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石井製麺所通信

石井製麺所通信

2024年3月6日 【Vol.31】栄養成分の機能性について/乳酸菌

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.31

栄養成分の機能性について/乳酸菌

 

 

 

 

素麵を製造する際、気になる天気予報。

そして今、特に気になるのが花粉の飛散情報。

花粉症がツライ季節です(涙)。

私は小豆島に戻る前、かなり花粉症に悩まされていて、鼻から来て、目もツラく、薬に頼っていました。

しかしながら、島に戻ってからは症状も和らいだようで、薬を飲んではいますが、体調的にも改善傾向です。

これだけでも島に戻ってきた価値は、大いに感じております。

 

さて、最近、花粉症に良い食品というものも多くあり、よく聞くのが乳酸菌を含むヨーグルトではないでしょうか。

先日、「発酵」「熟成」のブログで、醤油についても色々と書いていましたが、そこでも乳酸菌のキーワードは出てきました。

乳酸菌の存在自体を知られるようになったのはつい最近のことなんだそうですが、その活用ははるか昔からあり、食経験も豊富で安全性の高いものだと知られています。

乳酸菌は人間の体の中に存在するものから、食物や自然界に存在するものまで、人体へのさまざまな有用性が紹介されています。

 

発酵食品を製造する際にはその働きが役立ち、花粉症で苦しむ時期、免疫力が低下して体調を崩しやすい時期にも役立つとされる乳酸菌。

“菌”と聞くとなんだか怖い気もしますが、人間にとって欠かせない“菌”のひとつなんですね。

今もなお研究が進み解明されることも多いそうで、今後もさらなる有用性の発見に期待したいところです。

 

今回のブログでは「乳酸菌」の機能性や働きを学び、新しい製品に活かすことができればと考え、調べてみました。

 

乳酸菌入り手延べ素麵ができれば、花粉症対策に素麵を食べていただける日が来るでしょうか。

それはさておき、新製品開発のためだけでなく、日々の健康管理にもお役立ていただける情報としてブログにまとめたいと思います。

今回も最後までお付き合いいただけましたら幸いです。

 

写真は、最近、新製品開発のために伺った「かがわ産業支援財団」がある「香川産業頭脳化センター」の入り口付近。

「頭脳化」ってどういうことだろう?と思いながら、撮った1枚です。

こちらでお世話になる日を目指して、今後もいろいろと頑張ってまいります。

 

 

 

【目次】

① 人間の強い味方!善玉菌の代表格・乳酸菌

② 乳酸菌と一括りに言っても、実は400種類もある

③ 乳酸菌は「生きたまま腸まで届く」ことが必要なのか?

④ 乳酸菌が摂取できる発酵食品いろいろ

⑤ 腸内環境を整え、健康に役立つ乳酸菌

⑥ 知っておきたい、乳酸菌の効率的な摂り方や食べ方の工夫

⑦ 《美味しい素麺》小豆島手延べきくらげ麺編

 

 


 

① 人間の強い味方!善玉菌の代表格・乳酸菌

 

乳酸菌とは、発酵により糖類から乳酸をつくり出す性質を持つ微生物の総称です。

人や動物の体内をはじめ、自然界に広く存在します。

古くから、ヨーグルト・チーズ・漬け物・味噌・醤油・日本酒など発酵食品の製造に利用されてきました。

 

乳酸菌研究の歴史は浅く、乳酸菌と健康や老化との関係がわかったのは20世紀初めのことでした。

17世紀、オランダのアントニー・ファン・レーウェンフックが腸内細菌を発見しました。

乳酸菌を初めて本格的に調べたのは「発酵微生物学の始祖」と言われるフランスのパスツールで、1857年、酸っぱくなった乳の中に微生物が存在することを発見したそうです。

さらに研究が進み「ビフィズス菌」「アシドフィルス菌」などが発見され、1908年、免疫の研究でノーベル賞を受賞したロシアのメチニコフが「乳酸菌による不老長寿説」を提唱したそうです。

 

乳酸菌は、人の腸の中にも存在します。

腸内にはさまざまな種類の細菌が存在しており、大きくは「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)」の3つに分けられます。

