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2025年2月

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石井製麺所通信

2025年2月17日 【Vol.53】麺究者への道/豆類を使った発酵⾷品について研究してみる

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.53

麺究者への道/豆類を使った発酵⾷品について研究してみる

 

 

 

 

さて、今回のブログのテーマは「豆類」の発酵食品についてです。

その「豆」に関連して、小豆島で3月15日(土)、16日(日)に開催される「豆まめ市場」をご紹介させていただきます。

今回は豆繋がりということで(笑)。

 

食品関連のイベントではありませんが、小豆島内外からクラフト作家さんにお声がけして展示販売を行っているイベントだそうです。

飲食の出店や佃煮会社さんの出し物(この時は佃煮すくい)もあってけっこう楽しげなイベントです。

主催されるのは、「豆まめ市場実行委員」の皆さんで、島の若者(だけじゃありませんが)が中心となって、島に新しいイベントを開催しようと毎年3月に実施されているものです。

 

昨年の開催日に伺いましたが、あいにくの雨(大雨!)でしたが出店者の皆さんは慣れたもの(?)で接客をしておられました。

 

島内では春めいてくると毎週のように島中のあちこちでイベントが開催されていて、島の方はもちろん観光で来られた方にも楽しいひとときを提供くださっています。

私は製造もあってなかなかお手伝いできませんが、主催されている皆さんを応援させていただければと思います。

島でのイベントは、島外の方との交流の機会でもありますし、日常では味わえない楽しい時間や珍しいもの、美味しいものもたくさんあって、これからも増えていくと嬉しいなと思います。

いつか、石井製麺所も何かの出店ができればと思います。

(商工会、自治会でのイベントではお手伝いなどしていますが)

 

寒さが厳しい日が続きますが、素麺づくりにはちょうど良いお天気と乾燥具合です。

人間にとってはとても厳しいですが、これも美味しい素麺ができると思えば、ありがたい寒さなのかも知れません。

最近は雪が降る日も多く寒さ厳しいですが、そのぶん春の訪れが待ち遠しいですね。

 

今回のブログは冒頭でも触れましたが「豆類」の発酵食品に関する内容です。

以前に、「納豆」「味噌」「醤油」とブログのテーマにしたことがありますが、今回は「豆類(に似たもの含めて)」です。

豆と思って調べていたら、豆でなく「種」だったりする内容もありますが、今回も最後までお付き合いください。

 

 

 

「小豆島で一番のクラフト市場 豆まめ市場」

日時 3月15日(土)10:00〜16:00、16日(日)9:00〜15:30

場所 安田の馬場

ホームページ mame2ichiba.jimdofree.com

 

写真は、「豆まめ市場実行委員会」様からご提供いただいたものです。

 

【目次】

① 言わずと知れた納豆・味噌・醤油

② 身近で意外な豆類(に似た)発酵食品とは?

③ 他にもある、日本の豆類発酵食品

④ 世界の豆類発酵食品

⑤ 《美味しい手延べ麺の紹介》京都・北尾商事様「黒豆そうめん」 編

 

 


 

① 言わずと知れた納豆・味噌・醤油

 

古くから現代に至るまで、日本の食生活には大豆の発酵食品が欠かせないものとなっています。

代表的なのが「納豆」「味噌」「醤油」。

それぞれ、以前このブログでも取り上げたことがある食材です。

その中から発酵に関する内容を抜粋・要約してお届けします。

詳しくは「【Vol.32】麺究者への道/納豆について研究してみる

【Vol.34】麺究者への道/味噌について研究してみる

【Vol.30】麺究者への道/醤油について研究してみる」もご参照いただければと思います。

 

 

納豆は、発酵により風味も栄養価もアップ!

 

独特のにおいや粘りが苦手という方も多いかも知れませんが、健康に良いことづくめの食品です。

 

日本人が納豆を食べるようになった時期ははっきりとは分かりませんが、米や大豆の栽培が普及し、野菜の煮炊きが行われるようになった弥生時代と推測されています。

当時の竪穴式住居の床には、納豆菌の格好の住みかとなる稲わらが敷かれていたそうです。

煮た大豆が稲わらの上に落ちたのか、稲わらでくるんで保存したのかで、納豆菌が大豆に偶然付着したのがきっかけという説をはじめ、時期や地域もさまざまな説があるようです。

 

室町時代には糸引き納豆が広く知られるようになり、日常的に食されるようになりました。

戦国時代においては、栄養価が高く保存性が良い納豆は、重要な兵糧のひとつとして武士のタンパク源やスタミナ源となりました。 

江戸時代には一般庶民にも広く食べられるようになり、京都や江戸では「納豆売り」が毎朝納豆を売り歩きました。

ざるにわらを敷いて納豆を盛り、天秤棒にぶら下げて、量り売りしていたとのこと。

またこれとは別に、漬物店などの店頭でわらに包んだ納豆も売られていたそうです。

 

その後、包装形態が進化し、また納豆の製造方法などの研究が進み、1960年代以降の冷蔵輸送技術の発展と普及によって全国的に広く流通するようになり、その健康機能性の高さが注目され、人気の食材となっています。

 

納豆の基本的な材料は、大豆と納豆菌のみです。

納豆の発酵はおよそ20~24時間程度と、味噌や醤油と比べて短時間です。

伝統的な製法は、まず大豆を蒸して冷まします。

煮沸消毒した稲わらでつくった「わらづと」に入れ、40℃前後の環境で発酵させると、わらにすみついた天然の納豆菌が繁殖して、20〜24時間ほどで納豆が出来上がります。

 

納豆菌は、「枯草菌(こそうきん)」という細菌の一種で、田んぼや畑、枯れ草など身近なところに存在し、特に稲わらに多く生息しています。

煮大豆に納豆菌を加えると、発酵する過程で大豆のタンパク質を分解して吸収しやすくなり、納豆特有の香りや味、ネバネバが生まれます。

この粘性物質は、旨み成分の一種であるグルタミン酸が結合した「ポリグルタミン酸」というもので、昆布の旨み成分と同じものです。

糸を引けば引くほど、旨み成分が増します。

 

納豆菌は非常に高い繁殖力を持ち、乾燥や熱にとても強いため、取り扱いに注意が必要な場合があります。

酒蔵や味噌・醬油蔵、パン工房などに納豆菌が入り込むと、それぞれの食品の発酵に必要な麹菌や酵母などに良くない影響を与えてしまいます。

また熱湯消毒したり石鹸で洗ったりしても完全に殺菌できないため、納豆菌を持ち込んではいけないとされています。

 

納豆菌は胃酸にも強いため、生きたまま腸内にたどり着いてもともといる善玉菌を活性化させたり、悪玉菌を抑制して腸内環境を改善したりする働きがあります。

 

納豆菌は食物繊維があると腸内での働きが盛んになるため、食物繊維も豊富な納豆を食べることで整腸を促進します。

 

また大豆に納豆菌を加えて発酵させる過程で、タンパク質分解酵素である「ナットウキナーゼ」を生成します。

ナットウキナーゼは、血栓を溶かし、血液をサラサラにする働きが知られています。

納豆を食べるときに25回以上混ぜてより粘りを出すことで、ナットウキナーゼが胃酸で溶けるのを防ぎ、腸で効率良く吸収されやすいという説もあるそうです。

 

さらに納豆菌は、骨の形成促進に深く関わる「ビタミンK2」を多く生み出します。

 

納豆菌の発酵により、増加する成分もあります。

原料の大豆が持つ「大豆イソフラボン」は、増加して腸から吸収しやすい「アグリコン型イソフラボン」の形に変化します。

女性ホルモンと似た働きを持つことから、ホルモンバランスを整え、更年期症を改善することが期待できます。

 

また、アンチエイジング作用が注目される「ポリアミン」は、私たちの体内でもつくられている、細胞の新陳代謝を正常に行うために必要不可欠な成分です。

大豆発酵食品にはポリアミンが多く含まれ、特に納豆は納豆菌による発酵によりとりわけ多く含まれているそうです。

 

