天日干しにこだわり、手延べにこだわり、健康食を目指した新しい素麺へ

電話:0879-82-2740

FAX:0879-82-6014

Twitter
Facebook

石井製麺所通信

お!いしい けんぶんろくブログ

2025年9月8日 【Vol.65】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<秋>

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.63

麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<秋>

 

 

 

8月上旬に伺う予定だった、小麦の産地、北海道十勝。

今年は例年に比べ、驚くほど収穫時期が早まり8月5日くらいに収穫の様子を拝見できれば…と考えていたのですが、なんとなんと、史上初めてという7月中旬過ぎでの収穫になるとのことで、8月の訪問を見送らせていただいていました。

また、7月、8月の異常な酷暑もあってか石井製麺所は、お盆を過ぎても製造・発送作業とフル回転でもあり、逆に8月には伺えそうにもなかったので、改めて仕切り直しとなりました。

 

そこで、先方様とのやり取りの末、9月下旬の秋蒔き小麦の種まきの時期にお邪魔させていただけるようご調整をいただきました。

9月24日〜26日の行程で十勝へ行ってまいります。

今からとても楽しみです。

 

小麦の収穫時期を拝見はできませんでしたが、種まきの貴重な時期を拝見できるは、次の収穫時期への期待も膨らむので、私としてはとても貴重な経験となります。

 

産地の方々が来年は様々な取り組みを考えてくださっていたり、イベントへの参加にお声がけいただいたりと既に来年の予定が埋まりつつあります。

製麺所として産地の農家さんや加工場の方々との交流は、望んでもなかなかできるものではないと思いますが、今回、重なったたくさんのご縁に心から感謝したいと思います。

 

酸いも甘いもあった7月、8月ですが、その暑さも薄れる(はずの)9月になりました。

製麺現場では、すでに来年の夏を目指して製造計画を立て、製麺に取りかかっているものも出始めました。

日中はまだまだ暑さが残り、製造時も暑さ厳しいですが、9月初旬の台風一過から一気に朝晩は涼しくなり、夜中や夕方の作業は随分楽になりました。

やはり季節は確実に移ろいでいくものですね。

 

急激な気温の変化や天候不順が続く時期になりますが、皆さまもどうぞ体調管理にはお気をつけください。

石井製麺所の家族みんなで健康には何よりも気を付けていきたいと思います。

 

さて、今回のブログは、日中暑さが残り、朝晩涼しくなるこの季節に向けてピッタリなテーマ「薬膳<秋編>」について調べてみました。

調べていると、なるほどと思えることばかりで自身の健康管理にも役立ちそうです。

皆さまの健康づくりにもお役立ていただければ幸いです。

 

※写真はPhotoACより

 

【目次】

① 薬膳の考え方<秋編>~肺を潤し体を整える

② 秋に摂りたい「白」の食材

③ 秋に摂りたい栄養素とは?

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》手延べ乾平うどん

 

 


 

① 薬膳の考え方<秋編>~肺を潤し体を整える

 

秋は、太陽が地を照らす時間が短くなり気温も下がり始めるとともに、草や木は黄色や赤へと色づき、実を結ぶ実りの季節。

五行説において秋は「金」に属し、農作物の収穫の季節とされています。

 

中国の伝統的な医学「中医学」では、夏の陽気が徐々に減り、陰気が少しずつ増加してくる「陽消陰長」の季とされます。

人間にとっても、夏の暑さで弱った体を癒やし体力を整える、厳しい冬に向けての準備期間となります。

秋の過ごし方としては、早寝早起きをして心穏やかに過ごすのが良いそうです。

 

※イラストはイラストACより

 

秋は空気が乾燥してきて、「燥邪」と言われる邪気が強くなり、肌や髪の乾燥、口や鼻、のどの渇き、便秘などが起こりやすくなります。

秋は「肺」の働きが活発になる季節とされています。

中医学で言う五臓六腑の「肺」は、呼吸により大気中のエネルギーを体に取り入れ、身体中に水分を巡らせる働きを持つ場所と考えられています。

肺は皮膚や粘膜とも関係が深く、肺をしっかり潤すことで美肌につながるそうです。

また、乾燥した空気は鼻や口から肺に入り込むため、肺の潤いがなくなるとのどが痛くなったりせきが出たりといった呼吸器系のトラブルが起こりやすくなります。

肺は大腸とも深い関係があると考えられており、肺の乾燥から便秘を引き起こしやすくなるそうです。

肺は悲しみの感情とも関わりが深いため、肺が弱りやすい秋には感傷的になったり、情緒が安定せず落ち込みやすくなったりすることもあるそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

乾燥しやすい秋ですが、過剰な水分摂取は胃腸を弱らせ、消化吸収力が低下してしまうので、肺や身体を潤す働きのある食材から体内を潤すことが推奨されます。

 

立秋から立冬までの3カ月間のうち秋分の日あたりを境に2つの時期として考え、まだ暑い夏の名残のある「温燥」の時期には身体を冷やす食材を、冬の寒気が加わる「涼燥」の時期には身体を温める食材を摂るのが良いとされます。

 

おすすめは、「温燥」の時期には涼性、甘味・苦味の食材として、レンコン、キュウリ、トマト、白キクラゲ、牛乳、豆腐、貝類など。

「涼燥」の時期には温性、辛味・酸味の食材として、鶏肉、サケ、栗、もち米、サツマイモ、クルミ、黒ゴマ、はちみつなど。

 

ほか、松の実、白ゴマ、百合根、卵、豆乳、クコの実などは、肺を潤してくれます。

ビワ、ナシ、リンゴなどは、胃を養ってくれるそうです。

小松菜やアスパラガスなどは、体を潤してくれます。

 

熱性の食べ物や辛い刺激物(ニンニク、トウガラシ、コショウ、酒など)は、潤いを消耗するため控えめにするのが良いそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・秋薬膳は美肌に強い味方!陰陽&五行学説でインナーケア

https://yakuzen-hikari.com/yakuzenabc/autumn-yakuzen/

・秋の薬膳

https://www.tokyoyakuzen.jp/kiso/kisetu_aki.html

・vol.043 陰陽五行からみる秋の食養生とは。体と自然のバランスを整えてエネルギー溢れる生活を

https://www.villalodola.jp/magazine/column-043/

・秋の養生法で心も身体も潤す!内側から潤す3つの養生ポイント From 国際薬膳師 Miki

https://daylily.com.tw/blogs/magazine/autumn-cure-from-miki

・潤い不足には白い食べ物を

https://www.543life.com/content/shun/post20221030.html?srsltid=AfmBOopedApP8l7RCBWm-QWqWkty8pesdoDepxWjRHfnKFtgiTuHG5BL

・秋は肺がダメージを受けやすいのはなぜ?秋におすすめの食材を活用して養生しましょう

https://kodama-kenko.jp/blog/post-550/?srsltid=AfmBOop1KGMjmhf7UvOLtqn7Ag1m7oaySdiKrIQ5gOW8vPqhcKxxi_y1

・秋薬膳で乾燥対策!4つのポイントとおすすめ食材【国際薬膳師コラム】

https://shokuzenlab.com/column-condition-medicinal-cooking-autumn/

 

 

 


 

② 秋に摂りたい「白」の食材

 

秋は五行で言うと「金」の性質を持っています。

大地が黄金色に変わり、実りを収穫する時期を迎えます。

秋は私たちにとっても、読書や芸術鑑賞、スポーツにグルメと充実した日々を過ごせる、実りの季節。

1年で最も良い季節のうちから、厳しい冬に向けて備えることが大切です。

 

中医学では、秋に摂りたい食材の色は「白」とされています。

白い食材は肺に作用し、潤いを与えてくれると言われます。

 

秋の養生になる白い食材にはどんなものがあるか、調べてみました。

 

【レンコン】

生で食べると肌の潤いを保ち、乾燥肌や肌荒れの防止に役立つ。

加熱すると内臓を養い疲れを取る働きも期待できる。

 

※写真はPhotoACより

 

【山芋】

肺を潤し、風邪の引きはじめやせき、のどの乾燥に対する働きが期待される。

生薬でもあり「山薬」という名で多くの漢方薬にも使われている。

 

※写真はPhotoACより

 

【タマネギ】

体内の水分バランスを整え、血行を良くして体全体の潤いをサポートする。

 

※写真はPhotoACより

 

【大根】

肌の潤いを保ち、体内の水分バランスを整える。

 

※写真はPhotoACより

 

【白菜】

体を潤す作用があり、のどの乾燥や肌荒れに役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【百合根】

熱を抑えて肺を潤す作用があり、乾燥した咳や肌の乾燥に役立つ。

精神を安定させストレス解消にも期待される。

 

※写真はPhotoACより

 

【梨】

水分が多く体を潤す作用がある。

薬膳で「潤肺止咳」と言われ、のどの乾燥やせきを抑えるのに役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【白ゴマ】

便秘解消を助け、皮膚を潤す働きが期待できる。

※写真はPhotoACより

 

【豆腐】

水分補給や潤い不足防止の働きが期待できる。

 

※写真はPhotoACより

 

【牛乳】

水分補給に役立ち、乾燥肌や肌荒れ対策にも期待される。

 

※写真はPhotoACより

 

【豆乳】

肺に滞った余分な熱を冷まし潤す作用があり、口の渇きや肌の乾燥に役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【ハチミツ】

肺や腸を潤す作用があり、せきや便秘、皮膚の乾燥に役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【白キクラゲ】

体内の水分バランスを整え、乾燥肌やしわの対策が期待できる。

 

※写真はPhotoACより

 

【イカ】

体内の潤いを保つのに役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・秋は、肺・からだ・肌をうるおす「白い」食材を

https://www.bodybook.jp/article/175376.html

・【薬膳レシピ】秋は「白い食材」がおすすめ★

https://zen-no-zen.com/news/recipe/6417.html

・肺や喉、皮膚を養生する季節の秋は“白い食べ物”がオススメ!?

https://weathernews.jp/s/topics/202010/090195/

 

 

 


 

③ 秋に摂りたい栄養素とは?

 

「秋バテ」という言葉を聞いたことがありますか?

秋は蒸し暑い夏の疲れが残り、また朝晩の寒暖差が大きくなるため体調を崩しやすい季節です。

秋バテのおもな原因は、体が気温や気圧の変化に適応しようとして、自律神経が乱れることだそうです。

 

一方で「食欲の秋」という言葉があるように、キノコ類や根菜、木の実、サンマやサケといった魚介類など多くの食材が旬を迎え、美味しく栄養価も高くなる秋。

旬の食材をバランス良く摂って、寒い冬に向けて体調を整えたいものです。

 

秋に特に意識して積極的に摂りたい栄養素と、おすすめの食材について、調べてみました。

 

【ビタミンA】

皮膚や粘膜を保護し、乾燥による肌荒れやのどの不調を防いでくれます。

多く含む食材は、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、レバーなど。

 

※写真はPhotoACより

 

【ビタミンB群】

ビタミンB群には、栄養素の代謝を助け、また神経を正常に保ち健康維持を助ける働きがあります。

中でもビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えることで疲労回復に役立ちます。

水溶性で体内にためておくことができないので、食事からこまめに摂取する必要があります。

多く含む食品は、キノコ類、豚肉、レバー、サケ、玄米、豆腐、サツマイモなど。

 

※写真はPhotoACより

 

【ビタミンC】

抗酸化作用で細胞を酸化から守り、血行を良くして肌に栄養を届け、また肌の潤いを保つのに役立ちます。

皮膚や骨、血管などをつくる役割のあるコラーゲンの合成にも関わっています。

水溶性ビタミンなので、毎日の食事から意識して摂取しましょう。

多く含む食材は、サツマイモ、ナシ、カキ、ブドウ、キウイ、ブロッコリーなど。

 

※写真はPhotoACより

 

【ビタミンE】

抗酸化作用のほか、血流を良くして肌の新陳代謝を促進するなどの働きがあります。

アーモンド、アボカド、カボチャ、サンマなどに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【タンパク質】

体をつくる上で欠かせない栄養素で、心と体どちらの疲労にも役立つと言われます。

肉類や魚介類、卵、大豆製品などに豊富に含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【オメガ3脂肪酸】

炎症を抑制し、肌のバリア機能を高める働きがあり、乾燥肌やアレルギー性の肌トラブルに役立つことが期待されます。

サケやサバ、イワシ、クルミ、亜麻仁油等に多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【セラミド】

肌の保湿に役立つ脂質の一種で、肌の水分保持機能を高めます。

コンニャクや黒豆、小麦胚芽などに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【コラーゲン】

肌の水分保持機能を向上させ、乾燥を防ぐ働きがあり、皮膚の弾力や潤いを保つのに役立ちます。

多く含む食材は、鶏の手羽先、豚足、魚の皮など。

 

※写真はPhotoACより

 

【ヒアルロン酸】

体内で水分を保持し、乾燥を防いで肌や関節の潤いを保ちます。

鶏の軟骨やフカヒレなどに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【マグネシウム】

汗と一緒に排出されてしまうため、夏に失われやすい栄養素で、不足すると秋バテのような症状を引き起こす原因になります。

玄米、アーモンド、バナナなどに豊富に含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・秋に生じる体の不調「秋バテ」とは-症状や対策・解消法を解説

https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_kizi_akibate.html#:~:text=%E3%81%AA%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%93%81-,%E5%A4%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E7%A7%8B%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%AD%A3%E7%AF%80%E3%81%AE%E5%A4%89%E3

・秋の味覚で体を整える 秋野菜

https://shun-gate.com/power/power_84/

・秋バテは食事でケア!隠れ栄養不足を救う食べ物は?

https://halmek.co.jp/beauty/c/healthr/10141

・その症状、秋バテかも?原因と対策、とるべき栄養素は

https://isom-japan.org/article/article_page?uid=UVYVX1548773221#chapter-4

・秋のカサカサ・パサパサ…秋の乾燥肌を防ぐ栄養ケア:美肌を守るポイント

https://www.ohga-ph.com/column/detail/?cms_id=686

 

 

 


 

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》手延べ乾平うどん 編

 

9月に入り朝晩はめっきり涼しくなってきましたが、日中はまだまだ残暑厳しいですね。

そんな時におすすめしたいのが、この「手延べ乾平うどん」です。

 

独自の製法で平麺に仕上げ、「手延べ半生うどん」よりも大幅に茹で時間を短縮。

約5分でゆで上がります。

まだまだ日中の調理には、長時間の茹で時間は億劫になりますが、この麺なら手早く茹でてお召し上がりいただけますよ。

 

しかも、平麺は汁や出汁にも絡みやすいので、石井製麺所ではカレーうどんにおすすめしています!