食生活の偏りや不規則な生活などにより、これら3つのバランスが崩れることがあります。

乳酸菌が産生する乳酸や酢酸などの有機酸には殺菌作用があり、大腸菌など悪玉菌の繁殖を抑えて腸内細菌のバランスを整える乳酸菌は、善玉菌の代表格と言われています。

 

乳酸菌にはさまざまな種類があり、その働きも多種多様。

腸内環境を整える他、免疫機能の向上や、コレステロール値の低下、花粉アレルギーの改善といった働きがあることが分かっています。

 

 

<参考サイト>

・公益財団法人 腸内細菌学会 乳酸菌について教えてください。

https://bifidus-fund.jp/FAQ/FAQ_17.shtml

・乳酸菌を知る 乳酸菌とは

https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/about_nyusankin/about/

・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット 乳酸菌

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html

・乳酸菌とは?乳酸菌の働き、乳酸菌を含む食品を紹介

https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=236&category=health

 

 

 


 

② 乳酸菌と一括りに言っても、実は400種類もある

 

乳酸菌はおよそ400種類ほど発見されており、いろいろな分け方があります。

 

<形態による分類>

【乳酸球菌】丸い球状の形をしています。

【乳酸桿菌】細長い棒状の形をしています。

 

<発酵形式による分類>

【ホモ型乳酸発酵】糖から乳酸のみを生成します。

【ヘテロ型乳酸発酵】糖から乳酸と酢酸またはアルコール、炭酸ガスを生成します。

 

<発育条件による分類>

【通性嫌気性菌】空気(酸素)があるところでも増殖します。

【偏性嫌気性菌】空気(酸素)のあるところでは増殖しません。

 

乳酸菌豊富な食べ物の代表格であるヨーグルトの市販品には、「ブルガリア菌」「サーモフィルス菌」「アシドフィルス菌」などが用いられています。

また、乳酸菌飲料には「カゼイ菌」などが使われます。

ヨーグルトなどの製造では、これらの菌の組み合わせや発酵温度などによって、それぞれの製品の特長を出しているそうです。

 

乳酸菌の中でもよく耳にするものについて、それぞれの特徴や働きを調べてみました。

 

【ビフィズス菌】

広義では乳酸菌に含まれますが、乳酸だけでなく酢酸もつくる、酸素があると生きていけない、など乳酸菌と異なる特徴を持ちます。

整腸作用が知られており、主に大腸に住みつき、乳酸や酢酸をつくって腸内環境のバランスを整えたり、腸管を適度に刺激して腸管運動を促進したりします。

また病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑制する働きもあると言われています。

形態は棒状の桿菌ですが、増殖する時に枝のように分かれY型になります。

「Bifix(グリコ)」「ナチュレ恵(雪印メグミルク)」などに含まれます。

 

【ブルガリア菌】

細長い棒状の形状。

腸内に住みつくことができませんが、腸内で乳酸菌や善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。

また腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、腸壁から水分を吸収し、便通を良くするとのこと。

免疫力を高める効果や美肌効果もあると言われています。

「ブルガリアヨーグルトLB81プレーン(明治)」などに含まれます。

 

【サーモフィルス菌】

球菌。

ブルガリクス菌の生育をサポートするので、ブルガリクス菌と組み合わせて用いられることが多いそうです。

粘質物を形成し、ヨーグルトの硬さをつくり、離水を防ぎます。

腸内のバリア機能を高める働きや、腸内の免疫細胞に働きかけ、免疫力を高める作用や美肌作用もあると言われています。

 

【フェーカリス菌】

腸内での増殖が速い乳酸菌で、主に小腸に住みつき、ビフィズス菌やアシドフィルス菌の増殖をサポートします。

整腸剤「新ビオフェルミンS」には、ビフィズス菌・アシドフィルス菌・フェーカリス菌が配合されているそうです。

 

【アシドフィルス菌】

人の体内にもともと存在し、主に小腸に住みつきます。

熱や酸に強く、直接腸内に働きかけることができます。

乳酸菌の中でも特に乳酸をつくる能力にすぐれており、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。

腸内の免疫力を高める、口臭改善、胃潰瘍予防の作用もあると言われています。

 

