【お!いしい けんぶんろく】 Vol.46
麺究者への道/ワインについて研究してみる
今回のブログは、「ワイン」がテーマです。
発酵熟成にこだわって、いろいろとブログを書いてきましたが、ワインは奥が深いとのことで書くことを躊躇していたのと、折角ならボジョレーヌーヴォーの解禁日(2024年は11月21日(木)の午前0時)に合わせようと考え、このタイミングとなりました(あと1ヵ月ありますが)。
前々回ではオリーブの新漬けの紹介もさせていただいたので、ワインとオリーブの新漬けで味わってはいかがでしょうか。
実は小豆島にもワイン用のブドウを栽培される方が、小豆島の土庄町、小豆島町それぞれにいらっしゃいます。
小豆島では、日本酒、クラフトビール、そしてワイン醸造家もいらっしゃるんですよね。
みなさん独自の工夫をされていて、地元産の穀物や農作物を使ったものを製造されています。
石井製麺所は小豆島手延べ素麺の技術を受け継ぎ、製法にこだわり、白い素麺をつくり続けています。
しかしながら三代目の私は、素麺は“嗜好品”だと捉えています。
暑い夏、夏らしさを感じる食事として皆さまから愛されて召し上がっていただいている素麺ですが、単純に暑いから食べるのでなく、「夏」という季節の中で味わい楽しんでいただく食文化のひとつではないかと感じています。
実際、10月に入っても暑さを感じる日が続きますが、やはり素麺は7月、8月ほどは売れません。
昔は、農家さんの冬の副業として始められた素麺づくりですが、現代では専門の製麺所が素麵をつくり続けています。
昔ながらの製法では、秋から翌春にかけて素麺を製造し、夏に販売するのが、いわゆるビジネスモデルでした。
ですが、他の麺類では、現代のライフスタイルに密着し進化を続け、一年中愛されるメニューとなっているものあると思います。
羨ましいなと感じます。
素麺もライフスタイルに合わせて、日常的に食卓に昇る食材でありたいと考えています。
今はどうすれば“嗜好品”から“日用品”として、より多く皆さまに召し上がっていただけるかを考える毎日です。
そういう意味でも、島での新しい産業や食品には大変興味があり、こうしてブログや「石井製麺所通信」として取材をさせていただき、見聞を広めているところです。
7月に参加した県産品コンクールでは、他社様のたくさんのアイデアや“想い”を感じることができました。
日々の気付きと、学びから、発酵、熟成の知識を活かして新しい手延べ麺をつくり続けていきたいです。
これまでも「日本酒」「ビール」と調べてみてきた発酵・熟成に関するお話ですが、今回は知らないことも多く産地の広がりや品種の開発などとても興味深いもので、技法だけでなく取り組みなどの参考になればと考えています。
今回も最後までお付き合いの程、よろしくお願いいたします。
【目次】
① ローマ軍やキリスト教により世界に広まったワイン
② 日本のワイン醸造は明治時代に始まった
③ ワインは世界三大醸造酒の1つ!その発酵方法とは?
④ 意外とシンプル!ワインの製法
⑤ ワインの製法による4つの分類とは?
⑥ ワインと土壌の関係とは?
