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石井製麺所通信

お!いしい けんぶんろくブログ

2023年11月14日 【Vol.25】メンコレ⑤/オリーブを練り込んだ素麺への想い

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.25

メンコレ⑤/オリーブを練り込んだ素麺への想い

 

 

 

 

今回は「メンコレ」第5弾として、生地にオリーブを練り込んだ素麺を取り上げたいと思います。

オリーブを練り込む…というのは、産地だからできる小豆島独自のものではないでしょうか。

実は石井製麺所のお隣はオリーブ会社さんで、石井製麺所がお届けする小豆島産オリーブオイルを練り込んだ手延べ素麵はそちらからオリーブオイルをいただき、製造しています。

石井製麺所のオリーブオイル素麺は、オリーブオイルを生地に練りこみ、表面にも塗って仕上げた商品ですが、小豆島手延素麺協同組合さんはじめ、小豆島のほかの生産者さんでも「オリーブ素麺」を製造しておられます。

しかしながら、正直、三代目の私もオリーブのことについてそこまで詳しくはありませんでしたが、今回はオリーブ栽培に携わる方やオリーブの研究をされる方からお話を聞く機会を得たこともあり、ブログのネタとしてまとめてみたいと考えました。

 

素麵の他に、オリーブで有名な小豆島では、9月下旬~11月上旬にオリーブの収穫が最盛期を迎えます。

オリーブの実は木から離れたその瞬間から劣化するといわれ、収穫後24時間以内には搾油され加工するそうです。

そのため、オリーブオイルの加工も最盛期は11~12月となり、収穫から搾油まで島のオリーブ農家さんは大忙しの時期なんだそうです(9月下旬から10月頃まではオリーブの新漬けといったお漬物づくりで大忙しとなるようです)。

先日、オリーブ農家さんを訪ねた際に搾りたてのオリーブオイルをいただきましたが、新米や新茶のようにフレッシュで香り高くとても美味しいもので、オリーブオイルもまさに季節の味わいなんだと感じました。

そして、皆さんはそのオリーブオイルの味わいに差があるなんてご存じでしたか?

 

一口にオリーブオイルといっても奥が深いようで、知ってるようで知らなかったオリーブの価値をさらに知ることができた気がします。

オリーブの歴史や、世界のオリーブオイル事情などをはじめ、日本のオリーブの歴史を含めてとても感慨深いものがあり、改めて小豆島の特産品であるオリーブを大切にしたいと感じました。

今回は麺に関してのお話は少なくなってしまいましたが、お付き合いの程、よろしくお願いいたします。

 

※以下にご紹介する素麺は、2023年11月14日現在の当社調べになります。

ご紹介した地域以外でも同様の商品を扱っておられるかもしれませんのでご了承ください。

また、これ以外にもこんな食材を練り込んだ素麺がある、という情報をお持ちの方は、ぜひお知らせください。

 

写真はオリーブの農家さんを訪れた際にいただいた、“搾りたて”のオリーブ果汁(オイル)です。

まだ濾過されていないこともあり、見た目には少し濁りがあり、味わいには苦味や辛味、青臭い風味が口の中に拡がり、複雑な味わいがありました。

ここから、濾過され雑味を取り除き、一定の味わいになるように複数の品種のオイルとブレンドされて皆さまのお手元に届けられます。

 

<参考サイト>

・旬のオリーブオイルを味わうなら11〜12月がおすすめ。秋の小豆島でオリーブ収穫!

https://colocal.jp/topics/lifestyle/shodoshima/20221107_152643.html

・今まさに一番のおいしさ! オリーブオイルにも旬がある

https://weathernews.jp/s/topics/201912/170165/

 

【目次】

① 世界から日本、そして小豆島へ続くオリーブの歴史

② 世界と日本のオリーブ産地

③ オリーブオイルの種類や、産地による味わいの違い

④ 小豆島手延素麺協同組合の「島の光 オリーブそうめん」

⑤ 石井製麺所の「小豆島オリーブオイル素麺」

⑥ 《美味しい小豆島の食財》オリーブ新漬け(お漬物) 編

 

 


 

 

① 世界から日本、そして小豆島へ続くオリーブの歴史

 

オリーブはモクセイ科の常緑樹で、地中海沿岸では樹齢3000~4000年のものもあり、その生命力の強さから「生命の樹」とも呼ばれているそうです。

 

約8000年前、地中海沿岸からアフリカ北岸一帯に自生していました。

5000年~6000年前にはすでに栽培が始められていたようです。

現在のトルコ南部・シリア周辺に住んでいたフェニキア人が、海上交易を通じて近隣の国々にオリーブ栽培を伝えたと考えられています。

地中海東部からギリシャへ、またアフリカ経由でイタリア南部やスペイン南部へ、さらにアメリカ大陸やアジアなどへ広がり、現在では南半球を含め世界各国で栽培されています。

 

オリーブは地中海沿岸の人々にとって神話や聖書などにも登場するほど大切なものでした。

ギリシャ神話では「聖なる木」として、女神アテナのシンボルのひとつになっています。

また旧約聖書の「創世記」にあるノアの箱舟の話に出てくることから、平和のシンボルともされています。

 

 

日本の歴史にオリーブが初めて登場するのは、安土桃山時代です。文禄3年(1594年)、キリスト教の宣教師から豊臣秀吉への進物に、オリーブの実1樽があったそうです。

また同じ頃ポルトガルの宣教師がオリーブオイルを日本に持ち込み、蘭方医たちが「ホルト(ポルトガル)の油」と呼んで薬用に使ったと言われています。

香川県(讃岐地方)出身で有名な「平賀源内」もオリーブに少しご縁があったと聞きます。

実は、日本の在来種でもあった「モガシ」を平賀源内が「オリーブ」と勘違いして、「ホルトノキ(ホルトの油が採れる木)」と名付けてしまい、現在も「モガシ」の和名は「ホルトノキ」とされています。

 

江戸時代、鎖国政策により日本ではオリーブがあまり普及しませんでしたが、幕末から明治にかけてヨーロッパを訪れた日本人が、オリーブオイルが医薬品、美容、また料理に日常的に使われているのを目にし、輸出も目論み、国内でのオリーブ栽培の取り組みが始まったそうです。

明治初期には、フランスからオリーブ樹の苗木が持ち込まれ、盛んに栽培実験がおこなわれたそうです。

その際には、ブドウ、レモン、ゴムの木、ユーカリの木などと一緒に輸入され、日本の農業と産業の活性化に繋がるようにと、オリーブ栽培の研究が進められたそうです。

そういった国内の歴史については、小豆島にある風車で有名な「小豆島オリーブ公園」内の資料館でも見ることができます。

 

日本での本格的な栽培がおこなわれたのは現在の神戸で、旧外国人居留地としても有名な北野(現在の神戸北野ホテルあたり)だそうです。

しかしながら、災害や害虫の被害、オリーブを栽培する資金不足に加え、急速な市街区域の開発に伴い、日本初のオリーブ農園は終焉を迎えることになったそうです。

 

やがて、再びオリーブに脚光が当たる時代が来ます。

日露戦争の戦後補償で手に入れた海域で獲れる海産物の加工用にと、オリーブオイルの必要性に注目が集まりました。

国産のオリーブオイルに漬けてヨーロッパへ輸出しようと考えられ、オリーブオイルの国内製造を目指して明治41年(1908年)小豆島でオリーブの試験栽培を開始。

これが現在の小豆島のオリーブ産業の礎と考えられています

当時は、鹿児島と三重でも同時に試験栽培がおこなわれたそうですが、さまざまな要因が重なり上手く行かず、穏やかな気候で雨の少ない小豆島では順調に生育し、幾度かの盛衰を繰り返し、今日もなおオリーブ栽培が盛んにおこなわれています。

 

※写真はPhotoAC「オリーブ原木」

<参考サイト>

・【オリーブ】の種類と旬の時期、選び方のコツを解説。特産地はどこ?

https://www.olive-hitomawashi.com/column/2018/11/post-3164.html

・オリーブの歴史

https://www.1st-olive.com/guide/story/

・オリーブの起源と歴史

https://www.healthyolive.com/olive-history/

・人間とオリーブの3000年を超える歴史とその関係性

https://www.nippon-olive.co.jp/contents/tree/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2/

・オリーブの歴史と品質

https://www.my-kagawa.jp/feature/olive110/quality

・日本のオリーブ・歴史

https://www.healthyolive.com/olive-history/japan.html

・世界に誇る「小豆島産オリーブ」110年の歴史

https://www.guidoor.jp/media/shodoshima-olive/

・道の駅 小豆島オリーブ公園 公式サイト

https://www.olive-pk.jp/index.html

・ホルトノキ(Wikipedia)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8E%E3%82%AD

 


 

 

② 世界と日本のオリーブ産地

 

オリーブは美容や健康促進の面でも注目されていて、生産量は年々増加しています。

温暖な気候の地中海沿岸諸国で多く栽培されています。

オリーブオイルといえばイタリア料理のイメージがありますが、オリーブの生産量世界一はスペインで、総栽培面積は約260万ヘクタールにもなります。

特に南部のアンダルシア地方は世界最大のオリーブ栽培地で、カタルーニャ地方とともにローマ時代からの一大オリーブオイル産地として有名です。

 

 

イタリアはオリーブの生産量が世界2位で、その栽培面積は全体で約114万ヘクタールとのこと。

国内最大の産地は南部のプーリア地方ですが、他にも北部のリグーリア地方、中部のトスカーナ地方などが主な産地です。南北に長い地形のため、地域により多様な品種を栽培しているそうです。

スペインとイタリアだけで、全世界の半分以上のオリーブが生産されています。

 

ギリシャでもオリーブが多く栽培されています。

ちなみにギリシャは記録に残る世界最古のオリーブオイル生産国で、オリーブオイルの消費量は1人当たり年間12.5リットルと世界一だそうです。

その他、モロッコ、トルコ、チュニジアなどがオリーブ生産量の上位を占めます。

 

栽培面積は、香川県全体で約207ヘクタール(2017年実績、2021年調)だそうで、国内ではダントツの栽培面積を誇り、実の収穫量はそのほとんどが香川県産で、オリーブオイルの生産量も日本一なんです。

比較的穏やかな天候が多く、雨も少なく湿度が低い瀬戸内の気候が、オリーブ栽培に適しているとされます。

オリーブは香川県の県花や県木にも指定されています。

香川県の他に、岡山、広島、熊本、大分、長崎、兵庫、和歌山、静岡などでも栽培に取り組まれ、試験栽培時には上手く行かなかった鹿児島や三重県でも栽培がおこなわれており、多くの地域に拡がりを見せています。

 

 

<参考サイト>

・オリーブオイルの産地と特徴

https://www.nisshin-oillio.com/olive/olive01.html

・【世界】オリーブの産地・生産量ランキング

https://urahyoji.com/crops-olive-w/

・日本と世界のオリーブ事情を比較

https://www.healthyolive.com/world/data.html

・オリーブの主要生産国

https://www.osfarm.co.jp/about/olives

・小豆島オリーブオイル

https://honbamon.com/product/10-syodoshima-oliveoil/index.html

・小豆島ってどんな島?(産業)

https://shodoshima.or.jp/what/industry/

・小豆島町の特産品 本場の本物 小豆島オリーブ

https://www.town.shodoshima.lg.jp/gyousei/kakuka/shokokanko/4/892.html

・【都道府県】オリーブの産地・生産量ランキング

https://urahyoji.com/crops-olive/

 

 

 


 

 

③ オリーブオイルの種類や、産地による味わいの違い

 

オリーブオイルは、その成分の1つである「遊離オレイン酸」の割合(酸度)により、大きく3つに分類することができます。

遊離オレイン酸の割合が少ないものほど酸化しにくく、上質なオリーブオイルと言えるそうです。

 

<オリーブオイルの世界基準>

化学処理を一切行わず、オリーブの実を搾ってろ過しただけのオイルは全て「バージンオリーブオイル」と呼ばれます。

地中海沿岸のオリーブ生産国が中心となってオリーブの品質基準が厳格に決められていて、「バージンオリーブオイル」の中でも、指標として酸度が0.8%以下で、専門家による官能検査(匂いや味の審査)で認められたものだけが「エキストラバージンオリーブオイル」と呼ばれます。

世界基準では、品質が良い順に「エキストラバージンオリーブオイル」、「バージンオリーブオイル」、「オリーブオイルランパンテ」などと分けられます。

 

精製せずに作られたオリーブオイルはオリーブの香りや味わいをダイレクトに感じられ、辛みの強いものからマイルドでフルーティな味わいのものまで幅広くあるそうです。

オリーブオイルは、産地ごとの気候や土壌、気温、品種、収穫時期、摘み方、搾り方によって、その風味や香り、色などの個性が異なるそうです。

 

「エキストラバージンオリーブオイル」は、その風味を活かすため、パンに付ける、サラダにかけるなど、生のまま使うのがおすすめとのことです。

 

 

<日本独自のオリーブオイルの品質>

地元で丁寧に手摘みした新鮮な果実を、すぐさま地元の工場に運び、非加熱でつくっています。

日本はオリーブオイルの品質基準をつくる協会(IOC)には属していないので、ヨーロッパとは基準が異なりますが、独自基準で品質の良いオリーブオイルに「エキストラバージンオリーブオイル」とランクを付けて販売しています。

また、以前から日本独自のオリーブオイルの種類に「ピュア」という呼び名があり、これは日本国内だけの品質基準だそうです。

現在は、「オリーブオイル」という名前に分類されるので、国内で購入できるオリーブオイルとしては、「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル(オリーブオイル)」となります。

 

現在、小豆島のオリーブ農家さんの中には、世界的基準で認められるようにとわざわざ海外の認定機関へサンプルを送り検査を受け、厳格に「エキストラバージンオリーブオイル」の認定を受けておられるところもあります。

また香川県では、香川県産オリーブオイルに対する消費者の信頼を高めることを目標として、「かがわオリーブオイル品質評価・適合表示制度」を設けており、県独自で定めた品質評価基準に適合した製品に「品質適合」のマークが表示できるようになっているそうです。

近年は、小豆島でつくられるオリーブオイルが世界的なコンテストでも優秀賞を獲得していて、「フロスオレイ」(世界オリーブオイルガイドブック」に掲載されるだけではなく、「OLIVE JAPAN」(国際的なオリーブオイルの品評会)で金賞を受賞するなど、高い評価を獲得しているそうです。

世界からも認められる良質なオリーブオイルが多くなっているとのことなので、ぜひ味わってみたいものですね。

 

日本の気候で育つオリーブでつくられたオイルはとてもマイルドで、和食にとても良く合い、発酵食品にもピッタリだと言われます。

ぜひ、そうめんつゆに垂らして、召し上がってみてくださいね。

お味噌汁や納豆に掛けるとコクが出て旨味が増し、お刺身などのつけ醤油の代わりにしても美味しそうです。

 

「ピュアオリーブオイル」は搾っただけのオイルを精製し香りや味のない「油」の状態にしたものと、「エキストラバージンオリーブオイル」や「バージンオリーブオイル」とブレンドした食用オイルとされています。

200℃くらいまでの高温に耐えられるので調理用(加熱用)としておすすめだそうです。

 

 

<オリーブオイルの味わいの違い>

オリーブの味は、オリーブの実に含まれるポリフェノールの種類や量によって変化します。

さらに「ブレンダー」といわれる専門職の方が、複数のオリーブオイルを混ぜ合わせさまざまな味わいに仕上げるオリーブオイルもあるそうです。

ブレンドすることにより、単一の品種では味わえない、独特の風味や美味しさが生まれるそうですよ。

青い実を搾ったものは、辛みやオリーブ独特の苦味が強い場合がありますが、青々しくフレッシュで爽やかな香りで、海外でも人気の高い味わいだそうです。

サラダやカルパッチョ、肉料理や、青魚などのお料理に合うようです。

 

逆に黒く熟した実をつかうと、とてもフルーティな味わいのオイルになるとか。

温野菜やクリーム系パスタ、鶏肉や白身魚などのお料理に合うようです。

 

オリーブオイルには、むせかえるほど喉の奥からカッとくる辛さのあるものから、青りんごや青いバナナを連想させるとても甘い香りが鼻と口に拡がる味わいのものまであるそうです。

 

オリーブ単体でもオリーブオイルオイルの味わいには差がありますが、オリーブオイルにガーリックやトウガラシなどを漬け込んだ、「フレーバーオイル」というものもあります。

素材の持つ香りや味わいを移し調味されたオイルのことで、料理の仕上げなどにピッタリなものもあるそうです。

 

 

<参考サイト>

・オリーブオイルを知ろう!~エキストラバージン、ピュアオリーブオイルの違いとは~

https://www.nippon-olive.co.jp/contents/food/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8D%E3%81%86/

・オリーブオイルはどれがおすすめ?産地や種類など選び方のポイントも解説!

https://web.hh-online.jp/hankyu-food/blog/sweets/detail/000944.html

・オリーブオイル「イタリア産」「スペイン産」の違いは?

https://www.gourmetcaree.jp/matome/2023/01/27/olive/

・オリーブオイル専門店「オリオテーカ」に聞く、オリーブオイルの基礎知識

https://www.nisshin.com/entertainment/otokonoryouri/column/index09.html

・イタリアだけじゃない!オリーブオイルの原産地ごとの特徴

https://food-drink.pintoru.com/olive-oil/country-of-origin/

・かがわオリーブオイル品質評価・適合表示制度

https://www.pref.kagawa.lg.jp/seiryu/olive/kfvn.html

 

 

 


 

 

④ 小豆島手延素麺協同組合の「島の光 オリーブそうめん」

 

小豆島手延素麺協同組合さんの手延べ素麺ブランド「島の光」に、オリーブを使った素麺があります。

オリーブの実をペースト状にして生地に練り込み、表面にオリーブオイルを塗って仕上げた、オリーブ果実の黒い粒が見える美しい緑色の素麺。

小豆島手延べそうめんならではののどごしの良さとコシの強さも魅力です。

 

<参考サイト>

・小豆島手延素麺協同組合 手延そうめん 島の光

https://www.shimanohikari.or.jp/product/soumen.html#

・島の光 手延べオリーブそうめん 0.9kg 化粧箱入

https://www.somen-shimanohikari.shop/shopdetail/000000000016/

 

 

 


 

 

⑤ 石井製麺所の「小豆島オリーブオイル素麺」

 

健康的な食品として世界中で注目される 「オリーブオイル」を練り込んだ 石井製麺所だけの手延べ素麺です。

小豆島ではオリーブの収穫時に、実に傷を付けないよう、丁寧に一粒ずつ手摘みされています。

 秋になると島内をはじめ、島外からの援農者の方々が一緒になって、オリーブの実を短期間で収穫されます。

農家さんによると、今年のオリーブの出来具合は順調とのことですので、今年も良い品質のオリーブオイルが期待できそうです。

 

小豆島産オリーブオイルは、健康的な食品として人気も高いのですが、小豆島でつくられる量には限りもあり、希少な小豆島の特産品で格別の味わいがあります。

小豆島の穏やかな気候で育ったおかげか秋に収穫する実は、日本人に合う優しい風味のエキストラバージンオリーブオイルに仕上がるそうです。

そのオリーブオイルを練込んだ手延べ麺は、ツルンとした食感が魅力的です。

細く白い麺は、さまざまな食材とも相性よく、素麺チャンプルやお野菜と合わせてサラダ仕立てにしても美味しく召し上がっていただけます。

着色料・保存料・化学調味料など一切使用していませんので安心してお召し上がりいただけます。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《小豆島オリーブオイル素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/12170333

 

 

 


 

 

⑥ 《美味しい小豆島の食財》オリーブ新漬け(お漬物) 編

 

素麵のご紹介ではありませんが、オリーブの新漬けという、まさに日本独自のオリーブの食べ方です。

オリーブの実にはアク(苦味成分)が多く、そのままでは決して食べられません。

ヨーロッパでは、アクをほとんど抜かずに塩漬けや酢漬けにされて食べられています。

オリーブの新漬けは、丁寧に選果され、選別され、アク抜きがおこなわれ、ようやく塩漬けにされるとても手間の掛かるお漬物です。

ですが、オリーブの実の独特の食感と程良いしょっぱさが、お酒のアテにいいのはもちろん、ご飯を炊くときに一緒に入れて炊く方もいらっしゃいます。

以前に、知り合いのオリーブ農家さんが東京でおこなわれた日本酒の会やワインのテイスティング会でオリーブの新漬けを出されたときに、「アテとして一番合う」と利き酒師さんやワインソムリエさんにご評価いただけたと言っておられました。

農家さんの中では、オイルよりも新漬けづくりに力を入れる方もいるなど、オリーブの食べ方のひとつとしてとても人気があるとのことです。

また、収穫したての秋冬にしか出回らず、賞味期限も短いことから、まさにこの時期の旬の味覚としてもおすすめです。

 

新漬けの製造方法は、小豆島でオリーブの栽培に成功してから、大変ご苦労されて開発された製法だそうです。

何度も試行錯誤を繰り返し、今のような美味しい新漬けが食べられるようになったとのことです。

小豆島にお越しの際は、ぜひ「オリーブの新漬け」を味わってみてください。

 

 

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年10月26日 【Vol.24】麺究者への道/うどんを研究してみる

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.24

麺究者への道/うどんを研究してみる

 

 

 

 

先日、香川県を代表する讃岐うどんメーカー「石丸製麺株式会社」様を訪ね、石丸社長様とお話をさせていただく機会がありました。

最近では、様々なメーカー様を訪ね見知を拡げているところですが、今回は香川県を代表する讃岐うどんメーカーであり、社長様直々のご対応もあり恐縮しっぱなしでした。

工場見学も石丸社長自らのご説明と共に隅々まで拝見し、大変貴重な時間を過ごさせていただきました。

石丸社長様から伺うお話からは、「うどん愛」はもちろん、「郷土愛」「食べる方への思いやり」「共同開発するお会社様へのリスペクト」「日本全国の産地への思いやり」を感じっぱなしで、ただただ感動しておりました。

 

石井製麺所も規模は違いますが、「素麺愛」「郷土愛」「食べる方への思いやり」「産地との協同」には取り組んでいますので、大変勉強になりました。

同じ麺をつくる者同士、規模は違っても同じ志を持って歩んでいきたいと考えております。

 

今回は、石丸製麺様への訪問や、弊社冬季限定の「手延べ半生うどん」の販売再開ということもあり、“うどん”を深掘りしてみたいと考えました。

うどんといっても、地域やご家庭によっても好みの分かれるところだと思います。

また、小麦粉からつくられる食品ですから素麺との違いは、どういった所にあるのでしょうか。

香川県は「うどん」と「素麺」の産地。

といっても製法は全く異なりますから、私は全く別の食べ物として考えています。

 

とはいえ一般的に、うどんは素麺同様、小麦粉と塩と水を主な原料とした麺ですから、その点は素麺と同じです。

農林水産省による日本農林規格では、乾麺類はその太さにより「うどん」「ひやむぎ」「そうめん」「きしめん」などに分類されており、直径1.7㎜以上のものが「うどん」と定義されています。

のどごしが良く多彩なアレンジも可能なうどんは、年齢性別を問わず好まれており、消化も良いので体調不良の時や離乳食にも活用される身近な食材です。

今回は、その“うどんの価値”について迫ってみたいと思います。

その主原料となる小麦の歴史や品種、製法や食べ方、地域性などについても調べてみましたので、今回もお付き合いの程よろしくお願いいたします。

 

この工場見学の後日、石丸社長様から直筆のお手紙まで頂戴しました。

<参考サイト>

・石丸製麺株式会社

https://isimaru.co.jp/

・ひやむぎとそうめんの違い 全国乾麺協同組合連合会

https://www.kanmen.com/topic/04_chigai.html

 

【目次】

① 製粉技術の発達が、小麦の食用を広める

② 国産小麦の開発に歴史あり!うどん用国産小麦生産の取り組み

③ 目的や産地のこだわりなど、製法や流通形状による分類

④ うどんを侮ることなかれ!多彩な料理方法やトッピング

⑤ うどんは地域によって、食感・味付けなどが違う?!

