【お!いしい けんぶんろく】 Vol.72
石井製麺所の2025年を振り返って
今年は本当にたくさんの方と出会い、そしてお力添えをいただいた一年でした。
今年も掲げた事業目標をクリアすることはできましたが、何よりなのは、家族3人でなんとか一年を無事に乗り越えれたことです(ブログを書いている12月26日現在)。
1月のブログで通算50本目の原稿を出すことができ、今こうして72本目のブログを書くことができています。
何と言っても今年一番のニュースは、北海道十勝へ視察に行ったことです。
日本産の小麦粉にこだわり、手延べ素麺用にブレンドした小麦粉にこだわり、産地の皆さんと協力してひとつの製品を目指せたことは自信にもなりましたし、とても楽しくもあり、またやり甲斐を感じるものでした。
1月には「コンサートで歌う」という、初めての体験がありました。
ボイラーの不調が顕著化したり、配達に使う社用車が故障するなど機械の不調にも悩みました。
たくさんの励ましのお声をいただきまして、年始からのご注文は例年以上に多く頂戴しました。
9月には、石井製麺所の素麺を使用してくださる飲食店様を訪ねることもできました。
トラブルも多い年でしたが、今年一年のブログの振り返りも含めて、今年最後のブログにしたいと思います。
振り返りの内容ばかりですが、よければ最後までご覧ください。
写真は9月末に訪問した北海道音更町の農家さん、小麦メーカー様との記念写真です。

【目次】
① 新年早々、楽しいこともトラブルもいっぱい!
② 新しい素麺の開発、製造、そしてYouTubeに!
③ 今年も小豆島の生産者さんを訪ねて
④ 今年一番の思い出は北海道の小麦の産地「音更町」への訪問
⑤ 石井製麺所の手延べ素麺を使用するお店のご紹介
① 新年早々、楽しいこともトラブルもいっぱい!
2024年末から家族共々体調を崩し、その反省を踏まえて今年は健康診断へ行こう!と決意していましたが、実現できたのは母を病院へ連れて行くことぐらいでした。
忙しいと、どうしても自身の体のことは後回しにしてしまいがちで、若さにかまけて健康については、なかなか向き合ってこなかったのが正直なところです。
自分の過信(?)が招く体調不良や、家族の体調不良を目の当たりにすると、これではいけない!と想いは強まるのですが、行動にはなかなか移せず…。
すると、人間の体調不安に引っ張られたのか、素麺の乾燥用のボイラーが不調、不具合、そして機能停止…。
負(病)の気が溜まるとこんなことになってしまうのでしょうか。
そして2025年は早々から車の故障に見舞われました。
ある日突然、その日はやってきました。
午後からの配達のために車にキーを挿しこみ、いつものようにエンジンを掛けようとするも動かず…(劇汗)なぜ、いま?!
そういえば、運転中にいつもと違う音が聞こえていたなと…
その時は配達の時間や、車購入のことなど一瞬でいろいろなことが頭をよぎり、かなり落ち込みました。
けれど前向きに捉えると、エアコンの調子も悪く、カーオーディオやカーナビも無く、何より形式も古かったので、この際、新しくなることを楽しみにすることにしました。
使用用途は主に、小豆島の中での配達などですが、島の中を移動するのは結構時間が掛かるものです。配達中の車の中を快適に過ごせることはありがたいですし、何よりも運転が楽で安全に運転へ集中できるのは良いことです。
と、前向きに捉えておきます。
そこで(?)、2025年のブログでは「薬膳」について調べてみることにしました。
食べ物で(だけではありませんが)健康を維持・増進できるのであれば、自身の仕事にも生活にも、また、家族の健康にも役に立ちます。
今年は薬膳のテーマで、ブログを6本書いています。
薬膳とは…から始まって、春夏秋冬+梅雨のテーマで書いています。
良ければ、お時間あるときにご覧ください。
・食べ物と健康の関係を考えてみる 【Vol.50】麺究者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる
・食べ物と健康の関係を考えてみる<冬> 【Vol.52】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<冬>
・食べ物と健康の関係を考えてみる<春> 【Vol.56】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<春>
・食べ物と健康の関係を考えてみる<梅雨> 【Vol.60】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<梅雨>
・食べ物と健康の関係を考えてみる<夏> 【Vol.62】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<夏>
・食べ物と健康の関係を考えてみる<秋> 【Vol.65】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<秋>
ここで大切に感じたのは、旬のものを食べるということです。
手に入りにくい高価なものは別としても、季節に応じた食材をいただくことが何より大切だと感じさせられたテーマでした。
中には小豆島でもたくさん獲れるものや生産されているものもあって、無理せず毎日の食事に取り入れることができそうです。
心も体も健康だからできることとして、好きなこと、やってみたいことにチャレンジするということがあると思います。
今年は1月26日に、なんと私、三代目、コンサートのステージで歌うという初めての経験をしてまいりました。
歌ったのは、『石井製麺所通信 第15号』でもご紹介をさせていただきました石井製麺所のテーマソング『便り届くよ』です。
石井製麺所の長年のお客様が、30年以上にわたって続けられていらっしゃるバンド「リトルドリーミング」。
『便り届くよ』は、そのお客様が石井製麺所のことを思い浮かべながら詞を書いてくださり、バンドのリーダーの方が曲をつけてくださった、まさに“石井製麺所のテーマソング”といえる一曲です。
この度、リトルドリーミングの皆さまから「一緒に歌いませんか?」とお声がけをいただき、1月26日、高松の国分寺ホールで開催された『サヌキロックンロールサーカス2025』の舞台に立たせていただきました。
子どもの頃の発表会で歌ったことはあっても、バンドの一員として、観客を前に歌うのは本当に初めてでした。
前日のリハーサルでは、カラオケで歌うのとはまったく異なる音の聞こえ方にすごく焦ってしまいました(汗)。
それでも、音響のスタッフさんからアドバイスをいただいたり、メンバーの皆さまのサポートもあって、本番は無事に歌いきることができました。(緊張しましたが、最後の方は歌うのが楽しくなって…)
リトルドリーミングの皆さま、この度はめったにできない経験をさせていただき本当にありがとうございました。
想いのこもった詞を曲にのせて、聴く人の心に届ける。
そんなリトルドリーミングの音楽のように、石井製麺所の日々の麺づくりも、そうありたいと改めて思いました。
初めてのコンサートの内容は「【Vol.51】麺究者への道/肉類を使った発酵⾷品について研究してみる」の最初の方をご覧ください。