⑦ 世界のワインの産地とその特徴
⑧ 《美味しい手延べ素麺》手延べ小豆島オリーブオイル素麺 編
① ローマ軍やキリスト教により世界に広まったワイン
ワインの原型は、野生のブドウが自然発酵したものと考えられています。ブドウ栽培やワインづくりの起源は、紀元前6000年頃のコーカサス地方(現在のジョージア周辺)との説があります。
ワイン醸造に使用されていたとみられるつぼ型の土器とブドウの痕跡が発見されています。
ワインは次第に近隣諸国へ伝わり、紀元前3500年~紀元前3000年頃には古代メソポタミアでワイン生産を目的としたブドウ栽培が始まったようです。
その時代の出来事を書いた「ギルガメッシュ叙事詩」では、大洪水に備えた船を建造した際に水夫にふるまったとあり、これがワインに関する最古の記録とのことです。
ブドウの果汁を採る石臼や、ブドウ畑の痕跡も発見されています。
※写真はPhoto ACより「ジョージアのシグナギの町並み」
古代エジプトでは、紀元前3000年頃の壁画に、ワインづくりに必要な圧搾機やつぼが描かれています。
古代ギリシャでは紀元前4000年には自生していたブドウでワインづくりが行われていたとされ、紀元前3000年には、世界最古の圧搾機や容器が出土しています。
紀元前1000年頃、都市国家の市民たちは、毎晩、酒宴(シュンポシオン)を開いて水で割ったワインを飲み交わしながら学問・芸術について議論したそうで、これが「シンポジウム」の語源とされています。
紀元前8世紀頃イタリア南部に伝わり、ローマ帝国でワインの生産が盛んになります。
紀元前1世紀にローマ軍が領土拡大した土地にブドウを植えたため、フランスやドイツなどにもワインづくりが広まっていきました。
フランスでは貴族階級がより上質のワインを求め、また宮廷文化の発展などによりワインづくりがさかんになりました。
中世から近世にかけて、ワインづくりが広まっていった大きな理由はキリスト教の布教活動にあります。
ワインは「キリストの血」として神聖で貴重なものとされ、ミサの際にふるまわれるようになったため需要が増え、修道院によるワインの醸造がさかんになりました。
当時の修道院は学校や研究所としての機能も兼ねていたため、ブドウ栽培から醸造にいたるまでの技術をより高めることにつながりました。
またブドウ畑や技術などを持つことが権力の象徴となっていたため、王族や貴族階級の人々もワインづくりに力を入れるようになりました。
15世紀末以降の大航海時代には、キリスト教の宣教師たちが南米や北米、南アフリカ、オーストラリアに移民し、新天地でブドウ栽培とワインづくりをすることにより、世界中に広まりました。
アメリカ、チリ、アルゼンチンなど、現在「ニューワールド(新世界)」と呼ばれているワイン生産地のほとんどは、この時期に開拓された場所だそうです。
ブドウ栽培に適した土地を探して試行錯誤したことにより、産地ごとに味わいの異なるワインが生まれ、品質向上にもつながりました。
17世紀末にはガラス瓶とコルク栓が使われるようになったため、長期間の貯蔵・熟成ができるようになりました。
19世紀後半、品種改良のためアメリカから持ち込まれたブドウについていたフィロキセラ害虫の発生などにより、ヨーロッパ中のブドウ畑の3分の1が枯れてしまったそうです。
しかしアメリカ原産のブドウはフィロキセラ害虫の影響を受けないことから、アメリカ系のブドウの台木に、ヨーロッパ系のブドウを接ぎ木する方法が考え出されました。
これによりヨーロッパ系のブドウの実は守られ、ワインが復興したそうです。
今では一部地域を除いて、世界中のブドウのほとんどでこの方法がとられているとのことです。
※写真はPhoto ACより「発見のモニュメント(リスボン)」
<参考サイト>
・世界のワイン史
https://www.kirin.co.jp/alcohol/wine/wine_academy/knowledge/region/history.html
・長くて深いワインの歴史とは?
https://www.adv.gr.jp/blog/history/
・ワインの歴史を紐解く。なぜワインは世界中に広まったのか?
https://www.mottox.co.jp/column/wine/wine-history
・ワインの歴史をわかりやすく解説|文明や人々によって世界各地に広がる魅力
https://www.sakesen.com/blog/wine-history/
② 日本のワイン醸造は明治時代に始まった