お家のカレーで、ぜひ美味しくカレーうどんとして召し上がってみてください。

 

もちろん、冷やしうどんとしても美味しく召し上がっていただけます。

“手延べ”うどんならではのもちもちっとした弾力のある食感が楽しめ、手延べならではのツルツルッとしたのど越しも最高です。

冷やしに、カレーうどんに、そしてもちろん温麺にも大活躍な「乾平うどん」です。

秋の夜長、小腹の空いた時に夜食としてもツルツルッといかがでしょうか。

 

賞味期限も1年と長いので備蓄食としてもおすすめしています。

 

9月30日までの夏季限定商品ですので、ぜひこの機会にお求めください!

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in

 

《乾平うどん》 https://141seimen.thebase.in/categories/5913110

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、新製品開発のためにデータベース的にいろいろな素材や成分について調べたものを綴ったものです。色々な食品やそれにまつわる産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、幅広く食品の知識を広げることができれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年8月16日 【Vol.64】メンコレ⑩/ショウガを練り込んだ麺の“温もり”

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.64

メンコレ⑩/ショウガを練り込んだ麺の“温もり”

 

 

 

 

例年、皆さまからのご注文や発送も落ち着きを見せるお盆シーズン。

今年は異常な暑さのせいか、ありがたいことにご注文が途切れません。

当然、製造もフル回転で稼働しております。

 

また、この時期のご注文は個人のお客様がほとんどですが、今年はOEM商品や業務用のご注文なども多く、いかに今年の夏、素麺が必要とされているかを強く感じております。

まさに嬉しい悲鳴です。

(本当に嬉しいです)

 

とはいえ、9月以降の製造・販売計画や北海道への視察旅行、年末に向けてギフト商品など考えないといけないことも盛りだくさんで、「こんな無茶は来年できないな…」と思いながら歳を重ねる身体に不安を感じます。

もちろん、父、母の身体のことが最優先で考えてはいきたいのですが、この8月だけは、まずは製造、発送作業に集中して乗り切りたいと思います。

 

あと、ご注文の多さにふと頭をよぎるのは、「米不足」による主食の変化…もあるのかなと感じております。

皆さまのお食事の「主食」、変化はどうでしょうか?

暑い時期にお米を炊いて食べるのはなかなか億劫になってしまいますかね。

素麺も茹でるためにはお湯を沸かしますが、その後はヒンヤリとした冷たい素麺を冷たいツユでいただくと、暑い夏は格別です。

日本人にとってお米の美味しさは欠かせないし、米不足といっても、素麺にお鉢が回ってくることはなかなかないと思っていましたが、この夏は素麺が求められていることを実感します。

あと何日、このような酷暑が続くのか分かりませんが、皆さまもお身体にはくれぐれもご注意いただき、健やかにお過ごしください。

 

さて今回のブログでは、暑い夏ですが、新生姜の季節に合わせて「ショウガ」について調べてみました。

そういえば、素麺の薬味で「ショウガ派」と「ワサビ派」がいらっしゃるそうですが、皆さんはどちらですか?

お時間許せば、ぜひご一読ください。

 

写真は、8月15日におこなわれた「小豆島まつり」での花火の様子です。

ちなみに石井製麺所の真横です。

徒歩1分で花火観覧のVIP席です(笑)。

 

 

【目次】

① 薬用に!香辛料に!ショウガの歴史と現在

② ショウガ特有の栄養成分で身体を温めて健康UP!

③ 無病息災を願う!?ショウガの活用法いろいろ

④ 定番からお菓子や飲み物まで!日本のショウガ料理

⑤ カレーからスイーツまで!世界のショウガ料理

⑥ ショウガを練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ

⑦ 《番外編》小豆島まつり

 

 


 

 

① 薬用に!香辛料に!ショウガの歴史と現在

 

ショウガはショウガ科の多年草で、原産地はインドからマレー半島にかけての熱帯アジアが最も有力と考えられています。

インドでは紀元前300~500年前から保存食や医薬品として使用されており、中国でも紀元前から栽培され、孔子の「論語」の記述によると紀元前650年には食用として利用されていたようです。

漢方の生薬の1つ「生薑(ショウキョウ)」としても重用されてきました。

 

ヨーロッパには紀元1世紀頃に伝来しましたが、栽培に適した気候ではなかったことから、輸入され主に生薬として利用されました。

その後、13~14世紀には香辛料として一般的に利用されるようになりました。

15世紀末に新大陸が発見されると、16世紀の初めにスペイン人がジャマイカに移植し、16世紀半ばには西インド諸島はショウガの産地となり、ヨーロッパやアメリカに大量に輸出されるまでになったとのことです。

 

日本へは2~3世紀頃に中国から伝わり、奈良時代には栽培が始まっていたと考えられます。

ショウガの古名は「呉(くれ)のハジカミ」と言います。

「ハジカミ(波士加美、波自加彌)」は、歯で噛んで顔をしかめる、つまり刺激的という意味で、古来、山椒を「ハジカミ」と言っていたそうです。

ショウガが伝わると、山椒を「和のハジカミ」、ショウガを「呉のハジカミ」と呼び分けるようになったとのことです。

平安時代の「延喜式」には、その栽培方法や保存法が記されています。

 

※写真はPhotoACより

 

「ハジカミ」から「ショウガ」に変わったのは室町時代と言われ、「生姜」という漢字をあてるようになったのは江戸時代からとも言われています。

 

江戸時代には関東以西で広く栽培されるようになり、生産量が増えたことで庶民が気軽に親しめる貴重な食材となりました。

江戸初期の本草書「本朝食鑑」には、ショウガを梅干に漬けて日々愛用し、干したショウガを旅に持っていく、という記述があるそうです。

 

明治時代になると、「風邪の引き始めにはショウガ湯を飲む」という民間療法も広く知られるほど、ショウガはますます食材としての地位を確かなものにしました。

 

※写真はPhotoACより

 

昭和に入ると、戦争や経済不況により、ショウガはあまり重要視されなくなりましたが、戦後には再び需要が伸び始め、作付面積も収穫量も増えたそうです。

 

 

ショウガは栽培・収穫方法により、根ショウガ・葉ショウガ・矢ショウガに分けられます。

塊根部を食用とする根ショウガは、さらに、新ショウガ・ひねショウガ・親ショウガなどに分類されます。

それぞれの特徴などについて調べてみました。

 

【根ショウガ】

<新ショウガ>

ショウガの根の部分が育ったばかりの頃に収穫・出荷されたもので、6月~8月末頃にしか入手できない

繊維質が柔らかく水分を豊富に含み、辛味や風味がマイルドなのが特徴。

生で食べるとみずみずしくシャキシャキとした食感と風味を楽しめる。

 

※写真はPhotoACより

 

<ひねショウガ>

収穫後、一定期間貯蔵したあとに出荷された、茶色くて固い一般的なショウガ。

貯蔵性が高いため年間を通して流通し、料理の薬味や香辛料として幅広く活用されている。

繊維質が多く、風味や辛味も強いのが特徴。

 

※写真はPhotoACより

 

<親ショウガ>

ショウガを栽培する際の種(種ショウガ)として使用したもの。

種ショウガを植えて収穫されると「親ショウガ」と呼ばれるようになります。

収穫時には、「新ショウガ(子ショウガ)」と「親ショウガ」が一緒に穫れますが、「親ショウガ」は植えたとき種ショウガの原型を保ったまま収穫されます。

「親ショウガ」は痩せ細ることはありませんが、子株に栄養を吸い取られているため、かなり固く辛味が強いのが特徴。

生食には向かず、煮物や煮付けなどの煮込み料理に使用すると繊維質が柔らかくなり、おいしく食べられる。

 

【葉ショウガ】

春から初夏の若いうちに、根茎が小指程度の大きさにまで成長した段階で、葉が付いたまま収穫されたショウガ。

味噌をつけて生食したり、魚の付け合わせ、甘酢漬けなどにしたりする。

 

※写真はPhotoACより

 

【矢ショウガ】

はじかみショウガ、棒ショウガ、筆ショウガなどとも呼ばれる。

軟化栽培し15cm程度に成長したところで太陽に当て、茎元が紅色になった頃に収穫する。

甘酢漬けにして、はじかみとして焼き魚の彩りなどに使われる。

 

※写真はPhotoACより

 

現在、ショウガの主要産地は高知県で、全国生産量の約4割を担っています。

ほか、熊本県、千葉県、宮崎県、和歌山県、鹿児島県などで多く生産されています。

ちなみに香川県のショウガ生産量は、全国で40位程度(47都道府県中、2022年調べ)だそうです。

各地で生産されている品種について、いくつか調べてみました。

 

【谷中ショウガ】

葉ショウガとして初夏のみ市場に出荷される、東京の伝統野菜。

葉の根元が赤く色づく。

かつて東京都荒川区東日暮里・西日暮里の旧地名である谷中本村の特産品であった。

 

※写真はPhotoACより

 

【金時ショウガ】

小ぶりで香りと辛味が強い、日本独自の品種

辛味成分ジンゲロールの含有量が多いとされる。

愛知県、静岡県で主に生産されている。

 

【朝国ショウガ】

滋賀県湖南市の朝国地域で一大産地となっていた伝統野菜。

小ぶりで爽やかな辛味が特徴。

約220年の伝統を途絶えさせないように復刻プロジェクトが立ち上げられている。

 

【出西ショウガ】

島根県出雲市斐川町出西地区の限られたショウガ畑で栽培される品種。

繊維が少なく、風味や香りがよく、ピリっとした辛味が特徴。

 

【黄金ショウガ】

高知県の坂田信夫商店が発見した品種。

繊維質が少なく、長時間保持される濃い黄色と、強い辛味と清涼感のある爽やかな香りが特徴。

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・Wikipedia ショウガ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%AC

・ショウガ

https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=1553

・生姜のルーツ

https://syouga.ken-shin.net/denrai.html

・ 生姜の歴史と生姜にまつわる行事 – 遠藤食品

https://www.endo-foods.co.jp/mamechisiki/shouga_rekishi-gyozi.htm

・生姜のはなし

https://syougatou-honpo.jp/story/

・しょうがの基礎知識|主な種類・栄養成分・長持ちする保存方法も解説

https://bushu38.com/hpgen/HPB/entries/22.html?srsltid=AfmBOoqq09zK89s5LEu0yn2oyZhPn8l8fzI7K4-Kt6nf7bzaStitXh0x

・生姜 総合ランキング

https://japancrops.com/crops/ginger/prefectures/

・ブランド生姜「黄金しょうが」を高知から全国へ!「坂田信夫商店」で働きませんか?

https://www.kochi-iju.jp/other/details.html?cid=456&type=

・金時生姜とは?

https://shougaya.com/ginger.html

・出西しょうが

https://www.kankou-shimane.com/destination/21214

・朝国しょうが復刻プロジェクト

https://www.city.shiga-konan.lg.jp/soshiki/sogo_seisaku/chiiki_sosei/chiiki_sosei_kikaku_tokei/kennkoupro/26343.html

 

 

 


 

② ショウガ特有の栄養成分で身体を温めて健康UP!