【ラクトコッカス菌】

チーズやサワークリーム、バターなどの乳製品を製造する過程で使用されます。

凝乳作用をサポートし、チーズの熟成過程においては乳成分を分解し、チーズに特有の匂いと風味をつけます。

肌の水分量の減少を抑制するなど、美肌の働きがあると考えられています。

 

【ロイコノストック菌】

チーズやバターの乳製品を発酵させる過程で使用されます。

日本酒や漬物、納豆にも含まれます。

肥満に関係する腸内細菌の減少、短鎖脂肪酸の増加による体重減少の働きが期待されています。

 

【カゼイ菌】

乳酸菌飲料には、主にカゼイ菌が含まれています。

人の腸内に多く存在し、腸内に定着する時間が長く、悪玉菌を抑制して腸内環境を整えます。

下痢や便秘を整える整腸作用があり、花粉症の鼻症状にも有用であると考えられています。

 

【シロタ株】

1930年、後にヤクルトの創始者となる医学博士・代田稔により発見、強化培養された乳酸菌の一種。

胃液や胆汁に負けず、生きたまま腸内に届き、良い菌を増やして悪い菌を減らし、腸内環境を良くしておなかの調子を整える働きがあるそうです。

「ヤクルト」に含まれています。

 

いろいろな乳酸菌があることが分かりますね。

目的に合わせて食べ別けてみるのが良いのでしょうか?

特にカゼイ菌の入った食品などが気になるところです。。。

 

 

<参考サイト>

・乳酸菌について知る

https://www.nyusankin.or.jp/lactic/basics/

・乳酸菌とはどのような菌ですか?

https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_065_493/

・乳酸菌の種類ごと効果一覧|お悩み別におすすめの乳酸菌をご紹介

https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/26683

・乳酸菌の種類と効能を知り、自分に合う乳酸菌を見つけよう!

https://www.kusurinomadoguchi.com/column/lactic-acid-bacteria-19606/

・シロタ株とは?

https://www.yakult.co.jp/shirota/about/

 

 


 

③ 乳酸菌は「生きたまま腸まで届く」ことが必要なのか?

 

乳酸菌を含む製品などのキャッチフレーズで「生きたまま腸まで届く」というものをご覧になったことがありませんか。

どういうこと?

何のメリットがあるの?

生きているっていうことは、死んでいるものもあるっていうこと?

と疑問に持たれたことはないでしょうか。

 

乳酸菌には、「生菌」(生きた乳酸菌)「死菌」(死滅した乳酸菌)があるそうです。

生きて腸まで届いた乳酸菌は、その多くが腸内環境のバランスを整える作用を持っています。

 

では、「生菌」でなければ意味や効果がないのでしょうか?

口から体内に入った乳酸菌は、胃酸によって多くが死滅し、腸に届くときには死菌になっていることが多いそうですが、死菌にも善玉菌が退治した悪玉菌を吸着して体外へ出すといった働きがあると報告されています。

また、「死菌」は生きた乳酸菌や常在する腸内細菌などの善玉菌のエサになったり、免疫機能を調整したりする役割が注目されています。

また、死菌によっては生きている菌より免疫効果が高いものもあるそうです。

死菌は胃酸や腸液の影響をほとんど受けないので、生菌より効果が安定しているとも言えるようです。

 

 

<参考サイト>

・乳酸菌を加熱殺菌したら意味がない?死んだ菌の効果9選をご紹介

https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/28162

 

 


 

④ 乳酸菌が摂取できる発酵食品いろいろ

 

乳酸菌は、さまざまな食品の製造に利用されています。

乳酸菌を豊富に含む食品を摂取することで健康維持に役立ちます。

乳酸菌が摂れる代表的な食品について、調べてみました。

 

【ヨーグルト】

紀元前から食べられていたと言われるヨーグルトは、動物の乳に乳酸菌やビフィズス菌を加えて発酵させたもの。

乳酸菌が乳の中にある糖を分解して乳酸をつくる「乳酸発酵」によってできる発酵食品です。

ヨーグルト100gあたりに含まれる乳酸菌の数は約10億個です

日本では、厚生労働省により発酵乳(いわゆるヨーグルト)1mlあたりの乳酸菌の含有量は1,000万個以上と基準が定められています。

 