 

 

味噌は、発酵・熟成により調和した豊かな味わいに。

 

日本の古来からの発酵調味料である「味噌」。

そのルーツについては、中国もしくは朝鮮半島経由で伝わったという説と、弥生時代から日本独自の塩蔵を経て発展したという説があるそうです。

中でも有力なのが、中国で生まれた、肉や魚を塩で漬けて発酵させた「醤(ひしお)」や、大豆や雑穀と塩を合わせて発酵させた「豉(くき)」が、日本に伝わり独自の発展を遂げたという説です。

 

奈良時代、701年に完成した「大宝律令」に「未醤」という文字が書かれており、「みしょう」 から 「みしょ」 、「みそ」へと変化していったと考えられています。

 

平安時代に初めて「味噌」という文字が文献に現れ、「延喜式(えんぎしき)」という法典では貴族の給与や贈答品として使われていたという記述があります。

当時は貴重な高級食材で、おかずとしての「なめ物」だったようです。

 

鎌倉時代には、中国からの僧の影響ですり鉢が広まり、粒味噌をすりつぶしたものを使った味噌汁が誕生したとされています。

 

室町時代には大豆の生産量が増え、農民が自家製の味噌をつくるようになり、保存食として庶民にも浸透しました。味噌汁以外の料理も、室町時代に生み出されたそうです。

 

戦国時代には武将たちが戦陣食として味噌を用いました。

貴重なタンパク源として、干したり焼いたりして携帯しやすくしていたそうです。

 

江戸時代には味噌汁が庶民の味となり、味噌が生活に根付いていきました。

そして現在に至るまで、容器の変化やだし入り味噌の登場など、社会変化に合わせて進化を続けています。

 

味噌は、大豆や麹、塩などを発酵・熟成させてつくられます。

まずは乾燥大豆を水で戻し、蒸したり煮たりして冷ました後、細かくつぶし、米麹と塩、水を加えて混ぜます。

これを容器に仕込んで発酵させることで、麴菌が持つアミラーゼが米のデンプンを分解してぶどう糖(グルコース)に、プロテアーゼは大豆のタンパク質を分解してペプチドやアミノ酸にします。

また、発酵過程でできたブドウ糖から、酵母によるアルコール発酵や乳酸菌による乳酸発酵により酸味や香り成分がつくられます。

 

こうしてできた味噌の旨味は、大豆タンパクが分解されてできるアミノ酸(主にグルタミン酸)に影響され、熟成の進んだものほど旨味が強くなります。

さらに塩味や酸味、甘味が調和し、良い香りと適度な粘度が加わって形成されるそうです。

また熟成が進むと舌に感じる刺激が和らいで伸びとコクのある味わいになるとのことです。

 

味噌は仕込み初期には塩辛く感じられ、熟成するにつれて、塩分濃度は同じですが塩辛味が減少します。

この現象を「塩なれ」といい、乳酸やペプチド、アミノ酸など、酸味や旨味成分の影響を受けた結果起こるものだそうです。

味噌の甘味は、麹が多いほど強くなります。

これは、米や麦のデンプンが麹のアミラーゼにより糖に分解されるからとのことです。

熟成期間が長くなると、糖分は酵母や乳酸菌により消費されるため減少するそうです。

 

 

 

醤油の色や味わいは発酵・熟成により生まれる。

 

「醬油」は、大豆と小麦、塩を発酵熟成させたものです。

醤油のルーツは、紀元前700年頃の中国の古文書「周礼(しゅうらい)」に記述のある「醤(ひしお)」と言われています。

「醤」とは当時の塩蔵品の総称だったようです。

原料別に「草醤(くさびしお)」「肉醤(ししびしお)」「穀醤(こくびしお)」の3種類に分けられ、「草醤」は漬物、「肉醤」は塩辛類で、「穀醤」が現在の醤油や味噌の原型と考えられています。

 

日本では飛鳥時代のものと思われる木簡に、「醤」の文字が見られます。

大宝律令によると、宮廷の料理を司る「大膳職(だいぜんしき)」に属する「醤院(ひしおつかさ)」で、大豆を原料とする醤がつくられていたとされます。

奈良時代から平安時代頃、醤の形状が固形から液状へと変化したと考えられます。

 

大豆が日本で広く生産されるようになってきた鎌倉時代には、醤の一つである味噌の製造過程において、味噌桶の底に溜まった液体を「溜(たまり)」として利用しており、これが醤油の原型とされています。

 

室町時代の中頃には、現在の醬油に近いものがつくられるようになり、末頃から、関西を中心に醤油の醸造が盛んになりました。

 

江戸時代の中期には、大阪・堺、和歌山・湯浅、兵庫・龍野などの産地で醬油の量産化がすすみ、製法が進化して品質も向上したと言われ、醬油が庶民にも広く普及した時期であったようです。関東でも、今の千葉県の銚子や野田が醤油の一大産地となり、江戸の人々の嗜好に合わせた「濃口醬油」が普及したようです。

江戸時代後期になると、寿司・天ぷら・蕎麦などの日本的な食文化が形成され、醤油は庶民の調味料として定着しました。

 

明治時代中期から大正時代にかけて、醤油製造の機械化や企業設立など近代化が進み、大量生産体制に移行していきました。

 

現在、多くの醤油が自動化された工場でつくられています。

その一方で、消費者の本物志向や自然志向の高まりにより、伝統製法でつくられる「天然醸造(本醸造)醤油」の価値が見直されています。

醤油づくりには微生物の働きが不可欠です。

その代表格が「麹菌」「乳酸菌」「酵母菌」で、この順番で活躍します。

それぞれがどのような働きをするか、整理してみます。

 

<麹菌>

蒸した大豆と炒った小麦に種麹を付け、3日ほどかけて繁殖させます。

これにより生み出された酵素が、大豆のタンパク質をアミノ酸に、小麦のでんぷんをブドウ糖に、それぞれ分解します。

麹は米や麦などの穀物にコウジカビを繁殖させたもので、麹菌を培養するもととなる種菌が、種麹です。

醤油の出来を左右するこの種麹を専門に生産し、醤油の製造業者に卸す「種麹屋」というものがあり、別名「もやし屋」とも呼ばれています。

米に麹菌を生やして熟成させた状態を「よねのもやし」と言う、京都の酒づくりで使われていた言葉が由来だそうです。

メーカーの要望に応じて、数多くある麹菌を単独または何種類か培養し、保存できるように乾燥させて種麹をつくります。

現在、種麹屋は日本に数件しかないとのことです。

 

小豆島にも「もやし屋」さんがあったそうです。

今は「森製菊所(せいぎくしょ)」さんですが、以前は小豆島の醤油蔵に卸す種麹を製造されていたそうです。

 

<乳酸菌>

有機酸をつくりだす微生物で、醤油にさわやかな酸味や味の伸び、深みを与えます。

乳酸発酵が進むほど、諸味が酸性になり、酵母菌が活躍しやすい環境になります。

 

<酵母菌>

アルコール発酵をする微生物。

醤油にはアルコールが数%含まれていて、皿に注いだ時にアルコールが揮発することで香りが立つのだそうです。

醤油づくりでは主に2種類の酵母が働いています。

まず「主発酵酵母」が、ブドウ糖をもとにアルコールを生み出し、乳酸菌がつくった有機酸と化学反応して、複雑な香りを生み出します。

次に「後熟酵母」がゆっくり活動し、味に深みを与えます。

このことから、熟成期間が長いと深い味わいになるのだそうです。

 

※写真はPhotoAC「小豆島 醤の郷」より

 