 

風邪のひき始めに用いられる「葛根湯」や「桂枝湯」など、多くの漢方薬に含まれる生薬でもあるショウガには、多くの栄養素が含まれています。

 

主要成分「ジンゲロール」は、生のショウガ特有の辛味成分で、末梢血管を拡張させ血流を良くする働きがあります。

ジンゲロールは、ショウガを加熱して水分を飛ばすと「ショウガオール」に変化し、身体を温める働きが高まります。

胃腸など身体の芯が温まることにより、免疫力向上にもつながります。

また、香り成分の「シネオール」には、リラックス作用があります。

その他、食物繊維やビタミンC、ビタミンB1、B2等を含んでいます。

 

ショウガを摂ることで冷え性の改善が期待できることはよく知られています。

血流が良くなることにより、血行不良による冷え性や肩こりなどを和らげます。

発汗、排尿、排便が促進され、不要なものが排出されやすくなります。

胃腸の内壁の血流を良くして、胃腸の働きを活発にし、食べ物の消化吸収を助けてくれるうえ、内臓の働きを活発にして食欲を増進する作用もあります。

また身体を温めることで、関節の痛みを和らげます。

 

ショウガには殺菌効果もあり、魚の臭みを消すだけでなく食中毒予防にも役立ちます。

また、二日酔いや吐き気を抑える働きもあります。

 

※写真はPhotoACより

 

炎症や痛みを抑える働きがあるため、抗炎症作用や鎮痛作用、せきやのどの痛みの緩和も期待できます。

 

さらに、コレステロール値や血圧の低下、抗酸化作用なども知られています。

 

ショウガはたくさん摂っても問題のない食材ですが、辛味が刺激になるため胃が弱い人は摂りすぎに注意が必要です。

1日20グラム、粉末なら2グラム程度がおすすめとのことで、効果の持続時間は3~4時間のため、こまめに摂取すると良いそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・【医師監修】生姜の驚くべき健康効果とは?

https://www.aux-ltd.co.jp/magazine/health/ginger_power.html

・体を温めるには、生姜は「生」と「加熱」どっちがいいの?管理栄養士に聞いてみた!

https://www.orangepage.net/news-daily/23965

・しょうがに含まれる栄養と働き|しょうがを使ったレシピを紹介

https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/30623

 

 

 

 


 

③ 無病息災を願う!?ショウガの活用法いろいろ

 

ショウガは、薬用や料理に使われるほか、生姜湯、ジンジャーティー、チャイ等の飲み物に入れたり、乾燥粉末を生姜糖や生姜せんべいなどのお菓子に加えたり、生姜味噌や生姜醤油など、調味料に加えたりと、幅広く活用されています。

 

さらに、入浴剤としてお風呂や足湯に入れたり、枕元に置いてアロマ効果を楽しんだり、デスクにおいて集中力や記憶力を高めたりといった活用法もあります。

 

ショウガは風水において熱=赤=生命を意味しており、インドでお払いに使われたり、中国では魔除けに使われたりしてきたそうです。

 

毎年6月15日は「生姜の日」だそうです。

日本で唯一、香辛料の神様をまつる、石川県金沢市の「波自加彌神社」では、この日に「はじかみ大祭」、通称「しょうが祭り」を行います。

奈良時代に大干ばつが起こり雨乞いをしたところ6月15日に霊水がわき出し、これを祝う際の神饌とすべき食物が、乾燥に強いはじかみ(ショウガ)しか残されていなかったという言い伝えがその由来だそうです。

 

東京都あきるの市の二宮神社では、毎年9月8日、9日に行われる秋季例大祭が通称「生姜祭り」と呼ばれ、祭礼に神饌としてショウガを奉納します。

9日に立ち並ぶ露店で販売されるショウガを食べると、「風邪をひかない」「1年間無病息災、厄除けになる」と言われているそうです。

 

福島県岩城郡四倉町(現いわき市)の船渡八幡神社、東京都港区の芝大神宮、福岡県太宰府市の太宰府天満宮、鹿児島県清水町の多賀神社などでは、ショウガの収穫祝いとして「生姜市」が立つ祭礼があり、市でショウガを買ってきて魔除けにするところもあるそうです。

 

※写真はPhotoACより

<参考サイト>

・生姜の食べる以外の活用方法は?

https://biminara.com/1043.html

・簡単に運気アップ?知られざるショウガの魔よけ効果

https://kaiun-ch.com/28175

・二宮神社秋季例大祭(生姜祭り)

https://www.city.akiruno.tokyo.jp/kanko/0000004446.html#:~:text=%E4%BA%8C%E5%AE%AE%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E7%A7%8B%E5%AD%A3%E4%BE%8B%E5%A4%A7%E7%A5%AD,%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

 

 

 

 


 

④ 定番からお菓子や飲み物まで!日本のショウガ料理

 

爽やかな香りと辛味を持つショウガは、薬味として、また隠し味や臭み消しとして、あらゆる料理に使われます。

一年を通して手頃な価格で手に入りますが、1970年代からチューブ入りのおろしショウガが販売されており、より手軽に使えるため、冷蔵庫に常備しているご家庭も多いかもしれませんね。

 

日本を代表するショウガ料理と言えば、定食の定番メニューでもある豚肉のショウガ焼きではないでしょうか。

厚めにスライスした豚肉を、醤油ベースにすりおろしショウガをたっぷり入れたタレに漬け込んで焼く、シンプルな料理です。

 

ご飯のおともにピッタリなのが、ショウガのつくだ煮です。

また、初夏に出回る新ショウガの甘酢漬けは、お酒のつまみや常備菜として活躍します。

お寿司屋さんでは「ガリ」と呼ばれ、口の中をさっぱりとさせ、魚の臭みを消したり殺菌したりする働きがあるとされます。

焼き魚に添えられることが多い細長いタイプのはじかみは、赤色の濃い部分は茎で硬く、白い部分のみを食べるのが一般的です。

 

全国で広く食されているショウガですが、地域の特色を反映した様々な郷土料理があります。いくつか調べてみました。

 

【しょうが味噌おでん】(青森県)

青森市周辺では、すりおろしたショウガ入りの味噌ダレでおでんを食べるのが一般的で、コンビニのおでんにもカラシではなくショウガ味噌をつけてくれるとのこと。

戦後の闇市の屋台で、真冬に北海道・函館へわたる青函連絡船に乗るお客さんの身体を少しでも温めようと、屋台のおかみさんが提供したのが由来と言われている。

 

【長岡生姜醤油ラーメン】(新潟県)

「新潟5大ラーメン」のひとつとされるご当地ラーメン。

豚骨や鶏ガラで出汁をとった醤油ベースのスープにショウガをたっぷり入れて仕上げる。

1960年代に長岡に出店した「青島食堂」が、寒い時期にも身体が温まるようにとショウガの量を増やして提供したのが始まりと言われている。

 

※写真はPhotoACより

 

【生姜せんべい】(石川県)

安土桃山時代が発祥と言われる金沢の生姜せんべいは、ほどよく反った小舟の形状で、通称「柴舟」と呼ばれている。

砂糖の上品な甘さと、口当たりの良さ、あとを引くショウガの風味が特徴。

 

【しょうが飯】(和歌山県)

和歌山市の紀の川沿いに広がる柔らかい砂地地帯では、温暖な気候を生かし、大正初期からショウガの栽培が行われてきた、全国有数の新ショウガの産地。

新ショウガの旬である5月~10月に収穫・出荷されたものを使い、米と一緒に炊き上げ、ゴマや薬味のネギを添えて食べる。

 

【生姜糖】(島根県)

出雲市平田町の特産の出西ショウガの搾り汁に砂糖を混ぜ、炭火で煮詰めて固めた菓子で、ショウガならではのツンとする辛さと砂糖の甘さを楽しむことができる。

1715年、茶席にむく高尚な菓子を求めた來間屋文左衛門が完成させたと伝わる。

現在は1軒だけが手がけており、すべて手作業でつくっているとのこと。

 

※写真はPhotoACより

 

【生姜漬け】(高知県)

国内生産量トップの高知県では、ショウガに塩を振って寝かせた後、天日干しにし、赤梅酢に漬けた紅ショウガのほか、甘酢漬けやはちみつ漬、梅酢漬、味噌漬けなど、様々な「生姜漬け」がある。

 

※写真はPhotoACより

 

【冷やしあめ】(高知県)

米飴、上白糖、ショウガの搾り汁を釜焚きしてシロップ状にした蜜を、水で割った飲み物。

夏には爽やかな清涼感が暑さで疲れた身体を癒やし、冬にはこの蜜を湯で割った「あめ湯」が身体の芯を温めてくれるとのこと。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・生姜(ショウガ): 爽やかな香りと辛味 あらゆる料理にちょい役で出演

https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c15304/

・“映え” なくても確かな存在感 : ショウガのお料理コレクション

https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c153040/

・しょうが味噌おでん 青森県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shouga_misooden_aomori.html

・「新潟5大ラーメン」を食す!【①長岡生姜醤油ラーメン 編】/長岡市

https://niigata-kankou.or.jp/blog/485

・新潟名物「長岡ラーメン」とは?特徴や歴史を紹介

https://tenposstar.com/ja/articles/r/1014

・生姜せんべい 石川県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/syoga_senbei.html

・しょうが飯 和歌山県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shouga_meshi_wakayama.html

・生姜糖 島根県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/syoga_to.html

・生姜漬け 高知県

https://kyoudo-ryouri.com/food/2531.html

・生姜の味噌漬け 熊本県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/shougano-misozuke.html

・冷やしあめ 高知県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/hiyasiame.html

 

 

 

 


 

⑤ カレーからスイーツまで!世界のショウガ料理

 

ショウガを生で食べるのは日本独特の習慣だそうです。

韓国では加熱せずおろして多種類の香味野菜や香辛料とともに複合的な味をつくり出すために用い、中国では臭み消しや香りづけに用いて加熱する傾向があり、ヨーロッパでは乾燥品をスパイスとして使うのが一般的とのことです。

世界各国でショウガがどのように食されているか、いくつか調べてみました。

 

【姜葱牛肉】(中国)

生姜を効かせた牛肉炒め。

薄くスライスしたショウガを炒めて香りを出し、片栗粉をまぶして多めの油で揚げ焼きした牛肉、タマネギを合わせてオイスターソースと醤油で味付ける。

 

【青椒肉絲】(中国)

日本でもおなじみの定番料理。

細切りにした牛肉、タケノコ、ピーマンを炒め、細切り生姜とネギ、オイスターソースで香りづけし、醤油や酒などの合わせ調味料で仕上げる。

 

※写真はPhotoACより

 

【フォー】(ベトナム)

グルメサイトが発表した 「世界の生姜を使用した100の美味しい料理」で、ベトナム料理が4品選出され、中でもフォーは2種類がそれぞれランクインしているとのこと。

牛骨を煮込んだスープに、米の麺とタマネギ、ネギ、肉団子、ライムなどが具材として入る。

ショウガを加えることで香ばしさと辛味をプラスし、全体の味わいを引き立てる。

 

※写真はPhotoACより

 

【チェー・チョイ・ヌォック】(ベトナム)

ベトナムの伝統行事や祭礼に欠かせないデザート。

もち米の団子に緑豆の餡を詰め、ココナッツミルクや黒糖シロップをかけ、仕上げにショウガを加えることで、甘さと辛味が絶妙に調和する。

 

【ゆで鶏】(ベトナム)

鶏肉を、塩、ショウガ、ネギ、ターメリックなどと茹でる料理。

ショウガが鶏肉の自然な風味を引き立て、バランスの取れた味わいに仕上げる。

 

【黒鶏の鍋】(ベトナム)

ベトナム北部サパ地方の伝統料理。

肉質がしっかりして独特の風味のある黒鶏と、シイタケ、カボチャ、サツマイモなどを入れた、滋味深いスープが特徴。

 

【カレー】(インド)

インドはショウガの生産量・消費量ともに世界1位。ショウガとニンニクは、ペーストにして「ジンジャー・ガーリック・ペースト」として炒めることで、カレーに豊かなうま味と香りを加えるのに欠かせない。

食感が残るよう、カレーの仕上げにショウガを加えることもある。

 

【アチャール】(インド)

アチャールはインドの漬物のことで、カレーの付け合わせによくつくられる。

スライスしたショウガに、レモン汁、油、塩、カレー粉を混ぜ合わせて漬け込む。

 

【ジンジャーチャイ】(インド)

マサラ(数種類のスパイスを混ぜ合わせたもの)と一緒にショウガを入れたチャイ。

スパイスなしでショウガだけの場合もある。

 

※写真はPhotoACより

 

【ジンジャービール】(イギリス)

