石井製麺所通信
2025年5月12日 【Vol.58】メンコレ⑧/ニンニクを練り込んだ麺の“パワー”
【お!いしい けんぶんろく】 Vol.58
メンコレ⑧/ニンニクを練り込んだ麺の“パワー”
できれば、香川県、できれば、小豆島の食材を使って新しい手延べ素麺を開発したいと考えていて、ときどき農家さんのもとへお邪魔させていただき、お話を伺っています。
今回は、ちょうど収穫時期だったニンニクを実都農園さんにお願いして拝見させていただきました。
なんと、ニンニクの収穫量は、香川県が第三位なんですよ!
実都農園さんがあるのは、小豆島の三都半島。
実都農園さんが育てるトウモロコシは絶品でして、数年前から我が家に欠かせない味覚になっているのですが、お伺いするのは今回が初めて。
左手に海を臨みながら、半島外周の道をしばらく行くと急に開けた場所に出ます。待ち合わせの公民館に車を停めて、周囲を見渡すと畑がたくさん、北から南に向かって広がっていました。
迎えに来ていただいた園主の向井さんは、おそらく私と年齢も近いでしょうか。
おいそがしい収穫作業の合間に、ニンニク畑を案内してくださいました。
(お時間を頂戴しましたこと、あらためて御礼申し上げます。)
「週末が雨予報なので、早めの収穫を決めました」
まず驚いたのは、畑に近づくとはっきりと、ニンニクのいい香りが漂っていたことです。
収穫した直後のニンニクは、表面の余分な水分を飛ばして保存性を高めるため、そのまま畑の上で天日干しをするそうです。
畝の間には、採れたてのニンニクが一杯に入ったオレンジ色のカゴが並んでいました。
香川県のニンニクは、より香りが強く、味わいも濃厚とのこと。
一方、栽培にあたっては、大きく、皮が裂けていない実をつくることが良いニンニクの条件で、そのための工夫は凝らしても、すべてが思い通りになるのではなく、毎年、試行錯誤されているそうです。
どうしても、思い通りにならないのはお天気で、そういうものだと知ってはいても、やはり日々、農業に向き合っている方からお話を聞いて、その厳しさが少しだけ分かったような気がします。
素麺はたとえ一日失敗したとしても、次の日には前日の反省を生かして再チャレンジができます。
農家さんはその年、その種、その苗、その実が勝負。
向き合う仕事は違っていても、小豆島でがんばる同世代として、今回、向井さんとお話しできたことはとても有り難いことでした。
素麺には素麺の、農家さんには農家さんの課題はあります。
手延べ素麺の可能性を拡げることで、素麺業界の課題を解決するだけでなく、農家さんのお役に立てることがあるかもしれません。
今回の出会いをその第一歩として、“小豆島ならでは”の美味い(うまい)手延べ麺を皆さまにお届けできるよう頑張りたいと思います。
今回のブログでは、ニンニクのさまざまなお話を調べました。
ニンニクは思った以上にパワーの源として活用されてきたんですね。
日本にも古くからあったとは驚きでした。
てっきりヨーロッパなど外国のもので最近入ってきたものと勝手に思っていましたが。。。
そんな意外性のある内容にもなっていますので、ぜひお付き合いの程、よろしくお願いします。
※写真は、実都農園園主の向井亮二さん
※写真は、収穫されたばかりの生ニンニク
【目次】
① ピラミッド建設にも役立った!?ニンニクの歴史
② ニンニクの栄養と、気になるにおい対策
③ 魔除けにも使われる!ニンニクの活用法いろいろ
④ スタミナ食!日本のニンニク料理
⑤ ソースやスープも!世界のニンニク料理
⑥ ニンニクを練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ
⑦ 《美味しい手延べ素麺》番外編╱YouTubeで紹介されました
① ピラミッド建設にも役立った!?ニンニクの歴史
ニンニクはユリ科の多年草で、原産地は西アジアから中央アジア地域と考えられています。
紀元前3200年頃の古代エジプトで最初の栽培の証拠が見つかっているそうです。
ピラミッド建設の労働者たちにニンニクが配給されていたことが壁画に記録されており、当時からその栄養価と活力を与える効果が認識されていたと考えられます。
ツタンカーメン王の墓からもニンニクが発見されています。
また、肉や魚の保存、毒蛇や害虫による傷の治療にもニンニクが使われていたそうです。
エジプトから地中海を経てギリシャに伝わると、医学の父と呼ばれるヒポクラテスがニンニクの利用を積極的に推奨しました。