<参考サイト>

・納豆のまめ知識

https://www.mizkan.co.jp/natto-information/

・納豆の話

https://hakkousyoku.com/natto/

・納豆の豆知識

https://www.takanofoods.co.jp/fun/nattomame/

・Wikipedia 納豆

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%8D%E8%B1%86

・名物・浜納豆

https://ymy.co.jp/hamanatto.php

・納豆菌とは

https://www.hakko-blend.com/study/b_05.html

・「納豆の発酵による機能性」納豆菌

https://natto.or.jp/kenkou/nattokin/nat09.html

・納豆の健康効果 納豆の発酵と健康成分

http://www.natto-science.jp/effect02.html

・ 女性にうれしい成分 女性にうれしい納豆の健康成分と発酵効果

http://www.natto-science.jp/woman03.html

・【医師監修】納豆菌とは?特徴・効果・効能を説明。腸内環境にいい理由や「強い」といわれる理由を解説

https://www.happiness-direct.com/shop/pg/1h-vol294/#:~:text=%E5%85%B7%E4%BD%93%E7%9A%84%E3%81%AB%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%A8,%E3%81%AB%E6%AE%BA%E8%8F%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

・みそ・醤油・酒など食品工場で納豆を食べてはいけないのはなぜ?|食品工場で気を付けるべき細菌

https://www.exseal.co.jp/blog/taxonomy-07/8944/

・味噌のきほん

https://www.hakko-blend.com/study/hakkofood/02.html#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%80%81%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%81%AB%E3%82%82%E3%80%8C%E8%B1%86%E6%9D%BF,%E3%81%9F%E8%AA%BF%E5%91%B3%E6%96%99%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・マルコメ 味噌のこと

https://www.marukome.co.jp/miso/

・味噌 特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター

https://www.umamiinfo.jp/richfood/foodstuff/miso.html

・みそ(味噌)を知る イチビキ

https://www.ichibiki.co.jp/enjoy/knowledge_miso/

・みその豆知識 かねこみそ

https://kanekomiso.co.jp/knowledge/knowledge-of-miso/#section1

・味噌 ひかり味噌

https://www.hikarimiso.co.jp/enjoy-miso/encyclopedia/type.html

・しょうゆの歴史を紐解く

https://www.kikkoman.co.jp/soyworld/subete/history.html

・しょうゆを知る 歴史

https://www.soysauce.or.jp/knowledge/history

・日本食文化の醬油を知る

http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/mame01-a.html

・醤油づくりの微生物(麹菌・乳酸菌・酵母菌)

https://www.s-shoyu.com/knowledge/0707

・日本酒や醤油、味噌に欠かせない「種麹」を育てる『もやし屋』をご存じですか?

https://cuisine-kingdom.com/hishiroku/

・酵母菌

https://www.s-shoyu.com/knowledge/0711

 

 

 


 

② 身近で意外な豆類(に似た)発酵食品とは?

 

チョコレートやコーヒー、バニラも発酵食品なのをご存じですか?

製造の過程で発酵が欠かせないこれらの食品は、それぞれカカオ豆やコーヒー豆、バニラビーンズが原料だから、豆類の発酵食品と言えると思い、調べてみると、なんと!どれも「豆」ではなく「種子」なんですね(@@;)……。

でも発酵食品には違いなく、せっかく調べたので、よろしければお読みください。

 

【チョコレート、ココア】

原料のカカオ豆は収穫された後、カカオの果実であるカカオパルプとともに、バナナの葉で覆った木箱に入れられます。

木箱やバナナの葉に生息している酵母や乳酸菌、酢酸菌などによりカカオ豆の発酵が進みます。

酵母がカカオ豆に付着した果肉を消化してアルコールをつくる過程で、豊潤な風味を持つカカオ豆となるそうです。

乳酸菌は果肉に含まれる糖質から乳酸などをつくり出し、カカオ豆の酸度を変化させ、その後の化学反応や微生物の働きに影響をもたらします。

酢酸菌は、渋味の強いポリフェノールをマイルドな味わいの茶色い化学物質に分解するよう促すことで、コクと風味が生まれ、チョコレート色に変化するとのことです。

こうして発酵させたカカオ豆を、焙煎(ロースト)してつぶし、油脂を抽出します。

抽出された油脂はカカオバター、搾りかすはカカオマスと呼ばれ、これらに砂糖や粉乳を加えて練り固めるとチョコレートになります。

ココアは、カカオマスをさらに粉砕し砂糖や粉乳を加えたものです。

 

※写真はPhotoAC「カカオ」より

【コーヒー】

コーヒー豆は、コーヒーノキという植物の果実から種を取り出し、焙煎したもの。

熟した果実から種子を取り除き乾燥させるまでの過程を、コーヒーの製法において「精製」と言います。

精製はコーヒーの風味を決める大切な工程で、発酵の力が大きく関わっています。

精製の種類は主に3つに分けられるそうです。

 

「ウォッシュド(水洗処理方式)」

生産国の約7割が採用しており、品質が安定しやすい手法。

機械で外皮と果肉を取り除き、種の周りの粘着質の部分「ミューシレージ」を除去する際に発酵の力が使われます。

発酵槽という大きな水槽に半日漬けることで、果実についていた微生物が発酵してミューシレージが分解されます。

この過程で、豆ごとに個性ある風味が生まれるとも言われます。

発酵が終わると水で十分に洗い、乾燥させます。

 

「ナチュラル(非水洗処理方法)」

ウォッシュドに次いで広く使われている「ナチュラル(非水洗処理方法)」。

果実を天日干しして乾燥させてから脱穀して、果肉とミューシレージを取り除きます。

独特の発酵が起こり、ベリーのようなフルーティな風味が生まれるそうです。

水をあまり必要としないため、ブラジルやエチオピアなどの水源の豊かではない地域でよく使われる手法とのことです。

 

「ハニープロセス」(別名「パルプドナチュラルプロセス」)

皮をむき、ミューシレージはついたまま乾燥させます。

乾燥台の上で糖分の発酵が進み、徐々に黒っぽい色へと変化します。

ウォッシュドよりも甘みが強く、ナチュラルほどではないが果実の香りが感じられるコーヒーとなるそうです。

こちらも水を大量に使用しないため、環境の観点などからも近年注目を集めている手法とのことです。

 

 

【バニラビーンズ】

ラン科バニラ属のつる性植物である「バニラ」の種子鞘を、発酵・乾燥を繰り返すキュアリングという方法でゆっくり発酵・熟成させると、強い甘い香りを放つようになります。

熟成前のバニラに含まれる「グルコバニリン」という成分が酵素の働きにより「バニリン」となり、甘い香りが出現します。

鞘から取り出した種はバニラビーンズシードと呼ばれ、バニラ香料の原料となります。

鞘ごと粉砕しペースト状に加工したものもあります。

 

※写真はPhotoAC「バニラビーンズ」より

<参考サイト>

・チョコレートは発酵食品?その理由を管理栄養士が解説します

https://media.andew.co.jp/2022/03/chocolate_fermentation/

・チョコレートは発酵食品

https://taberutokurasuto.com/shop/ocajapan/blog/entry/2211021731/?srsltid=AfmBOopVChJ69W-PTie6zpP3H5ZnaihEGMEN_rHCwnDLTVB5PhQcHaoi

・チョコレートは発酵食品だった!?

https://weathernews.jp/s/topics/202202/070135/

・コーヒーって発酵食品?手元に届くまでの物語を知って、コーヒーをもっと楽しもう!

https://haccomachi.jp/column/2530/

・コーヒーの知識 Vol.4 – 精製方法によるコーヒーの味の違い

https://lightupcoffee.com/blogs/knowledge/process?srsltid=AfmBOooSHmT0MxVaAZCY-fT38tyk5dKbkjNwleEXoisN0Ixo1XE2e8kK

・コーヒーにも発酵があるの知ってた?コーヒーの精製とは

https://postcoffee.co/magazine/coffee/coffee-processing/?srsltid=AfmBOoqSxNqrmQ3b3Jid_5mRu5tnfW6FsGxZjjSDNHUuIOuIc19hEWaZ

・【発酵文化から学ぶvol.2】こんなにあった!知られざる世界の発酵食

https://www.has710.com/blog/2023/03/24/column_hakko-vol2-world/#co-index-1

・甘い香りを生み出す「バニラ」って、いったいなに?

