【お!いしい けんぶんろく】 Vol.28
麺究者への道/「発酵」「熟成」「腐敗」はどう違う?
新年ひとつめのブログになります。
今年もお付き合いの程、よろしくお願いいたします。
年末は、新しいお取引様からのご要望や新製品開発など、本当にありがたいお話で忙しくしておりました。
おかげさまで新しいことにチャレンジさせていただける機会もあり
さて、昨年来、色々なテーマでブログ(私としては自分の勉強や新製品開発のデータベースとして)を書いてまいりましたが、今年も色々と勉強しながら記していきたいなと思います。
何年か後に振り返ったときに、このブログのために色々勉強したことが役立ったと言えるように、しっかりと調べていきたいと思いますので、もし内容にお気づきの点がございましたらご連絡ください。
今年の一つ目のテーマですが…
実は最近、新製品開発や島の中での事業者さんとの会話の中で当たり前のように耳にする「発酵」「熟成」という言葉が気になっています。
小豆島は「醤油」の産地であり、島には県立の「発酵食品研究所」があります。
日本酒の酒蔵さんもありますし、無添加でお味噌をつくる方もいらっしゃいます。
最近ではクラフトビールに取り組む方などもおられ、「発酵」「熟成」を活かしたさまざまな産業や食品を目にするようになりました。
実は、手延べ素麵も「発酵」「熟成」というキーワードを使用しますし、その働きを活かした工程もあります。
ただ、言葉として知っていても、実はなにが「発酵」でどうすることが「熟成」なのか…
「発酵」させることで、素麵に何が起きていて、「熟成」するということはどのような影響があるのか、実はよくは分かっていません。
もちろん、素麺をつくる工程では、その前と後で違いは分かりますし、必要なことは分かります。
ですが、その仕組みや働きなどについて理解している訳でなく、「そうしてきたからそうする」感じで製造工程を守り続けてきました。
「発酵」「熟成」は品質に大きく影響します。
例えば味や香り、いわゆる風味ということに大きな影響を及ぼします。
ということは、食品にとってとても重要なことを、「前からやっているからこれからも続ける」ということになり、もしかしたら美味しい素麵をつくる大切なポイントをスルーしているのかもしれない…そう思うと、もっとなにか、できることがあるんじゃないかと思えてきて、色々なことを知りたくなりました。
これまでに取り組んできている新製品開発にも関わっていくことですし、開発の方向性にも繋がります。
また、もしかしたら「発酵」「熟成」を活かすことで素麺づくりの製法も変化・進化させることができるかも知れません。
そんな可能性を感じましたし、信じています。
そこで、今年は「発酵」「熟成」について少し勉強し、さまざまな食品についても勉強したいと思います。
できれば島内の事業者さんを訪ね、新しい繋がりを広げていきたいと考えています。
自分自身のためであり、このブログをご覧いただく方のお役に立てればと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
写真は、12月に小豆島一番の観光地、寒霞渓から見下ろした写真です。
標高も600メートルくらいあるので、空気も冷たくて身もシャンと引き締まります。
【目次】
① 知ってるようで知らない「発酵」「熟成」「腐敗」の違い
② 発酵には欠かせない微生物のチカラと理解
③ 先人の知恵はすごい!発酵のパワー
④ 発酵で生まれた多くの食品たち
⑤ 熟成の3つの技法とは?