⑥ 日本三大うどん?!各地のご当地うどんをリサーチ

⑦ 《美味しい手延べ麺》手延べ半生うどん 編

 

 


 

① 製粉技術の発達が、小麦の食用を広める

 

野生の麦は、今から1万年ほど前の西アジアやイラクあたりの山岳地帯の草原で生えていたことが分かっています。

1万年〜8500年前頃には、野生の麦に加え栽培した麦も食べていたようです。

小麦と大麦はまだ区別されず、石と石の間に挟んで粗く砕き、焼いて食べていたとのこと。

 

紀元前6500年頃、小麦よりも大麦の方が栽培や収穫が容易であったことから、多く栽培されるようになりました。

大麦は、臼で粗挽きして土器で煮たお粥のような形状で食べられていたそうです。

小麦は、山岳地帯からメソポタミア平原や地中海沿岸、エジプトにまで広がりました。

 

紀元前3000年頃の古代エジプトで、「サドルカーン」と呼ばれる粉挽き専用の平らで大きな石がつくられ、小麦の外皮を取り除いた粉ができるようになりました。

この小麦の粉に水を加えてこねると弾力と粘りのあるかたまりができます。

これをオーブンで焼くと、比較的やわらかくおいしいものができたそうです。

その後、手で回転させながら粉を挽く石臼が発明されました。

大麦の粉よりも小麦の粉の方が美味しいパンをつくれるため、大麦ではなく小麦が主に食べられるようになったとのこと。

 

紀元前400年頃にはギリシアで、その100年後にはローマで「水車」を使った製粉工場がつくられました。

600年頃には、オランダやイギリスの東海岸で「風車」を使った製粉工場が広がりました。

 

日本では、弥生時代の中末期には小麦や大麦が栽培されていたことから、麦を何らかの形で食べていたと考えられます。

4世紀には米とともに麦、粟、稗なども主食とされ、8世紀には朝廷が小麦や大麦の畑作を奨励したそうです。

「麦」は万葉集にも登場しています。

“うどんのもと”となる料理は飛鳥時代に中国から伝来しましたが、現代のものとはかなり違っていたようです。

 

室町時代には僧侶の間食だったものが、茶の湯の普及とともに一般の人も食べるようになり、安土桃山時代にかけて日本の風土や人々の嗜好に合うよう変化し、日本独特のめん類へと発展したと考えられます。

 

世界の製粉の発展に話を戻すと、動力が水車や風車になっても、17世紀頃までは小麦を一回挽いて粉と外皮を分けるだけのものでした。

17世紀のフランスで、石臼で挽いた小麦をふるいで分けることを繰り返す、今日の製粉技術と同じ考え方の段階式製粉方法が始まりました。

1833年に、回転する二本のロールの間を通して小麦を潰す「ロール式製粉機」がスイスで初めて実用化。

品質の良い小麦粉が大量に生産できるようになりました。

日本では1872年(明治5年)に政府が石臼式製粉機をフランスから購入し、東京の浅草蔵前に、水車を動力とした官営の機械製粉工場が建設されました。

明治20年代以降、現在に続く大手製粉会社の前身となる会社が相次いで創立され、機械製粉が本格化していきました。

 

 

<参考サイト>

・小麦・小麦粉の歴史

https://www.seifun.or.jp/pages/92/

・小麦粉の歴史・文化

https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/flour/flour_03.html

 

 


 

② 国産小麦の開発に歴史あり!うどん用国産小麦生産の取り組み

 

うどんの生産量1位を誇る香川県のホームページ「県産小麦のあゆみ」によると、小麦の栽培品種として優先される条件は、安定して多くの量が収穫できることに加えて、近年は、製粉や製麺への適性が良好であることが品種選定の大きなポイントだそうです。

香川県の小麦の生産量と栽培面積は、ともに1961~1962年頃が戦後のピークだったとのこと。

その後、高度経済成長に伴う小麦の生産意欲の低下や、収穫期の長雨による大被害などにより、1973年の栽培面積は1962年のわずか2%となりました。

 

オイルショックを機に世界的な食糧危機が叫ばれ、日本の食糧自給率の低さが問題視されるようになると、輸入に依存していた小麦についても、国・県・農業団体等が麦作振興の各種施策や推進運動を展開するようになったそうです。

これにより麦作の収益性が向上し、小麦の作付け面積も回復していったとのこと。

 

1970年代からオーストラリア産の小麦がうどんの原料に使われはじめました。

現在では年間約70万トンものうどん用小麦がオーストラリアから輸入されており、日本で消費されるうどんの原料の大半を占めています

オーストラリア産小麦は、小麦粉生地の安定性、うどんの黄白色の色調、適度な弾力の食感、ゆでた後の麺の劣化の遅さなどの優れた特性により、高く評価されてきました。

手延べ素麺の原料としても、オーストラリア産の小麦が適しているとされ、多くの素麺製麺所が使用しています。

 

こうした状況の中、讃岐うどんを地元産小麦でつくろうという強い想いのもと、2000年に開発されたのがうどん用の小麦「さぬきの夢」。

香川県の農業試験場が品種交配・選抜を繰り返し、10年がかりで開発しました。

「さぬきの夢」はもっちりした食感や旨みには定評がありますが、タンパク質の量が少なくもろい性質のため、生地にした際の弾力が弱く、うどんにすると切れやすいなどの扱いにくさが課題でした。

弾力の弱さを克服しようと新品種の開発が進められ、小麦特有のたんぱく質「グルテン」に着目。

数万の個体から最もバランスのとれたグルテンを持つ新しい品種が選抜されました。

グルテンの切れやすさを比較した実験では、今の品種の3倍以上の時間が経っても新品種は切れなかったとのこと。

2024年秋から本格的な栽培が始められる予定だそうです。

 

 

<参考サイト>

・県産小麦のあゆみ

https://www.pref.kagawa.lg.jp/seiryu/sanukinoyume/menpaku/03_ayumi.html

・讃岐うどん 支える小麦 産地オーストラリアと日本の開発最前線

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230510/k10014062521000.html

・「さぬきの夢2000」小麦開発ストーリー

https://flour-net.com/column/sanukinoyume/sanuki2000_story/

・うどん用小麦「さぬきの夢」

https://www.flour.co.jp/knowledge/sanuki-no-yume/

 

 


 

③ 目的や産地のこだわりなど、製法や流通形状による分類

 

「手打ちうどん」という言葉を目にすることはよくあると思いますが、うどんにも、素麺同様「手延べ製法」でつくられたものもあります。

弊社の「乾うどん」「半生うどん」も手延べ製法で製麺しています。

また販売されている形状も、生麺や乾麺など様々あるので、それらの分類を整理してみました。

 

<製法による分類>

【手延べ製法】

基本的に手延べ素麺をつくるときと工程は同じですが、太さや長さが異なるため、実際には作業の時間や手間のかけ方が異なります。

弊社の場合は、生地づくりから麺の完成までに、乾うどんで約30時間かかります。半生うどんは、天日乾燥と室内乾燥、その後の熟成を経て、適切な半生状態を見極め、その日のうちに袋詰めします。このへんは、製麺所ごとに異なるかも知れません。

手延べですので、麺を平らにして切るのではなく、簡単に言うと引っ張って伸ばしていくため麺の断面は丸になります。

特に素麺と違うのは、乾燥時間でしょうか。

素麺は細いので、天日干しした際に表面と内部の乾燥差は大きく出ませんが、うどんは太いため表面と内部の乾燥(水分量)具合に差が生まれます。基本的には、ゆっくり乾燥させるのが重要で、急に乾燥させると表面が割れてしまったり、茹で上げたときに麺が裂けるなど影響が出ます。

 

石井製麺所での「半生うどん」の製造現場。「箸分け」の様子。

 

【手打ち製法】

手打ち製法をウリにするうどん屋さんが店先で、デモンストレーションしているのをよく見かけられるのではないでしょうか。

生地を練り上げて寝かせたら、よく踏んで(力強く練ることで)、麺棒で平たく伸ばし、包丁で麺の形に切ります。

よく踏むことでグルテンのつながりが形成され、コシが強くなります。

平たく伸ばし包丁で切るので、麺の断面は四角になります。

生地づくりから麺の完成までに約2~3時間かかります。

 

 

【機械製麺】

鉄製のロールの間を数段階通して生地をのばし、ロールカッターという切り刃で麺の形に切ります。

生地から形になるまで約20分で完成するそうです。

 

<流通形態による分類>

【干しうどん】

製麺したあと乾燥させ、保存しやすくしたもの。細うどんに多いそうです。

 

【生うどん】

小麦粉に対して26~35%の水(食塩水等)を加えて製麺したものが生めんと考えられます。

製麺後そのまま、もしくは表面に粉をまぶして包装されます。

麺の熟成度が時間とともに変化するため、長期保存には向いていません。

 

【半生うどん】

生麺を作る工程に、常温または加熱空気や湿熱空気などにより乾燥する工程を加え、最終的な水分含有率を減らし、酸化を抑えた状態のもの。

干しうどんよりも高水分の段階で乾燥を止めることで、常温で1~2カ月ほど日持ちします。

密閉された袋に入れる、脱酸素材を入れるなどにより、さらに酵素活性を抑えるのが一般的です。

 

石井製麺所(手延べ素麺所がつくるものは恐らくほとんど同じですが)では、生うどんをつくる工程での水分量の変化ではなく、乾麺の製法を改良して「半生」にしています。

同じ「半生」でも、生麺からの発想の製法と、乾麺からの発想の製法では考え方も工程も異なりますね。

 

【うどん玉(ゆでうどん)】

冷蔵麺(チルド麺)。ゆでた麺を加熱殺菌後、袋に入れて完全密封し、10℃以下で冷蔵保存したもの。

すでに一度ゆでているため、簡単に調理できるのが特徴です。

 

【冷凍うどん】

麺をゆでて冷水で締めた直後に、短時間で凍結させる急速凍結技術が用いられます。

打ちたて、ゆでたての最もおいしい状態を長期間保つことができます。

 

石井製麺所での「半生うどん」の製造現場。

 

<参考サイト>

・製法による麺の違い

https://kamote.co.jp/college/course_03.php

・Wikipediaうどん

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93

・うどんの種類

https://www.tablemark.co.jp/udon/udon-univ/lecture02/index.html

・生うどん、半生うどん、乾燥うどんの違い

https://www.kijoan.com/staffb/namaudonhannamaudonkansoudonhikaku.html

 

 


 

④ うどんを侮ることなかれ!多彩な料理方法やトッピング

 

江戸時代初期までうどんは味噌味で食べられていましたが、醤油の発達に伴い、元禄年間には出汁と醤油を合わせたつゆで食されるようになったそうです。

主なうどん料理についてご紹介します。

 

<料理方法や食べ方による分類>

【かけうどん・すうどん】

温かいつゆにゆでたうどんを入れて、具は薬味程度。麺本来のおいしさを味わいます。

 

※写真はPhotoACの『すうどん』より

【釜揚げうどん】

釜でゆでた麺を、ゆで汁と一緒に器に移し、つけ汁につけながら食べます。

讃岐うどんでは、うどんを入れた器に生卵を割り入れ醤油をかけた「釜玉うどん」も人気です。

讃岐うどんの名店「山越うどん」がメニューの略称として「釜玉」と呼んだのが始まりとのこと。

 

※写真はPhotoACの『釜玉うどん』より

【ぶっかけうどん】

ゆであがった麺を冷水で締め、濃いめのつゆを麺に直接かけて食します。ネギや大根おろしなどのトッピングをかき混ぜて食べるのも美味。

 

【ざるうどん】

ゆでた麺を冷水で締め、ざるに盛ってつけ汁につけながら食べます。天ぷらなどを添える場合も。

 

【煮込みうどん】

うどんを他の具材とともに鍋で煮込み、熱々を食します。

 

※写真はPhotoACの『味噌煮込みうどん』より

【うどんすき】

だし汁で野菜や魚介肉類とともにうどんを煮て食べる鍋料理で、大阪の郷土料理。

1960年に「美々卯」が「うどんすき」を商標登録していましたが、1988年に「杵屋」が「杵屋うどんすき」を売り出し、1991年にその商標権が認められ、1997年には、すでに普通名称化しているという判決が出されました。現在は誰でも「うどんすき」の名称を用いることができます。

 

※写真はPhotoACの『うどんすき』より

【おだまきうどん】

茶碗蒸しの材料にうどんを入れたもの。

 

【カレーうどん】

和風出汁にカレー粉を加えデンプンでとろみを付けた汁にうどんを入れたもの。1904年(明治37年)東京の蕎麦屋が提供したのが由来という説が有力だそうです。

 

※写真はPhotoACの『カレーうどん』より

【焼きうどん】

野菜や肉などとうどんを炒め、ソースなどで味付けします。戦後、福岡県北九州市の食堂街で、そばの代用としてうどんで焼きそばをつくったのが発祥と言われます。

 

※写真はPhotoACの『焼きうどん』より

 

<トッピングによる分類>

【天ぷらうどん】

エビなどの天ぷらや、かき揚げをのせたもの。地域によってはさつま揚げをのせたものも。

 

※写真はPhotoACの『天ぷらうどん』より

【きつねうどん】

甘く煮た油揚げをのせたもの。

 

※写真はPhotoACの『きつねうどん』より

【たぬきうどん】

関東では天かすをのせたもの。京都では、細切りの油揚げをのせてくずあんをかけ、おろしショウガを添えたものを指すそうです。大阪では天かすをのせたうどんを「はいからうどん」と呼びます。

 

【きざみうどん】

細く刻んで油抜きした油揚げをのせたもの。

 

※天ぷらうどん、きつねうどん、たぬきうどんの解説については、「【お!いしい けんぶんろく】 Vol.22 麺究者への道/蕎麦を研究してみる」の項目で「蕎麦に合わせる具材や薬味はバラエティ豊か!」を参照。

 

【肉うどん】

牛肉や豚肉を甘辛く煮てのせたもの。

 

※写真はPhotoACの『肉うどん』より

【力うどん】

餅をのせたもの。

 

※写真はPhotoACの『力うどん』より

【月見うどん】

かけうどんに生卵を落としたもの。

 

※写真はPhotoACの『月見うどん』より

【とじうどん】

卵とじうどん。丼の表面を半熟卵でとじたもの。

 

※写真はPhotoACの『玉子とじうどん』より

【山かけうどん・とろろうどん】

山芋などをすりおろしてのせたもの。

 

※写真はPhotoACの『とろろうどん』より

【かやくうどん・五目うどん・おかめうどん】

なると、ホウレン草、鶏肉など数種類の具をのせたもの。

 

※写真はPhotoACの『かやくうどん』より

<参考サイト>

・【うどん】の種類と特産地を紹介。おすすめの食べ方は?

https://www.olive-hitomawashi.com/column/2020/03/post-10116.html

・うどんの種類

https://www.tablemark.co.jp/udon/udon-univ/lecture02/index.html

・うどんのカルボナーラ??人気の「かまたまうどん」はどうやって誕生したのか

https://kagawakenudon.com/wiki/531/

・杵屋うどんすき事件

https://www.eonet.ne.jp/~sobakiri/frame-2/ki20.html

・Wikipedia うどんすき

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%99%E3%81%8D#%E8%AA%BF%E7%90%86%E3%83%BB%E5%85%B7%E6%9D%90

・カレーうどんの歴史

https://curry-udon.jp/about/

 

 


 

⑤ うどんは地域によって、食感・味付けなどが違う?!

 

うどんは日本全国で食べられていますが、好まれる麺の食感やつゆの味付けなどは地域により様々です。

うどんの本場・香川ではコシの強いかためのうどん九州ではやわらかいうどん東京や大阪ではその中間が好まれます。

 

つゆは大きく関東風と関西風に分けることができます。

関東風のつゆはカツオ節をベースに、みりんや砂糖、濃口醬油などでととのえた濃いめの味付けで、黒っぽい見た目です。

関西風のつゆは昆布ベースのだし、またはイリコやカツオ節との合わせだしで、淡口醬油や塩による薄めの味付けです。

 

 

関東風のつゆは黒っぽく(上写真)、関西風はうっすら黄金色した色合いです(下写真)。

 

 

独自の味付けとしては、愛知では「味噌煮込みうどん」が有名です。

他にも、埼玉ではすったゴマや白みそをすり潰し、だし汁で伸ばしてつゆにする「すったて(冷汁うどん)」、長野県では大根のしぼり汁をつけつゆにする「おしぼりうどん」などがあります。

各地のご当地うどんについては、次の段落で色々と調べたものを見比べてみます。

 

<参考サイト>

・地域によって異なる麺の嗜好

https://gyoumuyou-men.com/usefulinfo/399/

・さまざまな味付けでうどんを楽しもう!うどんの地域性やおすすめアレンジレシピをご紹介

https://www.yamaki-shop.com/shop/pages/udon.aspx

 

 


 

⑥ 日本三大うどん?!各地のご当地うどんをリサーチ

 

全国各地にご当地うどんがあり、「讃岐うどん」、「稲庭うどん」はその代表格として「日本三大うどん」と呼ばれています。

3つめについては意見が分かれており、「水沢うどん」「五島うどん」「氷見うどん」などが挙げられます。

これらの5つを合わせて「日本五大うどん」と呼ばれる場合もあるそうですよ。

 

【讃岐うどん】(香川県)

香川県はその気候や土壌が小麦の栽培に適しており、塩や醤油の生産も盛んで、うどんのだしに使うイリコの一大産地でもあったことから、うどんの生産量・消費量ともに日本一となっています。

弘法大師・空海が現在の中国である唐からうどんの製法を持ち帰ったのが始まりという説があるそうです。

手打ち製法でつくられ、生地を手でこね足で踏むことで生まれる強いコシが特徴。

甘い風味のイリコ出汁が基本で、シンプルなかけうどんや釜揚げ、釜玉、ぶっかけなど、うどんを主役とした食べ方が好まれます。

 

【稲庭うどん】(秋田県)

秋田県の稲庭地区は奥羽山脈に囲まれた豪雪地帯で、半年もの間、雪があるそうです。

厳しい冬を乗り切るために小麦の栽培が始められ、冬の保存食になるようにと考えられたものが稲庭うどんにつながったとされています。

手延べ製法で手間ひまかけてつくられ、独自のコシとなめらかな舌ざわり、つるつるしたのどごしが特徴です。

植物油を使わず、打ち粉としてデンプンを使います。幅2~3mmと細めで平べったい形状で、ゆでると透明感のある薄い黄色。

カツオと昆布の出汁を使ったすっきりとした味わいのつゆで食します。

 

※写真はPhotoACの『稲庭うどん』より

【水沢うどん】(群馬県)

飛鳥時代、群馬県伊香保町の水澤寺の創建に力を注いだ高麗の渡来僧がうどんの製法を伝授。

その後、上州産の小麦と水沢山から湧き出た名水でつくったうどんを、水澤寺の参詣客にふるまったのが始まりと言われます。

手打ち製法でつくられる、やや太めで透明感がある麺は、つるっとしたのどごしの良さとしっかりしたコシの強さが特徴。

冷たいざるうどんとして、醬油だれやゴマだれなどのつけ汁で食べるのが一般的です。

 

※写真はPhotoACの『水沢うどん』より

【五島うどん】(長崎県)

五島の特産である食用の椿油を塗布しながら生地を引きのばし、細い麺に仕上げる手延べ製法でつくられます。

生地には上五島で製造された塩が練り込まれています。

直径2mmで断面は丸く、しっかり熟成を重ねるためコシが強くて切れにくいのが特徴です。

アゴ(トビウオ)を炭火で焼いて乾燥させた「焼きアゴ」を使った風味豊かな出汁のつゆで食します。

 

※写真はPhotoACの『五島うどん』より

【氷見うどん】(富山県)

江戸時代中期、高岡屋創業の弥三右衛門が、能登門前の総持寺のうどんをつくり、能登輪島から素麺の技術などを取り入れて「糸うどん」の製法を編み出したのが始まりとされています。

加賀藩前田候の御用達うどんとして献上されていました。

手打ちの工程で生地をつくり、手延べ製法で引き伸ばして麺に仕上げる、手打ちと手延べの良さを兼ね備えたうどんです。

ひも状の細めの乾麺で、強いコシと弾力、餅のような粘りある食感が特徴。

 

※写真はPhotoACの『氷見うどん』より

その他にも、いろいろなご当地うどんを北から順に調べてみました。

 

【ひっぱりうどん】(山形県)

村山市の戸沢地区に伝わる食べ方。乾麺をゆで、鍋から直接、箸でひっぱり上げて取り、納豆やサバ缶などでつくったタレにつけて食べます。

 

※写真はPhotoACの『ひっぱりうどん』より

【すったて(冷や汁うどん)】(埼玉県)

大宮市、川越市、加須市周辺で食べられる家庭料理。ゴマ、白味噌、シソの葉、砂糖などをすり鉢ですって、冷水やだし汁を加えて伸ばしたつゆに、ショウガやミョウガなどの薬味を入れて食します。

 

※写真はPhotoACの『すったてうどん』より

【耳うどん】(栃木県)

栃木県の郷土料理。小麦粉をこねて薄く伸ばし、長方形に切り分けて片側をたたんでつまみ、耳の形にします。カツオ節か煮干しの出汁に醤油とみりんを加えた濃いめの汁に、小ネギと人参を加え、下ゆでした「耳うどん」を入れます。すいとんに似たもっちりした食感が特徴。

 

※写真はPhotoACの『耳うどん』より

【ひもかわうどん・おっきりこみ】(群馬県)

桐生地方に伝わる幅広の「ひもかわうどん」。その幅は1㎝から10㎝のものも。つるんとしたのどごしで、醤油ベースのつゆに付けたり、野菜と一緒に煮込んだりして食べます。

「おっきりこみ」という郷土料理は、この麺を下ゆでせずに野菜などの具と一緒に味噌や醤油ベースの汁で煮込んだものです。

 

※写真はPhotoACの『ひもかわうどん』より

【吉田うどん】(山梨県)

富士吉田市および郡内地方の郷土料理。コシの強い太麺を、醬油と味噌を合わせた出汁に入れ、馬肉とキャベツをのせるのが定番です。

 

※写真はPhotoACの『吉田うどん』より

【ほうとう】(山梨県)

小麦粉を水で練って切った麺を、野菜と一緒に味噌仕立ての汁で煮込んだ郷土料理。地域によってはうどん状の長い麺ではなく、すいとんのようなかたまりの場合も。

 

※写真はPhotoACの『ほうとう』より

【おしぼりうどん】(長野県)

埴科郡坂城町を中心とするエリアで食べられている郷土料理で、釜揚げうどんの一種。ねずみ大根という地元の大根をすりおろして絞った汁に、味噌、カツオ節、ネギなどを入れ、熱々の釜揚げうどんをつけて食べます。

 

※写真はPhotoACの『ねずみ大根』より

【味噌煮込みうどん】(愛知県)

三河地方の郷土料理で、「名古屋めし」の代表格。岡崎地方で作られる八丁味噌を使い、煮込んでも崩れないようなかためのうどんを、鶏肉や野菜と一緒に土鍋で煮込みます。

 

※写真はPhotoACの『味噌煮込みうどん』より

【きしめん】(愛知県)

名古屋名物の平たいうどん。「ひもかわうどん」の起源という説も。ゆでた麺に熱いつゆをかけて、油揚げや鶏肉などの具を入れ、ネギやカツオ節をのせて食べるのが定番です。

 

※写真はPhotoACの『きしめん』より

【伊勢うどん】(三重県)

コシのないもっちりとやわらかい極太の麺は、1時間近くゆで上げています。たまり醤油にカツオ節やイリコ、昆布などのだしを加えてつくった、濃厚な黒いタレにうどんを絡め、青ネギをのせて食します。

 

※写真はPhotoACの『伊勢うどん』より

【かすうどん】(大阪府)

大阪の南部、河内地域で食べられてきたうどん。牛の小腸(ホルモン)を細切れにし脂が抜けるまでじっくり素揚げした「油かす」をトッピングして食します。

 

※写真はPhotoACの『かすうどん』より

【たらいうどん】(徳島県)