https://www.glico.com/jp/health/contents/vanilla02/

・#バニラ

https://orderie.jp/component/e/e-vanilla/

 

 

 

 


 

③ 他にもある、日本の豆類発酵食品

 

発酵文化が根付く日本では、各地で独自の豆類発酵食品が発展してきました。いくつか調べてみました。

 

【豆漬け】(北海道、青森県)

北海道の函館や江差、青森県津軽地方の郷土料理で、たくさん穫れた枝豆を美味しく保存するための漬物

茹でた枝豆に水と塩、鷹の爪を加え、2~3日漬ければ浅漬けに。

2週間ほど漬け込むと、乳酸発酵して味わい深くなる。

 

【ごど】(青森県)

十和田地方に伝わる、納豆に麹を混ぜてさらに乳酸発酵させた郷土料理。

納豆と塩麹を足したようなドロッとした見た目で、発酵が浅いうちはご飯にかけたりおかずとして食べたりし、発酵が進んでドロドロに溶けたものは、調味料として使うとのこと。

稲作が難しく豆を主食とし、各家庭で納豆を手作りしていたこの地域で、うまく納豆にならなかったものがルーツと考えられている。

 

※写真はPhotoAC「ごど」より

 

【豆造(とうぞ)】(千葉県)

市原や長生地方特有の保存食で、年末から2月頃の寒い時期につくられる。

味噌をつくる際、大豆を煮た時に出る煮汁に、麹、干しダイコン、煮大豆または納豆などを入れ、1週間ほど置き発酵させる。

味がなじんだら、あたたかいご飯の上にかけて食べる。

 

【塩辛納豆(寺納豆、浜納豆)】(静岡県、京都府)

塩辛納豆は奈良時代に中国から伝わったもので、お寺でつくられることが多く「寺納豆」とも呼ばれる。

精進料理を食する禅寺で、不足しがちなタンパク質を補える食べ物として広まったと考えられる。

京都の大徳寺で保存食として今もつくり続けられている「大徳寺納豆」が有名。

「浜納豆」も同じ種類。

京都のお寺でつくられていた「塩辛納豆」が浜名湖畔などに伝わって名産品になり、足利義勝や今川義元、豊臣秀吉などの武将などにも好まれたとのこと。

特に徳川家康は「浜納豆」がお気に入りで、江戸幕府の歴代将軍に献上されていたとも言われている。

大豆と小麦と麹菌を塩水に漬け込んで熟成させるため、つくるのに数カ月~1年かかる。

出来上がると黒褐色の半分乾燥したものになり、糸引き納豆のようなネバネバはなく、塩辛く、たまり醤油や八丁味噌のような独特の風味がある。

お茶請けなどで少しずつ食べたり、調味料として使ったりする。

 

※写真はPhotoAC「大徳寺納豆 京都府」より

 

【おなめ】(埼玉県)

秩父地域を中心に食される、麦麹と大豆を使用した発酵食品。

水に浸しておいた大麦と炒った大豆を蒸し上げ、麹菌を混ぜ合わせてつくる「おなめこうじ」が材料。

塩と砂糖、水を煮立てて人肌の温度に冷まし、おなめこうじを加え、毎日かき混ぜれば1~2週間で出来上がる。

春先はフキノトウ、夏はミョウガを刻んで入れることも。

 

【しょうゆ豆】(長野県)

「しょうゆの実」とも呼ばれる、北信・中信地域に伝わる郷土料理。

蒸した大豆や黒豆を種麹で1ヵ月以上発酵させてつくる発酵食品で、醤油の旨味がつまった「食べる醤油」のようなもの。

温かいご飯の上にのせて食べたり、豆腐や野菜に付けたり、おひたしや納豆の醤油代わりに使ったりする。

 

 ※写真はPhotoAC「しょうゆ豆」より

 

【しょうゆの実】(山梨県)

芦安地域に古くから伝わる郷土料理で、大豆と麹を発酵させてつくる保存食。

稲作や野菜栽培に向かず、大豆が多く栽培されてきたこの地では、各家庭で醤油をつくり残った豆が「しょうゆの実」として食されてきた。

 

※写真はPhotoAC「しょうゆの実」より

 

【こる豆】(熊本県)

古くから伝わる、納豆を天日干しで乾燥させてつくる保存食。

納豆に塩を振り、小麦粉(または片栗粉、米粉)をかけて混ぜ、広げて2~5日間ほど天日干しする。

そのまま食べたりお茶漬けにしたりする。

 

【豆腐の味噌漬け】(熊本県)

約800年前、平家の落ち武者がつくり伝えたとされる郷土料理。

八代市でつくられる「かずら豆腐」や五木村の「樫の木豆腐」など硬い食感の豆腐が向いている。

豆腐の水気を切り、味噌に半年ほど漬け込むと、チーズのような風味になり、長期保存が可能になる。

 

※写真はPhotoAC「豆腐の味噌漬け」より

 

【豆腐よう】(沖縄県)

沖縄の島豆腐を、泡盛や麹、紅麹などに6カ月ほど漬け込んだ発酵食品。

見た目は鮮やかな赤色をしているものが多い。

琉球王朝時代、貿易相手だった明朝(今の中国)で「腐乳(ふにゅう)」と呼ばれていたものがルーツとされる。

独特の香りがあり、ねっとりとしたチーズに近い食感で、濃厚で繊細な味わいが特徴。

酒のつまみや炒め物のアクセントなどに用いられる。

 

※写真はPhotoAC「豆腐よう 沖縄料理」より

 

<参考サイト>

・知る人ぞ知る漬物!「枝豆の豆漬け」

https://koizumipress.com/archives/19441

・【青森県】十和田のハードコア納豆、ごど-日本各地の手前みそvol.06

https://hakko-department.com/blogs/47japan/nihonnotemaemiso_06#:~:text=%E8%AC%8E%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%85%B5%E9%A3%9F%E5%93%81%E3%80%8E%E3%81%94,%E3%81%AA%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%83%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E3%83%86%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%

・ちばのふるさと料理-とうぞ

https://www.pref.chiba.lg.jp/ninaite/recipe/furusato/ryouri16.html

・名物・浜納豆

https://ymy.co.jp/hamanatto.php

・大徳寺納豆とは

https://www.honke-isoda.com/contents/category/about/

・おなめ 埼玉県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/33_25_saitama.html

・しょうゆ豆/しょうゆの実 長野県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shouyu_mame_nagano.html

・しょうゆの実 山梨県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shouyu_nomi_yama_nashi.html

・こる豆(こるまめ)

https://traditional-foods.maff.go.jp/menu/korumame

・豆腐の味噌漬け 熊本県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/toufuno_misozuke_kumamoto.html

・まるでチーズ!沖縄珍味の代表格「豆腐よう」って!?

https://www.orionbeer.co.jp/story/tofuyo/#:~:text=%E3%80%8C%E8%B1%86%E8%85%90%E3%82%88%E3%81%86%E3%80%8D%E3%81%AF%E6%B2%96%E7%B8%84%E3%81%AE,%E3%81%AE%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%AA%E8%B1%86%E8%85%90%E6%96%99%E7%90%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=%E3%81%9D%

 

 

 

 


 

④ 世界の豆類発酵食品

 

世界に目を向けてみると、さらに多様な豆類発酵食品があるようで、食文化の奥深さを改めて感じさせられます。

いくつか調べてみました。

 

【豆板醬(トウバンジャン)】(中国)

そら豆に、塩、赤唐辛子、麹などを加えて発酵させた、中国・四川地方の調味料。

麻婆豆腐やえびチリなどの中華料理に用いられ、辛さや旨み、鮮やかな赤い色合いが特徴。

 

※写真はPhotoAC「豆板醤」より

 

【豆豉(トウチ)】(中国)

黒豆に塩や麹、酵母などを加え発酵させてつくる、日本の塩辛納豆に近いもので、色が黒く塩気の効いた食べ物。

「豉」(シ)は納豆のこと。

料理に深みのあるコクを加える調味料として使われる。

 