⑥ 味・栄養・食感など、熟成のメリットいろいろ
⑦ 熟成で美味しくなるメカニズム
⑧ 【新春特別価格】『小豆島福箱』発売中
① 知ってるようで知らない「発酵」「熟成」「腐敗」の違い
味や栄養の面で注目されている「発酵」と「熟成」は、どちらも食材が一定期間を経て変化することを表す言葉ですが、具体的にはどういう意味なのでしょうか。
人間に有害な変化である「腐敗」も含めて、調べてみました。
「発酵」とは
「発酵」とは、食材に付着した菌やカビなどの微生物がタンパク質や糖質を分解して、旨味の素となるアミノ酸やアルコールなどをつくり出すことにより、人間にとって有益な状態に変化させることだそうです。
旨味や風味、栄養価が増したり、保存性が高まったりします。
発酵には微生物の働きが不可欠で、麹菌や乳酸菌、酵母菌といった微生物によって、味噌、醤油、ヨーグルト、チーズ、ワインなどの発酵食品がつくり出されます。
「熟成」とは
「熟成」は、近年話題の熟成肉を例にとると、肉がもともと持っている酵素がタンパク質などを分解することで柔らかくなり、アミノ酸が増加することで美味しくなります。
また、清酒、ウイスキーなど酒類の熟成は、保存・貯蔵中に起きる化学的変化とのことです。
発酵と熟成は線引きが難しいところもあり、例えば味噌は、米に麹菌をつけて発酵させ、発酵の段階が終わると麹菌由来の酵素により熟成の段階に入るので「発酵熟成させた食品」と呼ばれるそうです。
「腐敗」とは
「腐敗」は発酵と同じ原理で微生物の働きによるものですが、人間にとって有益ではないものに変化してしまうことです。
においや見た目、味などが劣化し、食べられなくなります。
話は変わりますが、バナナなどの果物の場合、熟成と腐敗の区別は分かりにくいですよね
「腐りかけが美味しい」とは言われますが…
<参考サイト>
・「発酵」と「熟成」は何が違うのか?
https://ajibana.jp/trivia/465/
・発酵と熟成の違いとは?
https://www.mizkan.co.jp/osu-information/base/difference.html
・発酵と腐敗・熟成の違いって何?
https://www.marukome.co.jp/marukome_omiso/hakkoubishoku/20181025/10134/
② 発酵には欠かせない微生物のチカラと理解
発酵に欠かせない微生物は、「細菌」「酵母」「カビ」の3種類に分けられます。
それぞれにどんなものがどんな発酵食品を生み出しているかを分けて整理してみました。
【細菌】
細菌は、カビや酵母に比べて最も小さな単細胞の微生物で、細胞分裂を繰り返して増殖します。
腸内環境を整えることで知られる「乳酸菌」は、糖類を分解して乳酸に変える働きがあります。
牛乳に乳酸菌を加えるとヨーグルトやチーズができます。
また、ぬか漬けやキムチなどの漬物は、原料の野菜に含まれるブドウ糖や果糖などを乳酸菌が分解して発酵したものです。
「乳酸菌」が生成する乳酸により、pHを下げること(酸性)で食中毒細菌などの増殖を抑え、保存性が高まります。
また乳酸菌はアミノ酸を生み出すことで、発酵食品に独特の風味が生まれます。
「納豆菌」は、田んぼや畑、枯れ草、稲わらなどに生息する細菌です。
煮大豆に納豆菌を加えると、発酵の過程でタンパク質を分解し、旨味成分であるアミノ酸を生成して納豆ができます。
納豆菌は生きたまま腸内にたどり着き、善玉菌を活性化させ悪玉菌を抑制して腸内環境を改善したり、「ナットウキナーゼ」というタンパク質分解酵素が血液をサラサラにする働きがあるそうです。
「酢酸菌」は、アルコールを酢酸に変える、酢をつくるのに欠かせない細菌です。
酢酸によりpHを低下させて他の微生物を近寄らせない環境をつくり、防腐や静菌・殺菌の働きをするとのこと。
また酢の強い酸味と刺激臭も、酢酸によるものです。酢酸菌は腸内の免疫スイッチを刺激して活性化させ、花粉症やアレルギーを抑制する作用があると言われます。
【酵母】
酵母による発酵は、主にアルコール発酵で、ブドウ糖をアルコールと二酸化炭素に分解します。
大麦を発芽させてつくった麦芽からの麦汁にビール酵母を加え、アルコール発酵させるとビールができます。
ブドウの果汁にワイン酵母を加え、アルコール発酵させるとワインができます。
また酵母から出る炭酸ガスは、パンの発酵に利用されています。