【チーズ】

チーズは大きく分けると「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2種類あります。

ナチュラルチーズは、乳に乳酸菌を加えて凝固したタンパク質を取り出して成形したもので、さらに熟成させる場合もあります。

加熱しないので、生きたままの乳酸菌を摂取できます。

乳酸菌の含有量は100g中に10億個です。

プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱して溶かし再び固めたものです。

 

【ぬか漬け】

米ぬかに塩と水を混ぜて乳酸発酵させたぬか床には、さまざまな乳酸菌が含まれています。

 ぬか漬けは乳酸発酵を利用した漬け物です。

この他、野菜に付着している乳酸菌によってつくられるしば漬け、野沢菜漬け、千枚漬け、キムチ、ザワークラウトなどを食べることでも、乳酸菌を摂取できます。

作りたての乳酸菌含有量は1gあたり100万個程度ですが、熟成することにより10億個以上に増えるそうです。

乳酸菌が増殖する際に、他の菌は死滅するので、食中毒の心配はほとんどないとのことです。

 

【キムチ】

白菜に塩や唐辛子、ニンニクなどを加えて乳酸発酵させる漬け物。

キムチの酸味や旨味は、乳酸菌の発酵によるものです。

本場韓国では魚介塩辛を用いるのが特徴で、これにより乳酸発酵が促進されます。

市販のキムチには発酵させず調味液に漬けただけのものもあるため、「乳酸発酵」「熟成発酵」「発酵キムチ」などの記載があるものを選ぶと良いそうです。

 

【醤油】

麹に塩水を加えた諸味(もろみ)の中で、糖分の一部をさまざまな有機酸に変えることにより、醤油に酸味と味の伸びや深みを与える役割を果たします。

蔵の中や木桶に住みついている乳酸菌が入り込む場合と、培養したものを添加する場合があります。

「【Vol.30】麺究者への道/醤油について研究してみる」もご参照ください)

 

【味噌】

大豆、米麹、塩を原料としてつくられ、発酵の段階で酵母や乳酸菌が生まれます。

乳酸菌は味噌のpH値を下げ(弱酸性にする)、酵母が生成しやすい環境を生み出したり、味を変化させたり色をよくしたりするなど、さまざまな役割を果たしています。

 

【納豆】

納豆をつくるときには納豆菌が添加され、基本的に乳酸菌は添加されませんが、発酵の過程で空気中の乳酸菌が入り増殖します。

含有量は製法などにより異なります。

納豆菌は熱や胃酸に強く、生きたまま腸に届き、善玉菌の増殖を助ける働きがあり、乳酸菌と一緒に摂ることで相乗効果が期待できるそうです。

製造過程で乳酸菌を加えた「乳酸菌納豆」というものもあり、1g中に数10億個の乳酸菌が含まれています。

 

【日本酒】

原料は米、米麹、水で、それらをアルコール発酵させるために酵母が必要となります。

酵母を培養する素となるのが「酒母(しゅぼ)」で、これを酸性化するために乳酸菌が使われます。

 

【乳酸菌飲料】

牛乳などを乳酸菌または酵母で発酵させ、甘味料や果汁、香料などを加えた飲み物。

生きた乳酸菌が含まれているタイプと、加熱殺菌したタイプに分けられます。

さまざまな種類があり、含まれる乳酸菌の種類や量も異なります。

乳酸菌の含有量の基準が決められており、100gあたり約10億個の乳酸菌を含みます。

 

 

<参考サイト>

・乳酸菌とは?腸における役割・ヨーグルトなど乳酸菌が摂れる食品から紐解く

https://www.wakamoto-pharm.co.jp/tips/intestine-body/lactic-acid-bacteria/

・乳酸菌が含まれる食品はこれ!

https://www.nutrilite.jp/magazine/lactic-acid-bacteria/content32.html

・乳酸菌が多い食品ランキングTop5|乳酸菌を摂るコツ5選を紹介

https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/26681

・乳及び乳製品の成分規格等に関する省令における 発酵乳の規格基準等の見直しについて

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000036782.pdf

・ヨーグルトとは?

