな素材や成分について調べたものを綴ったものです。色々な食品やそれにまつわる産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、幅広く食品の知識を広げることができれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。
色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。