パンづくりに使われる酵母は大きく分けて「イースト」と「天然酵母」の2種類。
イーストはパン専用の酵母として基本的に1種類の酵母を培養させたものです。
天然酵母は穀物や果物など自然にある酵母を育てたもので、乳酸菌など他の菌も混ざっているそうです。
【カビ】
カビは糸状細胞の微生物で、胞子を飛ばして拡散し、菌糸と呼ばれる糸状の細胞を伸ばして広がります。
カツオ節をつくるのに使われる「カツオブシカビ」や、ブルーチーズで知られる「青カビ」などのほか、「麹菌」もカビの一種です。
麹菌は、味噌や醤油、みりん、米酢、甘酒、日本酒、焼酎、漬け物など、日本由来の発酵調味料や発酵食品をつくるのに使われるカビです。
そのまま使うのではなく、お米、麦、大豆などに加えて培養させた「麹」にして使用します。
菌を繁殖させた食材により、「米麹」「麦麹」「大豆麹」など麹の種類が変わります。
麹菌が生み出す酵素の働きで、食材の体内での消化・吸収の効率が良くなったり、腸内の善玉菌が活性化して腸内環境が良くなったりします。
また麹菌は、豊富なビタミンやミネラルなどの栄養素をつくるそうです。
<参考サイト>
・発酵食品にはどんな種類があるの?主な発酵食品一覧
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/hakkou-table
・発酵のきほん
https://www.hakko-blend.com/study/
③ 先人の知恵はすごい!発酵のパワー
食材は発酵させることにより、人間に有益な変化が起こります。
その主な働きや作用について3つありますが、よくぞこんな発見ができたものだと驚きます。
そして、それが現代にでも役に立ち、今まさに健康や食問題の解決に繋がるんですから、本当に素晴らしいことですね。
【食品の保存性向上】
ある環境のなかに特定の微生物が一定数以上いる場合、他の微生物は繁殖することができないそうです。
発酵を促す微生物が増えることにより、腐敗菌を寄せつけないようにするため、食品の保存性が高まります。
また発酵によって生まれる乳酸や酢酸、アルコール自体にも殺菌効果があるので、雑菌の増殖を抑え、食品のおいしさが保たれるとのことです。
【味わいや香りアップ】
食材が微生物により分解され発酵する過程で、アミノ酸やイノシン酸、グアニル酸などの旨味成分が生まれます。
また発酵食品の独特な香りについても、発酵過程で微生物の作用によって生成される香気成分によるものだそうです。
【栄養価や健康機能が高まる】
発酵の過程で、微生物がビタミン類などさまざまな栄養成分をつくり出します。
元の食材よりも栄養価が高まったり、新しい栄養成分が加わったりします。
また、栄養成分が体内に吸収されやすくなる、腸内環境を整え免疫力が高まる、活性酸素の発生を抑え酸化を防ぐ、などのメリットもあります。
<参考サイト>
・発酵食品って何がいいの?
https://www.hakko-blend.com/study/whats/01/
④ 発酵で生まれた多くの食品たち
私たちが普段口にしている食べ物や飲み物の中にも、発酵の力によりつくられているものがたくさんあります。
【発酵食品】
<大豆系>
代表的な納豆は、納豆菌で発酵させた「糸引き納豆」と、麹菌で発酵させた糸を引かない「塩辛納豆」の2種類に分けられます。
「糸引き納豆」はさらに、大豆を丸ごと蒸してつくる「丸大豆納豆」、大豆を炒ってひき、皮を取り除いた後に納豆菌をつけて発酵させた「ひきわり納豆」、ひきわり納豆に米麹と塩を加えて、発酵・熟成させた「五斗納豆」に分けられるそうです。
インドネシアの「テンペ」など、海外にも納豆に似た食品があります。
※写真はPhotoAC「テンペ」より
<野菜系>
野菜などを漬け込んで風味と保存性を高める漬物には、つくる過程で発酵させる「発酵漬物」があります。
塩分を含む漬け床に漬け込むことで、野菜から出た水の中で乳酸菌が育ち、その働きによって漬物ができます。
野菜にもともと付着している乳酸菌が、糖類などを分解して乳酸を生成することによりpHが低下することで酸性になるそうです。
そのため酸味が出て、また酸に弱い腐敗菌の働きが抑えられることで保存性が高まるとのこと。
空気中などから付着した酵母も増殖することで、漬物特有の風味が生まれます。