※写真は、PhotoAC「【エジプト】ピラミッドと砂漠」より
古代ローマ時代には、ニンニクは遠征に出かける兵士たちの体力維持に欠かせない野菜となっていました。
兵士たちは長い行軍の間、ニンニクを携帯し食べることで体力を維持していたと言われています。
古代ペルシャの王の食卓にも毎日ニンニクが並べられていたという記録が残っています。
紀元前2000年頃には中国でも栽培が行われており、そこからアジア各地へと広がっていきました。
日本にはインドと中国を経て、奈良時代(8世紀頃)に伝わったとされています。
「古事記」にはすでにニンニクの利用が記されており、ヤマトタケルノミコトが食べていたという記述もあります。
「万葉集」には二杯酢の中にすりおろしたニンニクを入れ、鯛の刺身をつけて食べる方法が記されています。
「宇津保物語」には、妊婦の体力回復と赤ちゃんの健康管理に良い食べ物であると位置づけています。
しかし、仏教の普及とともに「不許酒入山門」という考え方で、強いにおいのするニンニクやネギ類の寺院への持ち込みが禁じられるようになりました。
「五葷(ごくん)」と呼ばれる5種類の野菜(ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、タマネギ)は強いにおいを発するため、気を乱し修行の妨げになると考えられていました。
修行僧の堕落と迷いを防ぐために、古くから体力増強や強壮作用があると知られていたニンニクを禁じたとのことです。
※写真は、PhotoAC「ヤマトタケル」より
江戸時代になると、健康に非常に気を遣っていた徳川家康がニンニクのすりおろしを常食していたという記録があります。
特に、鯛の天ぷらにおろしニンニクを添えるという食べ方を好んだとされています。
江戸時代の百科事典「和漢三才図会」(1713年)には、青森(奥州津軽)のニンニクは大きく直径2寸(約6cm)もあると述べられており、当時から青森がニンニクの産地として知られていたことが分かります。
参勤交代の際、特に江戸から遠い薩摩藩(現在の鹿児島県)の藩士たちが約1600キロメートルの道のりを歩く際に「にんにく卵黄」を食べて体力を維持していたという記録もあります。
蒸したニンニクをペースト状につぶして卵黄と混ぜ、加熱しながら練り上げて成形し乾燥させたもので、これが現在の南九州地域における伝統食の起源となっています。
ニンニクが一般家庭に食用として広まったのは第二次世界大戦以降のことで、食の多様化が進んだことに伴い少しずつ受け入れられるようになりました。
日本での主なニンニク生産地は、青森県、北海道、香川県などです。
日本の生産量の約7割を占める青森県は、豊かな自然環境と気候がニンニクの栽培に適しています。
夏の涼しさが茎の成長を促し、冬の寒さが根を強くして糖度をため込み、高品質なニンニクに育つそうです。
また、栽培に適した土づくりや栽培技術、徹底した管理体制、乾燥、貯蔵技術などが整っていることから、1年を通して出荷が可能となっています。
有名な産地は十和田市や田子町で、「福地ホワイト六片」「たっこにんにく」といったブランドニンニクが知られています。
生産量2位は、青森県と似た気候条件の北海道です。
3位は香川県で、温暖な気候と適度な降雨量が栽培に適しており、風味や辛味が特徴的なニンニクが育つとのことです。
日本では古くは「大蒜(おおひる)」と呼ばれていました。「ニンニク」という名称の由来については、2つの説があります。
1つは、強いにおいからきた「ニホヒニクム(匂悪・匂憎)」が縮まったという説。
もう1つは、仏教用語でがまんを意味する「忍辱(にんじょく)」からきたという説で、臭気を堪え忍んで健康のために食べるというこちらの説が通説となっているそうです。
地方によっては「ニニク」(島根・広島)、「ニニグ」(秋田)、「ニニョグ・ニニョゴ・ニンニョゴ・ニンニョグ」(青森県津軽)、「ネネク」(島根)といった方言も存在します。
<参考サイト>
・にんにくを知る
https://www.e-ninniku.com/history
・にんにくの歴史
http://kuroninniku.shop-kisyuya.com/?mode=f7
・家康の好物で参勤交代でも大活躍!にんにくの歴史と簡単にんにくオイルレシピも紹介
https://intojapanwaraku.com/rock/gourmet-rock/103368/