② 新しい素麺の開発、製造、そしてYouTubeに!
今年も多くのお客様からご注文をいただきましたが、それに加えて、今年は製造依頼のご用命も増えて、2025年は年始早々から工場がフル回転状態が続きました。
一部、ボイラーの不具合・交換などで製造を止めたことはありますが…。
自社の手延べ麺類に加えて、その数約30種類は製造しています。
ご依頼いただく中には、国産小麦を使用した純粋な手延べ素麺や特殊な原料を練り込んだ手延べ麺のご依頼など、多種多様です。
中には、他の産地で製造を依頼していた企業様が「製麺会社が廃業して製造に困っている」という理由で当社へご相談いただいたものもあります。
正直、そのお話しをいただいた時は、他人事と思えず素麺業界に携わる者として業界全体の課題であると強烈に感じたのを覚えています。
「技術的に石井製麺所でしかできない」ものをご依頼いただくことはもちろん嬉しいことですが、「製麺会社が無くなってしまった」というのは寂しい気持ちの方が強く感じます。
練り込み系の手延べ麺は、正直、製麺の難易度が高く製麺作業にも苦労することも多く、全国でも対応可能な製麺所が減っているというのはご依頼いただいたお会社様からお聞きしました。
手延べ麺の新しい価値として石井製麺所では、さらにその技術を磨き多くのお客様に喜んでいただける手延べ麺づくりを続けていきたいと思います。
2026年は小豆島内の手延べ製麺会社と協力していければと思いますが、もっと視野を広げて他産地の皆さまとも関わることができればと考えております。
製法的にも、技術的にも、そして素麺業界にある課題と向き合うためにも先輩方のお力、お知恵をお借りできれば幸いです。