日本におけるワインに関する文献は、古くは1466年の「蔭凉軒日録」に「南蛮酒を飲んだ」と書かれており、これがワインのことと考えられています。
1483年の「後法興院記」には、関白近衛家の人間が「チンタ」を飲んだという記述があり、これは赤葡萄酒のことと言われています。
戦国時代、フランシスコ・ザビエルは本国から持参したワインを自身が布教を望む地域の大名に献上し、また豊臣秀吉も九州征伐で博多に立ち寄った際、ポルトガル船でワインを饗されたと言われています。
ポルトガルなどからの輸入品として徐々に浸透していったワインは、一部の特権階級には飲まれるようになっていったとのことです。
日本でワインの本格的な醸造が始まったのは明治時代です。
政府は殖産興業政策の一環として、ヨーロッパやアメリカからブドウ苗木を輸入し、全国各地でブドウ栽培やワイン醸造を奨励しました。
特に山梨はすでに江戸時代から生食用ブドウの名産地になっており、1874年には甲府の山田宥教と詫間憲久がワイン醸造を始めました。
これが産業としての国産第一号のワインでした。
1877年には、祝村(現在の山梨県甲州市勝沼町)に日本初の民間ワイン醸造場「大日本山梨葡萄酒会社」が設立されました。
政府主導のもと多くの先人たちがワイン醸造に取り組みましたが、醸造技術の未熟さや日本の食生活に受け入れられなかったことからうまくいかなかったそうです。
1880年、政府はブドウ栽培・醸造試験を目的として、兵庫県加古郡に「播州葡萄園」を開設しました。
1888年に農商務省の前田正名に払い下げられ、その数年後に閉園となりましたが、国営持代の遺構や異物が数多く発見された播州葡萄園跡は、国指定の史跡となっています。
1881年、東京の神谷傳兵衛が、ワインにはちみつや漢方薬を加えて飲みやすくした甘味ワインを考案し、好評を博しました。
その後、養子の神谷傳蔵をフランスへワイン留学に派遣し、自身は現在の茨城県牛久市にあたる稲敷郡で、119ヘクタールの原野を開墾してブドウの苗木6000本を移植。
1903年に「牛久醸造場」(現・牛久シャトー)を完成させました。
傳蔵の知識をもとに、ワインの醸造、貯蔵、瓶詰出荷まで一貫した製造工程を有する、日本初の本格的なワイン醸造場を築き上げ、大規模生産を実現しました。
1912年、甲州市に宮崎光太郎が自宅にワイナリー「宮光園」を開設。
醸造場の見学、ブドウやワインの飲食や購入ができる、今では当たり前となったワイナリーのスタイルを確立したそうです。
また地元のブドウ農家との共存繁栄を図り、勝沼を一大ワイン産地へと押し上げたとのことです。
明治から大正にかけて、首都圏への大量輸送体制が確立されるとともに、牛久産ワイン、甲州産ワインが大量に出荷されたそうです。
1964年の東京オリンピックの頃からワインは着実に消費量を伸ばし、1970年の大阪万博を契機とした高度経済成長期には1回目のワイン・ブームを迎えます。
日本人の食生活の洋風化によりワイン消費は増大し、1975年には甘味果実酒を上回りました。
その後、1978年には千円ワイン・ブーム、1981年には一升瓶ワイン・ブーム、1987年にはボージョレ・ヌーヴォー・ブーム、1997年には赤ワイン・ブームなどを経て、2010年以降は家飲みやワインバルが定着するなど、今やワインは日本人の生活に溶け込んでいます。
質の良い輸入ワインが手軽に買えるようになり、また国内の醸造技術の向上や、日本の風土に適したブドウ栽培などにより、日本のワインも世界から注目されるまでになっています。
※写真はPhoto ACより「ワイン用葡萄畑と甲府盆地」
<参考サイト>
・酒・飲料の歴史 ワインと日本人
https://museum.kirinholdings.com/history/cultural/07.html
・日本ワイン140年史
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story086/
・日本ワインの基礎知識
https://www.winery.or.jp/basic/knowledge/
・播州葡萄園跡(国指定史跡)稲美町ホームページ
https://www.town.hyogo-inami.lg.jp/0000000366.html
・播州葡萄園跡 文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/192692
・国史跡 播州葡萄園跡
https://www.inami.or.jp/more/page9.html
③ ワインは世界三大醸造酒の1つ!その発酵方法とは?