※写真はPhotoAC「豆豉」より

 

【豆豉醬(トウチジャン)】(中国)

豆豉をペーストにしたものに、唐辛子やニンニクなどを加えた中華調味料。

味噌のようにそのまま料理に加えて使う。

 

【毛豆腐(マオドーフー)】(中国)

安徽省を中心に広く親しまれている伝統的な珍味。

豆腐を小さく切り、竹の桟の上にすき間を開けて並べ、冷暗所で3~5日間置いてつくる。

発酵の過程でふわふわとした毛のような白カビが生えて表面を覆う。

クリーミーな味わいで、そのまま、または揚げたり炒めたりして食べる。

 

【腐乳】(中国)

干し豆腐に麹を付けて塩水の中で発酵させた伝統的な食べ物で、「中国のチーズ」とも呼ばれる。

おつまみとしてそのまま食べたり、ご飯に乗せたり、炒めものの調味料として使われたりする。

主に「白腐乳」「赤腐乳」「青腐乳」の3種類がある。

「白腐乳」は塩製腐乳で、表面は黄色がかっており中身は白。舌触りが滑らかで、豆でできたチーズのようなコクのある味わい。

「赤腐乳」は、赤麹を用いて発酵させた麹菌型腐乳。表面は真っ赤で中身は白。白酒に長く浸かるのでアルコールの匂いがする。

「青腐乳」は、ケカビを用いて発酵させた細菌型腐乳。上記2つに比べて腐敗臭が強い。

「臭豆腐」とも呼ばれるが、台湾などで食べられている臭豆腐とは別の食品とのこと。

 

【臭豆腐】(台湾)

豆腐を乳酸菌や酵母で発酵させた食品。

発酵過程で、独特の強烈な匂いが生まれる。

味わいは濃厚でコクがありクリーミー。

揚げたり焼いたり、スープに入れて煮込んだりして食べる。

中国南部発祥とされ、台湾に渡ってからさらに発展を遂げ、現在は台湾を代表するグルメとなっている。

 

※写真はPhotoAC「台湾名物 臭豆腐」より

 

【チョングッチャン】(韓国)

茹でた大豆を、納豆菌に似た枯草菌で発酵させ、発酵後に塩と唐辛子粉などを加えて貯蔵性を高めたもの。

日本の納豆のような糸を引く粘り気と独特の香りがあり、チゲをつくるのによく使われるとのこと。

 

※写真はPhotoAC「チョングッチャン」より

 

【テンペ】(インドネシア)

茹でた大豆をバナナの葉で包み、テンペ菌というクモノスカビの一種で発酵させた、ブロック状のもの。

白いカビで覆われており、日本の納豆のような粘り気やにおいはない。

揚げ物や炒め物などに使われることが多く、ヴィーガン食材として世界的にも注目されているとのこと。

 

※写真はPhotoAC「テンペ」より

 

【キネマ】(ネパール)

粘りがあり、糸を引くもので、製法も日本の納豆と似ている。

日本でいう味噌のような調味料として使われるとのこと。

 

【リビイッパ】(ブータン)

「リビ」=大豆、「イッパ」=発酵の意味。茹でた大豆をビニル袋に入れ自然発酵させたり、バナナの葉で包んで発酵させたりする。

丸く平たく成形し、焼いて食べられているとのこと。

 

【バーリュ】(インド)

においも味も日本の糸引き納豆にそっくりとのこと。

 

【ドーサ】(インド)

南インドで食べられている、レンズ豆と米を発酵させてクレープのように薄く焼いた食べ物。

軽い酸味とパリパリ感が特徴の、おやつ感覚の主食。

 

※写真はPhotoAC「ドーサ」より

 

【トゥアナオ】(タイ、ラオス)

「トゥア」=豆、「ナオ」=腐った、の意味。茹でた大豆を枯草菌で発酵させたもの。

粒状やペースト状のもの、さらにそれを薄くせんべい状に広げて乾燥させたもの、があるとのこと。

もち米と一緒に食べたり、炒め物などに使われたりする。

 

【ペーポー】(ミャンマー)

直訳すると臭い豆という意味。

糸を引かない納豆をつぶしたものを薄いせんべい状にしたり、調味料として使ったりする。

 

【ダワダワ】(ナイジェリア)

大豆ではなく「パルキア」という豆が原料で、炒ってから煮てひきわりにし、ヒョウタンに入れて発酵させる。

スープの調味料として使われるとのこと。

 

【ネテトウ】(セネガル)

こちらも「パルキア」からつくられる。

豆の形を残した塩からい半生のものや、乾燥させたもの、スモークしたもの、粉末にしたもの、がある。

スープなとの調味料に使われる。

 

【スンバラ】(ブルキナファソ)

「ネレ」などのマメ科の植物を原料としてつくられる。

豆の形を残して球状にして保存され、調味料として使われるとのこと。

 

【アカラジェ】(ブラジル)

大航海時代にアフリカから伝わった、北東部のバイーアの食べ物。

小豆に似た風味を持つ黒目豆と、刻んだタマネギを混ぜた生地を発酵させて揚げる。

屋台のB級グルメとしても人気。

 

 

 

<参考サイト>

・豆板醤ってどんな調味料?

https://www.orangepage.net/ymsr/kihon/hatena/posts/2751

・腐乳(発酵豆腐)

https://mygooddishes.com/furu

・中国・台湾の珍味「臭豆腐」とは?匂いや味についても解説します!

https://delishkitchen.tv/articles/2503

・納豆まめ知識

https://www.mizkan.co.jp/natto-information/mame/

・海外にも納豆はありますか?

https://www.natto.or.jp/hyakka/ped_natto02.html

・納豆の健康秘密と世界の発酵大豆食品をご紹介:知っておきたい6つの効能!

https://kikuya0029.com/blog/2394/

・ミャンマーの発酵食品

https://shinowazuri.com/tea-guide-article/myanmar/myanmar-scenery/%E3%83%9F%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%85%B5%E9%A3%9

・中国の珍味「毛豆腐」とは?特徴や味わいを詳しく解説します!

https://delishkitchen.tv/articles/2622

・第9回 ドーサ(dosa)

https://mmp-lab.blogspot.com/2021/04/blog-post_8.html

・第10回 アカラジェ(acarajé、アカラ、acara)

https://mmp-lab.blogspot.com/2021/04/blog-post_12.html

・ブラジルのストリートフード、アカラジェ

https://koizumipress.com/archives/14795

 

 

 

 


 

⑦ 《美味しい手延べ麺の紹介》京都・北尾商事様「黒豆そうめん」 編

 

今回は、豆繋がりということで、黒豆を使った京都のお会社様が販売する素麺をご紹介させていただきます。

 

皆さんは、黒豆を素麺に練り込んだ「黒豆そうめん」をご存じですか?

京都の北尾商事様が販売されているのが「黒豆そうめん」です。

北尾商事さんは、文久2年から京都丹波産の黒豆や小豆を取り扱ってこられたとのことで、京都でも老舗のお会社様です。

昔から京料理や京菓子など京都の食文化を支えておられ、現在では、黒豆や小豆商品を多数販売されています。

 

「黒豆そうめん」には、京都丹波産の黒豆「新丹波黒」を使用しているとのことで、芳醇な黒豆きな粉の風味が素晴らしいお素麺です。

ぜひ一度お試しください。

  

※写真はPhotoAC「黒豆 イメージ」より

 

《石井製麺所公式ホームページ》 https://141seimen.com/business/

 

《京都・北尾商事様公式ネットショップ》 http://www.kitaoshoji.co.jp/

《京都・北尾商事様「黒豆そうめん」》 https://141seimen.thebase.in/items/81778481

 

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

石井製麺所通信

2025年2月10日 【Vol.52】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<冬>

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.52

麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<冬>

 

 

 

ある意味では、当社の歴史が成せることでしょうか…

 

最近、製麺現場のあちこちにガタが目立ちはじめ、故障やトラブルで製造スケジュールが崩れることがあります。

ボイラーが正常に動かなくなったり、車のエンジンが掛からなくなったり…

あぁ〜頭の痛い日々が続きます。

 

ですが少し視点を変えてみると、前向きな見方もできるかもしれません。

今こそ、次の時代を見据えた設備を導入して、二酸化炭素の排出を軽減したり、働き方改革に繋がる環境づくりができるはずです。

また、次世代の作り手育成のためにも、素麺づくりがおもしろいと思えるようなチャレンジをしていきたいと思います。

 

ピンチをチャンスに!