・にんにくの生産量が多い産地について徹底解説
・なぜにんにくは青森県産が多いのか?産地やブランドも紹介
https://www.e-ninniku.com/column/garlic-from-aomori/
② ニンニクの栄養と、気になるにおい対策
ニンニクは、疲労回復や冷え性改善、免疫力の向上などの働きが期待される食材です。
1990年代にアメリカの国立がん研究所(NCI)を中心に行われた「デザイナーフーズ計画」では、約40種類の野菜・果物を重要度順に分類し、リスクを減らす野菜をピラミッド型にし、ニンニクをその頂点に位置づけました。
これは、ニンニクに含まれる成分が特に健康に有益であるという科学的根拠を示しています。
ニンニクの主要な有効成分であるアリシンは、アミノ酸の一種であるアリインが空気に触れて変化して生じる成分です。
アリシンには抗酸化作用があり、またビタミンB1と一緒に摂るとビタミンB1の吸収を高め、相乗効果で疲労回復が期待できます。
アリシンは加熱するとスコルジニンという成分に変化し、血行促進により冷え性の改善にも役立つとされます。
またアリシンには殺菌効果があり、免疫力向上も期待できるそうです。
ニンニク特有のにおいのもととなるのもアリシンで、これがさらに変化したアリルメチルスルフィド(AMS)は体内に長くとどまる傾向があり、口臭などの主な原因となります。
におい対策としては以下のような方法があります。
【緑茶を飲む】
お茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンの消臭・殺菌効果により、においを抑える。
【牛乳を飲む】
牛乳に含まれるタンパク質や脂質が、アリインと結合することによりアリインを減少させる。
【りんごジュースを飲む】
りんごポリフェノールがアリシンと結合してにおいを減らす。
【コーヒーを飲む】
クロロゲン酸などのポリフェノールがあリシンと結合してにおいを軽減する。
【チョコレートを食べる】
ポリフェノールが口内のニンニク臭を抑制する。
※写真は、PhotoAC「コーヒーとダークチョコ」より
<参考サイト>
・にんにくの効果的な食べ方は?栄養や効能、おすすめレシピも紹介
https://www.momoya.co.jp/media/how-to-eat-garlic-effectively/
・ニンニク栄養!生と加熱で含有量は違うの?
匂いを抑える方法も
https://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/202304/12847/
・にんにく臭い消しに即効性がある食後の対策と、翌日に残るにんにく口臭・体臭を消す方法
https://www.greenhouse.ne.jp/times/breath_kousyu_garlic
③ 魔除けにも使われる!ニンニクの活用法いろいろ
ニンニクは、世界各地で魔除けとして用いられてきました。
古代ローマ時代には咳止めや寄生虫駆除の治療薬として使われていたことが分かっており、病気を改善・予防する効果があることから病気を引き起こすものを追い払うと考えられていたようです。
ヨーロッパでは、かつて大流行したペストの感染がニンニクの抗菌作用により弱まったこともあり、魔除けや厄除けの効果があると考えられてきました。
吸血鬼はニンニクの強烈なにおいを嫌がって寄り付かないと伝えられています。
欧米ではキッチンや玄関先にニンニクを編み込んで吊るす「ガーリックブレイド」という習慣があり、これも魔除けの意味合いを持っています。
日本でも、軒先や玄関先にニンニクを束ねて吊るし、魔除けや無病息災を願う風習がありました。
また一部の地域では、ニンニクを玄関先に吊るしておくと金運がアップすると伝えられています。
青森県弘前市にある「鬼神社(きじんじゃ)」では、神前にニンニクを供えて神を慰め、悪魔や病魔を祓う習慣があるそうです。
一説には、用水路をつくって干ばつから村を救った鬼の好物であるニンニクを奉納しているとも言われます。
茨城県つくば市にある「一ノ矢八坂神社」では、年に1度の例大祭で、ニンニクを丸ごと袋に入れたお守りが魔除けとして頒布されるそうです。
江戸時代の、天明の大飢饉(1782~87年)で伝染病がはやった際、当時の領主がニンニクで人々を救ったという逸話が伝わっています。