韓国の「キムチ」や、ドイツの「ザワークラウト」、欧米の「ピクルス」なども発酵漬物です。
<肉系>
生ハムは、豚肉を塩水や塩で漬けて乾燥させ、燻製などの加工をせず、発酵・熟成させてつくられます。
ドライソーセージは、豚肉とアルコール、塩を混ぜて腸詰めにし、乳酸菌により発酵させつくられます。
※写真はPhotoAC「熟成サラミ」より
<魚介系>
魚介類にはもともとイノシン酸が多く含まれており、さらに発酵する過程でアミノ酸類が増え、イノシン酸も増えるそうです。
カツオ節は、カツオブシカビを何度もつけて燻したり乾燥させたりしてつくられます。
寿司の原型とも言われるなれずしは、魚を塩とご飯で発酵させたものです。
塩辛は、魚やイカの身・内臓などを塩漬けにして、発酵・熟成させています。
<その他>
乳製品であるヨーグルトやチーズ、また、パンやチョコレートも発酵食品です。
ヨーグルトは、牛乳に含まれる乳糖を乳酸菌で分解させてつくられます。
チーズは乳酸の発酵により酸化させた後に、加熱したり、酵素を添加して凝固させたりしてつくられます。
【発酵飲料】
<アルコール>
日本酒は、米に清酒酵母や麹を加え、発酵させてつくります。
ビールは、麦芽のでんぷんを糖化し、ビール酵母を加えて発酵させます。
ワインは、原料のブドウにワイン酵母を加えてつくります。
焼酎や泡盛も、発酵の力でつくるアルコール飲料です。
<発酵茶>
お茶の葉には酸化酵素が含まれており、摘んだ後そのままにしておくと徐々に発酵していくそうです。
発酵が進むと茶葉の色や香りが変化します。
発酵の方法や度合により「不発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」「後発酵茶」の4種類に分けられるとのことです。
緑茶や煎茶は発酵をさせずにつくられます。
ウーロン茶は、葉の周辺部の色が茶色に変色し始めたら火を入れ、発酵を止める半発酵茶です。
紅茶は、発酵の途中で揉む工程を入れて茶葉を傷つけることにより発酵を促進し、最後まで発酵させる発酵茶です。
プーアール茶は、茶葉を摘んですぐに火を入れて発酵を止めますが、その後、麹菌などの微生物によって発酵させる後発酵茶です。
<その他>
甘酒(麹甘酒)は、炊いたご飯に米麹を加えてつくられます。
麹菌や麹菌の酵素の働きにより、ブドウ糖や必須アミノ酸、ビタミンB群などの栄養素がつくり出されます。
麹甘酒はノンアルコールですが、酒粕に砂糖と水を加えた酒粕甘酒はアルコールを含みます。
【発酵調味料】
「醤油」は、麹菌の酵素で大豆のタンパク質を分解してつくられ、醤油乳酸菌や酵母などの働きにより熟成が進みます。
「味噌」は、大豆と麹、塩が原料です。麹の種類により、米味噌や豆味噌、麦味噌などがあります。
「酢」は、酒に酢酸菌を加えてつくります。原料の種類により、米酢、黒酢、リンゴ酢、ワインビネガーなどがあります。
「みりん」は、もち米と米麹、焼酎が原料です。麹菌の酵素がでんぷんを糖化することでつくられます。
他にも塩麹や醤油麹、中国の豆板醤、韓国のコチュジャンなどがあります。
魚醤は魚と塩を発酵させた調味料で、タイのナンプラーもその一種です。
<参考サイト>
・ゆたかな食文化を支えるさまざまな発酵・発酵食品
https://www.hakko-blend.com/study/
・発酵食品の一覧を紹介!効果や食べ方のポイントとともに確認しよう
https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1473/column/column01.html
・主な発酵食品を一覧でチェック!効果・効能を高める健康レシピで豊かな食生活を
https://brunofans.jp/2023/05/post-709.html
・食べておいしく、カラダにやさしい発酵食品!
https://www.nissui.co.jp/recipe/fish-kitchen/featured/c00004/index.html
・乳酸菌 乳酸菌が含まれる食品はこれ!
https://www.nutrilite.jp/magazine/lactic-acid-bacteria/content32.html
・製法の違いで分けるお茶の種類
https://shop.chanoma.co.jp/column/kind/kind.html
⑤ 熟成の3つの技法とは?