徳島県に伝わる郷土料理で、大釜でゆでたうどんをたらいに移し、大人数で食べます。山仕事をする人たちの、仕事納めのふるまい料理がルーツとされています。「ジンゾク」という川魚で出汁をとった淡泊なつゆに、コシの強いうどんを付けて食します。

 

※写真はPhotoACの『たらいうどん』より

【博多うどん】(福岡県)

太めでやわらかくもちもちとした食感のうどんを、昆布ベースに煮干、サバ節、カツオ節、アゴ(トビウオ)などを加えただしに薄口醤油を加えたつゆで食します。「ごぼう天」や「丸天」(魚のすり身の揚げ物)をのせるのが定番。

 

※写真はPhotoACの『博多うどん』より

<参考サイト>

・【日本三大うどん】香川「讃岐」・秋田「稲庭」、もうひとつは?

https://tabizine.jp/article/515033/

・日本三大うどん、讃岐と稲庭ともう一つは?実は意見割れる“第3のうどん”

https://biz-journal.jp/2022/07/post_304845.html

・日本のご当地うどん博物館!

https://udon.mu/

・本場で食べたい!わざわざ食べに行きたい日本全国のご当地うどん20選

https://www.nta.co.jp/media/tripa/articles/NYci8

・うどんと地域性―日本全国ご当地うどん―

https://www.tablemark.co.jp/udon/udon-univ/index.html#tab-1

 

 


 

⑦ 《美味しい手延べ麺》手延べ半生うどん 編

 

これまでも石井製麺所では、伝統的な手延べ製法を護り続けながら、常により良い素麺、うどんを考えてまいりました。

なかでも季節限定の手延べ「半生うどん」は、最適な乾燥の見極めなど繊細な技術が求められ、日々の素麺づくりで磨かれた勘と、製法研究の積み重ねが活きてきます。

「半生うどん」のためだけに、無添加といえるこだわりの特別な小麦粉を使用しています。

これが、製法、気候と相まってもちもち感がたまらなく美味しい「半生うどん」に仕上げることができています。

 

手延べ「半生うどん」の 独特な食感には独自の製法が活きています。

「半生うどん」は、小豆島手延べ素麺と同じく手延べ製法で製造していますが、麺の太さが違うため、乾燥方法や乾燥時間がまったく異なります。

「半生うどん」では麺の太さを活かし外側と芯部分とで乾燥具合に差を付けます。

こうすることで、芯部分の水分が時間をかけて麺全体にゆきわたり、手延べ製法ならではのツルツルなめらかな舌触りと、まるで生麺のようなもちもちした独特の食感が生まれるのです。

 

麺のもちもち感を生む小豆島の冬の気候も、美味しい「半生うどん」をつくるのに欠かせません。

優しい陽射し、吹き抜ける島風、程良い気温で冬も比較的穏やかな気候の小豆島。

絶妙な乾燥具合を実現できるこの環境こそが、美味しい「半生うどん」にとって必要不可欠な製造条件といえます。

 

しかしながら、しっかりと乾燥させる素麺と違い保存期間が短く、蒸し暑さに弱いという課題が生じてしまいました。

そこで、私どもとしては、皆さまに美味しい麺をお届けするのはもちろんですが、何よりも安全・安心な麺をお届けすることを目標としており、誠に勝手ながら「半生うどん」は季節限定の販売とさせていただいております。

 

石井製麺所での「半生うどん」の製造現場。「天日干し」の様子。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べ半生うどん》 https://141seimen.thebase.in/categories/2325454

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年6月12日 【Vol.14】(番外編)『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』レポート 1日目

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.14(番外編)

『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』レポート

 

 

 

 

6月3日と4日の2日間、『第3回 全国そうめんサミット2023 in小豆島』が開催されました。

台風の接近で、サミットまで気が気でない1週間でしたが、本番は素晴らしいお天気、そうめんに相応しい晴れ空となりました。

 

今回はそうめんサミットのレポートをお届けしたいと思います。

 

 

【1日目】

 

スタートは『日本三大そうめん食べ比べ』から。

 

兵庫の播州そうめん、奈良の三輪そうめん、そして香川の小豆島そうめん。

それぞれのそうめんを食べたことはありますが、一度に3種類のそうめんを食べるのは初めての体験です。

 

             

 

まずは見た目の比較。

器に盛られたそうめんを見比べると、三輪そうめんが一番細いことがよく分かります。

播州そうめんと小豆島そうめんの違いは僅かですが、若干、小豆島そうめんが太いような気がします。

手延べ製法の性質上、太さに多少のバラつきが生じるので個体差はあると思いますが、見た目だけでも産地を判断できそうでした。

 

太さが異なれば、食感が変わります。

三輪そうめんは細いので、軽い食感になりそうですが、意外にも食べ応えがある印象でした。

これはおそらく、他のそうめんと同じ感覚で箸に取ると、細い分、より多くの本数のそうめんを取ることになるからかもしれません。

播州そうめんは、はっきりとコシが強いと感じました。

そうめんの一本、一本に存在感があります。気持ちよくのどを通る感じで、噛んだ時にプチっと歯切れのよい感覚も特徴でしょうか。

小豆島そうめんは、こればかりは食べ慣れているところもありますが、ツルツルっと軽やかなのど越しの良さを感じます。

違いを感じたのは歯ごたえ。

芯というほどはっきりしたものではないものの、最初はやわらかく、最後にプチっと切れるような、極端に言えば2段階の噛み応えでした。

 

そして、味の違い。

これが今回、一番分かりやすい違いでした。

小豆島そうめんは、言葉で表現するのは難しいですが、口に入れたとき、のどを通るときに感じる「風味」があります。

これはおそらく、使っている油が「ごま油」であることが理由だと思われます。

味に影響を及ぼすものとして原材料の違いは大きいはずで、「ごま油」の使用は小豆島ならではの特徴です。

はっきりと断定できないのは、その風味が「ごまの風味」だと言い切れないからです。

(私の舌が未熟だという可能性もありますが…)ごまの味がするとは言えないものの、鼻に抜けて感じられる風味があることは間違いありません。

これが、小豆島の島民にとっての「そうめんの味」なのだと改めて実感しました。

 

 

食べ比べてみると、たかがそうめん、されどそうめん、その美味しさには違いがありました。

「私は播州が好き」「私は三輪が一番」「やっぱり小豆島」そんな声が聞こえてくるのも当然だと思います。

繊細な味覚センサーは、その土地の気候、製造環境、職人さん独自のこだわりといった数値化できない微細な違いを感じ取っているのかもしれません。

 

 


 

次に向かったのは『式典・鑑評会結果発表・表彰式』、および『公開討論会』。

 

今回のサミットでは、「そうめんは、宇宙だ!」と題して、「そうめんを食す。そうめんを語る。そうめんを学ぶ。」ことを掲げています。

これが本サミットのメインイベントです。

サミット=首脳会議の名の通り、全国からそうめんおよび乾麺に関わる組合、企業の代表者や生産者の方々が集まりました。

 

 

業界初の試みとして、『第1回 全国そうめん鑑評会』が実施され、その結果発表と表彰式が行われました。

「業界の技術研鑽・品質向上につなげるだけでなく、縮小していくそうめん市場を上向きにし、手延べ文化の維持継承、そうめんに対する消費者の認識・心理的価値を高め、そうめん文化全体を向上させる」ことを目的としています。

全国から全16作品の応募があり、同条件のもと食味に関するブラインド審査の結果、金賞6作品、入賞10作品が選ばれました。

 

【金賞】以下、五十音順

◯静岡県浜松市 池島フーズ株式会社

◯岡山県浅口市 かも川手延素麺株式会社

◯香川県小豆郡 創麺屋株式会社

◯徳島県つるぎ町半田 半田手延べそうめん協同組合

◯兵庫県たつの市 兵庫県手延素麺協同組合

◯長崎県南島原市 島原手延素麺協同組合/平川製麺

 

【入賞】以下、五十音順

◯兵庫県南あわじ市 淡路手延素麺協同組合

◯岡山県 岡山県製粉製麺工業協同組合

◯兵庫県たつの市 カネス製麺株式会社

◯香川県坂出市 木下製粉株式会社

◯愛知県蒲郡市 株式会社金トビ志賀

◯秋田県湯沢市 株式会社後文

◯茨城県稲敷郡 茂野製麺株式会社

◯香川県小豆郡 小豆島手延素麺協同組合

◯長崎県南島原市 長崎県有家手延素麺協同組合

◯奈良県桜井市 奈良県三輪素麺工業協同組合

 

地場産の小麦粉をはじめとする国産原料を使用したそうめんや、食塩や油を使わないそうめんが出品されていました。

小麦粉以外の原料を練り込むそうめんは、今回の応募条件から除外されていたので、シンプルに、小麦粉の味や、製法や技術が評価されやすい鑑評会になったのではないでしょうか。

 

審査員の方々のコメントを聞くと、どれも美味しく、甲乙をつけるのが難しかったようです。

しかし、5項目(味/香り/コシ/のどごし/色つや)の評価基準で点数化された審査だったため、やはり金賞作品には、金賞たる理由があるのだと思います。

可能であれば、各作品について、具体的な感想を聞きたかったというのが本音ですね。

 

公開討論会では、審査員の方々と業界団体の代表者の方々が登壇され、鑑評会の結果も踏まえて議論が行われました。

生産者、販売者、飲食店、それぞれの立場から、そうめんの未来を考えます。

 

そうめんの生産量が減少している、という業界全体の課題。

原因はいくつかあるのでしょうが、食生活の多様化の影響が言及されていました。

日本三大そうめんを食べ比べただけでも分かったように、そうめんには個性があります。

最近は、都内にそうめん専門店が増えており、「そうめんの食べ方」が注目されているようで、料理に合わせて最適なそうめんを選ぶことが大事とのこと。

私も恵比寿にある専門店『そそそ』を訪ねたことがありますが、「明太クリームそうめん」といったメニューが人気を博しているそうです。

 

飲食店においては、のびにくさも重要になります。

そこで提案されていたのは、「古(ひね)」と呼ばれる熟成麺の活用です。

播州そうめんでは特に、古物(ひねもの)として、ワンランク上のそうめんとして扱われています。

冬に製造したそうめんを、ひと夏(梅雨の時期)の間、蔵の中で寝かせたものを指します。

熟成したそうめんはコシが強くなり、茹でのびもしにくくなるという特徴があります。

 

一方で、新しいそうめんにも、新しいそうめんらしい良さがあり、やはり原料由来の風味が際立つのは新しい麺とのこと。

これは弊社でも大事にしている考え方になります。

ごま油を使用していたり、その風味が特徴である小豆島そうめんにとっては、できたての新しいそうめんを食べるのが合っていると思います。

そのため、小豆島では古物(ひねもの)は一般的ではないですが、麺のコシが強くなる現象は有効活用できると考えています。

たとえば、練り込み系のそうめんは、その原料によってはコシが弱くなることがあるようです。

そんなとき、数か月の熟成を経ることでコシを強くできる可能性も考えられますね。

 

後継者不足の問題にも話が及びました。

跡を継ぐ若い人がいないことは、産地を問わない共通の課題です。

小豆島そうめんの場合、平成初期には200件を超える製麺所がありましたが、今では60件ほどになっているそうです。(小豆島手延素麺協同組合の組合員数)

 

手延べそうめんは、その製法上、長時間作業が必要とされます。

弊社の場合、早朝の3時30分から、およそ15~16時間といったところでしょうか。

これは小麦粉の性質を最大限に生かし、“寝かせては延ばす”を繰り返して麺にしているからです。

美味しさのためには妥協できない、ひとつひとつの工程があります。

そうめん屋単独では、これ以上の作業時間、工程の短縮化は難しいのが現状です。

 

しかし、他産地では、小麦粉など原料メーカーや製麺機械メーカーとの「協同での技術発展」が既に行われているそうです。

製麺所が要望を出し、新しい小麦粉や機械が開発され、製麺所が実験する。その繰り返しで、作業時間が12時間まで短縮されているとのこと。

会場でお会いした機械メーカーの方から、「小麦粉を練る機械も進化しており、練り方によってその後の熟成時間を短縮できる」という話もお聞きしました。

 

小豆島のそうめん屋は、他産地と比較しても、1軒あたりの規模が小さいそうです。

(もちろん、規模だけが理由にはなりませんが)弊社もいわゆる家族経営(両親と私)の1社ですので、長年の製麺経験による経験値と技術はあっても、科学的な知見が不足しているのは間違いありません。

 

自社だけでできることに、限界があるのは明らかです。

 

討論会を聞きながら、協働での技術発展が不可欠だという理解とともに、その主導はそうめん屋(生産者)でなければならないと強く思いました。

 

そうめんを深く知り、料理へ生かすことも大切ですが、たとえば「パスタ風にアレンジしたそうめん」があったとして、それはどこまでいっても「~風」でしかなく、パスタには敵わないものだと思います。

本当に必要なのは、他の麺類に寄せていくような、そうめんのアレンジに留まることなく、そうめんそのものの進化と呼べるような、新しいそうめんの開発だと考えています。

生産者にとっても、もちろん食べる人にとっても新しい、画期的なそうめん。

業界が活気づくような、斬新な切り口のそうめん。

奇をてらうのではなく、しかし「おもしろい!」と感じていただける、そんなそうめんを創りたい。

 

幸いなことに、弊社では新商品やOEM商品の開発にあたって、製粉会社さんや地元研究機関の専門家の方にご協力をいただいております。

「協同」をこれから必要不可欠になる手段と捉えて、主体的に動く。討論会を踏まえた、自分なりの結論です。

 

 


 

1日目の最後は懇親会です。

 

遅れての参加になってしまい、会場に入ると宴もたけなわでした。近くの席には島の同業者の皆様、同じテーブルには素麺組合の皆様。

実は、素麺組合の、特に生産者の方々とお話するのは、これが初めてでした。

素麺組合には若い組合員で青年部が組織されているそうです。

小豆島において、組合員ではない、いわゆる独立した弊社のようなそうめん屋は、通称アウトサイダーと呼ばれています。

言葉だけ聞くと悪い意味に受け取られるかもしれませんが、あまり深い意味はないはずです(笑)。

「立場や所属の垣根を取り払って、技術交流ができれば…」若手の生産者としてのつながりが、これからの小豆島そうめんにとってプラスになると考えています。

 

また、ツイッターでフォローをいただきました、そうめん研究家のソーメン二郎さんと、初めてご挨拶をさせていただきました!

ソーメン二郎さん、業界で知らない人はいないでしょうし、そうめんのPRでテレビや雑誌でも大活躍されております。

そうめん発祥の地、奈良県桜井市のご出身、三輪そうめんの製麺所の家系のお生まれで、「実家に帰省するたび、製麺所の廃業を目の当たりに」されたことで、そうめん業界に対する危機感を抱いたそうです。

 

 

最近では「クラフトソーメン束の会」を主宰され、全国の小規模な手延べそうめん製造所のつくるそうめんにスポットライトを当てる活動をされています。

いつか、ソーメン二郎さんにも注目してもらえる、新作そうめんを創りたいです。

 

参考サイト:https://www.mizkan.co.jp/craft-somen/

 

2日目に続きます。。。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2023年4月23日 【Vol.12】手延べ素麺三大産地のひとつ・小豆島について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.12

手延べ素麺三大産地のひとつ・小豆島について

 

 

 

 

素麺の産地・香川県小豆島は、瀬戸内海に浮かぶ島です。

穏やかな海に囲まれ、風光明媚な景勝地や食にまつわる施設など、見どころいっぱいの観光地でもあります。

お出かけに最適なこれからの季節、足を延ばしてみてはいかがでしょうか?

6月3日・4日には、小豆島で「全国そうめんサミット」が開催される予定。

兵庫県播州、奈良県三輪につぐ第3回となり、関係者だけでなく一般の方にも楽しんでいただける食べ比べなどのイベントが盛りだくさんだそうです。

今回は、小豆島の観光情報や特産品についてご紹介します。

 

三代目:今回は、夏の需要期を迎える前に今一度、三大産地として整理してみたいと考えました。

そのきっかけは、「全国そうめんサミット」です。

基本的には、小豆島手延素麺組合様が仕切ることになりますが、小豆島で製麺に携わる者として、全く無関係ではありませんし、もちろん、準備や出店でお手伝いもしてまいります。

何よりも楽しみにしているのは、これまでブログでも触れてきた産地の方々にリアルにお会いできることです。

きちんと胸を張って、小豆島手延べ素麺の製麺所三代目として、ご縁をいただく皆さまにご挨拶できるように振り返りの意味も含めてブログに書いてみました。

「全国そうめんサミット」に向けて、小豆島にお越しになる皆さまのご参考になれば幸いです。

 

<参考サイト>

・第3回全国そうめんサミット2023in 小豆島 公式サイト

https://somen-summit-2023.com

 

※写真はphotoAC「オリーブ公園の風車から見える風景」より

 

【目次】

① 小豆島でおすすめの観光スポット

② 食の特産品が豊富な小豆島

③ 小豆島が素麺づくりに適している理由

④ 小豆島手延べ素麺と讃岐うどんの違い

⑤ 《産地紹介》富山県・大門(おおかど)素麺

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

 


 

① 小豆島でおすすめの観光スポット

 

小豆島と聞いてどんなイメージを思い浮かべますでしょうか?

島には自然や文化、グルメなど、様々な魅力があふれています。

そんな小豆島の魅力を存分に体感できるおすすめスポットを、厳選してご紹介します。

※営業状況など詳細については、各施設にお問い合わせください。

 

【道の駅 小豆島ふるさと村】

遊ぶ・体験する・泊まる・食べる・買う、の5つを楽しむことができる公共の施設。

「手延べそうめん館」では、素麺の製造工程を見学することができます。箸分け作業の体験(有料)や試食も。

「全国そうめんサミット」の会場にもなります。

 

【醬の郷(ひしおのさと)】

小豆島の地場産業である醤油と佃煮の工場が集中するエリア。

明治時代に建てられた醬油蔵の漆喰の白壁が、風情ある景観を生んでいます。

醬の郷にある「マルキン醤油記念館」では、小豆島独自の醬油の製法が紹介されており、醤油を使ったグルメも堪能できます。

 

※写真はphotoAC「醤の郷」より

 

【かどや製油 資料展示室「今昔館」】(現在は休止中)

安政5年(1858年)の創業以来、発祥の地である小豆島でごま油をつくり続けるかどや製油さんの工場内にある資料展示室。

ごま油の製造工程や歴史を学んだり、テイスティングを体験したりできます。

 

【オリーブ園】

全国で最初にオリーブ栽培に成功した、日本のオリーブ栽培発祥の地。

3ヘクタールの敷地には、日本最古のオリーブの原木を含む約2,000本のオリーブが植えられています。

世界各国のオリーブオイルをブレンドしてオリジナルオイル作り体験も。

 

【エンジェルロード】

1日2回、引き潮の間だけ現れる、島から島へ歩いて渡れる砂浜の道。

大切な人と手をつないで渡ると幸せになれるという言い伝えがあるそうです。

 

※写真はphotoAC「小豆島エンジェルロード(道が出現する前)」より

 

【寒霞渓】

国立公園で、日本三大渓谷美のひとつ。

ロープウェイから、美しい溪谷と瀬戸内海の素晴らしい景色を一望できます。

秋の紅葉シーズンは、全国各地からたくさんの観光客の方がお越しになります。

 

※写真はphotoAC「秋の寒霞渓」より

<参考サイト>

・小豆島観光マップ

https://www.shodoshima-kh.jp/enjoy/map.html

・自然もグルメも楽しめる小豆島のおすすめ観光スポット11選

https://www.knt.co.jp/travelguide/kokunai/052/

・ここは押さえておきたい!小豆島のおすすめ観光スポット22選

https://www.ikyu.com/kankou/arealist8428/

・小豆島ふるさと村 素麺工場・見学体験

https://www.shodoshima.jp/expelience/taiken/visitor/567.html

・醤の郷(ひしおのさと)

https://shodoshima.or.jp/sightseeing/detail.php?id=270&c=2

・マルキン醤油記念館

https://marukin.moritakk.com/kinenkan/

・ごま油資料展示室見学 -かどや製油-

https://shodoshima.or.jp/sightseeing/detail.php?id=163&c=2

・かどや製油の資料展示室 今昔館のご案内

https://www.kadoya.com/enjoy/page04.html

・小豆島オリーブ園

https://www.1st-olive.com/guide/

・エンジェルロード

https://www.shodoshima-kh.jp/angel/

・寒霞渓の魅力

https://www.kankakei.co.jp/miryoku/

 

 

 


 

 

② 食の特産品が豊富な小豆島

 

小豆島には、素麺の他にもいろいろな特産品があります。

「オリーブオイル」「醤油」「佃煮」の3品目には、地域食品ブランドの表示基準である「本場の本物」に認定されている商品もあります。

小豆島の素麺づくりに欠かせない「ごま油」も、島の特産品です。

 

【オリーブオイル】

日本のオリーブ栽培は香川県が95%を占め、オリーブオイルの生産量も日本一。

小豆島オリーブオイルは、精製油や添加物をまったく加えず、オリーブの実を搾っただけのフレッシュな香りと風味が特徴です。

地元で丁寧に手摘みした新鮮な果実を、すぐさま地元の工場に運び、非加熱でつくっています。

明治41年(1908年)、試験的に植樹されたオリーブが、温暖で雨の少ない小豆島の気候風土で根付き、定着しました。

宮内庁御用達の品目に選ばれたり、世界規模のオリーブオイル品評会で好成績を収めたりしたこともあるそうです。

5月頃にオリーブの花が咲き、6月頃から小さな実を付け、徐々に大きくなり9月の下旬には収穫が始まります。

10月10日に「オリーブの新漬け」が解禁され、いよいよオリーブの旬の季節になります。

農家さんは毎日のように収穫に追われ、翌年の1月頃にはだいたいの収穫が終わり、オリーブオイルの搾油作業を行っているようです。

日本の気候で育つオリーブで作られたオイルはとてもマイルドで、和食にとても良く合い、発酵食品にもピッタリだと言われます。

そうめんつゆに数滴垂らして召し上がっていただければ、清々しい香りとめんつゆのコクが相まって、上質なそうめんを味わっていただけるのではないでしょうか。

 

 

【桶(こが)仕込醤油】

小豆島は江戸時代から約400年つづく醬油の産地。

日本の4代醬油産地のひとつでもあります。

色やコク、香りがよい島の醬油は、昔から桶(こが)と呼ばれる巨大な杉の桶を使って醸造(発酵・熟成)されてきました。

桶(こが)の大きさは、上部の直径が約2.2メートル、深さ約1.7メートル、容量約32石(5800リットル)。

古いものは100年以上、新しいものでも50年ほど使いこまれており、100~200種類もの酵母菌や乳酸菌といった微生物が棲み着くことで、味わいやうま味を引き出せるそうです。

化学調味料、合成保存料、合成着色料などは一切使用せず、1~2年かけてゆっくり発酵・熟成させてつくられるものや、一度仕込んだ醤油を基にさらに仕込む「再仕込み醤油」などもあります。

小豆島の醤油蔵では、昔ながらの桶仕込みだけでなく、最先端の技術を活用して効率良く醤油をつくる技術も持っています

「グルテンフリーの醤油」や「オリーブ酵母で仕込む醤油」など、バラエティに富んだ様々な醤油もつくられています。

また、醤油をベースに、出汁の素やめんつゆ、ポン酢、ドレッシングなど家庭になくてはならない調味料の開発も行っておられます。

 

 

【佃煮】

太平洋戦争後の昭和20年(1945年)、特産品である醤油を活用した島の経済復興を目的として、佃煮がつくられ始めました。

食糧難の時代に芋のつるを醤油で煮込んだ佃煮を開発したところから始まったそうです。

現在、佃煮の素材は島で数百以上もあるとされますが、「本場の本物」認定品は、30年以上にわたり使われ続けている昆布、のり、わかめ、しいたけ、おじゃこちりめん、きゃらぶきの6品目だけとされています。