香川県の補助事業などを活用して、より便利でより安全な製麺会社にリノベーションしていきたいと考えています。

幸いにも周囲の方々に支えられ、心くじけそうなときもお声をいただき、叱咤激励を受けながら、なんとか頑張っていけそうなのが今はとても嬉しく感じています。

 

先日も「石井製麺所のファンだ!」と言ってくださる、世界でもご活躍されるラリードライバーの福永修さんから、激励のお声をいただきました。

ご自身のご苦労話や経営者の心構えなど、事業者として大先輩である福永さんから、わざわざお声がけいただいたのは、本当に嬉しいできごとでした。

やる気が湧いてきます!

 

また、ありがたいことに今年に入って多くのOEMのお話や原料開発、新製品開発の協力依頼などをいただいています。

そこで得られる学びを活かし、経験をひとつずつ大事にして、石井製麺所の手延べ素麵、手延べ麺、手延べうどんを愛してくださる全ての方に還元できればと考えています。

設備の不調と相まって、今は嬉しい悲鳴を上げながら、家族とスタッフの方全員で、寒い冬もアツアツで頑張っております。

皆さまにもこのアツアツをお届けできれば幸いです。

 

さて、今回のブログは「薬膳」について掘り下げたいと思います。

前々回のブログでは「薬膳」をはじめとして、『食べ物と健康の関係を考える』と題して、「健康に良い食べ物ってどういうものだろう」という疑問を掘り下げながら、いろいろな視点で見つめてみました。

健康に良い成分だけでなく、考え方などを含めていろいろなことがありました。

そこで本ブログでは「薬膳〜寒い時期の食」について調べてみました。

実際のところ、こういう考え方を取り入れて「手延べ麺《楽々膳・黒》」シリーズを開発したことを踏まえながら、いろいろと調べたいと思います。

今回もお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

 

写真はしっかり現役の中ヨリ・小ヨリに使用するアタッチメントです。

 

 

【目次】

① 薬膳の考え方<冬編>〜腎を補い体を温める

② 冬に摂りたい「黒」の食材

③ 「黒」の食材「ひじき」「きくらげ」「黒ごま」に大注目!

④ 冬に摂りたい栄養素とは?

⑤ 《美味しい手延べ麺》「黒」の食財にこだわった《楽々膳・黒》

 

 


 

① 薬膳の考え方<冬編>〜腎を補い体を温める

 

一年で最も寒い冬は、草木は枯れ、動物たちは冬眠する季節。

中国の伝統的な医学「中医学」では、閉ざして蓄える「閉蔵」の季節とされ、エネルギーの源をしっかり蓄え、次の1年間を元気に過ごす準備をするとされています。

冬の過ごし方としては、運動しすぎない、汗をかき過ぎない、早寝遅起き、などでエネルギーの消耗を防ぎ、冷たいものを食べすぎない、体を冷やさない、などを心がけるのが良いそうです。

 

 

冬は、五臓の中ではエネルギーを体内に貯蔵する「腎」の働きが弱くなりがちなので、腎を元気にする食材を積極的に摂ると良いそうです。

腎は人の成長や老化に深く関わるため、腎を元気にすることはエイジングケアにもつながるとのことです。

また、冷えが体の内側まで入ると、悪寒・震え・下痢・冷えが起こり、寒さで気血の流れが停滞すると、頭痛・胃痛・腹痛・関節痛などの症状が起こります。体を温め、気・血・水を補う食事を心がけることが大切です。

 

腎を補うのは「鹹味(かんみ)」(塩辛い味)の食材です。

塩味には熱を逃さない働きがあるそうです。

塩・味噌・醤油などの調味料、コンブ、ワカメ、ひじき、アサリ、シジミ、エビといった海藻や魚介類など。

また、腎を元気にする食材は、クルミ、エビ、羊肉、黒豆、黒ごま、ブロッコリー、長芋、ニラ、クコの実など。

 

※写真はPhotoACより

 

寒さの対策として摂りたいのが、体を温める「温性」の食材です。

体の芯から温める、シナモン、ニラ、唐辛子、山椒、ショウガ、羊肉、エビなど。

また、体に気を補って温める、もち米、カボチャ、ナツメ、栗、鶏肉、ウナギなど。

 

※写真はPhotoACより

 

また、寒さによって体がこわばり硬くなって、体内の気や血、水が巡りにくくなるため、巡りを良くする食材がおすすめだそうです。

気の巡りを良くする食材は、タマネギ、ラッキョウ、ミカン、キンカンなど。

血の巡りを良くする食材は、ヨモギ、酢など。

 

※写真はPhotoACより

 

肌や髪の乾燥、鼻やのどの乾燥には、体を潤す食材がおすすめだそうです。

豚肉、卵、牛乳、豆乳、白きくらげ、ハチミツ、ホタテ、牡蠣、松の実、クコの実、白ごまなど。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・Vol.271 冬の養生法~人間も冬眠モードでエネルギーの消耗防ぐ!~

https://kocyoudou.com/koramu_k1443492449.html#:~:text=%E4%B8%AD%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%81%A7%E5%86%AC%E3%81%AF,%E3%81%97%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%81%AF%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82

・いよいよ立冬。身体を温めて、冷え対策に効く!冬の薬膳メソッドとは?

https://kunel-salon.com/food/56193/

・【冬の薬膳メソッド】 エネルギーを蓄えながら、体質改善できる冬。「腎」をパワーアップして健やかに過ごす。

https://kunel-salon.com/food/61152/

・薬膳初心者もすぐわかる|冬薬膳4つのポイントとおすすめ食材

https://yakuzen-hikari.com/yakuzenabc/%E5%86%AC%E8%96%AC%E8%86%B3%EF%BC%94%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88/

・薬膳から学ぶ*冬の体と食と健康3つのポイント【国際薬膳師コラム&レシピ】

https://shokuzenlab.com/column-condition-medicinal-cooking-winter/

・旬のレシピ

https://www.yakuzen.info/recipe/index/4

 

 

 


 

② 冬に摂りたい「黒」の食材

 

冬は五行で言うと「水」の性質を持っています。

体に水が多くなると冷えやすく、むくみの原因にもなります。

 

西洋医学における腎臓は、尿をつくる・血圧を調整する・血液や骨をつくる、という働きをします。

東洋医学での腎は、腎臓や膀胱だけでなく、成長や発育、勢力、知力、また骨や歯、髪、脳、ホルモンにも関係しています。

 

中医学では、冬に摂りたい食材の色は「黒」とされています。

一般に体力をつける食材を「精をつける」食べ物と言いますが、これらは腎の働きを助け、血を増やして血行を良くするとされます。

精をつける食べ物には黒い食材が多いのです。

冬の養生になる黒い食材にはどんなものがあるか、調べてみました。

 

【黒ごま】

白髪や足腰の衰え、耳鳴り、肌の乾燥に効果があるとされる。

 

【黒豆】

腎機能を強化し水分の排出を促す。

老化予防、むくみ防止、疲労回復に役立つとされる。

 

【黒米】

消化を助ける、血の巡りを良くする、目の働きを助ける、アンチエイジングなどの働きが期待される。

妊産婦の回復や子どもの成長にも良いとされる。

 

 

【黒きくらげ】

腎機能を活性化し、老化防止や滋養強壮に役立つと言われている。

 

【昆布】

腎に働きかけ水分代謝を高めて、余分な水分を排出する。

新陳代謝を高める働きが期待できる。

 