イギリスではショウガは主にお菓子や甘い飲み物に使われる。

ジンジャービールは、イギリスで古くから親しまれてきた微炭酸の飲み物。

ショウガ、砂糖、イースト菌、水を主な材料とし、発酵させてつくる。

アルコールをほとんど含まず、ジンジャーエールと比べるとショウガの風味が強い。

 

【ジンジャーエール】(イギリス)

19世紀、発酵ではなく炭酸ガスを用いて炭酸をつくり出す技術が進歩し、ジンジャービ―ルから派生したノンアルコールの「ジンジャーエール」が誕生した。

そのシンプルさとスパイシーさから、カクテルのベースとして、また健康志向の飲み物として世界中で愛されている。

 

【クリスマスプディング】(イギリス)

クリスマスに食べるイギリスの伝統的なデザート。

ドライフルーツとパン粉、ショウガなどの数種類のスパイスを混ぜ合わせて型に入れ、蒸し焼きにしてつくる。

 

【ジンジャーブレッド】(イギリス)

欧米でよく食べられているショウガを使ったお菓子の代表格。

しっとりとしたパンやケーキ、クッキーやビスケットなど、いろいろなものがある。

クリスマスの飾りとしても使われる、人の形をしたクッキー「ジンジャーブレッドマン」もそのひとつ。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・料理書にみる中国,朝鮮,日本料理中のショウガ利用比較

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/36/3/36_255/_article/-char/ja/

・姜葱牛肉 牛肉のジンジャー炒め

https://www.japanjournals.com/company/232-eat/hitorimeshi/19643-beef-with-ginger.html

・きょうの料理レシピ チンジャオロースー

https://www.kyounoryouri.jp/recipe/4788_%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BC.html

・世界の美味しい生姜料理100選、ベトナム料理4品が選出

https://poste-vn.com/news/2024-09-20-18210

・北インド料理のニンニクと生姜について

https://note.com/llittle_press/n/ncdeb30280247

・世界のショウガ生産量ランキング2023(最新)

https://world-guide.jp/ranking/products/596

・ 香辛料を使った生姜のアチャール

https://www.onakanohanashi.com/patient/1385.html

・インド・ネパール料理におけるニンニク・しょうが・玉ねぎ

https://www.tirakita.com/food/allabout_gingergarlic_onion.shtml?srsltid=AfmBOoorQO-eDmnVdWh3cUvS8aguNxuo02Qs7SmDfCF7X3X2zuMzAxzT

・生姜と甘味のコンチェルト! 大英帝国の歴史に刻まれたベストハーモニー

https://www.kanro.co.jp/sweeten/detail/id=2021

 

 

 

 


 

⑥ ショウガを練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ

 

ショウガを麺に練り込んだものを調べてみたら、素麺や生麺、インスタントラーメンなど、様々な麺がつくられていましたので、いくつかご紹介します。

 

【しょうが麺】(はしづめ製麺)

職人が手間ひまかけてカットした国産の黄金ショウガを使用。

生のものと低温乾燥・粉砕したものをブレンドして生地に練り込んでいる。

寒い季節の温かい料理に使われている。

 

・しょうが麺20-130[秋冬限定]

https://hashizumen.co.jp/noodles/ginger/ 

 

【手延べ生姜めん】(三輪山本)

生姜を練り込んだ手延べ素麺。

ゆで汁にショウガの味がつき、丸ごと食べられる。

 

・手延べ 生姜めん

https://store.mahorobashop.jp/products/mhr00235

 

【しょうがめん】(肥後そう川)

熊本県産の小麦粉に、粉末にした熊本県産のショウガを練り込み、健康的な麺に仕上げている。

寒い冬も身体の芯からポカポカ温まる。

つゆ付きも販売されている。

 

・しょうがめん(つゆ付き/2食入)

https://www.sougawa.com/item/kjt/

 

【新生姜生そうめん】(岩下食品)

栃木県栃木市にある「岩下の新生姜ミュージアム」にて販売されている。

栃木市の製麺所「中沢製麺」と共同開発したオリジナルの“生そうめん”。

「岩下の新生姜パウダー」を練り込み、ピンク色でほんのりショウガ風味。

なめらかな舌触りとのどごしの良さ、モチモチとした食べ応えが特徴。

 

・岩下の新生姜生そうめん 2食入

https://shinshoga-museum.com/news/190716_shinshoga-somen

 

【濃くてうまい MISO】(日清食品)

ショウガを麺に練り込んだ“旨み練り込み麺”を採用し、麺一本一本にまでしっかりとした味わいを感じられるインスタントラーメン。

スープにも、赤味噌と白味噌をブレンドした濃厚な味噌スープにジンジャーチップを加えている。

2020年、全国のセブン&アイグループ各社で限定販売された。

 

・“旨み練り込み麺”が味の決め手!『日清 濃くてうまい』2アイテム

https://www.7andi.com/company/news/release/20200618.html

 

※写真はPhotoACより

 

 


 

⑦ 《番外編》小豆島まつり

 

我が故郷の夏のお祭り「小豆島まつり」が8月15日(金)に開催されました。

開催場所は、石井製麺所から道を挟んだ向かい側のグラウンド。

たくさんの屋台が出て、お祭り好きな方々が島中から集まって来られます。

打ち上げ花火もあってとっても賑やかなお祭りです。

 

 

 

 

小豆島の中には2つの行政区があって、もうひとつの町、土庄町でも「小豆島まつり」が開催され、こちらも打ち上げ花火が上がります。

8月に入ると打ち上げ花火を伴う2つのお祭りがあり、島の方はあちらこちらへとお出かけするそうで、小豆島ならではの贅沢な感じではないでしょうか。

 

「小豆島まつり」の打ち上げ花火は、少し沖合の台船から打ち上げられますが、至近距離からの打ち上げなので、遠くに上がる花火を眺めるのでなく、真上に上がる感覚で、ほとんど下から見上げるような打ち上げ花火は“大迫力”の一言!

まるで火の粉が空から降り注ぐような迫力を味わえるのがこのお祭りの醍醐味だと思います。

なかなか都会では味わえない打ち上げ花火です。

 

 

 

 

ぜひ来年の夏は、小豆島で大迫力の打ち上げ花火をご覧に来られませんか。

石井製麺所の真横ですので、その際には製麺所へもぜひぜひお立ち寄りください。

 

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in

 

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年7月22日 【Vol.63】手延べ素麺の製造工程について①

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.63

手延べ素麺の製造工程について①

 

 

 

東北北部も含めて東日本も梅雨明けし、日本中が夏真っ盛りといったところですね。

西日本の地域が6月末に梅雨明けしてからご注文が増えましたが、現在では東京方面のお客様からもご注文が急増しています。

ありがたいお話で、順次出荷もおこなっておりますが少し遅れ気味なところもございます。

何とぞご容赦ください。

製造計画も見直しをしておりますが、OEM商品供給先も急遽のご注文が増え、ここ数年では珍しく7月末現在も製造に追われる毎日です。

石井製麺所では一年中美味しく手延べ麺を味わっていただけるようにと、いろいろな手延べ麺を販売していますが、まだまだ夏の素麺の魅力に勝るものはありませんね(笑)。

 

さて、7月と言えば、例年チャレンジしている「かがわ県産品コンクール」!

今年も18日に新商品を出品して、試食もご提供してまいりました。

今回は特殊麺ではなく、ズバリ!国産小麦を使用した手延べ素麺です。

「国産小麦の手延べ素麺って普通にあるよね?」と思われがちですが、使用する小麦粉は、実はお菓子用やパン用、うどん用の小麦を使った物がほとんどで、「手延べ素麺用」の小麦粉(ブレンド小麦粉)というのはありませんでした。
現在、どの産地も通常の手延べ素麺を製麺される際には、外国産小麦を使用されていると思います。

素麺の市場はうどんやパンほど大きくありませんから、国産小麦をわざわざ「手延べ素麺用」にブレンドして製品化する小麦粉メーカーさんはいらっしゃらないと思います。

 

ですが、今回、ご縁があり、国産小麦を使用して「手延べ素麺」用の小麦粉の開発を一緒に行ってくれるメーカー様がお声がけくださいました。

こんなニッチな商品に手を挙げてくださるなんて、なんとありがたい。。。

ということで、今回は「原料となる小麦粉の開発」から携わり、試行錯誤の末(現段階ですが)できた「国産小麦粉のみを原料とした手延べ素麺用小麦粉を使った、手延べ素麺らしい美味しい素麺」を出品させていただきます。

 

詳細については、また後日のブログにて。

 

今回のブログは、石井製麺所についてです。

石井製麺所の沿革や所在地、製法について、整理してまとめてみました。

実は、同じ「小豆島手延べ素麺」といっても製麺所ごとに微妙な差があったり、こだわりや製法にも個性が出ています。

あと、工程や道具の呼称も製麺所によって差があったりするのも面白いところかもしれません。

今回は他の製麺所と同じかどうかは分かりませんが、石井製麺所の製麺方法をご紹介したいと思います。

「うちとは違うな」という製麺所様の声もあるかも知れませんが、石井製麺所のやり方としてあらかじめご了承ください。

 

今回もご一読いただければ幸いです。

 

※写真は、新作の素麺を試食している様子。乾燥させる前の、まさに「生そうめん」です。

 

【目次】

① 創業約50年の石井製麺所のあゆみ

② 「海に近い製麺所」石井製麺所のある馬木地区とは

③ 丹精込めてつくられる手延べ素麺の製造工程

④ 石井製麺所を代表する手延べ素麺・手延べ麺を紹介

⑤ 石井製麺所らしさを大切にしたい…その想いを込めたパッケージへ

 

 


 

 

① 創業約50年の石井製麺所のあゆみ

 

【石井製麺所の沿革概略】

 

1971年秋ごろ 石井史郎が現在の地に創業

1992年 生産量がピークを迎える(約54,000㎏)

2003年 二代目として石井善光(よしみつ)が事業を承継

2020年1月 三代目として石井義人が事業を承継(現在は父母と三人で製麺中)

2021年 「しょうどしま長命草」を使った『手延べしょうどしま長命草素麺』を発売

2022年 『手延べレモン素麺』を発売

2023年 瀬戸凪《楽々膳・黒》シリーズの 『手延べきくらげ麺』『手延べひじき麺』『手延べ黒ごま麺』を発売

2024年 『手延べ乾平うどん』を発売

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

小豆島で400年以上続くと言われる素麺。

私たち石井製麺所は、1971年の創業以来、小豆島手延べ素麺の特徴である「手延べ製法」と「天日干し」の工程を守り続け、小豆島だからこそできる素麺をつくり続けています。

 

私の父の父、つまり祖父に当たる石井史郎が、小豆島手延素麺協同組合の組合員として創業した当時は、素麺がとてももてはやされたと聞いています。

「つくれば売れる」ということで、生産量のピーク1992年には、54,000㎏も製麺していたとか。

素麺は18kg単位で生産量を計算するので、およそ3,000箱分になります(驚)。

ちなみに昨年はほぼ家族3人で年間1,400箱なので2倍以上…到底想像できない生産量です(笑)。

 

2003年に父が2代目として製麺所を引き継ぎ、母と従業員の方が6名ほどいたそうです。

そこから天候不順や景気の動向、食生活や文化の変化(御中元需要の減少)などが大きく影響したと思われるのですが、生産量、販売量ともに減少傾向が続きました。

 

 

私三代目が小豆島に帰ってきたのは、2018年5月頃だったと思います。

関東圏の大学に通い、就職もそのまま関東で。

素麺どころか、食品とも関係のない、住宅関係の仕事をしていましたが、縁あって島に戻ることになりました。

2018年には、生産量、販売量ともにピーク時の40%くらいまで減っていました。

ただ、生産量が減少した一番の原因は、高齢化や人手不足で、単純に生産能力が落ちてしまったからだと思います。

(これは弊社だけの問題ではなく、地域の、さらに広く見れば業界の課題ですね。)

 

その後、正式に事業承継を行ったのが2020年1月です。

私も製麺作業に加わり、経営や営業面も承継して、お客様へのご案内や営業活動、新しい手延べ麺の開発などを行っています。

 

先代の時代から、新しい手延べ麺の可能性として「山芋素麺」「蕎麦風味」を開発、商品ラインアップに加わりました。

白い素麺が基本的には人気ですが、贈り物用としてのご用命もあり、特に「山芋素麺」は今でも根強い人気があります。

 

しかしながら、相対的に生産量・販売量ともに減少していると、販売の拡大が先か、製造強化(安定)が先か、大変迷うところでした。

3代目を引き継いだ際に、

「このまま、白い手延べ素麺を続けているだけで良いのだろうか?」

「いつもご愛顧いただくお客様にもっと喜んでいただけることはないだろうか?」

と、事業承継してからは自問自答の毎日でした。

そんな中で出会ったのが小豆島で研究栽培をされていた「しょうどしま長命草」でした。

 

「これだ!」とひらめきました。

 

 