具材へのこだわりはもちろん、製造技術に多くの特徴を持つ会社もあります。

最近では、「宇宙食」としての佃煮製造技術を持つ会社から、化学調味料・合成保存料・合成着色料を一切使用せず、自然そのままの味わいにこだわり、心から安心して楽しむことができる佃煮の製造にこだわる、昔ながらの佃煮工場もあります。

 

【ごま油】

江戸時代末期の安政5年(1858年)、小豆島で創業したのが、ごま油の国内シェア50%以上を占めるかどや製油さんです。

小豆島の手延べ素麺づくりにごま油が使われるからこそ、小豆島で創業されたといえるでしょう。

国内流通する量のほとんどを小豆島にある大規模工場で生産しておられます。

工場は土庄港の近くにあり、風向きによってはごまのよい香りが町中に漂います。

 

<参考サイト>

・本場の本物  現在の認定品目

https://honbamon.com/product/index.html/page/2

・小豆島ってどんな島?(産業)

https://shodoshima.or.jp/what/industry/

・小豆島町の特産品 本場の本物

https://www.town.shodoshima.lg.jp/gyousei/kakuka/shokokanko/4/899.html

・産業について

https://www.town.shodoshima.lg.jp/kanko/other_info/specialty/3410.html

・「かどや製油」ごま油一筋で159年栄える秘密

https://toyokeizai.net/articles/-/178988

・食の原点 小豆島

http://shodoshima-food.com/?page_id=38

・日本一の生産量「ごま油」

https://furusato-tonosho.furusato-basic.com/features/detail/27

 

 


 

 

③ 小豆島が素麺づくりに適している理由

 

小豆島の特産品として忘れてはならないのが、手延べ素麺。

小豆島が素麺の名産地になったのには、いくつかの理由があると考えられます。

ひとつは気候。

瀬戸内海に位置する小豆島は、気候が穏やかで雨が少なく、素麺づくりの最盛期である冬も雪が降ることはほとんどなく乾燥しているため、天日干しでの素麺づくりが行われています。

また、瀬戸内海でとれる塩、以前では讃岐平野で栽培されていた小麦(現在は手延べ素麺作りに合う海外産の小麦を国内で精麦して使用している場合もあります)、良質な清水などの原料が調達しやすかったことも理由のひとつといえるでしょう。

小豆島手延べ素麺づくりに欠かせないごま油や、素麺にベストマッチの醬油が小豆島の特産品であることも、何らかの因果関係がありそうです。

 

 

<参考サイト>

・小豆島ってどんな島?(基本・地勢・気候)

https://shodoshima.or.jp/what/

 

 


 

 

④ 小豆島手延べ素麺と讃岐うどんの違い

 

小豆島のある香川県にはもうひとつの有名な麺、讃岐うどんがあります。

素麺とうどんはどちらも小麦粉でつくる麺なので、違うのは太さだけと思っている方がおられるかもしれません。

実際は製法が大きく異なるため、それに伴って使う原料や食感なども変わってきます。

具体的にどんな違いがあるか、ご紹介します。

(讃岐うどんにも手延べ製法でつくられたものがありますが、ここでは手打ちうどんと手延べ素麺を比較してご紹介します。)

 

・油を使うか使わないか

まずは原料について。小麦粉・塩・水は共通ですが、素麺はそれに加えて食用油が必要です。

小豆島手延べ素麺ではごま油を使用しています。

油がえしという製造工程で、麺の表面の乾燥を防ぎ、生地同士がくっつかないように油でコーティングします。

手打ちうどんでは油は必要ありません。

 

・生地をのばすか切るか

手延べ素麺は、練り合わせた生地に油を塗ってよりをかけ、のばしては重ねて…を繰り返しながら細長くしていきます。

この工程により、小麦粉に含まれるグルテンが一定方向に、重なった地層のように組織されます。

これをさらによりをかけながら細くのばすことで、断面が丸くなり、なめらかな食感とコシ、つるつるとした喉越しが生まれるのです。

時間が経ってものびにくいのも特徴のひとつです。

 

同じ素麺でも手延べではなく、機械で生地を薄くのばし、細く切って乾燥させる「機械製法」で作られた素麺は、断面が四角く、大量生産に向き比較的安価でできますが、手延べ麺のようなツルツル感はありません。

手打ちうどんの場合は、小麦粉・水・塩を混ぜた生地をこねては熟成し…を繰り返して生地を鍛えます。

それを麺棒で薄くのばして、包丁で切ります。原料から麺に仕上がるまでの時間は、手延べ製麺よりはるかに短いです。

グルテンの組織を包丁で断ち切るため、麺の断面は四角く、しこしこした食感が生まれます。

 

・太さの違い

素麺とうどんの乾めんについては、日本農林規格(JAS)により、直径1.3ミリメートル未満のものが素麺で、1.7ミリメートル以上がうどん、と太さの規格が定められています。

石井製麺所では、冬季限定で「手延べ半生うどん」を販売しております。

小豆島手延べ素麺の製法で仕上げた、角のないツルツル、モチモチした食感が好評いただいております。

また賞味期限の長い「手延べ乾うどん」は通年販売。

素麺と食べ比べていただける「手延べ太さくらべセット」もご用意しております。

太さによる味わいの違いを、ぜひ実感してみてください。

 

三代目:よく勘違い?されるのが、讃岐うどんと小豆島手延べ素麺を同じもの?に思われることです。

うどんがあるから素麺がある(うどんを細くして素麺を作っている)と思われる方もいらっしゃいますし、実際にそうだと思っていたというお話をよくお聞きします。

ですが、太さは置いておいて、製法はかなり異なる物です。

どちらが簡単と言うことではないのですが、素麺の場合、細く伸ばす分だけどうしても時間がかかる物だと思います。

また、讃岐うどんは“打ちたて”を味わうのが一番ですが、素麺は完成後も(保存状況はしっかりと管理する必要はありますが)、さらに寝かせることで“古物(ひねもの)”と言われる希少な高級素麺になります。

同じような地域で似て非なる食品が発展するのは、離島である地理的な特徴(ガラパゴス的)なのかも知れませんね。

 

 

<参考サイト>

・手打ちと手延べの違いまとめ|麺の原料や製法に食感の秘密があった!

https://mlb-nff-nba.com/%E6%89%8B%E6%89%93%E3%81%A1%E3%81%A8%E6%89%8B%E5%BB%B6%E3%81%B9%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%EF%BD%9C%E3%82%88%E3%82%8A%E6%89%8B%E9%96%93%E3%81%8C%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/

・うどんとそうめんの違い

https://www.flour.co.jp/news/article/070/

 


 

 

⑤ 《産地紹介》富山県・大門(おおかど)素麺

 

庄川の扇央部から少し下がったところにある、砺波市大門(おおかど)地区で伝統的につくり続けられている手延べ素麺。

「丸まげ素麺」とも言われるユニークな形状が特徴です。

古風な和紙の包み紙ひとつひとつには、製造者の氏名が記されています。

初冬から晩春にかけ、清流庄川の水を使ってつくられる素麺は、鉢伏山から吹きおろす寒風で乾燥させることで、よくしまったコシのあるなめらかな麺に仕上がります。

細くて長い麺が完全に乾かないうちに丸めて仮包装し、さらに10日間かけて本乾燥する、手間ひまかけた素麺です。

天気が変わりやすいこの地で、外干し作業中に雪が降ってきてもすぐ屋内に運べるよう、麺を丸めるようになったといわれています。

ゆでる時には、丸まげ状の麺を2つに割らないと、とても長い素麺になってしまうとのこと。

丸い形状が鍋にすっぽりとおさまるのでゆでやすいそうです。

 

大門素麺の起源は江戸時代後期にさかのぼります。

大門村の売薬行商である田守三石衛門が加賀藩の御用素麺を持ち帰ったことから、中島次兵衛という村人が加賀に行ってその製法を習得したそうです。

そして村の有志で農閑期の副業として素麺づくりを行うようになったのが始まりといわれています。

最盛期の昭和初期には60数軒の農家で取り組んでいたという記録があるそうですが、現在では12軒前後の農家が素麺づくりに従事しているとのことです。

 

 

<参考サイト>

・砺波市じまんの特産品 大門素麺

http://www.tapc.jp/tokusan/tokusan_somen.html

・古来より伝わる手法をそのままに江戸時代から作り続けられている丸まげ素麺

https://www.corezo-mall-tokusyu.com/ookadosoumen

・JAとなみ野 大門素麺

https://www.ja-tonamino.jp/tokusan/ookado?pcview=true

・大門素麺

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%96%80%E7%B4%A0%E9%BA%BA

・大門素麺について

https://kakizato.jp/noodles/

 

 


 

 

⑥ 《美味しい素麺》手延べレモン素麺 編

 

昨年、大変ご好評をいただいた「手延べレモン素麺」が5月1日から販売を再開いたします!

2022年5月の発売から夏季限定品として発売し、8月末日までに約4000袋も販売させていただきました。

本当にありがとうございます。

その人気の「手延べレモン素麺」が帰ってきます。

当社独自製法により、小麦と一緒に瀬戸内産レモン果皮を練り上げていますので、麺を口に運ぶたび、ふわっとレモンの香りが拡がります。

食欲の落ちる暑い日でも、食欲をかき立てる優しいレモンの香り。

暑い夏に、ぜひおすすめしたい素麺です。

もちろん、香料・着色料・保存料は一切使用していませんので安心してお召し上がりください。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年4月10日 【Vol.11】各地の特産品や健康への想いを練り込んだ素麺について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.11

各地の特産品や健康への想いを練り込んだ素麺について

 

 

 

 

素麺は、小麦粉・水・塩といったシンプルな食材で作られています。

しかしながら、長年にわたる素麺の製造の歴史において、産地ごとの特性アピールの必要性の高まりや、製麺所独自の開発などにより、さまざまな素麺が作られるようになってきたのではないでしょうか

スープや具材の添付、特徴的なパッケージなどで差別化が図られているものもありますが、今回は製造する過程で別の食材を生地に練り込むことにより、独自の色あいや味わいを生み出しているものを調べてみました。

食材を加えることで見た目の変化だけでなく、その食材が持つ風味や健康効果を素麺にプラスすることができます

思い通りの商品を完成させるまでには、配合量や製法などさまざまな試行錯誤が必要ですが、全国各地でバラエティ豊かな練り込み素麺が数多く生み出されています。

素麺を使ったさまざまなメニューも魅力的ですが、素麺自体の特色を楽しんでいただくきっかけになればと思います。

今回は、いろいろな食材を練り込んだ素麺について調べた結果をご紹介します。

 

※以下にご紹介する素麺は、2023年4月10日現在の当社調べになります。ご紹介した地域以外でも同様の商品を扱っておられるかもしれませんのでご了承ください。

また、これ以外にもこんな食材を練り込んだ素麺がある、という情報をお持ちの方は、ぜひお知らせください。

 

三代目:インターネットで調べただけですので、産地に行けばもっと色々な素麺があると思いますが、それでも本当にたくさんの素麺が見つかりました。実際に石井製麺所でも、さまざまな素材を加えて製麺していますが、思った通りの色が出なかったり、素麺の細さにまで伸ばせなかったりとひとつの麺を作るのも本当に大変です。

様々な産地の製麺所が独自性を出すために多種多様な素麺を作られていることを知ると、「負けていられない!」と“製麺者魂(?)”に火が付きます。

年々、色々な原料メーカーや販売店様から新麺開発のご相談もいただきます。

今後もノウハウをしっかりと蓄積しながら、美味しい素麺を作り続けていきたいものです。

 

 

【目次】

① 各地の特産品や想いを練り込んだ魅力的で独特な素麺たち

② 《産地紹介》岩手県・卵麺(らんめん)

③ 石井製麺所の新しい素麺への想い・これからの素麺作り

④ 《美味しい素麺》手延べ 小豆島オリーブオイル素麺 編

 

 


 

① 各地の特産品や想いを練り込んだ魅力的で独特な素麺たち

 

国内のさまざまな素麺の産地や製麺所では、多種多様な食材を練り込んだ素麺(麺)が開発されているようです。

インターネットでざっと調べただけでも、60種類以上が確認できました。

中には、味の想像がつかないようなものも。

大まかに分類してご紹介します。

 

 

まずは、海産物を使った素麺から。日本は海に囲まれているので、色々なものができそうですね。

<海藻>

素麺につきものの海苔や、だしに欠かせない昆布などの海藻は、素麺と相性が良いようです。

粉末にして練り込むことで、磯の風味が加わったり、独特の粘りが弾力を生んでのど越しが良くなったりといった相乗効果が得られます。

佐賀県有明海の海苔や、岩手県三陸産の昆布やメカブ徳島県鳴門のワカメ宮城県のアカモク(新潟県ではナガモと呼ばれているそうです)、新潟県のフノリなどを使った素麺が作られています。

 

<魚介類>

魚介類を練り込んだ素麺は、麺自体からだしが出るので、より旨みが増すようです。

熊本県甲佐町で育てたウナギの白焼きを練り込んだもの。

タイのエキスを入れた縁起の良い素麺。

ウニを練り込んだ風味豊かなもの。

オキアミの一種であるイサダを使ったピンク色の素麺や、イカスミを入れた真っ黒な素麺もあります。

 

※写真はphotoAC「小豆島エンジェルロード(道が出現する前)」より

 

小麦以外のものを使用した麺や穀物・豆類・芋などを練り込んだ珍しい素麺たち。

<穀類>

山形県のブランド米「はえぬき」「どまんなか」、それぞれの米粉を使用した素麺もあります。

岩手県一関市では古代米の「黒米(紫黒米)」を、山形県西川町では発芽胚芽米を練り込んだ素麺も。

 

岩手県軽米町で作られる稗(ひえ)を使った素麺は、胡桃に似た甘味とシコシコした食感が特徴だそうです。

長崎県には、雑穀16種類(小豆・もちきび・もち麦・もち玄米・ハト麦・もち赤米・黒豆・丸麦・稗・青大豆・発芽玄米・もち黒米・とうもろこし・もちあわ・胚芽押麦・黄大豆)を練り込んだ素麺が。

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な、体に良い素麺とのことです。

 

<ごま、芋、豆類>

石井製麺所でも販売している黒ごまの粉末を練り込んだ素麺は、兵庫県播州や長崎県島原といった素麺の産地でも作られていますが、熊本県に本社のあるごま食品製造販売会社・オニザキさんの「黒胡麻そうめん」は、なんとごまの粒をそのまま生地に練り込んでいるそうです。

ごまの風味と食感がしっかり味わえる素麺ですね。

 

新潟県では五泉産のえごまの葉を練り込んだ素麺があります。

九州産の紫芋や、山口県柳井でとれた自然薯を入れたものも。

京都府丹波市や岡山県美作市では、それぞれの地域で生産した黒豆を使った素麺を作っています。

 

 

食材として練り込みやすいのは野菜や薬草など。キレイな色の麺に仕上げることもできます。

<野菜>

全国各地で、それぞれの地域の特産品である野菜を練り込んだ素麺が開発されているようです。

なじみ深いものでは、ニンジンカボチャホウレン草オクラトマトタマネギゴボウレンコンシソ小松菜など。

他にも、岐阜県大垣市では地域で苗から育てた明日葉が、石川県金沢市では能登野菜の中島菜が、それぞれ素麺に使われています。

 

<果物>

石井製麺所ではオリーブオイルを練り込み、表面にも塗って仕上げたオリーブオイル素麺がありますが、同じく小豆島でオリーブの果実を練り込んだ素麺を作っておられる生産者さんもいます(ちなみにオリーブは野菜ではなく果物に分類されるようです)。

や、カボス伊予柑ユズミカンなどの柑橘類は、その酸味が素麺と相性ばっちりですね。

これらの果物の産地で、練り込み素麺が作られているようです。

驚いたのは、甘い果物を練り込んだ素麺の種類の多さです。

栃木県のイチゴ「とちおとめ」山形県のサクランボ千葉県市川の梨大分県清川の桃なども、その果汁を使用した素麺が販売されています。

他にブルーベリーメロンブドウネーブルなどの素麺もあるようです。

小豆島でもスモモの素麺があります。

ユニークなのは福岡県香春町の柿の皮を使った素麺。特産品である干し柿の製造過程でできる渋柿の皮を練り込んでいるそうです。

味はほんのり甘みがあり、モチモチとした食感とのこと。

食材を無駄にせず有効活用する、素敵な取り組みですね。

 

<葉>

植物の葉にも、食物繊維が豊富なものや健康への効果が期待できるとして食用されるものがいろいろあります。

素麺の産地である徳島県半田では、稲の若葉山形県月山では、桜の葉千葉県市川では、国産の赤松の葉を粉にして練り込んだ素麺があります。

徳島県の特産品である阿波藍の産地・上勝町では、手摘みした藍の葉を天日乾燥して粉にし、素麺に練り込んでいます。

 

<薬味>

素麺にピッタリの薬味が、あらかじめ練り込まれた素麺もあります。

奈良県三輪市、栃木県栃木市、千葉県市川市では、ショウガ徳島県上勝町ではワサビが、粉末にして素麺に練り込まれています。

熊本県には、ニンニクを練り込んだ素麺もあるそうです。

 

<その他植物>

他にも、その地域ならではの植物を使った素麺が各地で販売されているようです。

素麺発祥の地といわれる奈良県三輪では、これまた特産品である吉野葛を加えた素麺が。

葛特有のつるみと弾力が味わえるそうです。

熊本県八代市は、畳の原料として知られるい草の産地。い草の粉末を入れた素麺が、学校の給食などにも採用されているそうです。

素麺の生産量第2位の長崎県島原では、昔から薬草を栽培していたそうで、4種類の島原薬草(オオバコ・ウイキョウ・ナズナ・タンポポ)を練り込んだ素麺があります。

 

 

輸出品としても人気のある、日本ならではの特産品を練り込んだ素麺たち。

<お茶、酒>

緑茶の粉末や抹茶を練り込んだ素麺は、長崎県島原市、奈良県三輪市、静岡県菊川市など、素麺やお茶の名産地で作られているようです。

岩手県北上市には、桑の葉の茶粉末を使った素麺があります。

兵庫県播州は、素麺とともに日本酒の産地としても有名。清酒を加えて作った素麺は、旨みが増し、のどごしがぐっと滑らかになるそうです。

 

 

<番外編>

【お!いしい けんぶんろく】Vol.6「冬が手延べ素麺づくりに最適な理由」でご紹介した、愛媛県の五色(ごしき)素麺。

もち麦・蜜柑・梅・抹茶などを練り込んだ色とりどりの素麺が特産品となっています。

 

三代目:こうしてみると本当に多種多様な素麺があることに驚かされます。

実際に試してみて断念したもの、まだ挑戦していないものなどもあるので参考にできれば。

特に難しいのが“伸ばし”に影響を受ける糖分や酸を含んだ食材を利用するときです。

カリウムが多いものなども影響を受けるようです。

産地の方々と交流しながら、自分たちの特色を出せる素麺開発に取り組めればよいなと思います。

 

<参考サイト>

・肥後そう川×甲佐養鰻場コラボ「くまもと うなぎ麺」

https://www.47club.jp/45M-000092mvx/goods/detail/10168401/

・軽米町産業開発の公式ショッピングサイト 稗そうめん

http://www.karumaisan.jp/shop/products/detail.php?product_id=41

・ごまのオニザキ 黒胡麻そうめん

https://www.onizaki.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=24&category_id=14

・上石津の特産品 明日葉そうめん

https://ogaki-tokusanhin.jp/product/product-52/

・【のと野菜使用】中島菜手延そうめん

https://www.umai-mon.com/user/product/24470

・手延べオリーブそうめん

https://www.saegusaseimen.com/item/OSS-1/

・福岡県香春町の特産品【柿皮そうめん】ドン‼

https://kawarakanko.thebase.in/items/30030013

・阿波藍そうめん

https://gin-sato.jp/SHOP/4580280300473.html

・【イナダ有限会社】栄養が凄いと話題の”食べるイ草”を専門店で堪能してきた

https://8246renraku.net/archives/inada-igusa.html

・島原手延べ薬草麺のスープカレーそうめん

https://www.yamaichi-shop.jp/SHOP/NYK-02.html

・日本盛 手延酒そうめん

https://shop.nihonsakari.co.jp/shop/g/g05477-0-0/

 

 

 

 


 

 

② 《産地紹介》岩手県・卵麺(らんめん)

 

岩手県では、盛岡冷麺・じゃじゃ麺・わんこそばなどたくさんの種類の麺が製造販売されています。

それらに比べて全国的な知名度は高くないようですが、岩手県の名産品のひとつとして地域に根付いているのが「卵麺」で、「鶏卵素麺」ともいわれます。

県南部の奥州市江刺区周辺でよく食されているそうです。

小麦粉と塩に、新鮮な卵をふんだんに使って練り上げる素麺は、黄色でほんのり卵の風味が感じられ、水分をあまり使わないためシャキッとした歯ごたえがあり、ゆでのびしにくいのが特徴とのこと。

 

今から約300年前、松屋十蔵というキリシタン信者が遠く長崎県から岩手県へ逃れてきました。

そしてオランダ人から伝授されたという鶏卵を使った麺を「蘭麺」として売り出したのが始まりと言われています。

卵と小麦粉を合わせるのは、カステラの製法から生まれたアイデアのようです。

明治時代になり、岩手を訪れた板垣退助がこの麺を大変気に入って「蘭麺」や「鶏卵素麺」より短く分かりやすい「卵麺」という名を提案した、というエピソードが伝えられています。

 

※写真はAdobe Stock「岩手県奥州市 春と明治記念館」より

<参考サイト>

・郷土料理|ほんのり香る卵と歯ごたえがおいしい 卵めん(岩手県)

https://www.shizensyokuhin.jp/archives/articles/753

・江刺岩谷堂 吉田製麺「卵めん」

https://www.umai-mon.com/user/collection/929

・卵めんの吉田製麺

https://ranmen.co.jp/item-detail/81000

 

 

 


 

 

③ 石井製麺所の新しい素麺への想い・これからの素麺作り

 

素麺は夏の食べ物というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、冷やしても温かくしても美味しく、一年を通して食べていただける食材です。

より多くの機会に、いろんな楽しみ方で食べていただけるよう、石井製麺所では厳選された食材を練り込んだ素麺の商品開発に積極的に取り組んでいます。

『食べて美味しいだけではなく、体にもうれしい、皆さんに喜んでいただける素麺を』

その想いで、健康に良い食材や、小豆島の特産品を練り込んだ素麺を開発しています。

 

こだわりの素麺をご紹介します。

 

<しょうどしま長命草素麺>

「1株食べると、1日長生きする」と言われるほど高い栄養価を持つとされる、小豆島の新しい健康食材「長命草」100%の粉末を練り込んでいます。

翡翠色で抹茶風味の中太麺で、温かいおだしともよく合います。

 

<楽々膳・黒>

「黒」の食材にこだわった健康麺シリーズ。

「薬膳」では黒い食べ物は冬に食べるとよいと言われているそうです。

小豆島産ひじき、香川県産きくらげ、黒ごまをそれぞれ練り込んだ素麺です。

 

<小豆島オリーブオイル素麺>

健康的なオイルとして注目される、貴重な小豆島産のオリーブオイルを生地に練り込み、表面にも塗って仕上げています

 

<レモン素麺>

瀬戸内産レモン果皮を使用。レモンの香りがふわっと広がり食欲をそそります。

 

<山芋素麺>

山芋パウダーを練り込み、もちもちツルンとした食感が特徴。

 

<蕎麦風味>

良質なそば粉と小麦粉、山芋パウダーを絶妙なブレンドで練り込み、オリーブオイルを表面に塗って仕上げています。

 

※写真は石井製麺所の手延べ麺 蕎麦風味の掛場のいちシーン

<参考サイト>

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

 


 

 

④ 《美味しい素麺》手延べ 小豆島オリーブオイル素麺 編

 

皆さんは「小豆島」といえば、何を連想されるでしょうか?

最近では新聞広告やテレビCMなどで多く見かけるオリーブ(オイル)だったりしませんでしょうか?