中でも、沖縄の食材を練り込んだ手延べ素麺の製造の依頼を受け、新しいことにチャレンジさせていただきました。
特に、トウガラシを練り込んだ手延べ素麺は、初めは「辛すぎないだろうか?大丈夫だろうか?」と不安もよぎりましたが、これがとても美味しくて、ビックリです。
沖縄の「大衆立ち飲み酒場 酔処 玉川(よいしょたまりば)」さんでお召し上がりいただけます。
玉川さんでは、「手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)」の他、「泡盛酒かすそうめん」「月桃そうめん」をいただくことができますよ。
そして嬉しかったのが、この玉川さんへタレントのガレッジセール「ゴリさん」が「酔処 玉川」さんで3種の素麺を召し上がり、大絶賛されていました!
ベロベロに酔っ払っていらっしゃいますが、美味しい美味しいと大絶賛!!
沖縄で、ぜひとも食べたい素麺です。
小豆島の手延べ素麺ということもご紹介いただいていて、ちょっと嬉しくなりました。
YouTubeもぜひご覧ください。
今すぐにでも食べに行きたくなりますよ!
《ゴリ★オキナワ》 https://www.youtube.com/watch?v=fQwxDNr4_zQ
※写真は、酔処玉川様公式ネットショップより引用させていただいています。
《酔処玉川様公式ネットショップ》 https://tamariba.raku-uru.jp/
《月桃素麺と泡盛酒粕を使用した素麺セット》 https://tamariba.raku-uru.jp/item-detail/1652726
③ 今年も小豆島の生産者さんを訪ねて
毎年のテーマとして、手延べ麺の原料として活用できないかと、小豆島産、香川県産、国産にこだわった原料を探し、新麺づくりにチャレンジしています。
今年も小豆島の生産者さんの元を訪ねて、お話しを伺いました。
1軒目は、小豆島の三都半島で生産農家を営まれている「実都農園」さんを訪ねました。
実都農園さんが育てるトウモロコシは絶品でして、数年前から我が家に欠かせない味覚になっているのですが、お伺いするのは今回が初めて。
迎えに来ていただいた実都農園園主の向井さんは、おそらく私と年齢も近いでしょうか。
おいそがしい収穫作業の合間に、ニンニク畑を案内してくださいました。
畑にご案内いただきまず驚いたのは、畑に近づくとはっきりと、ニンニクのいい香りが漂っていたことです。
収穫した直後のニンニクは、表面の余分な水分を飛ばして保存性を高めるため、そのまま畑の上で天日干しをするそうです。
畝の間には、採れたてのニンニクが一杯に入ったオレンジ色のカゴが並んでいました。
香川県のニンニクは、より香りが強く、味わいも濃厚とのこと。
一方、栽培にあたっては、大きく、皮が裂けていない実をつくることが良いニンニクの条件で、そのための工夫は凝らしても、すべてが思い通りになるのではなく、毎年、試行錯誤されているそうです。
どうしても、思い通りにならないのはお天気で、そういうものだと知ってはいても、やはり日々、農業に向き合っている方からお話を聞いて、その厳しさが少しだけ分かったような気がします。
素麺はたとえ一日失敗したとしても、次の日には前日の反省を生かして再チャレンジができます。
農家さんはその年、その種、その苗、その実が勝負。
向き合う仕事は違っていても、小豆島でがんばる同世代として、今回、向井さんとお話しできたことはとても有り難いことでした。
素麺には素麺の、農家さんには農家さんの課題はあります。
手延べ素麺の可能性を拡げることで、素麺業界の課題を解決するだけでなく、農家さんのお役に立てることがあれば今後の励みにもなります。
今回の出会いをその第一歩として、“小豆島ならでは”の美味い(うまい)手延べ麺を皆さまにお届けできるよう頑張りたいと思います。
実都農園さんへの訪問の様子は「【Vol.58】メンコレ⑧/ニンニクを練り込んだ麺の“パワー”」をご覧ください。

そして、2軒目は10月末に伺った「株式会社アグリオリーブ小豆島」さん。
まあ、伺ったといっても会社は石井製麺所のお隣で、オリーブ畑も徒歩1分のところにありました(笑)。
「手延べオリーブオイル素麺」はこちらの小豆島産エキストラバージンオリーブオイルを使用して製麺しています。
いつもはオリーブオイルを受け取るのに伺うだけですが、今回は収穫時期のお忙しい中でしたが、収穫時期を迎えたオリーブ畑を見学させていただきました。
小豆島では国道沿いだけでなく、県道などの街路樹もほとんどがオリーブ樹です。
また、島のあちこちにはオリーブ畑が拡がります。
果樹の産地で、これだけ市街地に近い(というか市街地の中にある)果樹園って珍しいのではないでしょうか。
オリーブ樹だけでなく、オリーブの実の付いた樹を見ることも珍しくはないのですが、収穫されているのを目の前で見るのは初めての体験でした。
お話しによると、今年は雨が少ない影響で辛味と苦味のあるオイル(ルッカという品種)がベースだそうですが、いくつかの品種をブレンドしてマイルドに調整されるそうです。
毎年同じ味にすることは難しいけれど、こればっかりは自然のものなので、それを含めて味わってほしいとのことでした。
今年のオリーブオイル使った石井製麺所オリジナルの「手延べオリーブオイル素麺」、どんな味に仕上がっているか、ぜひ味わって確かめてみてくださいね。
アグリオリーブ小豆島さんへの訪問の様子は「【Vol.68】麺求者への道/オリーブについて研究してみる」をご覧ください。