https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/lovable-milk/yogurt/

・納豆に乳酸菌は入ってる?納豆と乳酸菌の相性と3つの効果とは

https://kawashima-ya.jp/contents/?p=14258

・醤油の知識 乳酸菌

https://www.s-shoyu.com/knowledge/0710

 

 


 

⑤ 腸内環境を整え、健康に役立つ乳酸菌

 

腸内には約1000種類、約100兆個もの細菌がいると言われています。

乳酸菌やビフィズス菌は、悪玉菌の繁殖を抑え、腸の働きを促す「善玉菌」です。

「悪玉菌」は、腸内のタンパク質を腐敗させ、有害物質をつくり出すもので、食中毒の原因でも知られるウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌などがあります。

「日和見菌」は、腸内のバランスが保たれているときは無害ですが、悪玉菌が増えると悪玉菌に加勢するそうです。

バクテロイデスや連鎖球菌などがあります。

 

腸内細菌は腸の壁に生息しており、お花畑のように種類ごとにまとまって分布していることから「腸内フローラ」と呼ばれます。

腸内フローラのバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が理想だそうです。

ストレスや加齢、食生活の偏りなどにより悪玉菌が優勢になりバランスが乱れると、腸内の食べ物が腐敗して便秘や下痢、肌荒れなどを引き起こします。

また、便のにおいや口臭が強まる原因にもなるとのことです。

ただし悪玉菌がまったくいなくなると、善玉菌が働かなくなり、食べ物の消化・吸収がうまくいかなくなってしまうため、この「2:1:7」のバランスを保つことが大切なのだそうです。

 

善玉菌の代表である乳酸菌は、腸内環境を整えるのをはじめ、体に有用なさまざまな働きを持ちます。

主な働きを調べてみました。

 

【腸内環境を整える】

悪玉菌は酸性を嫌い、アルカリ性を好む性質を持ちます。

逆に善玉菌はアルカリ性を嫌い、酸性を好みます。

乳酸菌は糖を分解して乳酸をつくり、腸内を弱酸性に保ちます。

腸内が酸性に傾くことで、悪玉菌が増殖しにくい環境になります。

また腸内環境が整うことで、便秘や下痢の予防・改善、肌荒れやニキビの予防などが期待できます。

 

【免疫機能を向上させる】

腸内には約70%の免疫細胞が集まっています。

私たちの体は、外部から侵入するウイルスや病原菌から守る免疫機能を持っています。

悪玉菌が増えて腸内フローラのバランスが崩れると、免疫の働きが低下し、感染症などを引き起こすリスクが高まります。 

乳酸菌は、腸内環境を整えることで、免疫細胞の働きを活性化させると考えられます。

 

【コレステロール値を下げる】

コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸をつくるために必要な脂質で、食事から摂取したり肝臓などで合成されたりしたものが血液中を流れています。 

コレステロール値が高いと血流が悪くなり動脈硬化を引き起こし、血管が詰まると心筋梗塞、脳梗塞などの原因になります。 

一部の乳酸菌には、コレステロール値を低下させる働きが期待できるものもあるそうです。

 

【花粉アレルギーを改善する】

腸内に悪玉菌が増えると、免疫全体が過敏になり、本来無害なものにも反応しやすくなるそうです。

花粉症は、体内に入ってきた花粉に対する免疫反応が過剰になり、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどのアレルギー症状が起きる状態です。 

乳酸菌で花粉症の症状が改善したという研究結果が、多数報告されています。

 

【グルテンを分解する】

腸内環境の話から少しそれますが、「サワー種(だね)」というパンの発酵種は、寝かせる間に、空気中に浮遊する乳酸菌が付いて、小麦やライ麦に含まれる糖類(麦芽糖)を栄養源として増えます。

サワー種に含まれる乳酸菌にはグルテンを分解する働きがあると言われており、発酵時間が長ければ長いほどグルテン量を減少させるそうです。

 

 