学生時代、実家から素麺が仕送りされていました。体調を崩しているとき、母から送ってもらった素麺の、その食べやすさと優しさに、弱った心と体が癒やされたのを、今でもはっきりと覚えています。

(小豆島から離れて頑張っている学生さんにとって、これはあるあるかもしれませんね。)

 

元来、素麺は嗜好品でなく、「大切な方への健康を思いやる贈り物」なんだと、あとからですが気がつきました。

そこで、次の100年に残す手延べ素麺のテーマとして「よりそうめん」を掲げて、健康で毎日を過ごすために選ばれる食品を目指して取り組むことにしました。

そこから、「手延べしょうどしま長命草素麺」「手延べ小豆島オリーブオイル素麺」を開発し、化学調味料や着色料を一切使用せず、食べる方に優しい手延べ素麺を届けさせていただいています。

続けて、島内での色々なご縁が繋がり『薬膳』の考えを取り入れた「手延べひじき麺」「手延べきくらげ麺」「手延べ黒ごま麺」を発売。

その製麺で得られた技術を活かし、現在では多くのOEMを受託させていただくまでに至りました。

 

参考:『【お!いしい けんぶんろく】 Vol.59 今あらためて、手延べ素麺について考える ⑤小豆島手延素麺の石井製麺所とは』より

 

 

 

 


 

② 「海に近い製麺所」石井製麺所のある馬木地区とは

 

【所在地】

石井製麺所は、小豆島の東の方に位置し、よく小豆島の全形が牛の形に例えられるのですが、ちょうど後ろ脚の付け根くらいに位置します。

石井製麺所のある地域は小豆島の「馬木」という地区で、下記地図を見ていただいても分かるように醤油会社が多くある地域で、「醤の郷(ひしおのさと)」と呼ばれるエリアもあり、小豆島の観光地のひとつとしてあげられています。

 

引用元:Google社「Google マップ、Google Earth」より

 

【周辺の様子】

石井製麺所の近くには野球のグラウンドや「小豆島町内海B&G海洋センター」というところもあります。

「小豆島町内海B&G海洋センター」では、グラウンドやプールもあり、マリンスポーツも楽しめる場所とのことです。

夏にはこのグラウンドで「小豆島まつり」がおこなわれ、海上で打ち上げられるたくさんの花火を見ることができます。

 

石井製麺所の裏には「内海八幡神社」があり、緑も多い地域です。

数は随分と減ってしまいましたが、近くには他の製麺所さんもあります。

地図を見ていただければお分かりいただけると思いますが、石井製麺所から徒歩30秒のところに海(内海湾)が広がります。

小豆島では、季節によって台風のような強風が吹く日が時折ありますが、石井製麺所は「内海八幡神社」のある小高い丘に囲まれるような形であるためか風の影響は受けにくく、西向きに拓けているため午後からは暖かい陽射しが降り注いでくれます。

これは天日干しを大切にする小豆島手延べ素麺ではとても大事なことで、石井製麺所では小豆島の地形にうまく守られているなと感じることがあります。

 

 

野球グラウンド横から見ると、石井製麺所の対岸にある「寒霞渓」の一部を見ることができます。

 

【馬木地区とは】

馬木地区の話に戻って。

小豆島町商工会のホームページに掲載されている情報によると「馬木散策路」について紹介されていて、

『赤穂から移り住んだ塩兵師達によって形成されたという馬木部落。

塩づくりから醤油づくりへと移行し、たくさんの醬油醸造所が並んでいた地域です。

醤の郷では5軒のお醤油屋さんが(馬木散策路では3軒のお醤油屋さんが)近代化産業遺産に認定されました。』

とありました。

参考:小豆島町商工会ホームページ「醤の郷」より

馬木地区は、天正期頃(1580年代)に形成されたと資料にはあり、今から約450年も前からある古い地域であることが分かります。

 

 

「醤の郷」で見られる醤油会社さんは、焼き板、白の漆喰壁の醤油蔵などが歴史的景観を形成しています。

 

【小豆島町の食品産業の集積地】

弊社が工場を構える馬木(うまき)や、お隣の苗羽(のうま)には冒頭でご紹介した醤油会社をはじめ、醤油会社から派生した佃煮会社も多く、手延べ素麺の製麺所も多い地域です。

石井製麺所のお隣にはオリーブのお会社様もあります。

また、小豆島でも賑わいのあるエリアで工場見学などできる場所もあり、夏〜秋にかけての観光シーズンには多くの観光客の方がお見えになる、観光産業としても重要な場所だと思います。

まさに、小豆島を代表するさまざまな産業が集積している地と言えますね。

 

時折、石井製麺所をご訪問くださるお客様もいらっしゃいますが、基本的に工場なのでお土産物用の商品などは置いておらず、工場見学などもおこなっておりません。

ただ、あらかじめご連絡いただき、製麺作業が比較的落ち着いているときにはご対応をさせていただく場合もありますが、あらかじめご了承ください。

 

 

小豆島の一番の観光名所「寒霞渓」から内海湾を見おろした際の様子。

写真左側にグランドと丘が見えますが、その間くらいに石井製麺所があります(さすがに目視はできませんが)。

 

 

 


 

③ 丹精込めてつくられる手延べ素麺の製造工程

 

「手延べ製法」とは、生地を包丁などで切るのではなく「延ばして」麺にする方法です。

昔は手作業でおこなっていた工程も、現在はほとんどの工程で機械化が進んでいます。

とはいっても、今でも「手」の言葉が残っているのは、手で使う作業の道具を電動化したもので、手づくりならではの良さをそのままに残す工夫をおこなってきた証だと言えます。 

 

小麦粉を練ってつくった生地を延ばして、重ねて、熟成させて、また延ばして…を繰り返して、少しずつ細く延ばすことで、表面を傷つけることなく、なめらかな組織をつくり上げることができます。

なめらかでつるっとした食感と、のど越しの良さは、「手延べ製法ならでは」と言えます。

 

日本三大素麺のひとつである小豆島素麺は、約400年前から続く伝統の製法で、小豆島特産の純正ごま油を塗りながら練った生地を、木箸を使って極細の糸状になるまで丁寧に引きのばし、天日でじっくり乾燥させてつくります。

油を塗るのは、麺の表面の乾燥や麺同士の付着を防ぐため。

ごま油を使うことで独特の風味が生まれ、他の産地で使用している綿実油に比べて酸化しにくいため麺が劣化しにくい特徴があります。

また室内乾燥が主流になる中、小豆島の自然環境の良さを活かして天日干しと室内干しを組み合わせることにより、麺がより白くなり、おいしさも増すと言われます。

 

石井製麺所では、着色料や保存料を使用せず、機械をうまく取り入れながらも、すべての工程において職人が直に手を触れ、生地の感触を確かめながらつくっています。

毎日、ただひたすら、同じ味・品質になるよう、手延べ素麺を一本一本丁寧につくり続けています。

 

※以下の写真は新製品の試作時のものです。量などが通常とは異なりますがあらかじめご了承ください。

 

 

《工程1》記録を確認する

まずは、天候を観る。

手延べ素麺はその日の天候に大きく左右されるため、まったく同じ原料を使うだけでは同じ品質の素麺はできません。

天候に合わせて塩の量、練り具合、天日干しと室内干しの時間配分を調整するなど、職人の技術、勘、経験が大切になってきます。

これが手延べ素麺の大きな特徴といえます。

しかしながら、勘と経験だけに頼っていては、美味しい素麺をつくり続けることはできません。

石井製麺所では、そういった素麺づくりの記録を毎回ノートに記し続けています。

常に、翌日、翌年の参考になるようにと…。

百年先も変わらぬ素麺をつくり続けるためにその記録を大切にしています。ですので、まずは天候を観る。

そして、過去の記録を紐解き、その日の素麺の状態に合わせて、臨機応変に時間と人を動かすことが、私たちならではの「素麺が主役」の製造方法です。

 

 

《工程2》おで(小麦粉をこねる)

天候や温度・湿度を観て、小麦粉と食塩水の最適な配合量を量り、30分ほど丁寧に練り合わせます。

グルテンがしっかり形成された麺生地をつくります。

この工程をしっかりおこなわないと、この後のすべての工程が台無しになってしまいます。

ただ小麦粉に食塩水を加えるのではなく、上手く混ざるように食塩水を流し込む場所とタイミングを選んでいます。

こまめに手を加えながら、ムラなく、無駄なく練り上げます。

 

 

 

私たちは、つくり置きをするのではなく、その日に使う分だけをその日につくります。

素麺づくりは丸一日かかるので、分量を合わせこねる作業を朝3時には開始します。

 

 

加水はその日の製麺性はもちろん、品質、歩留まりなどに影響を及ぼすため、慎重に少しずつ加えながら粉に何度も触れ質感を確かめながら作業を進めます。

先代と三代目で時間や加水量などを相談しながら慎重に決めます。

 

 

《工程3》麺圧(生地を整える)

こねた生地を麺圧機に移し、生地自身の重さを利用して圧力をかけ、生地をまとめ、整えていきます。

15分ほどの時間をかけて、200kgを超える重さの生地は両手で抱えきれないほどの丸太のようになります。

 

 

実はこの作業、昔は人が繰り返し足で踏むことでおこなっていました。

機械の進歩で、大きく形を変えた工程のひとつです。

 

 

 

《工程4》いたぎ(板状に切り出し、圧延と複合を繰り返す)

ここも2人1組で作業をおこないます。

1人目が麺圧機の生地の“塊”からから板状に切り出したものを「いたぎ機」に流し、上下からローラーで挟み込み、圧力をかけながら帯のようにのばしていきます(圧延)。

帯状になった生地は“採桶(さいとう)”と呼ばれる桶に巻き取っていきます。

 

 

次に、帯状になった生地を重ね合わせ、再びローラーで圧力をかけながらのばしていきます(複合)。

重ねてのばして巻き取って、また重ねてのばして巻き取って…圧延・複合の工程を何度か繰り返すことで、一定方向に何層にも重なった、肌理の細かいグルテン組織をつくり出します。

 

 

 

 

《工程5》油がえし(表面に油を塗る)

帯状になった生地を半分に折るようにして丸めます。

このとき、内側に空気が入らないよう、生地の通り道の広さを微調整しながら進めます。

空気が入っていると後の工程に支障が出るだけでなく、部分的につぶれた形状になるなど麺の出来栄えにも関わります。

併せて、麺生地同士がくっつかないように、ごま油を塗りながら巻いていきます(油がえし)。

 

 

油がえし後は、しばらく寝かせて生地を熟成させます。この時間もまた気候や温湿度によって変えていきます。

麺生地はまるで生き物のようです。

ですから、決まった作業時間を押しつけるのではなく、麺生地の状態に合わせて作業を進めていくことが大切だと私たちは考えています。

 

 

 

《工程6》より(麺を少しずつ細める)

ごま油を塗った生地を熟成させた後、“より”をかけながらだんだんと細めていきます。

この時も採桶に巻いていきながらごま油を塗ります。熟成の時間を挟み、中より(なかより)、小より(こより)の2段階の工程を経て細くします。

 

 

この“より”が小豆島手延べ素麺独特の“こし”を生み出します。

 

 

《工程7》かけば(2本の箸に、8の字にかける)

さらに“より”をかけながら細くのばした麺紐を2本の箸に8の字状に巻き付けていきます。

8の字の理由は乾燥の工程にて明らかになります。

 

 

巻き付けた生地を“寝櫃(ねびつ)”と呼ばれる熟成用の箱に入れてさらに熟成させます。

 

 

 

《工程8》こびき(のばしに備えて、少しのばす)

寝櫃で熟成させた生地を50cmほどの長さにのばします。

これはいわゆる準備運動。

次の工程で大きくのばすための下準備です。

その日の天候と生地の太さを考慮して、機械の部品を交換してのばす長さも微調整し、大きくのばすのに最適な準備を整えます。

 

 

《工程9》のばし(背丈ほどの長さにのばす)

こびきで準備した生地を、機械を使って大きくのばします。

 

 

背丈ほどの長さにのばしながら、8の字にかかった生地の間に箸を通し、生地同士のひっつきを分けていきます。

8の字にかけたことで、箸を通すだけで隣り合う生地を離すことができます。

 

 

《工程10》はしわけ

のばした生地はほぼ商品と同じ細さの麺になります。

のばした麺を“はた”と呼ばれる干し台につけていきます。

その日の湿度に合わせて、手作業で箸を入れ、のばし上げた麺線のひっつきを一本一本丁寧に箸で分けていきます。

 

 

 

《工程11》乾燥(天日干しと室内干しでじっくり乾燥させる)

小豆島手延べ素麺の特徴のひとつ、天日干しを行います。

天日干しといっても完全に乾くまで屋外に干すのではなく、表面の水分がほどよく乾燥したのを見計らって、室内乾燥に切り替えます。

天日干しで表面をさっと乾かし余分な水分を取り、室内乾燥でじっくり時間をかけて乾かすことで、麺の一本一本がよく締まり、舌触りがつるっとした、見た目もなめらかで美しい素麺になるのです。