そして3軒目は、11月中旬にオリーブ収穫祭に参加させていただいた「就労継続支援B型事業所 ひまわりの家」さんのオリーブ畑です。
こちらでは、施設に通う皆さんがオリーブの収穫や選別を行っている現場に、一緒に参加させていただき、自分自身でも生まれて初めてオリーブの実を収穫させていただきました。
この日は、あいにくの曇り空で肌寒い一日でしたが、皆さんは仲良さげにワイワイとお話しをされながら、収穫した実を選別されていました。
実際に自分で採ってみて分かったのですが「どれを採っていいかわからない!」でした。
病気にかかったものはさすがに見た目で分かるのですが、傷のあるものや色の悪いもの?など、どれが良くて悪いのか全く分からず…。
教えていただいてもなかなか理解できなかったので、とりあえず採れそうなものは全て前掛けのポケットに入れていきました(汗)。
収穫体験後には、施設の職員の方お手製のちゃんこ鍋をご馳走いただきました。
今年は、ご縁もあって「ひまわりの家」さんの「オリーブの実 新漬け」も販売させていただきました。
自分自身でも食べてみましたが、オリーブの新漬けは独特の味わいで、オリーブの実ならではの食感と良い塩梅に付けられて塩加減で、手が止まらない美味しさです。
「ひまわりの家」さんへの訪問の様子は「【Vol.70】こまめのまめ知識/秋の小豆島観光について研究してみる」をご覧ください。

④ 今年一番の思い出は北海道の小麦の産地「音更町」への訪問
9月24日(水)〜26日(金)にかけて、小麦の産地を訪ねて北海道の音更町というところに行ってまいりました。
小麦メーカー様からのお声がけもあり、「よし!行こう!!」と決めてから何度か日程の調整をいただいて、9月24日(水)〜26日(金)に決まりましたが、果たしてどうやって北海道、音更町へ行くのか。。。
小豆島から北海道。。。
まずは、パソコンで北海道の地図を見たり、路線図を確認して、小豆島からの交通手段を考えるところからスタートでした。
メーカー様からの行程のアドバイスでは「小豆島→高松空港→羽田空港(東京)→帯広空港が良いですよ」とはお聞きしましたが、飛行機を乗り換えて移動するのも大変ですし、一番のネックは「9月の台風」。。。
万一、飛行機が飛ばないとなるとたどり着けないかもしれません。
どうすればリスクが少ないか、行程に無理が無いかを熟考しました。
結果、朝一のジャンボフェリーで小豆島坂手港から神戸港へ渡り、神戸港から神戸三宮を経て、神戸空港から新千歳空港を目指し、そこから帯広を目指すことにしました。
どうしても必ず飛行機に乗らなければいけないので、できるだけリスクの少ない行程を選んだつもりでしたが、小麦メーカー営業担当のSさんが、「新千歳空港から帯広へ電車で来るなら、シカとかに衝突して止まるかもしれませんよ。(羽田-帯広間の)飛行機の方が確実ですよ!」とのお話し。。。
出発1週間前には、日本の沖に台風19号…今年は、一直線に北海道へ向かっていく予想。。。
はたして。。。
幸い、結果として台風は日本から遙か南の方で同じ所をグルグルと迷走しているようで、直撃の影響は無くなり少しホッとしながらの出発。
初日は移動のみの一日でしたが、初めての十勝、それだけでワクワクの一日でした。
二日目は、あいにくの雨。。。しかもかなり強い雨でしたが、小麦粉メーカー様のご担当者様が「雨の日プラン」もご用意いただき、とっても充実した視察旅行となりました。
視察旅行の詳細について詳しくはぜひ「【Vol.67】麺求者への道/小麦の産地を訪ねてin北海道音更町」もご覧ください。