小豆島でのオリーブ栽培の始まりは約110年前に遡ります。

それから何度も栄枯盛衰を繰り返し、現在では小豆島の主要な特産品になっています。

しかしながら、小豆島内のオリーブ生産量は気候の影響や、農家さんの高齢化などもあり生産量は大きくなく、収穫も大変なご苦労があるとお聞きします。

そんな貴重な小豆島産のオリーブオイルを使用したちょっぴり贅沢な素麺です。

小豆島産のオリーブオイルを生地に練り込み、さらに表面にも塗って 仕上げた、ますます小豆島を感じていただける一品です。

健康的なオイルとして注目されるオリーブオイルは素麺との相性も良いので、よりなめらかで見た目にも美しい素麺ができます。

さっぱりとしてツルツルとした食感が楽しめる素麺です。

小豆島では5月頃に小さくて白いオリーブの花が見頃となりますので、観光にお越しの際はぜひご覧になってみてください。

 

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べ小豆島オリーブオイル素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/12170333

 

 

 

 

三代目:次回のブログは4/23ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年3月27日 【Vol.10】麺類の美味しさを際立たせる薬味や具材について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.10

麺類の美味しさを際立たせる薬味や具材について

 

 

 

 

素麺やうどんなどの麺類は、他の食材と合わせることで美味しさがより際立ったり、栄養バランスがぐんと良くなったりします。

香りや彩りを添える薬味や、ボリュームを増して新たな味わいを生み出す具材は、まさに多種多様。

麺の種類や地域によっても好まれるものが異なり、バラエティに富んでいます。

今回は、麺類によく合う薬味や具材について、その働きや地域による違いなどをご紹介します。

 

三代目:私がお素麺を食べるときは割とシンプルなつもりですが、地域やご家庭によっても食べ方に違いがあると思います。

特に具材などは、嗜好にもよるので多種多様な感じではないでしょうか。

また、麺類全般に視野を拡げると、うどんと素麺のように太さが違うだけの麺類でも、全くといって良いほど食べ方や盛り付け方も変わってきます。

今回は、ブログの中で他産地について書き進める内に、具材について気になったので調べてみました。

皆さんのご家庭ではどのように素麺を食べられるのでしょうか?

今回のブログで食べ方のバリエーションが拡がれば幸いです。

 

 

【目次】

① 薬味の歴史とその役割

② いろいろな薬味とその働き

③ 麺の種類別、人気の薬味や具材

④ 各地でいろんな具材と食べられている素麺

⑤ 健康に役立つ具材や食べ方

⑥ 《産地紹介》宮城県・白石温麺(うーめん)

⑦ 《美味しい素麺》手延べしょうどしま長命草素麺 編

 

 


 

① 薬味の歴史とその役割

 

薬味は、素麺やうどんなどの麺料理に欠かせない名脇役。

漢方用語で、主となる薬に加える補助の薬のことを「加薬味」と呼んだのが語源と考えられています。

中国では昔から、自然界に存在するすべての動植物は健康維持や増進にとって重要な食べ物であるという「食医同源」「食薬同源」の思想がありました。

ここから生まれた「中医学」が発展して「薬膳」となり、日本でも「医食同源」として、現代でも栄養学や健康のための食事指導などにおいて参考にされているそうです。

日本では中世より薬味の概念が発展し始め、江戸時代になってから広く利用されるようになったそうです。

大根・ネギ・シソ・カラシ・ショウガ・ワサビ・山椒・ユズなどが、料理に香りや辛みを加えるために用いられていたようです。

薬味の作用としては、食欲増進・芳香を添える・風味を添える・季節やいろどりを出す・異臭をやわらげる・毒消しや防腐効果・消化を助ける、といった働きがあると言われています。

 

三代目:私は、彩りや味の変化のつもりで薬味を使っていることが大半でしたが、語源から考えても“薬”と切っても切れない考え方だったんですね。

「医食同源」と言われるように、食は体の健康を支える大きな要因なのですから、“薬味”という考え方はとても重要なんだと考えさせられました。

ちょこんと添えるネギや生姜にも意味があって、それは先人からの教えでもあると思います。

麺づくりの麺を考えるだけでなく、具材も含めたお客様の食べ方もイメージして、考えることが大切なんだと改めて思いました。

 

 

<参考サイト>

・“薬味”は“薬”?

https://sozairyoku.jp/%E2%80%9C%E8%96%AC%E5%91%B3%E2%80%9D%E3%81%AF%E2%80%9C%E8%96%AC%E2%80%9D

・薬味の歴史と夏の薬味

https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho/1307_joho01.html

・日本における香辛料の発展と歴史

https://voxspice.jp/spicestory/1108

・そうめんに薬味が必要な理由とは?薬味の役割をご紹介

https://delishkitchen.tv/articles/483

・そばのあいうえお「や 薬味(やくみ)」

https://www.nichimen.or.jp/know/aiueo/ya/

 

 

 


 

② いろいろな薬味とその働き

 

麺料理などによく用いられる薬味について、期待される働きをご紹介します。

 

<ネギ>

アリシンという物質が含まれ、胃腸の働きを高める、血行を良くする、新陳代謝を活発にする、疲労物質である乳酸を分解する、などの作用があるとされます。

ビタミンなども多く含まれています。

 

<ショウガ>

辛み成分ショウガオールに強い殺菌作用があり、生で食べると解毒作用も。

香り成分シオネールには食欲増進作用が期待されます。

また、胃液や唾液の分泌を促して消化を良くしたり、加熱すると新陳代謝を促して、体を温め冷えを改善すると考えられています。

 

 

<ミョウガ>

香り成分アルファピネンに、食欲増進や消化促進、抗菌作用があるとされます。

血行を良くして発汗を促したり、ホルモンバランスを整えたりする働きもあると言われています。

 

<ワサビ>

アリルイソチオシアネートという辛み成分に、抗菌・抗虫作用や、食欲増進、血栓予防、免疫力向上などの働きがあるとされます。

 

<シソ>

香り成分ぺリルアルデヒドやシアニジンに殺菌・防腐作用があり、食中毒の予防が期待できます。

胃液の分泌を促して食欲を増進させたり、神経をしずめイライラを抑えたりする働きもあるとされています。

 

<三つ葉>

クリプトテーネンという香り成分に、食欲を増進させ消化を促したり、気持ちをリラックスさせイライラを解消させたりする働きがあるとされます。

 

<ゴマ>

栄養価が高く、血中コレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸や抗酸化物質も豊富に含みます。

そのままよりすりゴマにしたほうが栄養成分が吸収されやすいそうです。

 

<大根おろし>

ビタミンCやジアスターゼという消化酵素が多く含まれており、消化を助け、胃腸の働きを整える働きが期待されます。

辛み成分には、殺菌作用や臭みを消す働きもあると言われます。

 

<梅干し>

強い抗菌作用があり、食あたり予防に使われてきました。

クエン酸が豊富に含まれ、疲労回復にも期待されます。

血液をサラサラにしたり胃腸や肝臓の働きを高めるとも言われています。

 

<ユズ>

ビタミンCとクエン酸が豊富に含まれ、疲労回復に役立つとされます。

食欲増進や胃腸の働きを整える作用も期待できます。

 

<海苔>

食物繊維やビタミンB1、B2を多く含みます。

特にビタミンB1、B2は糖質を効率良くエネルギーに変えてくれるので、食欲が無いときや疲れやすいときに食べると疲労回復にも効果的。

 

三代目:麺料理ではないのですが、以前、台湾旅行で「酸菜白肉鍋」というお鍋料理を食べた時の話です。

たくさんの調味料や薬味、付け合わせが並べられていて、それを自分好みに“調合”してお鍋をいただくのですが、そのときの食べ方は同席した人それぞれでした。

食べるメニューは同じなのですが薬味で個性が出るというか、変化を付けることでそれぞれの味になるのは面白いなと感じたことがあります。

今思えば、その時の体調で食べたい味を無意識に調整していたのかも知れません。

具材を人それぞれに合わせて変えるというのは大変ですが、薬味や付け合わせなら対応できそうですよね。

素麺はそういった意味で、たくさんの方に受け入れられやすい土壌があるのかなと感じます。

 

 

<参考サイト>

・飲食店なら知っておきたい薬味の役割!効果・効能も紹介!

https://www.inshokuten.com/kitchen/magazine/47

・薬味の種類|それぞれの効能や特徴

https://www.kurashiru.com/articles/2166dab3-e54d-4d62-8b53-2a2774a5b98a

・薬味の効能と健康パワーを知っていますか?

https://story.ajinomoto.co.jp/health/004.html

・実はすごい海苔の健康効果!日本人だからこそ享受できる海苔のパワー

https://marche.onward.co.jp/shop/pages/appetizers121.aspx

 

 


 

③ 麺の種類別、人気の薬味や具材

 

素麺やうどん、ラーメンなど、麺の種類別に、どんな薬味や具材が好んで合わせられているか調べてみました。

同じ小麦粉から作られる麺でも、それぞれの個性が表れる興味深い結果となりました。

 

<素麺>

「あなたがそうめんに必ず入れる薬味はどれ?」という2021年のインターネット調査によると、トップ5は、ネギ、ショウガ、ミョウガ、ワサビ、シソという結果でした。

以下は薬味というより具材に入りそうなものですが、錦糸卵、キュウリ、納豆、シーチキン、オクラ、メカブ、トマト、明太子、などの回答もありました。

素麺に入れる具材の人気ランキングも探しましたが、見当たりませんでした。

 

 

<うどん>

少し古いですが、2013年のインターネット調査「好きなうどんの具材ランキング」では、トップ5は天ぷら・かき揚げ、油揚げ、卵、わかめ、肉となっていました。

以下、山菜、とろろ、大根おろし、とろろ昆布、もち、と続きます。

 

<ラーメン>

「ラーメンの具材で好きなものを選んでください(複数回答可)」という2017年のインターネット調査によると、トップ5はチャーシュー、煮玉子、ネギ、メンマ、もやし、となっていました。以下、炒め野菜、海苔、ワンタン、キクラゲ、肉味噌とのことです。

 

<パスタ>

具材というとバリエーションが豊富すぎるのでしょうか、人気の具材ランキングは見つけられませんでしたが、「一番好きなパスタの味」という2022年のインターネット調査がありました。

トップ5はたらこ・明太子、カルボナーラ、ボロネーゼ、ポモドーロ・トマトソース、ペペロンチーノとなっています。

以下、ジェノベーゼ、ナポリタン、ミートソース、和風パスタ、アラビアータ、と続きます。

 

 

三代目:ラーメンと素麺は形状だけでなく製法や原料も異なりますが、素麺とうどんは全く同じ原料で太さが違うだけ。

薬味はほとんど同じでも、うどんは盛り付けの具材を色々と選ぶことで“食事”として成立しているような気がします。

最近では、素麺の専門店が増えていると言われますが、そちらでは“食事”としての素麺を味わえるようなメニューやレシピの工夫があるようです。

石井製麺所では白い素麺だけでなく毎日食べていただけるような、食べ続けるからには体に負担が少なく栄養価の良いものになればと…例えば『長命草素麺』のように健康面へ配慮した素麺もご用意しております。

そういう意味では、毎日の食事にお楽しみいただけるような具材や食べ方を合わせたご提案も考えていきたいと思います。

 

<参考サイト>

・「そうめんに必ず入れる薬味」ランキングTOP34!第1位は「ネギ」に決定!

https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/364344/

・好きなうどんの具材ランキング 1位は「天ぷら、かき揚げ」で61%

https://news.nifty.com/article/item/neta/12225-130515002272/

・ラーメンの具材、トップに君臨するのは!?

https://www.kinrei.com/fan/news/kokumen/201801/15095535.php

・好きなパスタの味ランキングTOP15!千票以上から選ばれた人気の種類は?

https://macaro-ni.jp/108527

 

 

 


 

④ 各地でいろんな具材と食べられている素麺

 

素麺の具材について調べてみると、地域ごとにさまざまな具材や味付けで食べられていることが分かりました。

ぜひ、素麺アレンジの参考にしてみてください。

 

<具材いろいろ>

・冷やし中華風

関西では、キュウリ、錦糸卵、ハム、カニカマなどを素麺のうえにトッピングして食べる習慣があります。

 

・ナスそうめん

石川県金沢市では、ナスと素麺を一緒にだしで煮て、醤油や味噌で味付けする郷土料理があります。

また香川県では、ナスを油で炒めて砂糖と醬油で味付けしたものに、ゆでた素麺を加えます。

どちらも家庭料理として一般的に食べられているようです。

 

・サバそうめん

甘辛いだしで煮たサバの切り身を、その煮汁にからませた素麺に乗せる、滋賀県長浜市の郷土料理。

ご当地グルメとして飲食店でも提供されています。

かつて日本海から京都を結ぶ「鯖街道」と呼ばれるルートがあり、サバが入手しやすかったそうです。

 

・鯛そうめん

タイをのせた素麺は、お祝いの料理として供される地域が多く見られ、「鯛麺」とも呼ばれています。

香川県では、ゆでた素麺を大皿に盛り、その上にタイの姿煮をのせます。

広島県や愛媛県の瀬戸内海沿岸地域ではさらに、木の芽やキュウリ、錦糸卵、シイタケの煮たものなどを添えます。

愛媛県松山市では五色素麺を用いることが多いそうです。

熊本県では、上益城地域でタイの姿煮をのせる形のほか、天草地域ではタイのアラを炊いて、煮汁を素麺にかけるそうです。

徳島県牟岐町には、れんこ鯛を甘辛く煮付け、その煮汁で素麺を食す「島そうめん」と呼ばれる料理があります。

素麺は錦糸卵やかまぼこ、ネギなどで飾り付け。れんこ鯛とともにお祝いごとの席で供されます。

 

<味付けにひと工夫>

・酢味噌そうめん

静岡県や愛知県の一部では、めんつゆではなく酢味噌を素麺にかける食べ方があるそうです。

赤味噌に、酢、みりん、砂糖を混ぜた酢味噌のさっぱりとした酸味が、食欲の落ちやすい夏にぴったりです。

 

・白エビ素干だしのそうめん

富山県の名産品である白エビは夏が旬ですが、素干しにすることで長期保存が可能になります。

白エビの素干しでとった、旨みが凝縮されただしに、醤油や砂糖を加えてつゆをつくります。

 

<あたたかくして>

・にゅうめん

素麺発祥の地とされる奈良県や、三大産地のひとつである兵庫県播磨地方では、素麺は夏は冷やして、冬はあたたかいつゆに入れて「にゅうめん」として、と一年を通して食されています。

・ばち汁

兵庫県播磨地方や岡山県浅口地方には、手延べ素麺をつくる過程で出る麺の端の部分を使った汁ものがあります。三味線のばちに似た形状から「ばち」と呼ばれ、素麺よりコシが強く塩気が多いのが特徴。野菜をだしで煮てばちを入れ、醤油で味をととのえる「ばち汁」が、家庭や給食で食されています。

 

<炒めて>

・油ゾーメン

鹿児島県奄美地域の郷土料理で、豚肉と野菜、素麺を炒めたもの。

沖縄の「そうめんチャンプルー」に似ていますが、炒める時にだし汁を入れるためのど越しが良いのが特徴です。

手軽に作れるので家庭で食べられているほか、飲食店でも提供されています。

 

・ソーミンタシヤー

素麺と野菜やツナなどを、塩や醬油で炒めてシンプルに仕上げる、沖縄県の家庭料理。

ちなみによく知られている「チャンプルー」は、炒めた豆腐が入るものを指すそうです。

 

 

<参考サイト>

・そうめんの薬味や、つけつゆは関東と関西では違うものなの?

https://kenkoubaizou.com/k2k0000282-post/

・そうめんの地域別の食べ方まとめ!飽きずに美味しく食べる工夫も公開

https://shop.ninben.co.jp/blog/?p=3799

・地域別そうめんの食べ方ランキングTOP10!みんなが試したいアレンジは?

https://macaro-ni.jp/111998

・うちの郷土料理 種類検索 麺料理

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/type/noodles.html

 


 

⑤ 健康に役立つ具材や食べ方

 

いろんな具材と相性の良い素麺を、毎日の食生活でもっと上手に活用してみませんか?健康に役立つ具材や食べ方を、調べてみました。

<消化を促進する>

おなかの調子が良くないなど、胃に負担の少ない食事を心がけたいときに。素麺は短い時間で消化できる食材です。

100gあたりの消化時間は約2時間。同量の白米やうどん、そばは約2時間30分、パンは約3時間だそうです。

柔らかくて脂質や刺激の少ない素麺は、胃にやさしい食べ物といえます。

あたたかくして食べるとより良いようです。

合わせる具材としては、繊維のやわらかい茹で野菜、例えば、大根、タマネギ、キャベツなど。

また、豆腐や鶏ささみ、大根おろし、梅干しなどもおすすめです。

 

<糖質や脂質の吸収を穏やかにする>

ダイエット中など、糖質や脂質の取りすぎが気になる方に。

素麺は、うどんやパスタ、中華麺と比べると、1食あたり10gほど糖質量が少ないそうです。

合わせる具材としては、食物繊維が豊富なものがおすすめです。

具体的には、野菜、きのこ類、海藻類、豆類など。

食物繊維は、消化吸収を穏やかにして血糖値の上昇を抑えるため、糖質の吸収を抑える働きがあるそうです。

 

<塩分の排出を促す>

素麺はつくる過程で塩を使いますが、食べるときにゆでる、また水洗いすることにより、塩分の多くは抜けます(【お!いしい けんぶんろく】Vol.9「人体にも手延べ素麺にとっても欠かせない塩について」参照)。

塩分の取り過ぎが気になる方は、めんつゆの塩分量に注意が必要です。

出汁を強めに利かせたり、薬味を工夫したりと味に変化を持たせることで、体への負担を減らして美味しく召し上がっていただけます。

また、カリウムが豊富に含まれる食材を合わせてとるとよいでしょう。

具体的には、アボカド、ホウレンソウ、小松菜、枝豆、ワカメ、海苔など。長命草にも多く含まれます。

カリウムには塩分の排出を促す働きがあります。

 

三代目:もっとライフスタイルに合わせた素麺・麺の開発が必要だなと感じました。

 

 

<参考サイト>

・体調不良の時におすすめ!消化に良い食材「そうめん」

https://www.handamen.com/blog/somen_digestion/

・そうめんは消化に良い食べ物?消化時間の比較と消化を良くするおすすめレシピ

https://gourmet-note.jp/posts/19180

・【管理栄養士監修】糖質の吸収を抑える夏の麺類レシピ!

https://sixthsenselab.jp/puravida/articles/1808_01/

・そうめんは塩分が多い?すぐに使える塩分を摂りすぎない減塩レシピ

https://dime.jp/genre/1405923/

 

 

 


 

⑥ 《産地紹介》宮城県・白石温麺(うーめん)

 

宮城県白石市の特産品である「温麺(うーめん)」は素麺の一種ですが、油を使わないでつくるのが特徴です。

一般的な手延べ素麺は、麺と麺がくっついたり乾燥したりするのを防ぐため、油を塗っています。

白石温麺は油を使わず、長さも9cmと短いことから、消化が良くて食べやすいと言われています。

太さは素麺より0.3㎜ほど太めで、食べごたえがあります。

白石温麺の歴史は約400年前、江戸時代にさかのぼります。

白石の城下町にいた鈴木味右衛門という青年は、胃腸が弱く病弱な父親が元気になる食べ物を日々探し回っていたそうです。

ある日彼は、旅の僧侶から油を使わず麺を作る方法を教えられ、苦心の末つくった麺を温めて父に食べさせました。

その美味しさと食べやすさから食が進み、父親は回復したそうです。

この麺を献上され、誕生秘話を聞いた白石城の城主・片倉小十郎が、味右衛門の父への想いに感銘を受け、「人を思いやる温かい心を持つ麺」という意味を込めてこの麺を「温麺」と名付けたと言われています。

さっぱりと上品な味わいで、仙台藩主の伊達家から大名・公家への贈答にも用いられたそうです。

白石地方は、蔵王連峰から流れる白石川の清流や温和で乾燥した気候に恵まれ、小麦粉が豊富に採れることから、良質な温麺の産地となりました。

温麺は一年を通して食されており、醤油や味噌でつくった汁につけて食べるのが一般的だそうです。

その扱いやすさと食べやすさから、離乳食や高齢の方の食事にも重宝されているとのことです。

 

 

<参考サイト>

・白石うーめん(温麺) の優しいおいしさ|歴史と名店をご紹介

https://shiroishi.ne.jp/feature/1802

・白石温麺|歴史が育んだ伝統の味

https://shiroishi.ne.jp/feature/4256

・白石うーめん(温麺) の歴史

http://www.u-men.co.jp/shiroishi_u-men/

・うーめん(白石温麺)とは?そうめんとの違いや食べ方をご紹介

https://delishkitchen.tv/articles/1493

・Wikipedia「温麺」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E9%BA%BA

 

 

 


 

⑦ 《美味しい素麺》手延べしょうどしま長命草素麺 編

 

「素麺で始める 新しい健康習慣」をコンセプトに開発した健康麺です。
大切なお客様のために、からだに嬉しい素麺を作りたい。
そう考えていたときに出会ったのが「しょうどしま長命草」でした。
「1株食べると、1日長生きする」と言われるほど、高い栄養価と、強い生命力を持つ長命草。
小豆島の特産品である醤油を製造するときにできる醤油粕を肥料として、無農薬で栽培された「しょうどしま長命草」は、小豆島生まれの新しい健康野菜です。

石井製麺所では手延べ製法にこだわり、小豆島で初めて、「手延べ製法による長命草素麺」を商品化しました。
無添加・無着色にもこだわり、安心してお召し上がりいただける、ツルツル食感が自慢の一品です。

石井製麺所では、「しょうどしま長命草」栽培を応援しています。

石井製麺所の所有する畑の一部を「しょうどしま長命草」栽培に活用いただき、一緒に島の食について考えています。

大切な方への贈り物にピッタリなお素麺です。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べしょうどしま長命草素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/29007893

 

 

 

 

三代目:次回のブログは4/10ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年3月13日 【Vol.9】人体にも手延べ素麺にとっても欠かせない塩について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.9

人体にも手延べ素麺にとっても欠かせない『塩』について

 

 

 

 

素麺は、小麦粉を塩水で練り合わせて作ります。

調べると小麦粉を使った麺づくりに塩が用いられるようになった歴史は古く、平安時代中期の書物「延喜式」には、素麺のルーツとされる「索餅」の材料として塩の記述が見られます。

今回は、人体にも不可欠な塩の働きやその歴史、手延べ素麺における塩の役割などをご紹介します。

 

三代目:石井製麺所では、午前3時30分頃から練り作業を行っています。

天候や温度・湿度を観て、小麦粉と食塩水の最適な配合量を量り、30分~40分ほど丁寧に練り合わせます。

この工程をしっかりおこなわないと、この後のすべての工程が台無しになってしまいます。

ただ小麦粉に食塩水を加えるのではなく、上手く混ざるように食塩水を流し込む場所とタイミングを選んでいます。

こまめに手を加えながら、グルテンがしっかり形成された麺生地をつくるためにムラなく、無駄なく練り上げます。

 

 

【目次】

① 人体に不可欠な塩の働き

② 手延べ素麺の原料としての塩の役割

③ 素麺を食べても塩分取り過ぎにならない理由

④ 奥が深い塩の歴史《世界編》

⑤ 知っていそうで知らない?!塩の歴史《日本編》

⑥ 《産地紹介》三重県・大矢知(おおやち)素麺

⑦ 《美味しい素麺》小豆島便り〈冬〉(ギフトセット) 編

 

 


 

① 人体に不可欠な塩の働き

 

塩は、人間が生きていくうえで大切な働きをしています。

体内の塩分量は、大人で体重の0.3~0.4%、子供では約0.2%とされています。

例えば体重60kgの人の体内の塩分量は約200gということになります。

塩は体内でナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれて存在しており、いろいろなシステムの働きを守り、維持する役割を果たしています。

 