 

 

天日干しが上手くいかないと、乾きすぎによって締まりのない、ザラつきの気になる麺になってしまいます。

練りも職人の経験に頼るところが大きいですが、この天日干しもまた、職人ならではの“カン”で美味しい素麺に仕上げることができるのです。

※気候によっては天日干しが適さない場合もあります。その日の天候に応じて、最適な乾燥具合を目指して乾燥方法を調整しています。

 

 

《工程12》裁断(麺を19cmに切る)

乾燥の終わった麺を切り台に並べ19cmの長さで切り揃えます。

あわせて目視にて不良麺を取り除きます。

曲がった麺や太さの不揃いな麺が混ざっていると、切り揃えた断面にところどころ空洞ができます。

内側に不良麺がある証拠です。

細かい作業ですが、品質と安全を守るための大切な作業です。

 

 

《工程13》てび(帯で束ねる)

19cmに切り揃えた麺を、一束一束、帯で束ねていきます。

一束は50gと決まっており、重さと不良麺の有無を確認しながら、丁寧に帯を巻いて完成品となります。

 

 

 

 


 

④ 石井製麺所を代表する手延べ素麺・手延べ麺を紹介

 

私たちは素麺づくりにおいて、ご縁をいただくお客様の笑顔を思い浮かべながら、一束一束丁寧に素麺を仕上げています。

商品開発においても、お客様のニーズを測るだけではなく、深く長く繋がるお客様との関係性を活かし、そのご家族に喜ばれるリアルな商品づくりを心掛けています。

お客様の何気ない一言に、常に耳を傾け、必要とされる商品づくりを目指しています。

私たちのこだわりの詰まった製品の中から、代表的なものをいくつか紹介します。

 

石井製麺所を代表する、一般的な「白い素麺」です。

小豆島手延べ素麺

伝統的な製法でありながら、そのなかにはお客様により美味しい素麺をお届けするための、石井製麺所ならではの工夫が詰まっています。
特にこだわっているのは「乾燥」。

天日干しと室内干しを調整し、美しい白さと抜群のコシを実現しています。

ひとつひとつの工程を真面目に、丁寧に、私たち自身の手作業でつくり上げています。

 

太さが3種類あり、「手延べ素麺」として販売しているものは「細麺(石井製麺所ではスタンダードと呼んでいます)」になります。

またそれよりも太い麺「太麺」、手延べ素麺ならではと言える「極細麺」をご用意しています。

 「太麺」は、冷やし素麺としてももちろんですが、温かいお出汁と一緒に召しがっていただくとその美味しさがさらに際立つと思います。

手延べ素麺ならではのコシとツルンとしたのど越しに加え、「太麺」ならではのモチモチ感が大変人気です。

 太麺ですので、じっくりと長い時間をかけて乾燥しています。賞味期限は1年と長いので、備蓄食にもいかがでしょうか。

「困ったときの“素麺”頼み」と言われるように皆さまの食卓で活躍できると幸いです。

 

 

《手延べ素麺》 https://141seimen.thebase.in/categories/2325435

 

 

綺麗な翡翠色をした抹茶のような爽やかな風味が特長です。

手延べしょうどしま長命草素麺

「素麺で始める 新しい健康習慣」をコンセプトに開発した健康麺です。

大切なお客様のために、からだに嬉しい素麺をつくりたい。

そう考えていたときに出会ったのが、「1株食べると、1日長生きする」と言われるほど、高い栄養価と、強い生命力を持つ「しょうどしま長命草」でした。

きっかけは、小豆島長命草の会さんからの「長命草の粉末を使って、手延べ素麺をつくれないか」というお話しでした。

 

小豆島の農業は塩害との闘い…でもあるそうで、塩に強い農産物があればと、香川大学農学部の先生方と共同で研究をされてきたそうです。

何種類かの野菜や植物が候補に挙げられましたが、「長命草」を選ばれたそうです。

 

第一に、塩害に強い…どころか、塩を吸って元気になる植物ですから島嶼部である小豆島にはぴったりと言える植物です。

第二に、健康に良い…特に高血糖の方によいと言われているそうで、香川県の(当時)ワースト記録と言われる全国糖尿病患者数を下げるためにも、その効果に注目が集まったそうです。

ちなみに、香川県では子供の糖尿病予備群化も深刻で、大人も子供も食べやすく広まりやすい食べ物が求められていたそうで、長命草を練り込んだ麺はまさにぴったりと言える食べ物だと考えます。

第三に、無農薬で栽培できること。

食べる方の健康面でも大きく影響が考えられますが、なにより、高齢の農家さんにとって農薬を使わずに栽培できる長命草は、栽培される方の健康にも優しいと言えます。

また、農薬を使用しないことから、その分のコストも安くなり安価に提供できることもメリットとなります。

第四に、島でたくさん出る「醤油粕」を活用して、小豆島独自の長命草栽培をおこなえる点です。

「醤油粕」は島にたくさんある醤油製造工場から毎日のように大量に出てきますが、醤油を搾った後の粕は産業廃棄物として処理されていたそうです。

しかし、醤油粕に含まれる栄養素が長命草にぴったりで、より栄養価が高まることも研究で分かってきたそうです。

地域で出る醤油粕を使用して、長命草を育て、それを島の特産品である手延べ素麺に仕上げることは、まさに小豆島ならではのものと言えます。

こうした理由から石井製麺所での「長命草素麺」づくりがはじまり、試行錯誤の上、納得いく仕上がりになったと自負しています。

少しずつですが認知度も高まり、今では人気の素麺となりました。

ぜひ一度、綺麗な翡翠色をした抹茶のような爽やかな風味の「長命草そうめん」を味わってみてください。

 

 

《手延べしょうどしま長命草素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/29007893

 

 

小豆島産100%エクストラバージンオリーブオイルを練り込んだ素麺

手延べ小豆島オリーブオイル素麺

「オリーブの島」小豆島から、小豆島産100%エクストラバージンオリーブオイルを練り込んだ素麺をお届けします。

 

小豆島でのオリーブ栽培の始まりは約110年前に遡ります。

それから何度も栄枯盛衰を繰り返し、現在では小豆島の主要な特産品になっています。

しかしながら、小豆島内のオリーブ生産量は気候の影響や、農家さんの高齢化などもあり生産量は大きくなく、収穫も大変なご苦労があるとお聞きします。

そんな貴重な小豆島産のオリーブオイルを使用したちょっぴり贅沢な素麺です。

 

健康志向の油として有名なオリーブオイルに含まれているオレイン酸には、抗酸化作用や動脈硬化の予防効果があるとされています。通常の素麺に比べてなめらかな質感も特徴です。

前段でも触れましたが、石井製麺所の建物のお隣は、小豆島でも有名な「アグリオリーブ小豆島」さんです。

オリーブの収穫時期の9月以降、オイルを搾ったり加工されたり、採ってきたオリーブの実を選別したりされている様子がうかがえる声や機械の音が壁越しに聞こえてきます。

その、「アグリオリーブ小豆島」さんの小豆島産エクストラバージンオリーブオイルを使ってつくるのが「手延べ小豆島オリーブオイル素麺」です。

 

従来の小豆島の手延べ素麺は、小麦粉を練り細く伸ばしていく過程でごま油を使用していてごまの香りと小麦粉の芳ばしい香りが特長です。

「手延べ小豆島オリーブオイル素麺」では、そのごま油の代わりに「小豆島産オリーブオイル」を練り込み、何度も何度も生地を重ね合わせ、細く細く麺状に“より”をかけ、表面にも塗布して仕上げています。

ごま油を使う麺とは違い、オリーブオイル独特の清々しい香りと真っ白な麺が印象的で、発売から大変人気をいただく手延べ素麺です。

 

その食感は、従来の手延べ素麺よりもさらにツルツルッとして、しっかりとしたコシのある素麺です。

白く細い麺は、とてもキレイで冷やし素麺だけでなく、温麺としてお出汁の中でも栄える麺で、他にもさまざまなお料理にぴったりな逸品です。

 

 

《手延べ小豆島オリーブオイル素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/12170333

 

 

後味すっきり、夏に食べたいレモン風味の手延べ素麺です。

手延べレモン素麺(夏季限定商品)

レモン素麺には、瀬戸内レモンの果皮粉末を練り込み、ふわっとレモンの香りを楽しめる素麺に仕上げています。

手延べ製法ならではのツルツル感と、すっきりとした味わいで、暑い夏でもどんどん箸が進むお素麺になっております。

レモンの果実は、果皮に香りが、果汁に酸味が含まれています。

めんつゆに果汁を加えることで酸味をプラス。

さらにレモン感あふれる素麺をお楽しみいただけます。

夏の思い出の〆に手延べレモン素麺はいかがでしょうか。

 

 

《手延べ レモン素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/62424747

 

 

薬膳に基づいて“黒の食べ物”にこだわった新しい手延べ麺。

楽々膳 黒シリーズ

薬膳に基づいて“黒の食べ物”にこだわり、手延べ麺に食材を練り込んだ《楽々膳・黒》シリーズの「手延べひじき麺」「手延べきくらげ麺」「手延べ黒ごま麺」の三品です。

薬膳では“黒い食べ物”は、冬に食べると良いとされ、特に体力や免疫力を司る『腎』をいたわるといわれ着目されています。

そこで、“黒い食べ物”の代表格であり小豆島とご縁の深い「ひじき」「きくらげ」「黒ごま」を選び練り込み、原料それぞれの風味や特色が生きるように、麺の太さをそれぞれ変えています。

 

【手延べひじき麺】

手延べひじき麺は、小豆島産のひじきの茎の部分を粉末にして練り込んでいます。

地元小豆島でさまざまな海産物の加工品を展開されている「池田漁業協同組合」様とのコラボで実現した、地元食材を使用した手延べ麺です。

《楽々膳・黒》シリーズで一番人気のある麺ですので、まだ召し上がったことのない方にも、ぜひとも味わっていただきたい手延べ麺です。

 

 

《手延べ ひじき麺》 https://141seimen.thebase.in/items/69194828

 

 

【手延べきくらげ麺】

手延べきくらげ麺は、細い麺ながらぷりぷりつるんとした独特の食感で、冷たくしても温かいお出汁でも美味しく召し上がっていただけます。

きくらげは、香川県産のきくらげを使用しています。

 

 

《手延べ きくらげ麺》 https://141seimen.thebase.in/items/69195855

 

 

【手延べ黒ごま麺】

手延べ黒ごま麺は、温かいおだしに合うようにと少し太い麺に仕上げています。

茹で伸びしにくく、温かいスープや具材とも絡み合って食べやすい少し黒みがかった麺が特長です。

開発が決まったときに、小豆島を代表する食品メーカーのひとつ「かどや製油」様に工場見学に伺わせていただきました。

そこでは、ごまの力の凄さについていろいろとお話を伺い、感動したのを今でも覚えています。

 

 

《手延べ 黒ごま麺》 https://141seimen.thebase.in/items/69195918

 

 

《楽々膳・黒》シリーズの手延べ麺は、健康を気づかう方に召し上がっていただければとの思いで開発しました。

「毎日の食事で健康に」を目標に、美味しく身体に良い手延べ麺づくりを目指してまいります。

 

 

モチモチツルンとした食感が特長の素麺です。

手延べ山芋素麺

からだに嬉しい山芋のパウダーを麺生地に練り込み、モチモチツルンとした食感が特長の素麺です。

古くから栄養満点の食べ物として親しまれてきた山芋。

我が家でも子どもの頃から、すりおろした山芋がよく食卓に並びました。

 

冷やした素麺はもちろん、にゅうめんやパスタ風のお料理としてアレンジしても美味しく召し上がっていただけます。

麺は白色ですが、その分、カラフルな季節野菜を盛りつけると、鮮やかさが増して見え、より一層食卓が明るくなる一品だと思います。

 

 

《手延べ山芋素麺》 https://141seimen.thebase.in/categories/4801493

 

 

蕎麦の風味を感じながら、手延べ麺独特のツルッとした食感が楽しめます。

手延べ麺 蕎麦風味

小麦粉8に対して蕎麦粉2を混ぜ、手延べ製法でつくった、石井製麺所のオリジナル手延べ麺です。

蕎麦の風味を感じながら、手延べ麺独特のツルッとした食感が楽しめるととてもご好評を得ています。

山芋の粉末を練り込み、オリーブオイルを表面に塗って仕上げています。

茹でのびしにくいので、冷やしても温めても美味しくお召し上がりいただけます。

 

 

《手延べ麺 蕎麦風味》 https://141seimen.thebase.in/categories/2325459

 

 

小豆島の「手延べ素麺」の製法を生かしてつくられた「手延べうどん」です。

手延べ乾平うどん(夏季限定商品)