写真は、なんとか雨も止み、本来見学するはずだった小麦畑に伺った際のものです。
今回の視察は、地産地消を実践される地元パン屋「麦音」さんでの朝食から始まり、2軒の農家さんのお話し、地元の小麦農家さんたちとメーカーさんでつくられた加工場・研究施設などを拝見するだけでなく、現地の方の想いや考え、ビジョンなどを伺うことができました。
偶然の出会いから始まった今回の取り組みは、単に石井製麺所の新製品というだけでなく、手延べ素麺の新しい可能性についても挑戦できる取り組みだと考えています。
外麦の場合は、生産地の情報や栽培者について知ることはできません。
小麦の性質や安全性ももちろん大切ですが、生産者さんの想い、産地の想い…たくさんの方が大切にされているその想いのバトンを受け継いで、美味しく手延べ素麺に仕上げることも必要だと考えます。
生産地の皆さん、少なくともお会いした皆さんは真剣に食のことを考え、ご自身の役割ややるべきことをしっかりと実行されているのだと感じました。
私もやるべきことをしっかりと見据えて行動していきたいと思います。
今回、北海道に来て、お話しを伺えて本当に良かったです。
研究室を拝見して、本当に勇気が湧きました。
やるべきことは、まず私ができること…誠実に手延べ素麺をつくり上げていくことだと、改めて強く感じました。
原料産地、素麺の産地、そして素麺を召し上がってくださる皆さんと一緒に、今後も支え合える関係性をしっかりと築いていきたいと思います。

⑤ 石井製麺所の手延べ素麺を使用するお店のご紹介
2025年の振り返りの最後に、石井製麺所のつくる手延べ素麺をお使いいただくお店での食レポです。
実は自身がつくる手延べ素麺を料理としてお出しいただくお店に伺うのは初めての体験で、自分たちがつくった素麺がこのように使われるというのを目の当たりにすることができてとても嬉しく感じました。
しかも、神戸三宮の中心地でお店を構える人気店で使用いただけるのは、とっても自信に繋がります。
実際に行って食べた食事とお店についてご紹介させていただきます。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください!
まずは1軒目、「鶏料理らんぷ」様
おもての看板に「夫婦で営む鶏料理」とあるように、ご夫婦でお店を切り盛りされていらっしゃいます。
長らく、お素麺とお蕎麦(手延べ麺 蕎麦風味)をご利用いただいており、ようやくお店を訪ねることができました。
私が訪ねた日もお客様がいっぱいで、特に女性のお客様が多いようです。
最初に注文したのは、「鰻のポテサラ」。
ポテトサラダに、鰻?

テーブルに出てきた料理を見てびっくり!ポテトサラダの上に鰻がのっています!
食べ方は海苔で巻いて一口で、お好みで山椒も。
食べてまた、その組み合わせの妙味に驚かされました。
鰻がほぐれポテトサラダを一体になって、ほどよい塩味と鰻の旨みが広がって…一口が美味しくで、それに楽しい。
当初は夏限定のメニューだったそうですがとても人気で、年中食べられるグランドメニューになったそう。食べてすごく納得です。
もちろん、弊社の手延べ麺を使ったメニューもじっくり味わってきました。
「蒸し鶏の冷製トマトカッペリーニ」(お素麺使用)


カッペリーニとは、その細さが特徴のロングパスタのことだそうで、パスタの代わりに素麺を使った一品です。
トマトのさっぱりとした味に、チーズと胡椒の風味がふんわりと。
パスタの代わりといっても、素麺らしい美味しさがしっかり生きていて、素麺屋にとってはそれが嬉しい笑。
おそらく、かなり短めに茹で上げられているでしょうか。
最初は硬めの舌ざわりを感じながらも、大事にしている小豆島そうめんらしい風味とコシがあって美味しいカッペリーニでした。
「鴨せいろそば」(お蕎麦使用)