【ひじき】

血行促進を高めて水分代謝を良くする。

血を補って貧血を防ぎ、肌や髪を美しく保つとも言われる。

 

【ウナギ】

血液や気力を補い、体力アップの効能があるとされる。

 

【牡蛎】

栄養豊富で、腎を補うのはもちろん、貧血の予防や不眠、精神不安に役立つとされる。

 

【クルミ】

脳の働きを高め、足腰を強くする効能があるとされる。

皮膚や呼吸器に潤いを与え、肌の乾燥対策にも。

 

その他、スッポン、干しシイタケ、サトイモ、ゴボウ、栗、ブルーベリー、ウニ、カツオなども良いそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・冬には黒色の食材を摂りましょう!

https://purefield.jp/news/winter-black-foodstuff.html?srsltid=AfmBOood4Ai9fnX-qkrN4OS4VppUmgZXSzcc80kV5R2xCARFmcfThxGv

・冬に「黒い食べ物」で精をつけるとよい理由

https://weathernews.jp/s/topics/202011/260205/

・vol.407 冬の養生食におすすめの黒い食材。東洋医学の知恵を活かして冬の寒さに負けない体づくりを

https://www.villalodola.jp/magazine/column-407

・「冬の不調に効く黒い食材」

https://www.mainichigrillbu.com/column/694

 

 

 


 

③ 「黒」の食材「ひじき」「きくらげ」「黒ごま」に大注目!

 

 石井製麺所では、ひじき、きくらげ、黒ごまといった、健康に良いとされる黒い食材を練りこんだ素麺「健康麺《楽々膳・黒》」シリーズを販売しております。

せっかくの機会ですので、これらの3つの食材についてより詳しく調べてみました。

 

【ひじき】

日本人は古くから海藻を食べてきました。

日本の国土はカルシウムなどのミネラルが少なく、水や農作物だけでは不足しがちだったため、海からの収穫物で補ってきました。

新鮮な魚介類の入手が難しい内陸部では、保存に適した海藻が食されるようになったと考えられています。

カルシウムやマグネシウム、食物繊維などを多く含む海藻は、長寿食として親しまれてきました。

 

縄文時代や弥生時代の遺跡からひじきなどの海藻が土器片に付着して発掘されています。

 

奈良時代には神様へのお供え物として使われ、平安時代には天皇に献上されていたそうです。

「伊勢物語」には、男性が恋人にひじきを贈る話が登場するとのこと。

 

江戸時代の寛永20年(1643年)に書かれた「寛永料理物語」という料理書で、ひじきの調理法は「にもの、あへもの」と記されており、現代と同じように食べられていたと想像できます。

 

栄養豊富で低カロリーなひじきは、近年、これまで海藻類をあまり食べてこなかった欧米でも注目されています。

マクロビオティック運動などの影響で、日本から輸入された乾燥ひじきがアジア系アメリカ人の食料品店で扱われたり、日本食レストランで提供されるようになったことから広がったそうです。

 

ひじきと相性の良い食材は、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを豊富に含むシイタケなどのキノコ類や、鉄分の吸収を助けるタンパク質やビタミンCの豊富な大豆、小松菜など。

油と一緒に摂るとβカロテンの吸収率が高まるので、煮物だけでなく炒めものや天ぷらにしても美味しく、またサラダやキッシュ、コロッケ、ハンバーグといった洋食メニューにも活躍します。

 

※写真はPhotoAC「宇和海産のひじき」より

 

【きくらげ】

干したクラゲに味が似ていることからその名がつけられた「きくらげ」は、キノコの一種です。

主に日本、中国、韓国などの東アジアで食用されており、コリコリした食感とくせのない味で、中華料理の炒めものなどに用いられています。

中国では、6世紀の農業専門書「斉民要術(せいみんようじゅつ)」に、きくらげの料理法が記されています。

また中医学において止血作用や血液を整える作用があるとして健康のために用いられてきたそうです。

 

日本に伝わったのは平安時代とされています。

平安中期の漢和辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」にきくらげの記載があるそうです。

 

欧米では食用としてではなく、目の炎症を治療するための湿布剤や、のどの痛みの緩和剤といった薬用として用いられてきました。

英語では“ユダの耳”と呼ばれ、イエスキリストを裏切ったユダが首を吊ったニワトコの木から生えたという伝承もあって、欧米では食用にしていないとも言われているそうです。

 

きくらげに豊富に含まれる不溶性食物繊維の一種であるβグルカンは、免疫力アップに役立つと期待される注目の成分です。鉄分も豊富で、ビタミンCやタンパク質を多く含む食品と一緒に摂取することで吸収率がアップすると言われています。

またビタミンDも豊富で、油を使って調理することで吸収率が高まるそうです。

 

※写真はPhotoAC「キクラゲ 乾物」より

 

【黒ごま】

「ごま」はアフリカのサバンナ地帯が原産地とされています。

今から約6000年前、アフリカの人々が原生のごまを食用に改良したのが始まりで、そこから中東やヨーロッパに伝わり、さらにシルクロードを経由して、中国や日本に伝来したと考えられています。

  

世界最古の文明であるメソポタミアでは、天地創造の神話において、神が人間の世界を作る時、ごま酒を飲んだと伝えられているそうです。

ごまは、菓子、軟膏、儀式用の燈明など、さまざまな場面で利用されていたとのこと。

粘土板にごまと銀貨の交換レートが記載されていた記録も残っているそうです。

 

2500年ほど前のギリシャでは、医学の父と呼ばれるヒポクラテスの書に、ごまが薬用として利用されていた記録があるそうです。

インダス文明を代表するモヘンジョダロ遺跡やハラッパ遺跡でも、ごまが多数出土しています。

 

中国では、紀元前3000年頃の浙江良渚遺跡からごまが出土しているとのことです。

世界最古と言われる医薬書「神農本草経」には、黒ごまは「気力を増し、脳髄を補い、飢えず、老いず、寿を増す」不老不死の薬効があると記されているとのこと。

宋の時代の医薬学書「経史証類大観本草」では、練りごまと蜂蜜を混ぜて丸めた「精神丸(せいしんがん)」という薬が、よろずの病を治すとして紹介されているそうです。

 

日本にごまが伝わったのは縄文時代と言われています。

より一般的に食用されるようになったのは、仏教伝来に伴う精進料理によるものと考えられています。

鎌倉時代にすり鉢が中国から伝わり、室町時代に普及したことから、ごま料理の幅が広がったそうです。

江戸時代には、現代でも親しまれている南部胡麻煎餅やごま和え、ごま豆腐などが誕生したとのことです。

 

ごまは脂質、タンパク質、炭水化物をバランスよく含み、ビタミンB1・B2・E、カルシウム、マグネシウム、さらに抗酸化作用が期待されるゴマリグナンなどの栄養も含みます。

ごまは外皮の色によって「黒ごま」「白ごま」「金ごま」に分けられます。黒ごまは香りが強く、その風味や見た目を活かし、赤飯や大学いも、おはぎ、ごま和え、クッキーなどに用いられます。

 

黒ごまのおもな産地は中国やミャンマー、タイ、ベトナムなど東南アジアであり、古くから中国、韓国、日本などで好まれてきました。

韓国は一人当たりのごま消費量が世界一だそうです。

中東でも、ごまペーストが良く食べられているとのこと。栄養価の高さから、近年は欧米でも消費量が増えているそうです。

 

※写真はPhotoAC「黒ゴマ」より

<参考サイト>

・ひじきの雑学 ひじきの歴史

https://www.hijiki.org/trivia-history/

・9月15日はひじきの日

https://www.greenhouse.co.jp/wellness/memo/2017/201709/index.html

・ひじき料理のポイント

https://www.kurakon.jp/ency_hijiki/08.html

・【欧米にない食文化】外国人は日本の“ひじき”をどう思う?

https://yukashikisekai.com/?p=109894

・グルメな健康習慣「ひじき」

https://www.daiei.co.jp/food/seasonal/202403_4_hijiki.html

・きくらげの歴史や由来とは?実は日本発祥の食べ物ではない!