<細胞を正常に保つ>

人間の体を構成する細胞は、細胞外液という液に囲まれています。

塩はイオンの状態で細胞外液に多く含まれ、細胞外液の量を維持しています。

このことにより、全身の細胞に酸素や栄養分が運ばれたり、二酸化炭素や老廃物が肺や腎臓に運ばれ排出されたりします。

また、細胞外液の濃度を調整し、バランスを一定に保つことで、細胞の働きを支えています。

 

<消化や吸収を助ける>

体内の塩化物イオンは胃酸の主成分となり、胃で食べ物を殺菌したり、消化を助けたりしています。

ナトリウムイオンは小腸で、アミノ酸やブドウ糖などの吸収を助けています。

 

<情報を脳や体に伝える>

神経細胞は、ものを触ったときなどの刺激を脳に伝える、脳から体を動かすように筋肉に命令を伝える、などの働きをしています。

神経細胞が刺激や命令を伝えるときに必要となるのがナトリウムイオンです。

 

以前は塩の取り過ぎが高血圧の原因と考えられていましたが、近年では、塩の摂取と血圧の上昇は必ずしも結びつかないことが明らかになってきているそうです。

 

三代目:私、実は3月の前半に体調を崩して入院しておりました。

術後経過も順調で、復帰して現在は元気にしております。

いわゆる病院食というと、「味気がない」といったイメージがあり、「手術後は重湯だった」というお話も聞いたことがありました。

もちろん、病気の内容や重さによって食事の内容は変わるのだと思いますが、意外にも手術翌朝の朝食から「ふりかけ」が付いていたり、栄養バランスが考えられた食事ながらも、ちゃんと塩気があるものが出されました。

今になって振り返ると、この塩気がとても美味しく、ありがたく感じられました。

「傷ついた体に染み渡る」といった感じでしょうか。なんとなくですが、回復しようとする体が塩気を求めていたように思います。

どうやら「塩気がある食事が出るようになると、不思議と食欲が湧いてきておかわりが欲しくなった」という患者さんもいらっしゃるようです。

食欲がわいてきたからではなく、塩気を取ると美味しく感じ、おかわりが欲しくなったみたいですね。

人間は塩味の刺激により、美味しいと感じる正常な味覚が保たれるんでしょうね。

大学生の時分にも、アーチェリー部で活動をしていたときは、熱中症や脱水症状を起こさないように、塩分(ミネラル分)補給はとても気をつけていました。

激しい発汗や下痢などで体内の塩分が足りなくなると、脱水症状、血圧低下、立ち眩み、倦怠感、精神不安定、眠気、脱力感など、さまざまな症状が現れるそうですから、闇雲に塩分を拒否するのでは無く、上手に向き合っていく必要がありますね。

 

 

<参考サイト>

・塩と健康の関係

https://www.nihonkaisui.co.jp/small_customer/learning_salt/health

・体内の塩

https://www.shiojigyo.com/siohyakka/about/human/inside.html

・塩とからだの大事な関係

https://www.shiotokurashi.com/life

 

 


 

② 手延べ素麺の原料としての塩の役割

 

素麺やうどん、ひやむぎなどの麺は、小麦粉と水だけではなく塩を加えて作られます。

塩を入れる理由としては、科学的根拠のあるものがいくつかあります。先人達のアイデアや知恵は本当に素晴らしいものです。

この手延べ素麺作りの叡智を活かし、さらなる美味しい素麺作りを続けたいものです。

 

<グルテンを引き締める>

麺のコシの元となるグルテンは、小麦粉のたんぱく質が水と合わさることで形成されます。

生地をこねて引きのばすことにより、グルテンが何層にも重なった地層のように組織されます。

塩には、このグルテンを強く引き締める働きがあります。

夏は気温が高く、生地がだれやすくなるので塩を多くし、逆に冬は生地が硬くなるので塩を減らす、といったように、季節や天候などにより塩分濃度の微調整が必要です。

まさに、良い塩梅が美味しい素麺に不可欠なのです。

 

<酵素の活性を抑制する>

塩が小麦粉に含まれるたんぱく質分解酵素の働きを抑えることで、生地がじっくり熟成され、より弾力が増します。

 

<保存期間を長くする>

水分活性が小さくなるため雑菌が繁殖しにくくなり、保存性が向上します。

 

<乾燥を防ぐ>

塩には吸水性があり、水分を蓄えようとします。

熟成を繰り返しながら麺を細く延ばしていく手延べ製法において、塩は急激な乾燥によるひび割れを防ぎ、表面をなめらかに仕上げるのに役立ちます

 

<ゆで時間を短縮する>

ゆでる時に、麺に含まれている塩がお湯の中に溶けだし、お湯が麺の中に入り込んで、でんぷんが糊化します。

塩を多く含んでいれば、それだけ早くゆで上がることになります。

 

<味を良くする>

ゆでることで塩分の多くは溶け出しますが、わずかに残った塩味が、麺の風味や旨みを引き立てます。

 

三代目:今、新麺開発を行っているのですが、塩の重要性を特に感じます。

麺の伸びをよくするのにも、止めるのも塩加減ひとつです。

入院中は、新麺開発を進めることができず、体がウズウズしていましたが、ここはグッと我慢の日々でした。

新麺開発のための理論を整理するために色々とまとめ直していましたが、やはり塩加減というのが肝心で、これから暖かくなるにつれ、また塩分量も変化させないといけません。

“麺は生き物”と感じることが多々ありますが、塩によってコントロールする技術や経験を積み、麺づくりと上手に付き合っていきたいものです。

そのためにも今回の『塩』というテーマは、今の時分にピッタリなのだと感じます。

 

 

新麺を試作で伸ばす様子。

今回は、想像以上に伸びてしまい、塩加減の難しさを痛感しました。

これはこれで美味しく食べましたが、皆さまにお届けするのはもう少し先になりそうです。

 

<参考サイト>

・うどんに塩を入れる理由

https://www.flour.co.jp/news/article/111/

・手延べそうめん、うどんの副原料

https://www.shimabara-soumen.com/article/14245881.html

・うどんと塩

https://www.nichimen.or.jp/know/zatsugaku/19/

 

 


 

③ 素麺を食べても塩分取り過ぎにならない理由

 

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食塩摂取の目標量(食塩相当量として)は、成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されています。

文部科学省の食品成分データベースによると、手延べ素麺(乾麺)の1人前100gに含まれる塩分の量は5.8gですが、ゆでるとお湯に溶けだすため、塩分量は0.3gにまで減少します。

さらに水洗いすることでも塩分が抜けます

このように、素麺はけして塩分の多い食品ではありません。

 

 

三代目:塩分の取り過ぎが気になる方は、たっぷりのお湯でゆでてしっかり水洗いすることを心掛けてみてください。それだけでも随分変わります。

また、一番肝心なのは、食べる際にめんつゆの塩分量に気を付けられることだと思います。

出汁を強めに利かせたり、薬味を工夫したり味に変化を持たせることで美味しく、ぐっと体に負担が少なく召し上がっていただけます。

最近ではオリーブオイルを数滴垂らして召し上がっていただくこともおすすめしています。

特に私がおすすめしているのは、和風出汁に合うオリーブオイルです。

コクが出て、清々しい香りがして、つるんっと召し上がっていただけますよ。ぜひお試しください。

 

 

<参考サイト>

・厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-024.html#:~:text=%E3%80%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96,%E6%9C%AA%E6%BA%80%E3%81%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・文部科学省 食品成分データベース

https://fooddb.mext.go.jp/search.html

・そうめんは塩分が多い?すぐに使える塩分を摂りすぎない減塩レシピ

https://dime.jp/genre/1405923/

・「そうめん」の塩分量はどれくらい?管理栄養士が教える減塩のコツ3つ

https://macaro-ni.jp/109133?page=2

 

 


 

④ 奥が深い塩の歴史《世界編》

 

地球の表面積の70%は海で、海水には塩が約3%の濃度で溶けています。

人類は大昔から、生活に欠かせない塩を手に入れるため、各地でそれぞれの環境に応じてさまざまな製塩を行ってきました。

現在、世界中で1年間に約1億8千万トンの塩が生産され、そのうちの約4分の1が海水から、残りは岩塩や塩湖などから採られているそうです。

古代文明の塩の歴史について、記録を記したものがあったので3つの時代についてご紹介します。

 

<古代中国>

山西省運城市の運城塩湖では、紀元前6000年には製塩所ができ、湖面に浮かぶ塩の結晶を採っていたとされています。

紀元前450年頃には、塩を煮詰めるために鉄鍋を使ったという記録が残っているそうです。塩づくりに鉄を使ったことが分かる最初の資料と考えられています。

唐の時代、塩の製造や販売は国が取りしきっており、王朝は財政状況に合わせて塩の値段を操作することで、万里の長城の建造費を捻出することができたと言われています。

 

<古代ローマ>

ローマ帝国では、塩は誰にでも与えられるべき、多くの人に行きわたらせたいものと考えられており、庶民の食卓にも塩が置かれていたそうです。

イタリアやローマから広がる領土には多くの製塩所がつくられ、その周辺に都市が築かれました。

塩を各地に運ぶためにつくられた「塩の道」が世界へと広がり、ローマ勢力はその勢力を拡大していったとされます。

給料を意味する「サラリー」、兵士を意味する「ソルジャー」という言葉は、ラテン語で塩を意味する「サル」が由来とされています。

 

<古代エジプト>

古代エジプトでは、ナイル川の先に広がるアフリカの砂漠の干上がった湖から塩を入手することが容易だったようです。

塩を調味料の材料にしたり、肉や魚、野菜を塩漬けにしたりしていたという記録が、パピルスや壁画で残っているとのことです。

葬儀のお供え物として、塩漬けの魚と食卓塩入れがあったという話もあります。

 

※写真はAdobe Stock「Pamukkale, natural pool with blue water, Turkey」より

<参考サイト>

・世界の塩・日本の塩

https://www.tabashio.jp/collection/salt/s4/index.html

・塩の歴史

https://www.shionavi.com/salt/history

 

 


 

⑤ 知っていそうで知らない?!塩の歴史《日本編》

 

日本で塩づくりが始まったのは、縄文時代の終わり頃と考えられているそうです。

狩猟生活を送っている時代は、海から取れる魚貝類には塩味がついており、動物の肉にも塩分が含まれているため、人体はそれほど塩分を必要としなかったようです。

稲作をはじめとした農耕生活に変わり、食生活が穀物主体のものになると、ナトリウム不足になりがちなため、塩分を摂取する必要が生じてきたと言われます。

日本は岩塩などの塩資源に恵まれておらず、多雨多湿のため天日だけで塩を作ることも難しく、海水を煮詰めて塩の結晶を取り出すしかなかったようで、それぞれの時代で知恵と工夫を凝らした製塩法が生み出されたようです。

四方を海に囲まれた日本は簡単に塩が採れると考えてしまいますが、岩塩などから塩が採れる国と比べ、人力で海水をくみ上げたり、海水を煮詰めたり、精製も必要で時間も手間も掛かることから、日本で塩は長い間、大変貴重なものだったということがうかがえます。

以下に、日本での古来からの塩の製法を調べてみました。

 

<縄文・弥生時代>

海水をそのまま煮詰める「直煮(じきに)製塩」。全国各地で、製塩用の土器が出土しているそうです。

煮詰める途中で土器が割れるなど、一筋縄ではいかなかったと想像されます。

 

<弥生時代>

ホンダワラなどの海藻を積み重ねた上から、海水をかけては乾かす作業を繰り返していたようです。

塩の結晶が付いた海藻を焼き、できた灰を釜に入れて海水を加え濃い塩水にし、その上澄みを煮詰めて塩をつくる「藻塩焼(もしおやき)製塩」を行っていたとされます。

海藻は乾燥しにくく燃えにくいので少しの塩しか採れなかったそうです。

 

<室町時代中期>

「揚浜式(あげはましき)塩田製塩」が行われるようになりました。

粘土板の上に砂を敷き詰め、水が染み込まないように固めた塩田に、人力で汲み上げた海水を繰り返しまいて天日乾燥させ、砂に塩分を付着させます。

砂が乾いたら海水で洗い流してかん水を採り、釜屋と呼ばれる小屋で煮詰めて製塩をおこなったようです。

 

<江戸時代>

潮の干満差を利用して塩田に海水を引き込み、毛細管現象によって砂を湿らせる「入浜式(いりはましき)塩田製塩」が行われ、海水を汲み上げる労力が要らなくなったそうです。

それ以外の作業は「揚浜式塩田」と同様でした。

瀬戸内海沿岸の10カ国(長門、周防、安芸、備前、備中、備後、播磨、伊予、讃岐、阿波(現在の兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県))を中心に大規模な「入浜式塩田」が築造され、「十州塩田」と呼ばれました。

「入浜式塩田」という方法は、塩の干満差が大きい瀬戸内海沿岸で開発・発展してきたとされ、現在でも塩のメーカーが瀬戸内海沿岸に多いのは、ここに由来しているそうです。

昭和30年頃までの約400年にわたり、日本独特の製塩法として盛んに行われたそうです。

 

<1953年~1971年>

昭和30年頃から「流下式枝条架併用(りゅうかしきしじょうかへいよう)塩田製塩」が主流となりました。

ポンプで汲み上げた海水を、緩やかな傾斜をつけた塩田に流し、水分を蒸発させて濃い海水にします。

これを竹の枝を組んだ「枝条架」の上からしたたらせ、太陽と風で水分を飛ばしてさらに濃縮させ、煮詰めて塩をつくります。

これまでの「入浜式塩田」と比べ、生産量は2.5~3倍に増加し、労力は約10分の1 になったそうです。

 

<1972年~>

イオンの性質を利用して海水中の塩分を集める「イオン交換膜製塩」に、全面的に切り替えられました。

塩の主成分・塩化ナトリウム(NaCl)は、海水中では電気を帯びたイオン(Na+とCl-)になっています。

陽イオンだけを通す陽イオン交換膜と、陰イオンだけを通す陰イオン交換膜を交互に並べ、電気を流すことで、濃い(Na+とCl-が多い)塩水と、薄い(少ない)塩水ができます。

こうしてできた濃い塩水を煮詰めて塩が作られています。

「イオン交換膜」による製塩法が開発されるまで、日本では実に1000年以上も塩田による製塩が続いてきたのです。

 

<1997年~>

1905年から「塩専売法」という法律のもと、塩の製造・販売は国により管理されてきました

1997年、新しい法律に変わったことで「イオン交換膜製法」以外でも塩をつくることができるようになりました。

2002年には塩の製造・輸入・流通が完全に自由化されたことで、塩製造者が増え、様々な方法で塩づくりが行なわれています。

 

三代目:塩が大変貴重だったということから、手延べ素麺作りが発達したのは、塩が比較的身近にあった海に近いエリアであるのが納得できます。

まあ、海に囲まれている日本ですから海に面していること自体は珍しくも無いのでしょうが、海に面していない奈良県桜井市の三輪素麺が発祥となったのは、少し不思議な感じがしますね。この辺は、機会があればまた調べてみたいと思います。

 

※写真はPhotoAC「香川県宇多津町 うたづ臨海公園にある復元塩田」より

<参考サイト>

・日本の塩 世界の塩

http://www.tokyosalt.co.jp/woldsolt

・世界の塩造り、日本の塩造り

https://www.nihonkaisui.co.jp/small_customer/learning_salt/Japanese_salt

・日本の塩づくりの歴史

https://www.shiojigyo.com/siohyakka/made/history.html

・日本の塩つくりの歴史

https://www.hakatanoshio.co.jp/salt/history/

・株式会社天塩「塩とは」

https://www.amashio.co.jp/shio/#h-anker2

 

 


 

⑥ 《産地紹介》三重県・大矢知(おおやち)素麺

 

大矢知素麺は、三重県四日市市大矢知地区で作られる素麺です。

今から約200年前の江戸時代末期、1人の旅の僧侶が大矢知の農家に一夜の宿を請い、人々の親切なもてなしに大変喜んで、そのお礼として素麵の作り方を授けたのがその始まりとされています。

 

朝明川の清流と、鈴鹿おろしと呼ばれる乾燥した北西の季節風という気候風土に加え、北勢地域が小麦の産地であったことなど、素麺づくりに適したこともあり、農閑期である冬の副業として、素麺づくりが盛んになったと言われています。

 

明治時代には近代的な手延べ製法が伝わり、昭和初期の最盛期には生産者が300軒を超え、手延べ製法を用いてひやむぎやきしめん、うどんも生産されるようになったそうです。

機械生産への移行などにより生産者は急速に減少し、現在は10件ほどの事業者が伝統的な手延べ製麺の技術をつないでいるとのことです。

 

大矢知素麺は少し太めの麺で、手延べならではの強いコシやなめらかな舌触り、歯切れの良さが特徴です。

農林水産省の統計(平成21年)によると、手延べ素麺の都道府県別生産量において、三重県は全国第9位となっています。

 

 

<参考サイト>

・Wikipedia「大矢知素麺」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%9F%A2%E7%9F%A5%E7%B4%A0%E9%BA%BA

・四日市市広報2022年2月上旬号

https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1643956619284/simple/202202joujun0205.pdf

・大矢知手延べそうめんの歴史

http://soumen-guide.net/archives/140

・大矢知手延べそうめんの特徴

http://soumen-guide.net/archives/143

・乾めん類の都道府県別生産量

https://www.shimabara-soumen.com/article/14800426.html

 

 


 

⑦ 《美味しい素麺》小豆島便り〈冬〉(ギフトセット) 編

 

小豆島民にとって“馴染み深い品々”を集めました。

小豆島には手延べそうめんのほかにも、 醤油やオリーブといった歴史ある食品産業があります。

当店自慢のそうめん・うどんと、 小豆島を代表する食品をセットでお届けします。

数ある醤油蔵、オリーブオイルメーカーのなかでも、 古くから島民の食卓に欠かせない二品を選びました。

濃縮タイプで大きめサイズの万能つゆと、 さらっとクセのない味わいのオリーブオイルは、 色々な料理にお使いいただけます。

本文でも書いたように、素麺に含まれる塩分は茹でたり、水ですすいだりしている内に自然と流れ落ちていきますが、めんつゆなどに含まれる塩分が多いと結局同じことになってしまいます。

山芋の粉を練り込んだ「手延べ山芋素麺」や「手延べオリーブオイル素麺」など、普通の素麺とはまた違った味わいやお料理にお使いいただける素麺をセットにしています。

ですから、濃く味付けしたり濃いつゆにつけたりしなくても美味しく召し上がっていただけるのではないでしょうか。

また、石井製麺所の素麺を美味しく召し上がっていただくのにおすすめなつゆ「マルキンデラックスつゆ」もセットにしています。

6倍濃縮タイプなので、塩分が気になる方は少し薄めるなどお好みの濃度でお召し上がりいただけます。

さらに、オリーブオイルもセットしていますので、めんつゆに少し垂らしてお召し上がりいただければ、コクが出て美味しくなると思います。

石井製麺所の人気の素麺とおすすめ商品をセットにしたギフトセットですので、ご自宅用はもちろん、大切な方への贈り物にいかがでしょうか。

春先のお祝い事にもピッタリですよ。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《小豆島便り<冬>》 https://141seimen.thebase.in/items/55454413

 

 

 

 

 

三代目:次回のブログは3/27ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年2月26日 【Vol.8】小豆島手延べ素麺ならではのごま油について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.8

小豆島手延べ素麺ならではの『ごま油』について

 

 

 

 

「手延べ素麺」とは一般的に、小麦粉に食塩と水を混ぜこねて生地を作り、食用植物油を塗りながら手を使って細く伸ばし麺に仕上げたもので、その太さにより素麺、ひやむぎ、うどんなどと規定されています(お!いしい けんぶんろく】 Vol.4「素麺の規格は太さにより決まっている」参照

今回のブログでは、手延べ素麺づくりの工程では欠かせない食用植物油、今回は小豆島独自とも言える『ごま油』について掘り下げてみたいと思います。

なぜ小豆島だけで素麺づくりにごま油が使われるようになったのか…実は、はっきりしたことは分かっていないそうです。

ですが、美味しさや機能性の面で多くのメリットがあり、ごま油を使うことは理にかなっていると言えます。

今回は、ごま油の歴史や栄養価、素麺に適している理由などについてご紹介します。

 

三代目:昨年12月、小豆島土庄町にあるごま油で有名な『かどや製油』様へ工場見学に行ってきました。

圧倒的な国内シェアを誇り、海外への輸出も積極的に行うお会社様ですから、緊張して伺ったのですがご対応頂いたご担当者様はじめ、研究部門のご担当者様含め多くの方にお迎えいただき、アットホームな雰囲気で一気に和んでしまいました。

工場で働くほとんどの方が小豆島ご出身とのことで、とても身近にも感じました。

恥ずかしながら、そういったことが全く分かっていませんでした。

ですが、今回の訪問を通じて『ごま油』の良さや、その理にかなった小豆島手延べ素麺の美味しさの秘訣などに触れることができたと思います。

『かどや製油』様へのリスペクトと感謝の気持ちを込めて、色々と調べてみましたので、よければ皆さまもご一緒に『ごま油』の魅力にお付き合いください。

 

今回、快く訪問を受け入れてくださった『かどや製油』の皆さまです。

 

【目次】

① 古代文明の時代から重用されてきた『ごま』と『ごま油』

② 日本で奈良時代から使われている『ごま油』

③ 『ごま油』の栄養と健康や美容への効果

④ 素麺作りに『ごま油』を使うメリットとは

⑤ 『かどや製油』の『ごま油』について

⑥ 《産地紹介》愛知県・和泉素麺

⑦ 《美味しい素麺》手延べ素麺 太麺 編

 

 


 

① 古代文明の時代から重用されてきた『ごま』と『ごま油』

 

『ごま』はアフリカのサバンナ地帯が原産地とされています。今から約6000年前、アフリカの人々が原生の『ごま』を食用に改良したのが始まりで、そこから中東やヨーロッパに伝わり、さらにシルクロードを経由して、中国や日本に伝来したと考えられています。

 

古代エジプトでは、搾った『ごま油』を灯火や香料などにするほか、卵や蜂蜜と合わせて滋養強壮の妙薬として使っていたそうです。

あのクレオパトラがボディオイルとして愛用していたという説も。

またミイラを保存するための防腐剤として活用されたという記述もあるそうです。

 

世界最古の文明であるメソポタミアでは、天地創造の神話において、神が人間の世界を作る時、ごま酒を飲んだと伝えられているそうです。

『ごま』は、菓子、軟膏、儀式用の燈明など、さまざまな場面で利用されていたとのこと。

粘土板に『ごま』と銀貨の交換レートが記載されていた記録も残っているそうです。

 

2500年ほど前のギリシャでは、医学の父と呼ばれるヒポクラテスの書に、『ごま』が薬用として利用されていた記録があるそうです。

 

インダス文明を代表するモヘンジョダロ遺跡やハラッパ遺跡でも、『ごま』が多数出土しています。

代表的な利用方法として、人類最古の医学といわれる健康法「アーユルヴェーダ」では、『ごま油』が薬剤として用いられるそうです。

 

中国では、紀元前3000年頃の浙江良渚遺跡から『ごま』が出土しているとのことです。

世界最古と言われる医薬書「神農本草経」には、黒ごまは「気力を増し、脳髄を補い、飢えず、老いず、寿を増す」不老不死の薬効があると記されているとのこと。

宋の時代の医薬学書「経史証類大観本草」では、練りごまと蜂蜜を混ぜて丸めた「精神丸(せいしんがん)」という薬が、よろずの病を治すとして紹介されているそうです。

 

 

<参考サイト>

・【ごまの豆知識①】ごまはどこから来たの?ごまの歴史について

https://www2.katagi.co.jp/blog/2017/07/blog2.html

・「ごま」にまつわるよもやま話。起源と歴史、日本伝来について

https://www.kenkodojo.com/column/knowledge/detail174/

・ごまのはじまり(ごまの起源)

https://www.kuki-info.co.jp/learn-enjoy/stories.html

 

 


 

② 日本で奈良時代から使われている『ごま油』

 