「手延べ乾平うどん」とは、小豆島の「手延べ素麺」の製法を生かしてつくられた「手延べうどん」です。
生地を“のばして”麺にするので包丁切りの手打ちうどんと違い、なめらかで角のない舌触りと、ツルツルとしたのど越しが特徴です。

さらに「手延べ乾平うどん」は麺を平たくすることで、スープや出汁に絡みやすくなり、美味しく召し上がっていただけます。
また、夏にお召し上がりいただくのにピッタリな、茹で時間が短めの「手延べうどん」です。

石井製麺所のイチオシの夏うどんと言えば、お家カレーを使ったカレーうどんです。
夏に食べるカレーうどん、美味しいですよね。
ぜひご自宅のカレーでお試しください。

もちろん、温冷どちらでも美味しく召し上がっていただけますので、お出汁を利かせためんつゆで、冷やしうどんとして召し上がっていただいても◎。
煮崩れしにくいので、温かいお出汁やスープと一緒に「豚キムチ鍋うどん」も暑い日にはおすすめです。
ドレッシングをサ〜ッとかけて、豚しゃぶサラダうどんもいかがでしょうか。

賞味期限は約1年となっていますので、備蓄食としてもぜひご活用ください。

 

 

《手延べ乾平うどん》 https://141seimen.thebase.in/categories/5913110

 

 

石井製麺所の冬の一番人気商品です。

手延べ半生うどん(冬季限定商品)

石井製麺所の冬の人気商品「手延べ半生うどん」は、無添加といえる特別な小麦粉をこだわって使用し、独自の製法を取り入れ、冬季限定(10月〜翌年4月)の販売としております。

小豆島手延べ素麺と同じく手延べ製法で製造していますが、麺の太さが違うため、乾燥方法や乾燥時間がまったく異なります。

最適な乾燥の見極めなど繊細な技術が求められ、日々の素麺づくりで磨かれた勘と、製法研究の積み重ねが活きてきます。

 

「半生うどん」では麺の太さを活かし外側と芯部分とで乾燥具合に差を付けます。

こうすることで、芯部分の水分が時間をかけて麺全体にゆきわたり、手延べ製法ならではのツルツルなめらかな舌触りと、まるで生麺のようなもちもちした独特の食感が生まれるのです。

 

小豆島の冬の気候も、美味しい「半生うどん」をつくるのに欠かせません。

優しい陽射し、吹き抜ける島風、程良い気温で冬も比較的穏やかな気候の小豆島。

絶妙な乾燥具合を実現できるこの環境こそが、美味しい「半生うどん」にとって必要不可欠な製造条件といえます。

 

しかしながら、しっかりと乾燥させる素麺と違い保存期間が短く、蒸し暑さに弱いという課題が生じてしまいました。

そこで、私どもとしては、皆さまに美味しい麺をお届けするのはもちろんですが、何よりも安全・安心な麺をお届けすることを目標としており、誠に勝手ながら「半生うどん」は季節限定の販売とさせていただいております。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

 

 


 

 

⑤ 石井製麺所らしさを大切にしたい…その想いを込めたパッケージへ

 

瀬戸内海に浮かぶ小豆島。
白波が立つこともめずらしい内海(うちのみ)湾。
 
そんな穏やかな海の近くに、工場をかまえて50年以上になります。
 
堤防越しに眺める海の景色は、季節や時間でその色彩を変えます。
子どもの頃は、何気なく眺めていた景色でしたが、 もしかしたら石井製麺所らしさって、この風景にあるのかもしれないと気づいたのは、 島に帰ってきてからしばらく経ったときでした。
 
手延べ素麺づくりは、小豆島の自然とは切っても切れない関係があります。
小麦粉を練って、延ばして、乾燥させて仕上げる麺づくりにとって、 年間を通じて比較的雨が少なく、やさしい海風が吹く環境はやはり適していたのでしょう。
 
弊社の麺づくりも、そんな恵まれた自然のなかで行われています。
 
そして、私が仕事を引き継ぐよりずっと前から、 「余計なものを加えない」麺づくりにもこだわってきました。
着色料で鮮やかに色づけられた手延べ麺が多いなか、 弊社の手延べ麺は、はっきりいって人目を惹くものではなかったと思います。
 
先代に話を聞いてみたことがありますが、 そのこだわりに、はっきりとした理由はなかったそうです。
ただなんとなく、自分たちのつくる麺に、余計なものを加えたくなかっただけなのだと思います。
 
明確な理由がなくても、 それがお客様のためになると信じていたのでしょうし、 それを私も三代目として、肌で感じています。
 
現在、6束商品として展開する『瀬戸凪シリーズ』は、 そんな石井製麺所らしさをパッケージデザインに込めて販売しています。
 
これまでと変わらぬ麺づくりの姿勢と、 これまで以上に、お客様に喜んでいただける新しい手延べ麺づくりを目指してまいります。
 

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年7月10日 【Vol.62】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<夏>

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.62

麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<夏>

 

 

 

また憂鬱な梅雨が続くのかと思った6月末

気がつけば四国地方は6月27日に、よもやの梅雨明け宣言

7月に入りほとんど雨の降らない日が続いています。

 

石井製麺所では、毎年の夏と冬にお客様宛に手延べ素麺や手延べうどん、ギフトのご案内をお送りさせていただいています。

夏はお客様からのご要望もあってゴールデンウィーク明けにご案内をお送りしていますが、今年は郵政事業の影響もあり(?)5月中旬に出したご案内が(恐らく)全国のお客様の手元に届くまでに2週間ほど掛かったようです。

驚いたのは、小豆島内のお客様宛のお届けにも約2週間掛かったようです(驚)。

一体、島のどこで眠っていたのでしょうか。。。

ですが、5月はさほど気温も上がらず朝晩が冷え込む日が続き、素麺のご注文も少なく、今年の夏は素麺の出番が少なくなるかもと不安がよぎりました。

6月、梅雨に入り、冒頭の所感になります。

 

7月。

暑い!

そう思った矢先に、多くのご注文を全国からいただくようになりました。

心配は杞憂でした。

やはり素麺は暑い季節に人気の食べ物ですね!

いつもありがとうございます。

 

そして7月と言えば、7月7日の七夕ですよね。

七夕と言えば、「そうめんの日」ということを皆さんはご存じでしょうか?

このブログを出す頃は七夕を過ぎていますが、来年の七夕には思い出してぜひ美味しい素麺を召し上がっていただけましたら。

 

なぜ、「そうめんの日」か?というと、由来は諸説ありますが、とても歴史は古く、素麺を食べて健康を祈るなど平安時代より続く記念日で、まさに記念日の“先駆け”と言えるのではないでしょうか。

素麺は古くから健康を祈願する食べ物で、「暑いから冷やし素麺をすする」のではなく、大切な方と一緒に健康を祈願して食べるものなんですね。

もちろん、暑い日に冷たくした素麺を食べるのは美味しいですよね。

ですが石井家では、暑い夏でも温かい出汁で素麺(煮麺ですね)をいただくことが多いです。

これも家族の健康を考えると冷えすぎるよりも、暑さで疲れた身体でも消化しやすいようにと考えているからです。

 

石井製麺所で、「からだによりそうめん」というキャッチフレーズを掲げているのは、まさにそういった点からです。

七夕の日や暑い日に限らず、一年を通じて、健康のことを考えて召し上がっていただける食べ物になればと、暑い日も寒い日も、晴れの日もそうでない日も一生懸命に製麺に注力しています。

 

そして今回のブログのテーマですが…

先日「薬膳<梅雨編>」をブログで書いたところですが、あっという間に梅雨が明けてしまったので、今回のブログは急遽、「薬膳<夏編>」についてです。

当たり前のように食していた夏の食べ物が「夏に良い」ということを改めて感じました。

不思議なものですね。

「薬膳<夏編>」も、ご一読いただければ幸いです。

 

 

【目次】

① 薬膳の考え方<夏編>〜心を養い熱を取り除く

② 夏に摂りたい「赤」の食材

③ 夏に摂りたい栄養素とは?

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》手延べレモン素麺 編

 

 


 

① 薬膳の考え方<夏編>~心を養い熱を取り除く

 

夏は、日差しが強くなり気温も上がり、陽気が最も盛んになる季節。

中国の伝統的な医学「中医学」では、万物が成長し草木は繁茂し花が咲き栄える「蕃秀(ばんしゅう)」の季節とされます。

 

五行説において夏は「火」に属し、「心(しん)」の働きが盛んになる季節とされています。

「心」は、血液と血管をコントロールする心臓の働き、また精神や意識などをコントロールする働きのようなイメージです。

 

外気の高温や湿度の影響で、体内にも熱や湿気がこもりやすくなり、汗をかきやすく、体力が消耗しがちです。

そのため、薬膳では「清熱解暑(せいねつげしょ)」つまり余分な熱や湿気を取り除き、体内の陰液(体の潤い)を補うこと、また「安神養心(あんじんようしん)」つまり心を養い精神を安寧に保つことが重要と考えられています。

 

夏の過ごし方としては、規則正しい生活リズムを保ち、充分な休息を取ることが大切です。

暑さで体力が消耗しやすいので、無理をせず、こまめな水分補給を心がけましょう。

冷房の効いた屋内と屋外の温度差による体調不良(冷房病)に注意し、衣服で調整するのがおすすめです。

冷えは血行を悪くし、痛みやしびれなどを引き起こすので、夏でも冷えに注意し、湯船につかるなど、血行を良くすることを心がけましょう。

炎天下での活動は控え、早朝や夕方の涼しい時間帯に軽い運動や散歩を取り入れることで、気の巡りが良くなり、体調維持に役立ちます。

強い日差しを避け、十分な睡眠をとることで、心身の疲労回復を図ります。

 

 

夏には体の熱を冷ましたり、潤いを補給したりする食材が推奨されます。

夏が旬の食べ物の中でも、熱を取る「苦味」潤いを与える「甘味」収れんして汗の出すぎを防ぐ「酸味」の食べ物を積極的に摂ると良いそうです。

 

キュウリ、トマト、ナス、ゴーヤ、ズッキーニなどの夏野菜は、身体の余分な熱を冷まし、利尿作用で体内の湿気を取り除く働きがあります。

スイカ、メロン、モモ、ナシなどの果物は、体を潤し、熱を冷ます作用が強いとされています。

緑豆やハトムギは、体内の熱や湿気を取り除き、むくみやだるさの解消に役立ちます。

トウモロコシや枝豆なども、夏バテ防止によいとされています。

 

暑いからと言って、汗をかいてすっきりするために激辛のものを食べすぎると、余分な熱をため込みやすくなります。

また体力を補うためにとこってりしたものを食べすぎると、消化が悪く胃腸に負担がかかります。

 

生ものや冷ややっこ、冷たい麺などを食べる時は、ショウガやニンニク、ネギなどの薬味で体の冷やしすぎを防ぎましょう。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・vol.438 薬膳料理で夏の暑さに負けない身体 を。初夏におすすめ「夏の薬膳」

https://www.villalodola.jp/magazine/column-438/

・夏に取りたい食べ物や調理ポイント~夏の薬膳とは?

https://www.magokoro-bento.com/blog/202206/what-summer-medicinal-herbs.html

・夏の養生法

https://www.rakuten.ne.jp/gold/iktcm/natsunoyoujyouhou.html#:~:text=%E6%B8%85%E7%86%B1%E8%A7%A3%E6%9A%91%EF%BC%9A%E7%86%B1%E3%82%92,%E3%81%8B%E3%82%89%E8%BA%AB%E4%BD%93%E3%82%92%E5%AE%88%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82&text=%E7%94%9F%E6%B4%A5%E6%AD%A2%

 

 

 


 

② 夏に摂りたい「赤」の食材

 

夏は五行で言うと「火」の性質を持っています。

熱や汗が出やすくなり、冷たいものをほしがる、多飲、渇きなどが見られます。

特に汗のかきすぎには注意が必要とのことです。

身体をみずみずしく保つ「津液(しんえき)」という液体とともに「気」も消耗してしまうため、倦怠感や息切れといった体調不良につながります。

また体の水分が失われると、血液が凝縮し、「心」にも大きな負担がかかり、動悸や不眠などの症状も現れやすくなるため、こまめな水分補給が必要とされます。

 

中医学では、夏に摂りたい食材の色は「赤」とされています。

「赤」は「心」に対応し、心臓や血液循環のサポートが期待できます。

夏は「心」が疲れやすいので、赤い食材を意識して摂ることが推奨されています。

 

夏に食べたい赤い食材について、いくつか調べてみました。

 

※写真はPhotoACより

 

【トマト】

「トマトが赤くなると医者が青くなる」とも言われる。

体の内側にたまった熱気を冷ましてくれるとともに、口の渇きを止めつつ大腸の働きを高め、消化を促してくれる作用があり、夏は毎日摂りたい食材。

体を冷やす作用が強いので、生のまま食べる以外に、炒めものやスープ、トマトソースなど加熱した状態で摂るのも良いとのこと。

 