※写真は、PhotoAC「「鬼神社」の鳥居と注連縄、津軽半島」より
<参考サイト>
・にんにくが魔除けに使われる理由
https://xn--t8jj9cuba3v613qh5e1v0bkd1d.net/ninnikukora/ninnimayoke.html
・にんにくの魔除けパワーは世界共通!にんにくに秘められた驚くべき力とは
・古今東西、ニンニクといっしょ
https://www.health.ne.jp/library/detail?slug=hcl_3000_w3000824&doorSlug=garlic
・にんにくを奉納している神社があるんだって
・鬼神伝説
https://www.city.hirosaki.aomori.jp/school/jitoku/2014-1127-kisinn-denndetu.html
・祇園例大祭
http://www.yasaka.or.jp/maturi.htm
④ スタミナ食!日本のニンニク料理
ニンニクは薬味としてカツオのたたきや馬刺しスライスなどに使われますが、一般的に日本料理、特に和食ではあまり使用されません。
これは主に仏教の影響や、味の繊細さを重視する和食の特性から来ていると考えられています。
ですが調べてみると、ニンニクの産地である青森県や、葉ニンニクを日常的に食べる習慣のある高知県などに、郷土料理が伝わっていました。
いくつかご紹介します。
【ニンニク漬】(青森県)
国内でのニンニク生産量が非常に高い青森県では、寒さの厳しい冬に体を温めるため、昔からニンニクを常備してきた食文化がある。
ニンニクの薄皮をひとかけずつ剥き、1週間ほど酢に漬けた後、醤油に好みでみりんや唐辛子を入れて漬け込む。
麹味噌などで味噌漬けにする場合も。
そのまま食したり、スライスして炒め物に使ったりする。
【かっけ】(青森県)
南部地方で日常的に食べられている家庭料理。
そば粉に少量の塩を加え水でこねて薄くのばし三角形に切って、季節の野菜とともにゆでたものに、ニンニク味噌をつけて食べる。「かっけ」とは地域の言葉で「かけら」「端っこ」を意味する。
田子町では「つつけ」と呼ばれ、大きな鍋を大勢で囲みつついて食べることが由来とされている。
【葉ニンニクのぬた】(高知県)
高知県では、葉ニンニクがすき焼きや雑炊、炒めものなどの料理によく使われる。
16世紀末、土佐の戦国大名・長曾我部元親が朝鮮の役から帰国した際に持ち込まれたのがルーツとされる。
「ぬた」は、細かく刻んですりつぶした葉ニンニクに味噌や酢、炒りゴマを混ぜてつくる伝統的な調味料。
生の魚やこんにゃくにつけて食べる。
ニンニク独特の香味とピリッとした辛みが特徴。
【ニンニク塩漬】(鹿児島県)
奄美群島では古くからニンニクが植えられていたと伝わる。
この地域ではニンニクを「フル」、塊のことを「ガブ」ということから、「フルンガブの塩漬け」とも呼ばれる。
ニンニクの塊の皮をむき、塩をまぶして一晩重石を乗せて塩漬けし、水気を取って黒糖やキビ酢に漬けたもので、家庭の日常的な漬物として、またスタミナ源として食される。
【ヒルアギ】(鹿児島県)
古くから奄美群島で愛されてきたスタミナ料理。
「ヒル」はニンニク、「アギ」は炒めるという意味。
ニンニクの葉を豚バラ肉、ニンジン、糸コンニャク、かまぼこなどと一緒に炒め、醤油や塩を使って強火でさっと仕上げる。
※写真は、PhotoAC「新ニンニク 青森県産」より
<参考サイト>
・にんにく漬【郷土料理ものがたり】
https://kyoudo-ryouri.com/food/2505.html
・かっけ 青森県
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kakke_aomori.html
・郷土料理「つつけ」セット
https://garlic.shop-pro.jp/?pid=167449181
・岐阜県の郷土料理♪ガツンと効いたニンニクが絶品!!『鶏ちゃん』のレシピ・作り方
https://naruhodou.jp/entry/recipe0682
・葉にんにくのぬた 高知県
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/haninnikunonuta_kochi.html
・にんにく塩漬 鹿児島県