日本では紀元前1200年頃、縄文時代末期の遺跡で『ごま』の種子が発見されています。

その後、仏教伝来とともに大陸から『ごま』の搾油技術が伝わり、灯油が作られるようになったそうです。

奈良時代には栽培が始まり、食用文化も広がり始めたようです。

正倉院文書には、米や麦の粉を蜜でからめて『ごま油』で揚げた、かりんとうのような菓子があったという記述があるそうです。

平安時代の辞書「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には、「油飯(あぶらいい)」という料理の解説として「ごま油にて飯を炊く」との旨が書かれていて、ご飯を炊くときに水と一緒にごま油を入れていたと推測できるとか。

食べることができたのは貴族だけで、『ごま油』は庶民にはまだまだ手の届かないものだったようです。

 

鎌倉時代に中国から伝わったすり鉢が普及したことから、室町時代には『ごま』料理の幅が広がったと言われます。

室町時代の書とされる「大草家料理書」には、鯛南蛮焼の作り方に『ごま油』の記述が見られるそうです。

江戸時代の初期に黄檗宗の開祖である隠元禅師が中国から伝えた「普茶料理(ふちゃりょうり)」という精進料理には、『ごま油』を用いた揚げ物などのメニューがあり、現代でも親しまれている南部胡麻煎餅や、ごま和え、ごま豆腐などの料理も誕生したようです。

明治時代になると、料亭やてんぷら店の広がりに伴い、『ごま油』が一般に普及していったようです。

 

三代目:こうやって見ると、小豆島に手延べ素麺が伝わってきたときには、まだ『ごま油』はとても貴重なものだったと推測できます。

『かどや製油』様に伺ったところ、「小豆島に手延べ素麺が伝わったのが先か、『ごま油』の製造が先なのか」は、よく分かっていないそうです。

また、『かどや製油』様も昔から今のように大きかったわけではなく、たくさんの製油所が統合されて大きくなっていったそうなのですが、「なぜ『かどや製油』に統合されたのか」も、よく分かっていないそうです。

小豆島でも『ごま』の栽培は行っていたのでしょうが、『ごま油』を作るとなると相当な量の『ごま』が必要だったのではないでしょうか。

しかも、手延べ素麺発祥の地の三輪素麺でも使わない物であり、希少で高価な『ごま油』を誰が使ってみようと思ったのでしょうか。

 

※写真はAdobe Stock「朱雀門広場の遣唐使船」より

<参考サイト>

・ごま油の豆知識

https://www.nisshin-oillio.com/goods/goma/knowledge/import.php

・ごま油のお話し

https://www.oil.or.jp/info/59/page01.html

 

 


 

③ 『ごま油』の栄養と健康や美容への効果

 

特有の芳ばしい香りが特徴の『ごま油』には、ここまでで調べたように「美味しさ」はもちろん、「健康」「美容」「薬」「長寿」などの特徴があり、「抗酸化作用」をはじめとした健康効果をもたらす体にうれしい成分が多く含まれています。

こうした作用が小豆島手延べ素麺の美味しさの秘訣になっているのだと考えられます。

ここでは『ごま油』の主な栄養成分について調べてみたので、ご紹介したいと思います。

 

<ゴマリグナン>

ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり、老化予防などに役立つと言われています。

また活性酸素を取り除く働きもあり、生活習慣病の予防にも期待されています。

ゴマリグナンの中で最も多く含まれているセサミンには、アルコールの分解促進、コレステロールの減少、血圧上昇の抑制、肝機能の改善、免疫力を高めるなどの働きが期待できます。

またセサモリンは、『ごま油』の製造過程でセサミノールやセサモールに変化します。これらには、油の酸化を抑制する効果もあるとされています。

 

<リノール酸>

不飽和脂肪酸のひとつで、体内で合成することができないため、食事から摂取する必要がある成分です。

『ごま油』は、全食品の中でも上位に入るほどリノール酸を豊富に含みます。

血中の総コレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防する効果があるとされています。

 

<オレイン酸>

不飽和脂肪酸のひとつ。

悪玉コレステロール値を下げる働きや、腸の働きを活性化して便秘の解消に役立つ働きがあると言われています。

 

<ビタミンE>

強い抗酸化作用があり、体をストレスから守り老化を抑える働きがあります。

不飽和脂肪酸の酸化を防いでシミやしわの増加を予防、悪玉コレステロールの酸化を防いで動脈硬化予防、毛細血管を広げて血行を改善し冷え性を解消、などの効果が期待できます。

日本人が摂取するビタミンEの約30%は、植物油から摂取しているそうです。

 

<セレン>

ミネラルの一種で、活性酸素に対抗する酵素を作る働きがあり、老化防止やがんの発症リスクの軽減が期待されています。

ビタミンEと一緒に摂取することで相乗的な作用が期待できます。

 

これらの成分は、『ごま』の堅い皮の内側にあり、皮つきのまま食べると体に良いとされる成分も吸収されずにそのまま体外に排出されてしまうそうです。

そのため、吸収の良い食べ方には、

煎りごま」よりも「すりごま」「ねりごま」「液状」の状態の方が、栄養成分が消化・吸収されやすくなるそうです。

 

三代目:自分よりも強い立場の人へ取り入ろうとする際に「ごまをする」という表現がありますが、「ごますり」は栄養価の吸収を助けるためですから、本来、相手を思いやる行為なのかも知れませんね。

 

 

<参考サイト>

・スーパーフード・ごまで健康生活

https://www.kadoya.com/enjoy/page06.html

・アンチエイジング効果にも期待!ごま油の栄養

https://magokoro-care-shoku.com/column/nutrition-of-sesame-oil/#%E2%97%86%E3%81%94%E3%81%BE%E6%B2%B9%E3%81%AE%E4%BF%9D%E5%AD%98%E6%96%B9%E6%B3%95

・ごま油の健康効果・効能・栄養|上手な選び方と使い方

https://kawashima-ya.jp/contents/?p=12301

 

 


 

④ 素麺作りに『ごま油』を使うメリットとは

 

手延べ素麺では、麺の生地の表面に油を塗りながら引き伸ばし巻いていく「油がえし」という工程があります(【お!いしい けんぶんろく】 Vol.2 「手間を惜しまない伝統の製法・手延べ素麺」参照)。

麺の表面の乾燥を防ぎ、生地同士がくっつかないように油でコーティングする工程です。

他の産地では綿実油を使って行いますが、小豆島では100%純正の『天然ごま油』を使います。

抗酸化作用の強い『ごま油』を使うことで、素麺の酸化が抑えられるため、油臭さを取り除く工程が必要ありません。

 

素麺は熟成させることでコシが強くなり、ゆで伸びしにくくなります。

適切に管理された倉庫で貯蔵された素麺は、高温多湿の梅雨を越すことで熟成し、麺質が変化します。

梅雨を1回越したものを「新物」、2回越したものを「古物(ひねもの)」、3回越したものを「大古物(おおひねもの)」と言い、古いものほど貴重とされる産地もあります。

小豆島素麺で使われる『ごま油』は、油の酸化を抑える働きのあるゴマリグナンやγ-トコフェロール(ビタミンEの一種)を含んでいるため、麺の劣化が抑制され、美味しさや風味を保ったまま長持ちさせることができると考えられています。

 

小豆島手延べ素麺に『ごま油』を使用することで、麺にできる『ごま油』のコーティングが酸化を防ぎ、ゆっくりと麺を熟成させることができ、またそれが特有の芳ばしい風味や黄味がかった色合いを生み、小豆島の手延べ素麺の特長のひとつとなっていると言えます。

 

三代目:『かどや製油』様で、様々な油の酸化度合いを比較した図を拝見させていただきましたが、『ごま油』が大変優れていることが一目瞭然でした。乾麺を保存するのに、まさにピッタリな『ごま油』が身近にあったからこそ、小豆島手延べ素麺はここまで発展したのだと感じます。

先人たちの、美味しくしようとするその知恵や努力が、今まさに、産地の大きな特徴ともなっています。

 

 

<参考サイト>

・小豆島はそうめんの町

https://shodoshima.npnp.jp/about/somen/

・「そうめん」も熟成がおいしい?

https://www.educe-shokuiku.jp/news/food/somen/

・手延べそうめんの「厄(やく)」とは

https://www.shimabara-soumen.com/14662419348225

・そうめんは古いもののほうがおいしいって本当!?

https://www.olive-hitomawashi.com/column/2018/08/post-2913.html

 

 


 

⑤ 『かどや製油』の『ごま油』について

 

石井製麺所がある小豆島町と反対側にある小豆島のもうひとつの町、土庄町に『かどや製油』様はあります。

土庄町には高松や岡山から港にフェリーが入ってくる航路がありますが、着岸前には目の前に大きく拡がる工場を見ることができます。

時間帯によって(風向きによって)、『ごま』の芳ばしい香りが町中に漂うのも、小豆島ならではのこと。

 

『ごま油』の国内シェア約50%を占める『かどや製油』様は、小豆島発祥の企業です。

江戸時代末期の安政5年(1858年)に創業。

店舗と工場が交差点の角にあったことから「かどや」の名が付いたそうです。

小豆島の素麺づくりに欠かせない『ごま油』を扱い、関西で広く知られるようになりました。

昭和32年(1957年)、東日本地区の代理店である小澤商店と共同で出資して、東京の品川に本社を置き、全国に事業を拡大しました。

今でも小豆島で大規模工場を稼働しています。

 

『ごま油』には、『ごま油』100%の「純正ごま油」と、大豆や菜類などの食用油をブレンドして作った「調合ごま油」の2種類があるそうです。

現在は、「特定保健用食品」の許可を得た「トクホのごま油」も販売しておられます。

 

かどやの「純正ごま油」の原料は、『ごま』100%。

良質な『ごま』ならではの香りや味、栄養価の高さが特徴です。

もちろん、石井製麺所では、『かどや製油』様の『ごま油』を使って手延べ素麺を作っています

 

三代目:これだけすごいお会社様ですから、本当に感心しきりなのですが、最後に。

日本全国、世界のあちこちに『ごま油』を供給されているので、見学をしていても気になったのは油を搾った残りかす…。

とんでもない量が出て困っているのでは?と思ったのですが、それは全て動物用飼料として再利用されているそうです。

そんな『ごま』を知り尽くした『かどや製油』様に負けないように、小豆島手延べ素麺をもっとたくさんの方に食べていただけるように精進してまいります。

 

 

<参考サイト>

・かどや製油株式会社

https://www.kadoya.com/specialty/pure/

・日本を代表するごま油!小豆島のかどや製油の歴史

https://humoto.jp/skanko/page-279/

・「かどや製油」ごま油一筋で159年栄える秘密

https://toyokeizai.net/articles/-/178988

 

 


 

⑥ 《産地紹介》愛知県・和泉素麺

 

今回は、手延べ麺を製造する8産地目をご紹介します。

和泉素麺は、愛知県安城市和泉町に江戸時代中期から伝わる手延べ素麺です。天明の大飢饉(1782年~1788年)の頃、麦を生産していた和泉地区で、貧困に苦しむ農民が副業として素麺作りを覚え、広まったと言われています。

和泉素麺の特徴は、日本一とも言われるその長さ。麺を約3メートル60センチの長さまで伸ばして作り、長いまま商品としています。

その昔、木造家屋に使用される「貫(ぬき:柱などに通す水平材のこと)」という木材を、麺をつくる時に用いて長く伸ばすようになったそうです。

この貫の長さが、昔の尺度で二間分(一間=約1メートル80センチ)あったことから、日本一長い素麺ができたと言われています。

和泉素麺のもうひとつの大きな特徴は、半生麺であること。

多くの手延べ素麺の産地では乾燥している冬に素麺を作りますが、和泉素麺は夏に作られます

日中の暑い日差しで乾燥させた麺を、夕方頃から吹く三河湾の湿った南東の風、通称「そうめんの風」によって半生の状態に戻します。

これにより、麺はしんなりと柔らかく絹のような風合いになり、表面はなめらかでのど越しもよく、もちもちの食感が生み出されるそうです。

一度乾燥させているので、日持ちもするとのこと。

この独特の半生戻し製法を生み出したのも、和泉村の人々の知恵ではないかと考えられています。

文化5年(1808年)和泉村庄屋の都築孫助が、重原藩(刈谷)への暑中見舞品として素麺を贈っていたと言われています。

この素麺が好評で、それから毎年、陣屋の暑中見舞いに贈ったり、藩内の庄屋連中にも素麺料理をふるまったりしていたそうです。

昭和の初めには天皇陛下への献上品となったこともあるようです。

ピーク時には和泉地区を中心に60~70軒の製麺所があった時期もあるそうですが、食糧事情が緩和された昭和40年頃には、生産戸数は2~3軒までに激減し、現在では、古来からの伝統的な製造方法を継承して製造している生産業者は数軒のみだそうです。

 

※写真はPhotoAC「愛知県安城市の安城七夕まつり」より

<参考サイト>

・もっちもちで長~~い半生そうめん!愛知「和泉そうめん」の魅力とは?

https://icotto.jp/presses/11264

・和泉手延長そうめん

https://www.masugiseimen.com/izumi.php

・和泉そうめん(安城和泉手延べめん)の歴史

https://www.fukurokuju-gift.com/hpgen/HPB/entries/14.html

・私たちのこだわり | うどん 通販は半生手延べ一丈麺「和泉そうめん丈山の里」

https://www.izumi-somen.co.jp/p_process/

・和泉の長そうめんの由来

http://www.miyakoseimen.com/jp/business/

 


 

⑦ 《美味しい素麺》手延べ素麺 太麺 編

 

「小豆島400年の伝統」と「石井製麺所のこだわり」の基本といえる手延べ素麺の太麺をご紹介いたします。

小豆島の穏やかで雨の少ない気候の中で、400年を超える伝統を持つ手延べ素麺。
石井製麺所では「天日干し」と「屋内干し」のバランスにこだわり、日々最適な乾燥具合を目指して、素麺に寄り添いながら心を込めてつくっています。

こちらは一般的な素麺より、少し太めに仕上げた「太素麺」です。
2日間かけてじっくり乾かすことで、太めでありながらよく締まった麺に仕上げています。

太めの麺はにゅうめんなど、温かい食べ方によく合います。
サラダ、パスタなど洋風アレンジもできます。
一度お召し上がりいただくとリピートされる方の多い一品です。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べ素麺 太麺》 https://141seimen.thebase.in/items/29006413

 

 

 

 

 

三代目:次回のブログは3/13ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年2月10日 【Vol.7】めんつゆの歴史と地域性について

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.7

めんつゆの歴史と地域性について

 

 

 

 

めんつゆは、醤油と砂糖やみりんなどを煮て作る「かえし」に、だしを合わせた混合調味料です。

素麺やそば、うどんなどの麺料理だけでなく、家庭料理の味付けにも広く使われており、いまや購入金額は醤油を上回っています。

今回は、素麺と相性の良いめんつゆの歴史や地域性についてご紹介します。

 

三代目:ブログのネタとして、「めんつゆ」って切口が新しいのではと考え、歴史などを少し調べてみました。

素麺にとって「めんつゆ」は切っても切れない大切なもののひとつだと思います。

どんなに美味しい素麺も、めんつゆが美味しくなければ台無しになってしまいますし。とても大切ですよね

美味しい素麺と自信があるからこそ、美味しいめんつゆについても考えてみたいと思いました。

 

 

【目次】

① 醬油の歴史と三大産地

② めんつゆの起源は室町時代

③ 地域による味の違い<醬油>

④ 地域による味の違い<だし>

⑤ 《産地紹介》岡山県・備中(びっちゅう)素麺

⑥ 《美味しい素麺》手延べ半生うどん 編

 

 


 

① 醬油の歴史と三大産地

 

めんつゆの主な材料である醬油は、大豆と小麦、塩を発酵熟成させたものです。

まずはその醤油について深掘りしてみます。

 

そのルーツは、紀元前700年頃の中国の古文書「周礼(しゅうらい)」に記述のある「醤(ひしお)」と言われています。

「醤」とは当時の塩蔵品の総称だったようです。

原料別に「草醤(くさびしお)」「肉醤(ししびしお)」「穀醤(こくびしお)」の3種類に分けられ、「草醤」は漬物、「肉醤」は塩辛類で、「穀醤」が現在の醤油や味噌の原型と考えられています。

日本では飛鳥時代のものと思われる木簡に、「醤」の文字が見られます。

大宝律令によると、宮廷の料理を司る「大膳職(だいぜんしき)」に属する「醤院(ひしおつかさ)」で、大豆を原料とする醤が作られていたとされています。

奈良時代から平安時代の宮中宴会では、膳の上に「四種器(よぐさもの)」という4種類の調味料「塩・酒・酢・醤」が乗っていたという記録があり、醤の形状が固形から液状へと変化したのもこの頃のようです。

 

大豆が日本で広く生産されるようになってきた鎌倉時代には、醤の一つである味噌の製造過程において、味噌桶の底に溜まった液体を「溜(たまり)」として利用していたそうです。

これが醤油の原型とされています。

室町時代の中頃には、現在の醬油に近いものが作られるようになりました。

1597(慶長2)年の日常用語辞典である「易林本節用集(えきりんぼんせつようしゅう)」に、「醤油」の文字が登場しています。

室町時代の末頃から、関西を中心に醤油の醸造が盛んになりました。

江戸時代の中期には、大阪・堺、和歌山・湯浅、兵庫・龍野などの産地で醬油の量産化がすすみ、製法が進化して品質も向上したと言われ、醬油が庶民にも広く普及した時期であったようです。

江戸幕府が開かれたことに伴い、経済や文化も江戸を中心として発展していきます。

江戸初期には、関西で生産された味や品質の良い「下り(くだり)醤油」が大量に江戸へ送られたという記録が残っています。

江戸時代中期になると関東でも様々な産業が栄え、今の千葉県の銚子や野田が醤油の一大産地となり、江戸の人々の嗜好に合わせた「濃口醬油」が、関東で普及したようです。

 

現在、醤油の代表的な産地として知られているのが、千葉県・兵庫県・香川県です。

千葉県の銚子と野田は、江戸川と利根川の水運を利用し、原料の入手や消費地への運搬にも都合がよく、醤油の産地として発展しました。

千葉県の醬油の生産量は、日本全体の3分の1を占めています。千葉で作られる醬油の多くは、濃口醬油です。

日本の醤油生産量の約15%を占める兵庫県。

その西部に位置する龍野市は、淡口醬油の一大産地です。

播磨平野の豊かな小麦、山間部でとれる良質の大豆、赤穂の塩、清らかで鉄分の少ない川の水が、淡口醤油作りに適しているとのことです。

香川県の小豆島では、木桶仕込みで醬油が作られてきました。

海に囲まれておりもともと製塩業が盛んでしたが、瀬戸内の各地で塩が生産されたため、過剰となってしまった塩を原料として活かせる醤油作りが始められたとされています。

温暖な気候が醤油作りに不可欠な麹の発酵に適していること、天下の台所である大阪に近いこと、原料の運送にも便利な立地であることなどから、醬油の産地として発展を遂げたと考えられています。

 

 

<参考サイト>

・しょうゆの歴史を紐解く

https://www.kikkoman.co.jp/soyworld/subete/history.html

・しょうゆを知る 歴史

https://www.soysauce.or.jp/knowledge/history

・日本食文化の醬油を知る

http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/mame01-a.html

・【醤油】歴史と日本の三大名産地の特徴を知ろう!

https://thegate12.com/jp/article/172#content-2

 

 


 

② めんつゆの起源は室町時代

 

醬油を使ったかえしができる以前の室町時代頃は、うどんを「たれみそ」と呼ばれるものにつけて食べていたそうです。

みそに水を加えて煮つめ、布袋に入れて吊るして漉したもので、これがめんつゆの原型と考えられています

江戸時代初期、そばが食品として普及しました。

当初はたれみそにつけて食べていましたが、作るのに手間がかかる、絞りかすが出るなどの点から、醤油ベースのそばつゆができたようです。

1751年(寛延4年)の「蕎麦全書」という書物には、たれみそを使ったつゆと醤油を使ったつゆの2種類の作り方が記述されています。

江戸時代後期には、醤油にみりんやだしを合わせたものが流通するようになりました。

明治時代になると甘味の強いつゆが好まれるようになり、砂糖を加えたものが主流となりました。

女性や子供もそばを食べるようになり、その嗜好に合わせたからと考えられています。

 

商品としてのめんつゆは、1952年に中京の食品メーカーが販売したものが最初と言われています。

1997年制定のJAS規格では、めん類等用つゆは「しょうゆに糖類及び風味原料(かつおぶし、こんぶ、乾しいたけ等)から抽出しただしを加えたもの又はこれにみりん、食塩その他の調味料を加えたもの」と定義されています。

1980年代以降、日本人1人当たりの醤油の消費量は減少傾向にありますが、めんつゆは需要が高まり消費量が伸び、1994年にはつゆ・たれ類の世帯当たりの年間支出金額が醬油を上回り、2012年にはその差が2倍以上に拡大しています。

 

三代目:めんつゆって、比較的新しい物と思い込んでいましたが、歴史のある食べ物だったんですね。

そう考えると、めんつゆにつけて食べる今のスタイルは、実はもう何百年も続いているということなんですよね。

小豆島出身なのでお醤油にはこだわりがありましたが、これからはめんつゆにももっと想いを巡らせて、手延べ麺の食べ方や味わい方も研究していきたいですね。

 

 

<参考サイト>

・めんつゆについて

https://food-drink.pintoru.com/mentsuyu/about-mentsuyu/

・めんつゆの躍進

https://www.foodwatch.jp/daizu039

・ウィキペディア「めんつゆ」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%81%E3%82%93%E3%81%A4%E3%82%86

 

 


 

③ 地域による味の違い<醬油>

 

めんつゆの味を決める2大要素、醬油とだし。それぞれ地域ごとに、好まれる味や素材が異なるようです。

醬油は、その製造方法から3つに分けることができます。

<本醸造方式>

大豆と小麦を、麹菌や酵母、乳酸菌など微生物の力により時間をかけて発酵熟成させる、昔ながらの醸造法。深い旨みと、芳醇な香りが特徴。生産量全体の約9割を占めています。

<混合醸造方式>

本醸造方式でできたもろみにアミノ酸液(大豆などに酸を加え加水分解して作ったもの)などを加えて発酵熟成させる製法。

<混合方式>

本醸造形式で作った生揚げ醬油にアミノ酸液などを混ぜる製法。そこから砂糖類や甘味料などを加えて旨みとのバランスを調整するなどアレンジされることもあります。

 

これらを踏まえ、地域ごとに好まれる醬油の傾向を見ていきます。

<北海道>

本醸造方式の濃口醬油に加え、共働きで農地開拓していたことから手軽に調理できる濃縮つゆが広く普及。特産品である昆布のだしを使った昆布醬油も多く使われます。

<東北>

甘口の本醸造醬油や、やや甘めの混合醬油が沿岸部を中心に好まれます。濃縮つゆやだし醬油が、醤油代わりに日常的に使われているようです。

秋田では、ハタハタやイワシを使った「しょっつる」という魚醬が作られます。

<関東>

本醸造の濃口醬油がほとんど。海に面した江戸で、魚の臭みを和らげる濃口醬油が広まったとされます。甘味料を添加せず、すっきりした味わいが特徴。

<北陸>

甘口の本醸造醬油や甘い混合方式の濃口醬油が主に使われています。北洋漁業の漁師の嗜好に影響を受けたという説も。石川では、イカの内臓やイワシを使った「いしる」という魚醬が作られます。