発酵と並ぶ食材の変化である熟成には、日本古来の技法から新しく生まれたものまで、3つの技術があるそうです。
これらの技術について、熟成肉の例が分かりやすいと思うので整理してみます。
【枯らし熟成】
肉を枝肉のまま吊るし、3~4週間かけて熟成させる、
骨のまま吊るすことで、肉に負担がかかりにくいそうです。
冷蔵庫内で肉に最適な菌が自然に付着し、水分がゆっくり引き出されることで旨味が凝縮するとのこと。
表面のカビをそぎ落とす必要があるなど効率が良くないことから、真空技術の発達や流通の発展などにより、あまり活用されなくなったそうです。
【ドライエイジング】
管理された環境で乾燥させながら熟成する、ニューヨークから伝わった方法。
専用の貯蔵庫の中で湿度・温度を調整し、風を循環させながら水分を抜き、2週間~2カ月かけて熟成させます。
熟成の過程で自然に微生物がつきます。
こちらも表面のカビをそぎ落とす必要があります。
【ウェットエイジング】
真空にして、0℃~1℃の貯蔵庫で1~2週間寝かす技法です。
元々は、輸送の際に肉の劣化を防ぐため真空にしていたところ、数日寝かせると肉の酵素の働きにより柔らかくなり、旨味も増すことが分かったそうです。
他の技法に比べて管理がしやすいですが、旨味や香りはあまり増えないとのことです。
<参考サイト>
・熟成とは?発酵との違いと熟成することで食材が美味しくなる理由
https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/jyukuseitoha
・大ブームの「赤身肉」&「熟成肉」を詳しく知ろう!【
https://ourage.jp/column/
⑥ 味・栄養・食感など、熟成のメリットいろいろ
熟成により、食材のタンパク質が分解されてアミノ酸が増えます。
このことにより、さまざまな効果が現れます。
ただし熟成と腐敗は紙一重なので、プロによる管理と見極めが必要です。
自宅で熟成させるのは難しいようです。
【旨味が増す】
アミノ酸は旨味成分のひとつなので、熟成が進みアミノ酸が増えることで美味しさをより感じられるようになります。
【芳醇な香りがする】
熟成香と言われる芳醇な香りがします。
【栄養分が吸収されやすくなる】
タンパク質は人の体をつくるのに必要ですが、そのままでは吸収されません。
熟成によりアミノ酸に変化することで、栄養分が吸収されやすくなります。
【食感がやわらかくなる】
酵素の働きにより肉の筋線維が分解され、食感がやわらかくなります。
⑦ 熟成で美味しくなるメカニズム
味噌や醤油、お酒、チーズなどの発酵食品にも、長期間熟成させるものが多いですね。
熟成により旨味が増すメカニズムについて、もう少し詳しく調べてみました。
タンパク質は、アミノ酸が長くつながったもので、味はほとんどありません。
食品に含まれるタンパク質が、食品自体が持つ酵素や空気中の微生物などにより分解される、つまり熟成することで、アミノ酸や、アミノ酸が複数つながったペプチドになります。
アミノ酸やペプチドは様々な味を持っているため、分解されればされるほど、旨味が強く感じられるようになります。
ペプチドは非常に種類が多く味もアミノ酸より複雑多様で、コクや濃厚感、異味異臭に対するマスキング効果などを持つものもあるとのことです。
旨味成分であるアミノ酸のグルタミン酸やイノシン酸に、ペプチドが加わることにより、相乗効果で深いコクや濃厚な味わいが生まれたり、塩味や酸味、苦味が弱くなったりして、より美味しくなると考えられています。
またペプチドは加熱処理を行うと他の物質と反応し、新たな風味が生まれます。
これにはメイラード反応と呼ばれる現象が関与しており、食品に独特の良い香りが生まれることが知られています。
ただしペプチドには苦味を持っているものなどもあり、味に良い影響を及ぼすものばかりではないそうです。
<参考サイト>
・「うま味」とともに「おいしさ」をアップさせる「熟成」…深まる「味わい」の秘密は「タンパク質」の「分解」だった!