<参考サイト>

・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット 腸内細菌と健康

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html

・どうして腸は大切なの?腸内フローラ編

https://hc.kowa.co.jp/the-guard-kowa/intestinal-flora/what/#whatE

・腸内環境を整える乳酸菌は数が命!知っておきたい腸活のポイントとは。

https://www.tamapla-ichounaika.com/knowledge/category/post-32490/

・腸内細菌、乳酸菌と腸のお話

https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/report/intestinal_bacteria/

・サワー種とは何ですか?

https://faq.pasconet.co.jp/faq/show/5?category_id=10&return_path=%2Fcategory%2Fshow%2F10%3Fpage%3D3%26site_domain%3Ddefault%26site_domain%3Ddefault%26sort%3Dsort_access%26sort_order%3Ddesc%26type%3Dshow&site_domain=default

・サワードウを作るコツやおすすめの小麦粉は?

https://bakerista.jp/archives/mag/sourdough

 

 


 

⑥ 知っておきたい、乳酸菌の効率的な摂り方や食べ方の工夫

 

乳酸菌などの腸内環境を整える微生物のうち、生きて腸に到達できる有用な微生物を「プロバイオティクス」と言います。

また、プロバイオティクスの栄養源となりその増殖を助けるオリゴ糖などを「プレバイオティクス」と言います。

体内の乳酸菌を活躍させるには、「プロバイオティクスである乳酸菌を多く含む食品を摂取する」、「プレバイオティクスであるオリゴ糖や食物繊維を摂取する」の2つの方法があると考えられています。

 

【乳酸菌を多く含む食品を摂取する】

食品から直接摂取した乳酸菌は、腸内にある程度の期間は存在しても、住みつくことはないと考えられています。

そのため、毎日続けて摂取することが大切だそうです。

余分な乳酸菌は便として排出されますが、特定の食品ばかりに偏ると乳酸菌以外の成分として含まれる脂質や糖質、塩分などを過剰摂取してしまうことがあるため、バランスの良い食生活を心がけることが必要とのことです。

 

【オリゴ糖や食物繊維を摂取する】

腸内にもともと存在する善玉菌のエサとなるものを摂取するという考え方です。

オリゴ糖は、大豆・タマネギ・ネギ・ゴボウ・ニンニク・アスパラガス・バナナなどの食品に多く含まれます。

消化酵素で分解されることはほとんどなく、消化吸収されずに大腸まで届きます。

食物繊維は、納豆・里芋・ゴボウ・キノコ類・海藻などに多く含まれます。

腸内で分解されて善玉菌のエサになる他、腸内の悪玉菌や有害物質を減らす作用も期待できます。

 

※写真はPhotoAC「豚肉のサワークリーム煮」より

 

<参考サイト>

・乳酸菌の効果とは?摂取方法や乳酸菌を含む食品を紹介

https://bio-three.jp/contents/lacticacidbacteria-effect.html

 

 


 

⑦ 《美味しい素麺》小豆島手延べきくらげ麺 編

 

腸活と言えば…。

乳酸菌とは直接関係ありませんが、腸内環境を調えるのに良いと言われる「きくらげ」。

そのきくらげを使用した「小豆島手延べきくらげ麺」をご紹介させていただきます。

 

上述の「プレバイオティクス」と言われる食品の中に、キノコ類も含まれていましたから、乳酸菌との相性も良いでしょうか。

食物繊維や鉄分など、栄養価の高いきくらげ。

小豆島の佃煮でも人気のきくらげを粉末にして練り込んでいます。

ちょっと贅沢に希少な香川県産きくらげを使った、ぷりぷりつるるんとした独特の食感を楽しめる手延べの細麺タイプです。

 

乳酸菌を含む食品のキムチと一緒にきくらげ麺とあったかスープで、冬の美味しい「腸活」ならぬ「麺活」はいかがでしょうか。

 
 
 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《小豆島手延べきくらげ麺》 https://141seimen.thebase.in/items/69195855

 

 

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、新製品開発のためにデータベース的にいろいろな素材や成分について調べたものを綴ったものです。色々な食品やそれにまつわる産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、幅広く食品の知識を広げることができれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。