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/ninnikushiozuke.html
・ヒルアギ【郷土料理ものがたり】
https://kyoudo-ryouri.com/food/2040.html
⑤ ソースやスープも!世界のニンニク料理
ニンニクは世界中の料理で欠かせない食材として広く使われています。
香りや風味だけでなく、健康効果も高いとされ、多くの国で様々な調理法で親しまれています。
主なものをいくつか調べてみました。
【空心菜のニンニク炒め】(中国)
中国はニンニクの生産量・消費量ともに世界一で、一人当たりの年間消費量は14kg以上と言われている。
中華料理では多くの料理にニンニクが使われ、特に炒め物や醤(ジャン)などの調味料に多く用いられる。
特に人気なのが、空心菜の茎と葉をニンニクと唐辛子で炒めたもの。
シンプルながら奥深い味わいが特徴。
※写真は、PhotoAC「空心菜のにんにく炒め」より
【ニンニクキムチ】(韓国)
韓国もニンニクの消費量が多く、一人当たり年間約6.5kgを消費している。
健康維持に欠かせない食材として多くの料理に使われており、キムチをはじめとする発酵食品やプルコギなどの韓国料理に欠かせない存在となっている。
ニンニクそのものを漬け込んだキムチもある。
※写真は、PhotoAC「キムチにんにくの漬物」より
【シュクメルリ】(ジョージア(グルジア))
コーカサス山脈の南麓にあるジョージアのシュクメルリ村の郷土料理。
「ニンニクを世界一美味しく食べるための料理」とも言われる。
鉄板で焼いた鶏肉を、香辛料と大量のニンニクを効かせた濃厚なクリームソースと合わせ土鍋で煮込む。
体の中から元気になるような味わい。
※写真は、PhotoAC「シュクメルリ」より
【アヒージョ】(スペイン)
地中海料理ではオリーブオイルとニンニクの組み合わせが基本となっており、スペイン料理のほとんどにニンニクとオリーブオイルが使われていると言われる。
「アヒージョ」は刻んだニンニクの意味。
エビやマッシュルームなどの食材をオリーブオイルとニンニクで煮込む、タパス(小皿料理)の一種。
※写真は、PhotoAC「エビときのこのアヒージョ」より
【ガスパチョ】(スペイン)
アンダルシア地方発祥の冷製スープ。
トマト、キュウリ、ピーマン、タマネギ、ニンニク、パン、オリーブオイル、酢、塩をブレンドしてつくられる。
※写真は、PhotoAC「ガスパチョ」より
【パン・コン・トマテ】(スペイン)
カタルーニャ地方に古くから伝わる郷土料理。
トーストしたパンにニンニクをすりつけ、生のトマトでつくったペーストをたっぷりかける。
※写真は、PhotoAC「スペインのパン・コン・トマテ」より
【アホブランコ】(スペイン)
「アホ」はスペイン語でニンニク、「ブランコ」は白いという意味。
アンダルシア地方の伝統的な冷製スープで、「白いガスパチョ」とも呼ばれる、ニンニクとアーモンドの冷製スープ。
【ソパ・デ・アホ】(スペイン)
カスティーリャ地方で親しまれる郷土料理。
「ソパ」はスープの意味。
スライスしたニンニク、ベーコン、パンをオリーブオイルで炒めたスープに、溶き卵を入れて仕上げる。
※写真は、PhotoAC「ソパ・デ・アホ」より
【アリオリ】(スペイン)
カタルーニャ料理に欠かせない伝統的なソース。
ニンニクとオイルを乳化させたもので、パエリアなどの米料理や、肉のグリルなどに添えられる。
【アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ】(イタリア)
イタリア料理でも、多くの定番料理にニンニクが使われる。
「アーリオ」はニンニク、「オーリオ」はオリーブオイル、「ペペロンチーノ」は唐辛子の意味で、日本で「ペペロンチーノ」として知られるパスタ料理の正式名称。
※写真は、PhotoAC「アーリオオーリオペペロンチーノの一皿」より
【ブルスケッタ】(イタリア)
軽く焼いたパンにニンニクをすりこみ、オリーブオイルとトマトなどをのせて食べるイタリア料理の前菜。
※写真は、PhotoAC「ブルスケッタ」より
【ボレート】(イタリア)
イタリア北部のフリウリの郷土料理。オリーブオイルを使わず、ビネガーで煮るのが特徴。皮をむいたニンニクを真っ黒になるまで焦がし、サバなどの魚介を焼き付け、ワインビネガーと水を入れじっくり煮込む。
【アイオリ】(フランス)