https://gendai.media/articles/-/111803?page=2
・ペプチドは、おいしい!?
http://topics.foodpeptide.com/?eid=453628
⑧ 【新春特別価格】『小豆島福箱』発売中
昨年は、さまざまな形で小豆島の美味しいものをご紹介したり販売したりさせていただきました。
そこで、今回は新年のスペシャル企画として、石井製麺所の人気商品と組み合わせた「小豆島福箱」をご用意しました。
中身は…
・石井製麺所:手延べ半生うどん、手延べきくらげ麺
・岬工房:オリーブ新漬け
・瀬戸の香:小豆島の釜めしの素
・丸島醤油:味醤油
・箭木椎茸園:原木干し椎茸
・安田農業集団:特別栽培米
を詰め合わせた、小豆島ならではの美味しいセットをご用意させていただきました。
オリーブの新漬けは、何と言っても、小豆島の今だけの味覚で、日本独自のものです。
オリーブの独特のオイリーな優しい食感と、塩加減の良い塩梅が魅力な「オリーブのお漬物」です。
塩加減がご飯のおかずにも合いますし、お酒のアテにもちょうど良いようです。
知り合いの日本酒ソムリエさん、ワインソムリエさんにも「日本酒に合う!」「ワインに合う!」とお褒めをいただきました。
ぜひとも食べてみていただきたい味覚です。
釜めしは、きっと日本全国の地域にそれぞれの味が根付いているんでしょうね。
小豆島は醤油の産地ですから、釜飯(炊き込みご飯)には、ちょっとうるさいですよ!
そんな中、古くから佃煮の製造をおこなってきた瀬戸の香さんがつくる「おばあちゃんがつくった」優しい味わいの釜めしの素です。
具材も国産にこだわり、「あぁ〜美味しい〜」って心から言える(僕は言いました)釜飯を味わっていただけますよ。
味醤油は、これは本当に台所に一本、置いておいて欲しい調味料です。
これ一本で、めんつゆから、煮物の味付け、お味噌汁の隠し味、おでんや炊き込みご飯にも使えるので本当に万能な調味料です。
1本あればお料理の幅がぐんと拡がると思います。
濃縮つゆなので1本あればかなりもつので便利ですよね。
原木椎茸を使った干し椎茸は、島でも人気の商品です。
島の産直コーナーに毎日並べられていますが、毎日ほぼ完売で、わざわざこれをまとめて買いに来る人までいるそうです。
干し椎茸は、縁起物でも知られていますし、日本人ならではの旨みの素ですよね。
特別栽培米のお米は、田植えをする前にレンゲを咲かせ、それをすき込み肥料としています。
苗を植え付け栽培する際には、できるだけ農薬を減らして栽培されています。
令和5年度の収穫米で、玄米で保存し、出荷されるギリギリに精米してお届けさせていただきます。
特別なブランド米でなく、島の農家さんが丁寧につくられたお米を、セットにしてお届けさせていただきます。
セットで美味しく、何度も味わいたくなる「小豆島の美味しいものをセットにした福箱」はいかがでしょうか。
《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/
《新春特別商品 小豆島福箱》 https://141seimen.thebase.in/items/81778481
最後に…
1月1日に起きた「能登半島地震」で被災された方、影響を受けられた方に、心よりお見舞い申し上げます。
連日の報道により、お亡くなりになられた方が多くいらっしゃるとのこと。
ご遺族の皆様へ、心よりお悔やみ申し上げます。
また、救助や復興に携わられるすべての方の安全と健康を心よりお祈り申し上げます。
石井製麺所でも何かできることがないか、ボランティアで活動される方々と連携を取りながら、少しでもお役に立ちたいと考えています。
お役に立てることがございましたら、ぜひお声がけください。
『お!いしい けんぶんろく』について
本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。
色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。