https://anohinohagotae.info/knowledge/history/

・知っているようで知らない?!キクラゲに迫る!

https://www.shokuota.com/shokuotanote_wood_ear_mashroom

・きくらげの栄養とその効能とは?種類ごとの違いやおいしい食べ方も紹介

https://prezo.jp/column/9335?srsltid=AfmBOorjWsC4Pias3RaJzAavJWvT8UDiLdfpLXIGgp6mzaA1K191seGa

・【ごまの豆知識①】ごまはどこから来たの?ごまの歴史について

https://www2.katagi.co.jp/blog/2017/07/blog2.html

・「ごま」にまつわるよもやま話。起源と歴史、日本伝来について

https://www.kenkodojo.com/column/knowledge/detail174/

・ごまのはじまり(ごまの起源)

https://www.kuki-info.co.jp/learn-enjoy/stories.html

・黒ごまとは|黒ごまの栄養と期待できる効果、おすすめの食べ方

https://www.shinsei-ip.ne.jp/knowledge/kurogoma/#:~:text=%E7%99%BD%E3%81%94%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%AF%E4%B8%BB%E3%81%AB%E9%A2%A8%E5%91%B3%E3%81%A8,%E3%81%A7%E6%A0%BD%E5%9F%B9%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99

・ごまの基礎知識・産地

https://www.wadaman.com/about_sesame/

 

 

 


 

④ 冬に摂りたい栄養素とは?

 

「冬型栄養失調」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

人の体は、冬の寒さに対抗して体温を維持するために、夏よりも10%ほど多くのエネルギーを消費するそうです。

そのため冬は栄養が不足しがちになり、冷え性や肩こり、めまい、不眠、疲れやすい、口内炎など様々な不調を引き起こします。

また、寒暖差により血流をコントロールする自律神経が乱れ、ストレスも感じやすくなるそうです。

 

冬型栄養失調を防ぐ料理としておすすめなのが、野菜や肉、魚をバランスよく摂れるスープや鍋料理だそうです。

体を温め、水分補給もできます。

冬に特に意識して積極的に摂りたい栄養素と、おすすめの食材について、調べてみました。

 

【ビタミンB群】

ビタミンB群は、エネルギーをつくり出す糖・タンパク質・脂質の代謝に関与していることから、消費量が増える傾向にあるそうです。

寒さを感じると、人体は熱を作り出すために交感神経を働かせ、ビタミンB1やB6を消費します。

ビタミンB1が不足すると、糖質を十分にエネルギーに代謝することができなくなり、疲労感を感じやすくなるそうです。

またビタミンB2はタンパク質の合成を助ける働きがあり、美容に大切な栄養素です。

 

ビタミンB群を多く含む食品は、豚肉・豚レバー・牛レバー・ウナギ・マグロ・サバ・アサリなど。

また、納豆やきなこなどの大豆製品・ニンニク・焼き海苔などにも多く含まれます。

 

【ビタミンC】

エネルギーをつくり出すのに欠かせないビタミン。

ノルアドレナリンという神経伝達物質の合成に関与しており、抗酸化作用や、体内に入った異物を解毒する作用があります。

 

人間の体内に存在するタンパク質のおよそ3分の1を占めるコラーゲンの合成にも関わっており、ビタミンCをしっかり摂取することで、皮膚や筋肉、骨の健康などさまざまな機能の健康維持に役立ちます。

また鉄の吸収にもビタミンCが関与しており、ビタミンCが不足してしまうと、鉄の吸収も低下してしまいます。

 

果物や野菜類に多く含まれるため、赤ピーマンやブロッコリー、冬が旬のミカン・キウイフルーツ・イチゴなどを積極的に摂るのがおすすめとのこと。

 

【ビタミンD】

冬は外出の機会が減りがちで日光を浴びる時間が減少し、骨の健康維持や免疫力を高めるのに役立つビタミンDが不足しやすいため、積極的に摂りたい栄養素です。

きくらげや干しシイタケなどのキノコ類や、シラス干し、紅鮭などの魚介類に多く含まれます。

 

【ビタミンE】

末梢血管を拡張する働きがあり、冷えの解消に役立ちます。

不足すると動脈硬化を起こしやすいことも分かっています。

魚介や植物油に多く含まれます。

 

【鉄分】

血液中のヘモグロビンを構成する鉄分は、全身に酸素を運ぶ役割があります。

鉄分が不足すると代謝が低下し、冷え性や疲れやすさの原因になります。

豚や鶏のレバー、アサリ、ハマグリ、卵黄、ホウレンソウ、またココアや抹茶などに多く含まれます。

 

【タンパク質】

全体重の約20%を占めると言われるタンパク質は、体中に血液を循環させるための筋力の維持に役立ち、寒さに対抗できる丈夫な体づくりに大切です。

また、血行不良が原因で起こる冷え性や、寒暖差による自律神経の乱れ、免疫力の低下などを防ぐのにも役立つ栄養素です。肉や魚、大豆や大豆加工品、牛乳や乳製品などに多く含まれます。

 

 

<参考サイト>

・「冬型栄養失調」? 寒い時期に不足しやすい栄養素とは

https://www.reiroukai.or.jp/trivia/%E3%80%8C%E5%86%AC%E5%9E%8B%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%A4%B1%E8%AA%BF%E3%80%8D%EF%BC%9F%E3%80%80%E5%AF%92%E3%81%84%E6%99%82%E6%9C%9F%E3%81%AB%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%97%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84%E6%A0%84/

・冬型栄養失調に注意! 冬に不足しがちな栄養素について

https://www.kamaboko.com/sakanano/column/basic/post2255.html

・冬型栄養失調に要注意!不足しがちな栄養素とは?

https://gyoumudesserts-gyoumusweets.com/column/item-1472/

・寒い冬に負けない体づくりのために食べたい旬の食材とおすすめの調理法

https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202212_fuyunokenkou/

 

 

 


 

⑤ 《美味しい手延べ麺》「黒」の食財にこだわった《楽々膳・黒》

 

三代目が薬膳の勉強をしていたまさにそのタイミングで、偶然が重なり、原料が集まり3つの「黒」の食べ物で手延べ麺ができました。

「きくらげ」「ひじき」「黒ごま」のそれぞれの風味や特色が生きるように、麺の太さをそれぞれ変えています。

手延べきくらげ麺は、細い麺ながらぷりぷりつるんとした独特の食感で、冷たくしても温かいお出汁でも美味しく召し上がっていただけます。

きくらげは、香川県産のきくらげを使用しています。

 

手延べひじき麺は、小豆島産のひじきの茎の部分を粉末にして練り込んでいます。

地元小豆島でさまざまな海産物の加工品を展開されている「池田漁業協同組合」様とのコラボで実現した、地元食材を使用した手延べ麺です。

《楽々膳・黒》シリーズで一番人気のある麺ですので、まだ召し上がったことのない方にも、ぜひとも味わっていただきたい手延べ麺です。

 

手延べ黒ごま麺は、開発が決まったときに、小豆島を代表する食品メーカーのひとつ「かどや製油」様に工場見学に伺わせていただきました。

そこでは、ごまの力の凄さについていろいろとお話を伺い、感動したのを今でも覚えています。

現在は千葉県にも工場はありますが、そちらが稼働するまでは小豆島でつくられたごま油が日本中に配送され店頭に並んでいたんですよ。

 

《楽々線・黒》シリーズの手延べ麺は、健康を気づかう方に召し上がっていただければとの思いで開発しました。

「毎日の食事で健康に」を目標に、美味しく身体に良い手延べ麺づくりを目指してまいります。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in

 

《健康麺《楽々膳・黒》》 https://141seimen.thebase.in/categories/4801499

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、新製品開発のためにデータベース的にいろいろな素材や成分について調べたものを綴ったものです。色々な食品やそれにまつわる産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、幅広く食品の知識を広げることができれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。