フランスのプロヴァンス地方発祥とされる、すりつぶしたニンニク、卵黄、オリーブオイル、レモン汁、塩コショウを混ぜてつくられたソース。
見た目はマヨネーズに似ているが、ニンニクの風味が強調されているのが特徴。
肉や魚料理、パン、温野菜など、様々な食材に合う。
※写真は、PhotoAC「ポテトとアイオリ」より
【鶏肉と40片のニンニクの煮込み】(フランス)
プロヴァンス地方の郷土料理で、焼き色を付けた鶏肉を、大量のニンニクとタイム、セージ、ローリエなどのハーブで蒸し煮にする料理。
【スコルダリア】(ギリシャ)
ギリシャ語でニンニクは「スコルド」。
ニンニクとマッシュポテトをベースにオリーブオイルとビネガーを加えた濃厚なディップソース。
パンや、魚、野菜などの付け合わせとして食べられている。
【ザジキ】(ギリシャ)
ギリシャヨーグルト、すりおろしたキュウリ、ニンニク、オリーブオイル、レモン汁でつくる、爽やかな味わいのソース。
野菜やクラッカーにつけたり、サラダやサンドイッチに入れたり、肉や魚などのメイン料理に添えたりと多様な食べ方ができる。
※写真は、PhotoAC「ジャジキ」より
<参考サイト>
・空心菜のにんにく炒め
https://note.com/chijintianxia/n/n88de687a578a
・毎年夏バテしてない?簡単に作れてスタミナ抜群のにんにくキムチを食べて暑い夏を乗り切ろう‼
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/257af13e49e978b62b9478e31164094c7df4b173
・世界一美味しい国の、世界一ニンニクを楽しむ料理
https://tabi-labo.com/287858/shukumeruri
・shkmeruli(シュクメルリ 【ジョージア】)
・アヒージョとは(スペインのガーリック料理)
https://www.oliveoilsfromspain.jp/resipi/ahi-jo-to-wa-supein-no-ga-rikku-ryori/
・ガスパチョとサルモレホ:スペインの冷製スープの魅力
https://cometeespana.com/gazpachoysalmorejo/
・シンプルにおいしいパン コン トマテ
・からだぽかぽか!スペインの家庭料理「ソパ・デ・アホ(スペイン風ニンニクスープ)」
https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/recipe/100128/index.html
・Allioli アリオリ
https://granjapon.co.jp/archives/column/masubuchi04
・アーリオ・オーリオとは?ペペロンチーノとの違いやおすすめのレシピもご紹介
https://delishkitchen.tv/articles/2153
・チーズのブルスケッタ トマト&アボカド
・にんにくの風味がガツンと聞いたイタリア郷土料理”ボレート”
https://dancyu.jp/recipe/2024_00009355.html
・鶏肉と40片のニンニク(仏Poulet aux 40 gousses d ‘ail)
http://hiro-french-italy.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/40poulet-aux-40.html
・スコルダリア
https://elinesaglik.obunko.com/eur/gre/gre_024.html
・ザジキ(ギリシャ風ヨーグルトときゅうりの万能ディップ)
https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/139971
⑥ ニンニクを練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ
ニンニクを麺に練り込んだものを調べてみたら、素麺やインスタントラーメン、冷麺など、様々な麺がつくられていましたので、いくつかご紹介します。
【にんにくそうめん】(柏崎製菓)
岩手県産小麦でつくったソーメンに青森県産ニンニクの粉末を練りこんだ。
夏は冷たいつゆで、冬場はあたたかいつゆで、またイタリアン風にして食べてもおいしいとのこと。
【にんにくめん】(肥後そう川)