お酒はその製造方法により、醸造酒・蒸留酒・混成酒の3つに分けられます。
ワインは醸造酒で、ビール・日本酒とともに「世界三大醸造酒」とも呼ばれています。
醸造酒・蒸留酒・混成酒について、それぞれの違いや特徴を調べてみました。
【醸造酒】
米や麦などの穀物や、ブドウなどの果実に含まれているデンプンや糖を、酵母菌を使って発酵させるお酒。
ワインはブドウ、ビールは麦芽、日本酒は米を発酵させる。原料を発酵させたあとは、そのまま飲むことができる。
【蒸留酒】
原料を発酵させた液体を蒸留させ、そのまま、もしくは水を加えアルコール度数を調整して飲むお酒。醸造酒を加熱してつくるため、アルコール度数が高いのが特徴。
焼酎は穀物などの発酵液、ウイスキーは麦芽などの発酵液、ブランデーは果実酒を、それぞれ蒸留させる。
そのほか、ウォッカ、ラム、ジンなど。
【混成酒】
醸造酒や蒸留酒に、果実や薬草、ハーブ、香辛料などを加えた飲み物。
日本の分類では、リキュールや甘味果実酒なども含まれる。
焼酎や日本酒に梅を添加した梅酒、蒸留酒にコーヒーや香料を添加したカルーア、そのほかベルモット、ペパーミントなど。
醸造酒は、原料に含まれる糖を、酵母菌と呼ばれる微生物が食べ、アルコールと炭酸ガスに分解します。
発酵で得られるアルコール度数にはある程度の限界があり、ビールでは約5~10%、ワインでは約12~14%、日本酒では約18%だそうです。
醸造酒の発酵方法は3つに分けられ、ワインは単発酵、ビールは単行複発酵、日本酒は並行複発酵です。
それぞれどのようなものか調べてみました。
【単発酵】
ワインは原料となるブドウに糖が多く含まれているので、その搾り汁に直接酵母菌を加えて発酵させる。
【単行複発酵】
ビールの原料である大麦に含まれているデンプンは、そのままでは大きすぎて酵母菌が分解することができまないため、まずは大麦を発芽させ、その発芽過程で生まれる酵素の力でデンプンを糖へと分解(糖化)し、その糖を酵母菌がアルコール発酵させる。
「糖化」と「発酵」の2つのプロセスを別の容器で行うことを「単行複発酵」と言う。
【並行複発酵】
日本酒は、原料となる米に含まれるデンプンを麹の働きで糖に分解し、その糖を酵母菌がアルコール発酵させる。
これらは同じの容器の中で同時進行している。
「糖化」と「発酵」の2つのプロセスを同じ容器の中で同時に行うことを「並行複発酵」と言う。
<参考サイト>
・醸造酒とはどんなお酒? 蒸留酒との違いや種類、起源について解説!【醸造酒の基礎知識】
https://www.ienomistyle.com/sakeguide/20220310-5622
・世界の酒の大分類(醸造酒・蒸留酒・混成酒)発酵形式のちがいによる醸造酒の3分類
https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/industry/world/world02.html
・「醸造酒」ってどんなお酒?蒸留酒や混成酒との違いとは
https://web.hh-online.jp/hankyu-food/blog/sweets/detail/000912.html
④ 意外とシンプル!ワインの製法
昔のワインづくりは、熟したブドウを大きな桶に入れ、足で踏んで果汁を搾ることから始まりました。
その醸造の過程は他のお酒と比べてとてもシンプルで、現在もほとんど変わっていないと言われているそうです。
よく知られているワインの分け方に、赤、白、ロゼ、スパークリングというものがあります。
基本的な製造工程は赤ワインが原型となっています。
それぞれの一般的なつくり方について、調べてみました。
【赤ワイン】
黒ブドウを原料に、果汁だけでなく果皮や種を一緒に漬け込んでつくることにより、赤い色合いや独特の渋味のある深い味わいになる。
収穫した黒ブドウを破砕して、果汁と果皮と種が混ざった状態でタンクに入れ、5~15日かけてアルコール発酵させる。
果皮や種から色素や渋味、香りが抽出されたら、乳酸菌の働きにより酸味を和らげる発酵を行う。
ワインと果皮や種などの固形部分とを分離し、固形部分を圧搾機にかけ搾り取る。
その後、樽やタンクで熟成させ、ワインの濁りを除くためろ過して瓶に詰める。
【白ワイン】
白ブドウを原料に、果汁のみを発酵させてつくる。
種や表皮の渋味や苦味を抽出しないため、フルーティで飲みやすいものが多い。
ブドウを圧搾して採れた果汁を低温で数時間置き、不純物を沈殿させ、上澄みの果汁に酵母を加えてアルコール発酵させる。
この発酵後に乳酸発酵を行う場合や、熟成中に撹拌して澱(おり)に含まれる旨味成分を抽出する場合もある。
【ロゼワイン】
赤ワインと白ワインの中間のピンク色が特徴。
製造方法はいくつかあり、代表的なものは以下の3つ。
<セニエ法>
赤ワイン用の黒ブドウの果汁を果皮や種とともにタンクに入れ、薄く色づいたところで上澄みの果汁のみを発酵させる。
赤ワイン同様、果皮とともに発酵を行い、ある程度色がついた段階で果皮を取り除き、果汁だけで発酵を継続する場合もある。
<直接圧搾法>
赤ワイン用の黒ブドウを使い、白ワインのように果汁だけで発酵させる。
搾汁の際に果皮のアントシアニンが果汁に若干混ざることによりロゼの色がもたらされる。
<混醸法>
黒ブドウと白ブドウが混ざった状態で赤ワインと同様に発酵させる。
【スパークリングワイン】
国や地域によって様々な製法があり、大きくは、ワインに糖分と酵母を加え二次発酵させて生じた炭酸ガスを瓶内に封じ込める方法と、炭酸ガスをワインに直接吹き込む方法の2種類。
<参考サイト>
・【ワインの造り方】意外とシンプルなワイン造りの工程を解説
・ワインとは
https://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/know/wine/#making
・ワインはこのように造られる
https://www.fwines.co.jp/knowledge/manufacture.html
・各種ワインの製造工程
https://www.jetlc.co.jp/wine/red_wine/
・ワインはこのように造られる!赤ワインの醸造方法とは?