<中部>

本醸造方式の濃口醬油が多く使われます。

また愛知・岐阜・三重を中心とした地方では、豆味噌の製造過程で生まれた色の濃い「たまり醬油」と、小麦が主原料の色の淡い「しろ醬油」も作られています。

<近畿>

本醸造方式の濃口醬油と淡口醬油を、料理により使い分けます。淡口醬油は江戸時代に兵庫県龍野で生まれたとされます。

<中国>

九州北部の甘い醬油が入ってきたことにより、やや甘い混合醬油が多く使われます。瀬戸内に比べ、日本海に面した萩地方の醬油はより甘いと言われています。

地元産の牡蠣エキスを使った牡蠣醬油などの加工品も作っています。

<四国>

地域により特徴が分かれます。

高知や愛媛は九州の影響を受けて、甘味の強い混合醬油が好まれます。

江戸時代から醬油の産地として知られる香川県小豆島では、関東同様、甘味料を使用しない本醸造の濃口醬油が使われます。

讃岐うどんのつゆには、混合の淡口醬油が使われています。

また香川ではいかなごを使った「いかなごしょうゆ」も作られていました。

<九州・沖縄>

混合方式の濃口醬油と淡口醬油を料理により使い分けます。九州南部では強い甘味のある醬油が好まれる傾向にあります。

沖縄は、東京からの物資調達が多かった背景もあり、濃口醬油が多く使われます。

 

 

<参考サイト>

・関東は濃いめ、関西は淡め、九州は甘め…ではほかの地域は?日本各地で違う「しょうゆ文化」の謎に迫る

https://news.yahoo.co.jp/articles/9618729e58a029b78d8e1bd63c1a0e6e39b5b1b8

・しょうゆのすべて

https://www.kikkoman.co.jp/soyworld/subete/index.html

・「調味料」地域性 醬油編

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/shokuiku/library/japanesefood/03_03.html

・しょうゆと郷土料理

https://www.kikkoman.co.jp/pdf/no26_j_008_025.pdf

 

 


 

④ 地域による味の違い<だし>

 

だしの味が関東と関西で異なることは、よく知られていると思います。

関東では主にかつお節が、関西では昆布が多く使われます。

この違いの理由については、2つの説があるようです。

1つは、昆布の流通。

室町時代、北海道でとれる昆布が船で京都まで運ばれる、通称「昆布ロード」が確立しました。

江戸時代には北前船で酒田から下関を通り、大阪を経由して江戸へ向かう西廻り航路が開かれました。

関西では京都の公家文化の影響で、上質な昆布のだしを使って素材の味を引き出す京料理が誕生。

天下の台所と呼ばれ、比較的裕福な商人の町であった大阪でも、昆布だしが広まったようです。

江戸まで運ばれた昆布は関西で売れ残ったものだったので、関東には昆布だしが根付かなかった、という説です。

当時の関東では肉体労働者が多かったことから、味付けの濃いものが好まれ、濃厚なかつおだしやそれに合う濃口醬油が発展していったと考えられています。

 

もう1つの説は、水質の影響です。

関西の水は硬度が低く、昆布だしを引き出すのに適しており、関東の水は関西に比べ硬度が高いので昆布だしが出にくいと言われています。

そこで濃いだしをとるために、関東ではかつお節が多く使われるようになったという説です。

 

関東と関西だけでなく日本の各地域で、それぞれの特産品などの影響により、だしの種類は異なります。地域ごとによく使われるだしの種類を見ていきます。

<北海道>

かつお節昆布など。

くせのないさっぱりとしただしが好まれます。

<東北>

煮干し中心さば節など。

魚の香りがしっかりとした、濃いだしが好まれます。

<関東>

かつお節さば節など。

関東では江戸時代の中期頃から、カビつけした枯節が好まれるようになりました。甘味があり、上品な香りが特徴で、まろやかな味わいです。

<北陸>

昆布かつお節など。昆布の加工品も多く使われます。甘めのだしが好まれます。

<中部>

さば節むろあじ節など。味も香りも強めの濃い出汁が好まれます。

<関西>

昆布かつお節さば節煮干しなど。

関西では、カビつけをしないかつおの荒節が好まれました。昆布をメインに、煮干しやかつおなどを合わせただしが特徴。澄んだ黄金色の上品なだしを、薄口醤油に合わせます。

<中国>

煮干し焼きアゴかつお節など。

パンチのきいた濃い煮干しのだしが好まれます。

<四国・九州>

煮干し焼きアゴなど。

黒潮に乗ってイワシがたくさん獲れたことから、高級品だったかつお節や昆布の代用品として手に入りやすい煮干しが使われ、その文化が根付いたと考えられています。

<沖縄>

かつお節豚骨

沖縄はかつお節の消費量が全国1位です。中国に輸出する際の中継港であったことや、太平洋戦争時に水産業を積極的に行っていたことが理由ではないかと考えられています。

 

三代目:お醤油の違いはそれなりに分かっているつもりでしたが(今回調べて、結構知らないことが多かったですが)、だしにもこんなに違いがあるのに驚きでした。

醤油×だしの種類でめんつゆの味わいが変わるとすると、その組合せはとっても多いものになりますよね。

さらにだしを重ね合わせたりすると…そう考えると、めんつゆひとつとっても楽しみが大きくひろがりますね。

 

 

<参考サイト>

・「だし」の誕生と発達

https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/17/2.html

・地域ごとで全く違う!?日本各地の出汁文化!

https://gyoumuyo-dashi.com/2020/03/20/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%A7%E5%85%A8%E3%81%8F%E9%81%95%E3%81%86%EF%BC%81%EF%BC%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%90%84%E5%9C%B0%E3%81%AE%E5%87%BA%E6%B1%81%E6%96%87%E5%8C%96%EF%BC%81/

・だしの話

https://shop.ninben.co.jp/blog/?cat=20

・だしを知る

https://www.e-bonito.com/know/

・「だし」の地域性 節類・煮干編

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/shokuiku/library/japanesefood/03_01.html

・「だし」地域性 昆布編

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/shokuiku/library/japanesefood/03_02.html

 

 


 

⑤ 《産地紹介》岡山県・備中(びっちゅう)素麺

 

今回は、手延べ麺を製造する7産地目をご紹介します。

備中手延べ素麺は、昔の備中国にあたる岡山県浅口市鴨方町とその周辺の里庄町・矢掛町・笠岡市などで作られる手延べ素麺で「備中素麺」と呼ばれ、地元でもとても人気が高いそうです。その生産の中心となる地名からか「鴨方素麺」とも呼ばれていたり、商標名では「かも川」の名称が有名なんだそうです。

この地域では素麺を一年中常備している家庭が多く、冷やして食べるだけでなく温かいにゅうめんも日常的に食べられており、みそ汁に入れたり、赤ちゃんの離乳食にする家庭もあるそうです。

弾力があり煮崩れしにくいコシの強さと、なめらかなのど越し、歯切れの良さが特長だとか。

 

備中での麺づくりの歴史は大変古く、吉備国に「麦切(むぎきり)」という記述が古書に残っているそうです。朝廷に献上されたという記述が残っているそうです。少なくとも9世紀頃には吉備地方でうどんやそうめんの原型のようなものが作られていたと考えれています。

 

香川をはじめ、岡山、兵庫(播磨)は古くから小麦の産地で、後にその品質の高さから「三県物」と呼ばれるようにまでなった歴史があります。

備中素麺は、杉谷川の清流と、備中の大動脈とも言われる高梁川流域で栽培された小麦、瀬戸内海沿岸で作られる塩といった良質な素材が入手しやすい土地柄と晴天の多い気候からか、素麺作りが盛んになっていったと伝えれています。さらに、杉谷川には多くの水車が設置され、製粉から製麺まで一体化した素麺作りを行っていたようです。

 

江戸時代後期の文政年間に浅口郡口林村の原田敬助という人が、伊勢参りの道中、播州で素麺を食べたことをきっかけに、製麺職人を播州から村に移住させたとされています。

最初は小坂東村(現・浅口市鴨方町小坂東)の杉谷川流域に技術者が住み、そこから地元住民に製麺技術が伝わったと伝えられているので、「麦切」に見られるような小麦の加工品づくりとしての土壌は古くからあったことから、地元でも定着は早く人気が出たのかも知れませんね。

 

明治になると農家の副業にとどまらず、製麺を専業とする業者が多数生まれ、明治32年(1899年)には組合が結成されたそうです。

昭和初期にはいち早く工業化に着手し、手延べ用のこね機やイタギ機を開発。

手延べ作業の効率を上げることにより、大量生産と品質の安定化に成功したとされています。

最盛期には播磨に次いで生産量全国2位となり、約200の業者で年間約10万〜12万箱を製造していたそうです。

農林水産省の統計(平成21年)によると、手延べ素麺の都道府県別生産量において、岡山県は第6位となっています。

 

三代目:岡山県の備中素麺の名前は知っていましたが、歴史などは全く知りませんでした。小豆島での素麺づくりと共通項も多く、とても興味が湧いています。

このブログを書くたびに行ってみたい産地が増えて大変です(汗)。

まだまだブログを書いているだけなので、実際に産地や工場を見学させていただき、勉強していきたいと思います。

また、様々な産地で私のような後継者がいらっしゃれば、ぜひお目に掛かってお話を伺ってみたいと考えています。

 

<参考サイト>

・【備中手延べ麺】そうめん・うどん・ひやむぎまで。江戸時代からの名産品

https://fuuraiki.com/bitchuu-tenobemen/

・備中手延べそうめん

http://soumen-guide.net/archives/115

・乾めん類の都道府県別生産量

https://www.shimabara-soumen.com/article/14800426.html

 

 


 

⑥ 《美味しい素麺》手延べ半生うどん 編

 

小豆島には21の醤油蔵があり、独自の醤油やめんつゆを作っておられます。

すごいのは、各蔵によってそれぞれ味が異なるということ。ですから、島の方たちにも一人ひとりの“推しめんつゆ”があります。

島に来られた際には、ぜひ醤油やめんつゆなどの味の違いを楽しんでくださいね。

 

さて、今回はめんつゆのお話を書いたので、1つのめんつゆで二度美味しい「手延べ半生うどん」の食べ方をご紹介します。

 

たっぷりの水を鍋に入れ沸騰させます。

半生うどんは少し茹で時間が長いですが、焦らずじっくり茹でてください。

パッケージに記載の通りに茹で、冷たい水でサッとゆすげば麺が引き締まり、もちもちでシコシコな独特の食感を味わっていただけます。

そして、ネギやおろし生姜などの薬味を入れたお好みのめんつゆに、麺をひたして食べれば冷やしうどん(ざるうどん)として召し上がっていただけます。

器やタライなどにお湯を張って、その中に浸し麺が冷めないようにしながら、“釜揚げうどん”としてめんつゆにつけながら食べるのも、寒い日にはおすすめです。

 

もう1つの食べ方は、同じように麺を茹で冷たい水でサッとゆすぎ、しっかりと麺の水を切って薬味と一緒に器へ盛り付けておきます。

それと同時にめんつゆを火に掛け沸騰させ、器に盛ったうどんの上にバサッと掛ければ“冷やあつぶっかけうどん”のできあがりです。

お好みで温玉などを盛り付ければ“釜玉うどん”に。

めんつゆは熱々でも、麺は冷たく引き締まっているのでそのギャップが美味しいですよ。冬でもおすすめの召し上がり方です。

 

めんつゆ自体にも色々と味わいがありますが、冷たくしたり温めたり、さらに、麺を冷やしたり温かくしたり。

その組合せで色々と味わいが変わって、美味しく召し上がっていただけます。

 

石井製麺所の「手延べ半生うどん」は、冬季限定商品となっていますので、ぜひこの機会に色々と食べ方をお楽しみください。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べ半生うどん》 https://141seimen.thebase.in/items/29007530

 

 

 

 

 

三代目:次回のブログは2/27ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

2023年1月26日 【Vol.6】冬が手延べ素麺づくりに最適な理由

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.6

冬が手延べ素麺づくりに最適な理由

 

 

 

 

夏の食べ物というイメージを持つ方も多い素麺ですが、実は手延べ素麺作りは冬が本番です。

手延べ製法では生地を細く引きのばして作るため、気温が低く空気が乾燥した気候が適しているとされます。

冬に手延べ素麺作りが盛んに行われる理由について、調べてみました。

 

三代目:小豆島は温暖で穏やかなイメージがありますが、冬はそれなりに寒くなり(雪が降ることもあります)、季節によって風がとても強い日が続いたりします。

ただ、比較的雨は少なく(それも年によって異なりますが)、海辺に近いながら空気は乾燥しがちです。

神奈川からUターンで戻ってきて、久しぶりに感じた冬の小豆島のイメージは、思ったより温かくないな…でした。

 

 

 

【目次】

① 寒い季節に作られる“寒製素麺”

② 冬の農閑期の副業として発展

③ 早朝3時から始まる手延べ製麺(※石井製麺所の場合)

④ 《産地紹介》愛媛県・五色(ごしき)素麺

⑤ 《美味しい素麺》手延べ麺 蕎麦風味 編

 


 

① 寒い季節に作られる“寒製素麺”

 

明け方の冷え込みが厳しく、空気の乾燥している12~2月頃の厳寒期、全国の手延べ素麺の産地で素麺作りが最盛期を迎えます。

寒い季節に作られる素麺は、春先や秋口に比べて塩の量が3割ほど少なくても細く長く伸ばせるので、麺の風味を損ねないそうです。

また、乾燥した冷たい空気が程良い時間で水分を飛ばしてくれることから、コシが強くて甘みがあり、小麦粉本来の味わいを楽しめる良質な麺に仕上がると言われます。

空気中の水分を吸収しにくいため、長期の保存にも良いそうです。

逆に夏は湿気が多く、生地が湿気を吸い込んでしまうので、素麺作りにあまり適していないとされています。

寒風にさらすことで麺がしまって旨みが増し、色もより白く美しく仕上がります。

 

香川県小豆島では、自然環境の良さを活かし天日干しでの素麺作りが行われます。

昔から続く冬の風物詩ともなっており、1月にはテレビのニュースでも取りあげられています。

 

 

<参考サイト>

・冬の風物詩 寒造り「そうめん」最盛期迎える

http://www.soba-udongyoukai.com/info/2013/2013_0109_kandukuri.html

・冬風そうめん色白に 小豆島「極寒づくり」最盛期

https://www.sankei.com/article/20180115-YFMJH3VPVNOBVJJ6VZENS5KWPU/

・瀬戸内の冬空に “天日干し” 小豆島の「寒そうめん」

https://www.youtube.com/watch?v=0EhJEo70Cw8

・そうめん作りは寒い季節が最適な時期

https://www.miwa-soumen.com/blog/203080.html

・手延べそうめんづくりはなぜ冬にする?

https://miwaokina.com/knowledge/knowledge/soumen/winter.html

 

 


 

② 冬の農閑期の副業として発展

 

素麺作りは、日本の素麺発祥の地とされる奈良県三輪から、揖保乃糸で知られる兵庫県の播州や、香川県小豆島など全国各地に伝わったと考えられています(「【お!いしい けんぶんろく】 Vol.1 素麺1200年の歴史と、その三大産地について」をご参照ください)。

素麺作りに適した気候風土に恵まれ、かつ、良質な原料の調達が容易であった地域で、冬の農閑期を支える副業として発展したようです。

 

小豆島では、温暖で雨が少なく日照時間が長い気候のもと、瀬戸内海で採れる天然塩や、讃岐平野で作られる小麦粉、良質な清水、島で作られるごま油などを使っての素麺作りが行われ、主要産業へと成長していきました。

「池田町史」によれば、製法の伝来当初は盛んではなかったようですが、18世紀の初め(江戸後期)に大変盛んになったと当時の販売記録や輸送船の記録に残っているそうです。

また水源豊かな中山地区では、製造効率を上げるため、牛ではなく水車を使い製粉をされていたそうです。その当時から、今で言う組合のようなやり方で、製粉した小麦粉を共有し、製造担当者が素麺を作り、それをまとめて販売するようになったそうです。切磋琢磨しながら協力して製造効率を上げ、品質を安定させた素麺が評判となり、広まっていったようです。

そのおかげもあり今もなお、伝統的な手延べの製法が受け継がれ、日本全国に出荷されています。

 

三代目:その昔、小豆島に手延べ素麺の製法が伝わったのは、当時、お伊勢参りなどで三輪(奈良県)に立ち寄った際、耕牛を使い小麦を製粉して素麺を作る様子を見て、その地で製法を学び持ち帰ったとされているそうです。

これは、小豆島の中で民俗学を研究されている方からお聞きしたことなのですが、当時のお伊勢参りには誰でもいけるわけでなく、大変お金がかかったそうです。

その地域でお伊勢参りに行く代表者を決め、みんなでお金を出し合って行かせていたそうです。

当然、長期の旅となるため農閑期におこなっていたでしょうから、三輪を訪れた際に素麺を製造していて「農閑期の副業はこれだ!」と目を付けることが出来たのでしょう。

また、同じ境遇の者同士だからこそ、その製法を教えてくださったのではないでしょうか。

兎にも角にも、お伊勢参りに行って持ち帰った方の先見の明から、現代にも続く地場産業となったのでしょうね。

 

※写真は、殿川ダム上流に今も残る「殿川水天宮」。ブログ「小豆島そうめんの歴史をたどる」もご覧ください。

 

<参考サイト>

・小豆島の風土と素麺づくり

https://shimazen.co.jp/soumen/history

・手間ひまを惜しまない職人の技 小豆島の「手延べそうめん」

https://www.inoueseikoen.co.jp/products/detail.php?product_id=430

 


 

③ 早朝3時から始まる手延べ製麺

 

冬の気候を活かした素麺作りは、丸一日かかります。

小豆島の石井製麺所の例で言えば、材料を配合してこねる作業を、早朝3時ごろには始めます(「【お!いしい けんぶんろく】 Vol.2 手間を惜しまない伝統の製法・手延べ素麺)をご参照ください)。

配合量は毎日同じというわけにはいきません。

その日の天候に合わせて、塩の量や練り具合、天日干しと室内干しの時間配分を調整するなど臨機応変に対応します。

こねてのばして、帯状になった生地を半分に折るようにして丸め、麺生地同士がくっつかないように、ごま油を塗りながら巻いていきます(油がえし)。

油がえし後は、しばらく寝かせて生地を熟成させます。この時間の長さも、気候や温湿度によって変えていきます。

生地をさらにのばして重ねて、のばして重ねて…を繰り返すことで、小麦粉に含まれるグルテンが一定方向に、まるで何層にも重なった地層のように組織されます。

これを、よりをかけながら細くのばすことで断面が丸くなり、なめらかな食感とコシ、つるつるとした喉越しが生まれます。

多くの工程を経て細くのばした麺を、“はた”と呼ばれる干し台につけていきます。

その日の湿度に合わせて、手作業で箸を入れ、のばし上げた麺線のひっつきを一本一本丁寧に箸で分けていきます(はし分け)。

これを天日干しするのですが、完全に乾くまで屋外に干すのではなく、表面の水分がほどよく乾燥したのを見計らって、室内乾燥に切り替えます。

天日干しで表面をさっと乾かし余分な水分を取り、室内乾燥でじっくり時間をかけて乾かすことで、麺の一本一本がよく締まり、舌触りがつるっとした、見た目もなめらかで美しい素麺になるのです。

天日干しが上手くいかないと、乾きすぎによって締まりのない、ザラつきの気になる麺になってしまいます。

 

常に同じ味・同じ品質を保てるよう、ただひたすら一本一本丁寧に、素麺を作り続けています。

 

三代目:石井製麺所だけではないと思いますが、厳寒期の素麺作りは大変です。

太陽が昇るずっと前、深夜の空気はキンと張りつめています。仕込みの際は当然、水も使うので朝の作業は特に寒さが厳しく感じる時間かもしれません。

それなら暖房をつければいいかと言えば、そう簡単な話ではありません。

麺生地は、特に温度の変化に敏感なため、急な温度変化は熟成のコントロールを難しくしてしまいます。

そして何より、冬の麺のよさが失われてはいけません。

石井製麺所ではあまりに寒くて熟成が進まないときを除き、ストーブの使用は最低限にしています。

伸ばしから乾燥にかけては、半屋外とも言える環境での作業になります。作業が始まるとじっとしている時間は少ないので、だんだんと体が温まってくるのですが、作業を始める前は気合いが必要になりますね。

 

 

 


 

④ 《産地紹介》愛媛県・五色(ごしき)素麺

 

五色素麺は、愛媛県松山市の郷土料理として知られる5色の素麺。

人工着色料は使わず、もち麦・蜜柑・梅・抹茶など自然のもので着色されているそうです。

その由来は江戸時代にさかのぼるといわれます。

享保7年(1722年)、寛永から続く製麺会社の八代目・長門屋市左衛門の娘が椿神社に参拝したとき、美しい五色の糸が下駄に絡みついたのを見て、父親に「そうめんに五色の色をつけてみては?」とすすめたそうです。

これを機に色麺の技術が編み出されたと伝えられています。

5色の彩りのそうめんは評判となり、参勤交代の折に献上した八代将軍徳川吉宗から「格別上品至極」と賞賛されたとのこと。

また、朝廷からも「美麗五色は唐糸の如く美し」との綸旨を賜り、「五色そうめん」の名が全国に知られるようになったと言われています。

五色素麺を愛した著名人も数多く、近松門左衛門は「味はいうまでもなく、その美しい姿はまるで冬の日に輝きながら、舞い踊っている陽炎のよう」と賞しています。

正岡子規は「文月のものよ五色の糸そうめん」という句を残しています。

また、愛媛を代表するお座敷唄である「伊予節」にも、松山の名物名所のひとつとして「おとに名高き五色そうめん」と唄われています。

 

 

<参考サイト>

・カラフルそうめんの元祖!? 松山の「五色そうめん」を地元民オススメの贅沢な食べ方で!

https://gurutabi.gnavi.co.jp/a/a_2662/

・五色そうめんの歴史

https://goshiki-soumen.co.jp/history/

・色麺300年! 愛媛の夏の味・五色そうめんの覚悟

https://www.ehime-np.co.jp/article/news202206030011

 

 


 

⑤ 《美味しい素麺》手延べ麺 蕎麦風味 編

 

石井製麺所のオリジナル手延べ麺に「手延べ麺 蕎麦風味」があります。

これは、小麦粉8に対して、蕎麦粉2を混ぜ、手延べ製法で作った麺です。

蕎麦の風味を感じながら、手延べ麺独特のツルッとした食感が楽しめるととてもご好評を得ています。

さて、なぜこの時期に蕎麦を紹介?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

「年越し蕎麦」はあまりにも有名ですが、「節分蕎麦」ってご存じでしょうか?

 

一般的に「年越し蕎麦」といえば、12月31日にコタツに入りながら、除夜の鐘の中継を見つつ召し上がったりされていますよね。

でも、蕎麦文化を研究されている方によると、年末に食べる風習は意外と新しくて、本来の「年越し蕎麦」とは違っていたそうです。

 

では、“本来”の「年越し蕎麦」はというと、節分に食べる「節分蕎麦」が「年越し蕎麦」だったそうです。

節分とは、季節の変わり目のことで、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ前日でしたが、今では特に立春の前日を指して節分と呼ばれるようになっています。

立春の前日の節分は“大寒”の最終日で、冬から春への節目の日です。そのため江戸時代には、大晦日ではなく節分を本当の年越しと言う考え方があったそうです。

ですので、研究家の方によれば“本来”の「年越し蕎麦」は、「節分蕎麦」と言うことになるそうですよ。

なるほど。。。

 

節分には、柊にイワシの頭を指して戸口に立て、炒り豆をまいて悪疫退散、招福を願ったりされる風習がありますよね(地域によって違いはあるかもしれませんが)。

この風習は中国から伝わった宮中の年末の行事だったそうで、江戸時代頃には一般に広まり、立春の前日に行う清めごとになったそうです。

「節分蕎麦」とは、節分の日に食べる豆や恵方巻きのように縁起がよいメニューと言われていますが、江戸時代の頃には節分料理の元祖として全国に広まっていたそうです。
 
「節分蕎麦」をあまり聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、今年の節分には「節分蕎麦」を石井製麺所の「手延べ麺 蕎麦風味」で召し上がってみるのはいかがでしょうか。
 
 
 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べ麺 蕎麦風味》 https://141seimen.thebase.in/categories/4801499

 

<参考サイト>

・そばの散歩道

https://www.nichimen.or.jp/know/zatsugaku/34/

・子育て情報メディア「KIDSNA STYLE」 2月3日は節分そばを食べよう。由来や意味、節分そばのレシピ
 

 

三代目:次回のブログは2/10ごろ、アップしたいと思います。

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。