熊本県産小麦粉でつくった麵に、「粉末にした熊本県産のニンニクを練り込み、健康的でおいしい麺に仕上げた。
【にんにく練り込み生冷麺】(小関麺興商事)
青森県十和田産のニンニクを粉末にして練り込んだ生タイプの冷麺。
1食で1片20gの量を摂ることができる。
ニンニクの風味とツルツルとしたコシが特徴。
【鬼黒麺】(藤幸製麺・かぐや農園)
青森県弘前市の藤幸製麺と、かぐや農園のコラボ商品。
生黒ニンニクを贅沢に練り込んだ麺は、茹で上げるとまるで蕎麦のような見た目になる。
ざる蕎麦のように、冷水で締め麺つゆにつけて食べるのがおすすめとのこと。
【田子にんにくラーメン】(田子町ガーリックセンター)
青森県田子町産のニンニクが練り込まれ、独特な香りと味わいを楽しめる生麺タイプのラーメン。
以下は、大手メーカーのものですが、目に付いたものを書き出してみました。
【明星 チャルメラ もやしが超絶うまいまぜそば ニンニクしょうゆ味】(明星食品)
インスタントの袋ラーメン。
麺にニンニクを練り込んだことで香りと旨みが増し、ニンニクのきいた味わいを手軽に楽しめる。
【明星 BIGだぜ!一平ちゃん】(明星食品)
ニンニクが練り込まれた食べ応えのある食感が特徴のカップラーメン。
【トリプルニンニク豚ラ王】(日清食品)
麺、スープ、具材の全てにニンニクを入れたカップラーメン。
ニンニクを練り込んだ極太麺を、ニンニクの風味と背脂の旨みたっぷりのこってり豚骨醤油スープで味わう。
【日清デカうま 油そば】(日清食品)
ニンニクを練り込んだ極太ウェーブ麺を、豚の旨みとコクをきかせた醤油だれに絡めて味わうカップ油そば。
<参考サイト>
・ にんにく練り込み生冷麺
https://www.kosekimen.jp/?mode=cate&cbid=2305980&csid=5
・にんにくを麺に練りこんだ「田子にんにくラーメン」
https://garlic.shop-pro.jp/?pid=180844
・鬼黒麺~なま中華めん~
https://kaguyafarm.theshop.jp/items/38667189
・にんにくそうめん
https://retail-trend-system.jp/Search/Product/2mje3wrsJrs/-Gter5oRC-o
・にんにくめん
https://www.sougawa.com/item/kn/?srsltid=AfmBOoqfc6nhFBXWAbLbAZxc5Ws3EdEs3rGZnZvpdEzeVEiyU-QPLzGb
・明星 チャルメラ もやしが超絶うまいまぜそば ニンニクしょうゆ味 5食パック
https://www.myojofoods.co.jp/products/items/11832
・「明星 BIGだぜ!一平ちゃん」シリーズ3品 (8月26日発売)
https://www.nissin.com/jp/company/news/12663/
・トリプルニンニク豚ラ王(ヤサイ、アブラ、ニンニク)
https://cupramen.site/cupmen/4352/
・日清デカうま 油そば
https://www.nissin.com/jp/product/items/11211/
⑦ 《美味しい手延べ素麺》番外編╱YouTubeで紹介されました
以前から紹介させていただいていた、「泡盛酒かすそうめん」「月桃そうめん」「手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)」ですが、なんと、タレントのガレッジセール「ゴリさん」が「酔処 玉川」さんで3種の素麺を召し上がり、大絶賛されていました!
目の付け所が良かったのでしょうか(笑)
ベロベロに酔っ払っていらっしゃいますが、美味しい美味しいと大絶賛!!
沖縄で、ぜひとも食べたい素麺です。
小豆島の手延べ素麺ということもご紹介されていて、ちょっと嬉しくなりました。
YouTubeもぜひご覧ください。
今すぐにでも食べに行きたくなりますよ!
※写真は、酔処玉川様公式ネットショップより引用させていただいています。
『お!いしい けんぶんろく』について
本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。
色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。