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/3238/
・赤ワインの作り方をわかりやすく解説|製造工程を詳しく説明
https://www.sakesen.com/blog/how-to-make-red-wine/
⑤ ワインの製法による4つの分類とは?
ワインには、製法による4つの分類があり、赤・白・ロゼはすべて「スティルワイン」に分類されるとのことです。
4つの種類とはそれぞれどのようなものか、調べてみました。
【スティルワイン】
非発泡性、つまり泡立ちのないワイン。
一般にワインと言えばスティルワインを指す。
ブドウの品種や醸造の方法により赤・白・ロゼに分けられるほか、糖度の高いデザートワインもスティルワインに含まれる。
【スパークリングワイン】
スティルワインに炭酸ガスを加えた発泡性ワインの総称。
赤・白・ロゼのスパークリングワインもある。
シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方でつくられる厳しい基準を満たしたもののみの名称なので、スパークリングワイン=シャンパン、ではない。
【フォーティファイドワイン】
スティルワインやブドウ果汁に、アルコール発酵中あるいは発酵前のタイミングで、ブランデーなどアルコール度数の強いお酒を加えたもので、酒精強化ワインとも呼ばれる。
ブドウの糖分が残ったまま発酵がストップし、甘みとして残る。
代表的なものは、シェリー、ポートワイン、マデイラなど。
【フレーヴァードワイン】
果汁や果実、薬草、香草などを加え、独特な風味を添えたワイン。
代表的なものは、サングリア、ベルモット、レッチーナなど。
<参考サイト>
・ワインの種類には何があるの?製法によって4つに分けられる
https://www.adv.gr.jp/blog/types-of-wines/
・ワインの基礎知識
https://wine-link.net/dictionary/basic/
・ワインの種類をソムリエが徹底解説!味わいや製法の違いを知ろう
https://web.hh-online.jp/hankyu-food/blog/lifestyle/detail/001390.html
・ワインの分類を知って、ワイン選びに役立てよう!
⑥ ワインと土壌の関係とは?