鴨肉の赤身がやわらかく、脂身はほどよく…蕎麦の前に、まずは鴨肉をしっかりと味わいました。
ワサビを少しつけて、つゆにくぐらせて、鴨肉の旨みを堪能してから、蕎麦を一息にツルツルっと。
使っていただいている「手延べ麺 蕎麦風味」は、その名前の通り、手延べ麺であることを大事にした蕎麦です。
一口をツルツルっと、勢いよく食べることが、手延べ麺の美味しさを味わうには大事だと思っておりまして…
鴨せいろそばに、うちの蕎麦はよく合っていると、私は思います!
毎日のように、手延べ素麺をつくっていて、もちろんその素麺を食べることも多いのですが、その食べ方は普通の「冷やし素麺」がほとんどで、時々、夕飯のお味噌汁がにゅうめんになるくらいです。
自分たちがつくる素麺がこんな風に、色合いも味わいも豊かになって、多くの人が美味しく食べてくださっている。
そのこと自体がとても新鮮なことに感じられて、嬉しい気持ちになりました。
それと同時に、音更町の農家さんの想いを猛烈に共感する時間ともなりました。
そのほかにも、たくさんのお料理をいただきました。

実はお店をオープンされたときから存じておりまして、まもなくお店は5周年を迎えられます。
大変なご時世のなかでお店を始められたものと想像します。
インスタを拝見していると、どれも美味しそうな創作料理の数々とともに、ご夫婦の素敵な写真もいっぱいです。お二人がお店を切り盛りされている姿を見ても、ご夫婦二人三脚でがんばって来られたのだと思います。
そんなお店で弊社の素麺が少しでもお役に立てていれば、それはとても有り難いことです。

また必ず食べに行きますね。
まだ食べていない、一品一品、多彩な創作料理が沢山あります。どんなお料理なのか、今から楽しみです!
皆さまも神戸に、三宮にお越しの際は、ぜひ「鶏料理らんぷ」さんにお立ち寄りくださいませ。
「鶏料理らんぷ」
住所:兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町5-3-5 グリーンシャポービルB1F
アクセス:(神戸市営地下鉄)三宮駅<東出口2>徒歩0分

2軒目、「kitasan素麺」様
三ノ宮駅のすぐ近く、サンキタ通りにある「kitasan素麺」様。
伺ったのは、もうすぐランチタイムが終わる時間でしたが、ビルの6F、扉をくぐると店内はお客様でいっぱいでした。
足下には砂利と飛び石の小路がインテリアとなっていて、おそらく夜にはぐっと、“和”の雰囲気が深まるのではないかと思います。
いただいたのは、「kitasanランチプレート」です!
メインのお素麺の周りに、充実のサイドメニューの数々。
その見た目の華やかさを、写真におさめたくなります。

さっそく、お素麺からいただきました。
一口すすって、「これは美味い素麺や」。
素麺職人としてとにかく嬉しかったのは、麺が美味しく茹でていただけていたこと!
しっかりとしたコシのあるお素麺が、お出汁の利いた冷たいツユと一緒に、のどを通り抜ける…
細いお素麺は“ちょうどいい加減”に茹で上げるのが難しいので、当たり前のようで、これは実に有り難いことなんです。
一人前の量も多めといいますか、お素麺はツルツルっと一気に食べるのが美味しいので、これくらいの量があると嬉しいですね。

お素麺だけだと、どうしても栄養が偏ってしまいますし、ボリューム的にも物足りなく感じやすいものでしょうか。
お素麺のお店、「ランチに素麺」を食べられるところはまだまだ少ないですけど、
「kitasanランチプレート」はおかずも沢山で大満足です!

「大満足」と言いながら…そこは素麺なら何杯でもいける私、三代目。
もう一杯、追加で「梅八十スペシャル素麺」もいただきました!
「kitasan 素麺」
住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通1-2-6白蘭ビル6F
アクセス:(JR)三ノ宮駅、(阪急・阪神電鉄)神戸三宮駅より徒歩1分
2軒様とも本当に美味しいお料理ばかりで、自分たちがつくった素麺がこうやって提供されているのか…というのを目の当たりにできました。
北海道音更町の農家さんが言っておられた「自分たちが作ったものを食べてくださる人の顔が見えることがしたい」というお言葉が、まさに北海道帰りお店に伺った際に胸に熱くなって思い出されました。
全く自分も同じことを考えているんだと、勝手にシンクロしたのを思い出します。
2025年は、本当にたくさんの出会いがありました。
2026年も、良い出会いとステキな時間を皆さんと共有できるように頑張ってまいりたいと思います。
どうぞ良いお年をお迎えください。
『お!いしい けんぶんろく』について
本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。
色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