世界中で収穫されるブドウの約8割が、ワイン用なのだそうです。
ワインは製法がシンプルなだけに、原料であるブドウがその出来を大きく左右します。
それぞれの産地で、気候や土壌に合った栽培品種を選び、製造方法を工夫して、より高品質なブドウをつくる努力をしています。
ワイン用のブドウ栽培に適した環境はどのようなものか、調べてみました。
<年間平均気温>
10~20℃(10~16℃が最適)。北緯30~50度の地域と、南緯30~50度の地域がこれに該当する。
<日照>
ブドウの開花から収穫までの約100日間の照射時間が約1000~1500時間。
<年間降雨量>
理想は約500~900mm。春と冬には雨が多く降り、夏は適量の雨とともに光合成に欠かせない熱を得られることが望ましい。
<土壌条件>
一般にブドウ栽培には、水はけに優れ、根が深く成長できる通気性に優れた土壌がよいとされる。
また土壌の構成によって、同じ品種でもワインの個性が大きく変わってくる。
フランス語に「テロワール」という言葉があります。
「土壌」という意味のほか、ワインに関して使われる場合は、その産地の環境や地理的条件などのことを指すようです。
中でも土壌は重要な要素で、ワインの味わいに大きく影響するそうです。
土壌について調べてみました。
土壌を構成する成分は、海に堆積した火山灰などの鉱物質、草花、動物の死骸、微生物を含む有機物です。
鉱物と有機物は長い年月を経て腐食します。
こうして生まれた土壌には、菌類や微生物、ミミズなどの様々な生き物が存在しており、生きるために必要な無機物(ミネラル分)を、微生物が根まで運ぶことでブドウも生育していきます。
ワインの味わいを決める健康な土壌とは、微生物が働きやすい環境を意味しています。
一般的に野菜や果物などを育てる場合は、栄養豊富な肥沃な土壌が好まれますが、ワイン用ブドウは、栄養素の過剰な土壌では出来が悪くなってしまうそうです。
やせた土地であるほど、ブドウの木は地中深くまで根を張り巡らせ、地中の様々な栄養を吸収して実に送ります。
また虫や乾燥などのストレスから自らを守るため、タンニンというポリフェノールの一種を多くため込むようになり、これがワインの味に深みを与えているそうです。
栄養豊富な土地では、地中深くに根を張らず、地表から上へ伸びてしまい、実に栄養が充分に行き渡らないとのことです。
また、栽培にふさわしい土壌は水はけの良さが大事になります。
水分量が多い土地では根腐れしやすく、また果実が水っぽい味わいになります。
もちろん適度な水分は必要ですが、水分の少ない土壌で育つと、栄養分を実にできるだけ閉じ込めようとするため、ブドウの糖度は上がり皮は厚く粒が小さくなり、ワインにした時に凝縮感のあるものに仕上がるそうです。
ブドウが栽培される畑の土を構成する成分の違いによって、そこで高品質に育ちやすいブドウ品種が決まってくるそうです。
たとえば石灰岩の含まれる土は一般的に保水性がありながら水はけがよく、pHが高いためワイン用ブドウ栽培に最適とされていますが、「カベルネ・ソーヴィニヨン種」のブドウは育つには育つものの、その特徴を存分に発揮しきれないそうです。
逆に「ピノ・ノワール種」は上質なブドウが育つとのことです。
※写真はPhoto ACより「ブルゴーニュ ブドウ畑」
<参考サイト>
・よく耳にするワイン用語、ちゃんと知っておきましょうシリーズ②「テロワール」って何??その1:土壌
https://firadis.net/column/wine-column-no058/
・テロワール(terroir)について
http://www.worldfinewines.com/terroir.html
・ワインと土壌の関係性について徹底解説
・テロワールって何?ブドウ栽培やワインの味を大きく左右する土壌について テロワールの特徴を反映したおすすめのワイン5選
https://wsommelier.com/note/2024/08/23/post-2712r/
・ワインにおける土の世界(バイヤー 山田篤典)
https://firadis.net/column_pro/202210-2/
・テロワール要素の1つ「土壌」について解説!
・ワインの個性に大きな影響を与えるのは土中の微生物―研究で
http://www.worldfinewines.com/news15/150328microbiome.html
・嗜好品は土から生まれる。微生物と植物の「創発活動」の結晶——土壌学者:藤井一至
https://digthetea.com/2024/03/kazumichi_fujii/
⑦ 世界のワインの産地とその特徴
ワインには産地による分類もあります。
古くからワインをつくってきたヨーロッパ諸国のワインを「旧世界(オールドワールド)」、大航海時代以降にワインづくりが始められたアメリカやチリ、ニュージーランド、オーストラリアなどを「新世界(ニューワールド)」と分けることもあります。
ワイン生産量の多い国を中心に、その特徴を大まかに調べてみました。
【フランス】2023年の生産量第1位。
高級ワインを多く生み出している。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ローヌなど、地方単位でブランドが確立している。
「AOC(原産地統制呼称法)制度」というワインの法律で醸造が管理されており、品質が保たれている。
【イタリア】2023年の生産量第2位。
年によってフランスと1位が入れ替わるワイン大国。
温暖で日照時間が長くブドウ栽培に適した環境に恵まれ、すべての州でワインをつくっており、多種多様なワインがある。
ピエモンテ州やトスカーナ州、シチリア島などが有名な産地。
【スペイン】ブドウの栽培面積は世界第1位。
果実味豊かながら酸味や渋味も高く、力強いフルボディの赤ワインが有名。
【ドイツ】
ワイン生産国のなかでも緯度が高く冷涼な気候で、美しい酸と芳香が魅力の良質なワインを生み出している。
【ポルトガル】
約250種ものブドウの固有品種があり、多彩なワインが生み出されている。
【アメリカ】
生産量の8割はカリフォルニア州に集中しているが、他の多くの州でもつくられている。
単一品種や一つの品種が主体としてつくられるワインが多い。
【チリ】
日本への輸入本数がフランスと並んでもっとも多い。
地中海性気候でブドウの病気のリスクが少なく、土地に余裕があることが、手頃な価格につながっていると考えられる。
【オーストラリア】
南側の海岸沿いで多くブドウが栽培されている。
輸出を意識したワインづくりがされている。
【日本】
国産ブドウを国内で醸造したものを「日本ワイン」と呼び、輸入したブドウを原料に含むワインを「国産ワイン」と呼ぶ。
有名な産地の筆頭は山梨の甲府盆地で、昼夜および夏と冬の気温差が大きく、雨が少ない盆地気候がブドウ栽培に適している。
日本固有種の甲州ブドウ、マスカット・ベリーAといった品種を中心にワインがつくられている。
大阪府柏原市では、1878年、甲州ブドウの苗が移植されたことをきっかけにワイン製造が広まった。
昭和初期には全国一のブドウ栽培面積を誇ったそうで、歴史あるワイナリーが現在にも続いている。
そのほか長野や北海道、山形など各地でワインづくりが広がっている。
<参考サイト>
・ワインの生産量ランキング一覧 産地とワインの特徴を簡単に解説
https://cocos.co.jp/blog/terroir/wine-production/
・ワインの産地ごとの特徴を知ろう!
・これが世界の主なワイン産地!産地で選ぶ高島屋おすすめワイン
https://www.takashimaya.co.jp/shopping/gift/story/food/FA18941/
・ワイン産地を知ろう!日本
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/2743/
・大阪ワインについて
https://www.the-kansai-guide.com/ja/article/item/16186/
⑧ 《美味しい手延べ素麺紹介》手延べ小豆島オリーブオイル素麺 編
実は…石井製麺所の建物のお隣は、小豆島でも有名な「アグリオリーブ小豆島」さんです。
オリーブの収穫時期の9月以降、オイルを搾ったり加工されたり、採ってきたオリーブ実を選別したりされている様子がうかがえる声や機械の音が壁越しに聞こえてきます。
正に今が一番の繁忙期でしょうね。
その、「アグリオリーブ小豆島」さんの小豆島産エクストラバージンオリーブオイルを使ってつくるのが「手延べ小豆島オリーブオイル素麺」です。
従来の小豆島の手延べ素麺は、小麦粉を練り細く伸ばしていく過程でごま油を使用していてごまの香りと小麦粉の芳ばしい香りが特長です。
「手延べ小豆島オリーブオイル素麺」では、そのごま油の代わりに「小豆島産オリーブオイル」を練り込みながら何度も何度も生地を重ね合わせ、細く細く麺状に“より”をかけ、表面にも塗布して仕上げています。
ごま油を使う麺とは違い、オリーブオイル独特の清々しい香りと真っ白な麺が印象的で、発売から大変人気をいただく手延べ素麺です。
その食感は、従来の手延べ素麺よりもさらにツルツルッとして、しっかりとしたコシのある素麺です。
白く細い麺は、とてもキレイで冷やし素麺だけでなく、温麺としてお出汁の中でも栄える麺で、他にもさまざまなお料理にぴったりな逸品です。
GW前の長野県ながの東急さんでの催事販売では、実は普通の手延べ素麺に次いで「手延べ小豆島オリーブオイル素麺」が人気でした。
他にも「オリーブ素麺」はありますが、正真正銘、小豆島産のオリーブオイルを練り込んだちょっと贅沢な手延べ素麺です。
小豆島の味覚の集大成ともいえるような「手延べ小豆島オリーブオイル素麺」を、ぜひ一度お召し上がりください。
《石井製麺所公式ホームページ》 https://141seimen.com/business/
《手延べ小豆島オリーブオイル素麺》 https://141seimen.thebase.in/categories/4801497
『お!いしい けんぶんろく』について
本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。
色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。