※写真はPhotoACより

 

【梅干し】

「梅はその日の一日の難のがれ」「梅は三毒を絶つ」とも言われる。

三毒とは、食・血・水の毒のこと。

体を潤し汗を止める、のどの渇きを抑える、防腐作用や食中毒予防、胃腸の調子を整える、などの働きがあり、夏バテ予防に役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【スイカ】

水分が豊富で、熱を冷ましつつ、体を潤し、利尿作用もあり夏バテ予防に役立つ。

硬いところは薄く切ってぬか漬けにすることもできる。

 

※写真はPhotoACより

 

【さくらんぼ】

脾の働きを良くして、食欲不振や疲労回復に役立つ。

体の余分な水分を排出する作用も。

むくみや皮膚の乾燥が気になる人にも適している。

 

※写真はPhotoACより

 

【小豆】

体内の余分な水分を排出し、むくみやだるさの解消をサポートする作用があり、梅雨や夏場のむくみに役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【赤シソ】

ピリッとした辛みが体を温め発汗させる作用がある。

独特の香りが気の巡りを良くして、イライラ解消や胃の不調改善に役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【ミョウガ】

血行を良くし、発汗を促す作用がある。

独特の香りには食欲を促進する働きもある。

 

※写真はPhotoACより

 

【タコ】

気血を補う作用があり、疲れやすさや食欲不振、肌の乾燥や疲れ目などにおすすめとのこと。

消化しにくいので胃腸の弱い人は摂りすぎに注意。

 

※写真はPhotoACより

 

【ナツメ】

気血を補い、胃腸を丈夫にする働きがある。

滋養強壮にも良いとされる。

 

※写真はPhotoACより

 

この他、クコの実、レバー、マグロ、カツオ、赤身肉なども、夏の養生に役立つそうです。

 

<参考サイト>

・知っておきたい!東洋医学の知恵と夏の過ごし方

https://five-r.co.jp/blognwm/2020/07/06/%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%84%EF%BC%81%E6%9D%B1%E6%B4%8B%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%81%AE%E7%9F%A5%E6%81%B5%E3%81%A8%E5%A4%8F%E3%81%AE%E9%81%8E%E3%81%94%E3%81%97%E6%96%B9/#:~:text=%E4%BA%9

・月の時間の過ごし方 Vol.13「『赤いもの』を食べましょう」

https://laboratorio.jp/pages/%E6%9C%88%E3%81%AE%E6%99%82%E9%96%93-%E3%81%AE%E9%81%8E%E3%81%94%E3%81%97%E6%96%B9-vol-13#:~:text=%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E5%A4%8F%E3%81%AE%E8%89%B2%E3%81%AF,%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%A4%E3%80%81%E8%8F%8A%E8%8A%B1%E3%80%81%E

・そろそろ夏の準備、赤いものを食べましょう!

https://life.saisoncard.co.jp/post/seto6/

・薬膳食材図鑑

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/yakuzen/

 

 

 


 

③ 夏に摂りたい栄養素とは?

 

夏は、室内外の温度差による自律神経の乱れや、発汗による栄養素や水分の排出、食生活の偏りなどにより、体調を崩しやすい季節です。

体がだるい、疲れやすい、食欲がない、寝不足といった、夏の暑さによる体調不調を総称して「夏バテ」と呼んでいます。

 

夏バテ予防には、体の冷やしすぎに注意する、生活リズムを整える、こまめに水分補給する、などに加え、食べ物からバランスよく栄養を摂ることが大切です。

 

※写真はPhotoACより

夏に特に意識して積極的に摂りたい栄養素と、おすすめの食材について、調べてみました。

 

【ビタミンB群】
ビタミンB1は、糖質を体内でエネルギーに変換するために不可欠で、疲労回復作用があります。

ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉、ウナギ、玄米、大豆、ゴマなど。

またビタミンB2は、脂質を体内でエネルギーに変換するために不可欠です。

ビタミンB2を多く含む食品は、レバー、ウナギ、サバ、イワシ、牛乳、卵、納豆など。

 

※写真はPhotoACより

 

【ビタミンC】
疲労を起こす原因のひとつとされる活性酸素を抑える抗酸化作用や、ストレス緩和鉄分の吸収などの働きがあります。

また紫外線によるダメージを受けた皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。

体内でつくれないため、食事から積極的に摂りたい成分です。

キウイ、レモン、パプリカ、ブロッコリー、ゴーヤ、ジャガイモなどに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【クエン酸】
エネルギーを生み出す際に重要な役割を果たしています。

胃酸の働きを助け食欲を増進し、タンパク質の吸収をサポートする働きがあります。

また、疲労回復に役立ち、糖質と一緒に摂取することで疲れがたまりにくくなるそうです。

梅干し、レモン、酢、柑橘類などに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【タンパク質】

筋肉や皮膚、血液などの材料となる重要な栄養素で、不足すると筋肉量が減少し基礎代謝低下や免疫機能の低下など全般的な不調の原因になります。

タンパク質を多く含む食品は、肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など。

 

※写真はPhotoACより

 

【ミネラル】
ミネラルは、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などの成分の総称。

それぞれ健康維持に欠かせない役割を果たす栄養素です。

発汗により失われやすく、また体内ではつくることができないため、食事から摂取する必要があります。

ナトリウムは体内の水分を調節する働きがあり、食塩に多く含まれます。

カリウムは血圧調節に役立ち、野菜類や果物類に多く含まれます。

カルシウムは骨や歯をつくる成分で、乳製品に多く含まれます。

マグネシウムは骨の代謝を助ける働きがあり、海藻類に多く含まれます。

鉄は血中の酸素の運搬の役割を果たす成分で、レバーに多く含まれます。

亜鉛は体内の酵素の材料となる栄養素で、煮干しに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・夏バテの予防に効果的な栄養素・食べ物

https://alinamin.jp/tired/natsubate-meal.html

・夏バテに効く食べ物は?おすすめの食事方法や摂りたい栄養素も紹介

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/rd/miraikondate/column/article_008/

・夏バテ防止にぴったりな栄養素・食べ物は?暑い夏を乗り切るためのおすすめアイテムもご紹介!

https://www.zojirushi.co.jp/kakushiaji/article/002358/

・夏バテの予防と対策

https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/71/

 

 

 


 

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》手延べレモン素麺 編

 

後味すっきり、夏に食べたいレモン風味の手延べ素麺です。

実は9月30日までの期間限定素麺ですので、この機会にぜひお求めください。

レモン素麺には、瀬戸内レモンの果皮粉末を練り込み、ふわっとレモンの香りを楽しめる素麺に仕上げています。
手延べ製法ならではのツルツル感と、すっきりとした味わいで、暑い夏でもどんどん箸が進むお素麺になっております。

レモンの果実は、果皮に香りが、果汁に酸味が含まれています。
めんつゆに果汁を加えることで酸味をプラス。
さらにレモン感あふれる素麺をお楽しみいただけます。

夏の思い出の〆に手延べレモン素麺はいかがでしょうか。

写真は、塩焼きそば風レモン素麺です。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in

 

《手延べレモン素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/62424747

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、新製品開発のためにデータベース的にいろいろな素材や成分について調べたものを綴ったものです。色々な食品やそれにまつわる産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、幅広く食品の知識を広げることができれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年6月23日 【Vol.61】メンコレ⑨/小豆を練り込んだ麺の“恩恵”

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.61

メンコレ⑨/小豆を練り込んだ麺の“恩恵”

 

 

 

 

皆さんもご覧になられたでしょうか?

某テレビ局のドラマ「しあわせは食べて寝て待て」。

 

私はあまりテレビを見ることはないのですが、この番組はある難病にかかった女性が「薬膳」と出会い、周りの人に助けられながら生きる中での日常的な出来事をドラマ化したものでした。

ストーリーとして、目立った事があるわけではありませんが、やはり「薬膳」に触れられていることから興味を持ち見ていました。

かといって、薬膳のお勉強が中心なのではなく、日常的な健康維持や気付きにふわっと薬膳のお話が出てくる程度ですので、何となく見やすいドラマでした。

その中に、梅雨時期の不調に良いと「小豆」が紹介されていました。

 

やはり小豆島に住む人間として「小豆」という言葉には反応してしまいます(笑)。

それはさておき、「小豆」が梅雨時期に良い食べ物とは知りませんでした。

なるほど、勉強になります。

結局、勉強してますね。

機会があれば、皆さんも「しあわせは食べて寝て待て」をご覧になってはいかがでしょうか。

 

テレビ繋がりでもう少しネタが。。。

1つ目は、以前にブログで取りあげた「水車」のことです。

ちょっと前ですが、あるテレビ局の方が私のブログを見てくださり、「水車」のことについて問い合わせがありました。

写真は、この土地の以前の持ち主のご親戚の方にご許可をいただいて掲載していたのですが、テレビ局の方もこの写真を使用したいとのことで問い合わせをいただいたので、持ち主を紹介させていただいた…というだけですが、そんなお問い合わせをいただきました。

 

2つ目は、つい最近のテレビ局からのお問い合わせ。

何とも不思議な問い合わせでした。

結構著名な番組だと思いますが、どうやら、猛暑に関する特集のようでした。

しかし、「暑いから素麺を」といった内容ではなく、「身近な猛暑、梅雨で困っている現場」といったものを求めているようで、なぜか手延べ素麺の製造現場が目に留まったようです。

たしかに、暑い季節に製造して苦労している…のは事実でもありますが、さすがにこの時期は忙しくて、私たち家族の体調管理も大事な仕事…ということで、お断りをさせていただきました。

 

その内、石井製麺所が中心になった番組が放映される日が来るでしょうか(笑)。

ぜひ楽しみにお待ちください。

その際は、またお知らせしたいと思います。

 

さて今回のブログでは、冒頭でも触れました「小豆」について。

「小豆島」で「小豆素麺」はしゃれではなく、この季節だからこそ召し上がっていただきたい食材になるのではないかと期待しています。

小豆島から小豆の情報を発信しております。

お時間許せば、ぜひご一読ください。

 

写真は、ブログ2021年5月1日 「小豆島そうめんの歴史をたどる③」でご紹介した水車です。

 

 

【目次】

① 縄文人が栽培!肉の代用!?小豆の歴史と現在

② 便秘やむくみ、貧血などに役立つ小豆の栄養

③ 枕に楽器、占いも!小豆の活用法いろいろ

④ お祝いや行事に食されるものも!日本の小豆料理

⑤ 主菜や副菜にも!世界の小豆料理

⑥ 小豆を練り込んだ麺あれこれ

⑦ 《美味しい手延べ麺》乾平うどん

 

 


 

 

① 縄文人が栽培!肉の代用!?小豆の歴史と現在

 

和菓子や赤飯に使われ、和食文化を支える小豆。

栽培されている小豆は「ヤブツルアズキ」という野生種から品種改良によりつくられたものだそうです。

 

名前の由来は、江戸時代の学者である貝原益軒の「大和本草(やまとほんぞう)」によると、「あ」は「赤色」、「つき」または「ずき」は「溶ける」の意味で、赤くて煮ると皮が破れ豆が崩れやすいことから「あずき」になったとされます。

 

紀元前1世紀、中国最古の農業書「氾勝之書(はんしょうししょ)」に栽培方法が記載されており、日本では「古事記」や「日本書紀」に五穀として登場、また縄文時代の遺跡からも発見されています。

小豆はこれまで弥生時代に稲や麦と同様に中国大陸から伝えられたものと考えられていましたが、近年の研究では、中国の小豆とは遺伝的に別系統で進化したようだと報告されていました。

2025年5月、台湾大学と農研機構の研究グループが、ゲノム解析により小豆の栽培化が日本で始まったことを明らかにしたと発表しました。

稲の伝来よりも早い3000年前〜5000年前の縄文時代の日本で小豆は栽培植物化され、これが東アジアに広まったとのことです。

 

※写真はAdobe Stockより

 

中国最古の薬物書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」には、小豆の煮汁が解毒剤として使われたと記載されているそうです。

日本でも、古来より小豆は薬として用いられていました。

また小豆の赤い色が、太陽や火、血といった「生命」を象徴しており、魔除けなどの神秘的な力があると考えられ、特別な食材として行事や儀式に使われるようになったそうです。

 

中国から仏教とともに伝来した「澡豆」(そうず)は、小豆の粉にカラスウリの根などの生薬を混ぜたもので、洗顔料として使われていたそうです。

その後、小豆の粉や煮汁も「澡豆」と呼ばれたとのこと。

仏教の経文には入浴の必需品として「澡豆」の名が登場し、また平安時代には、都の湯浴みで洗顔に使われていたそうです。

 

鎌倉時代末期、禅宗の僧が点心の文化を日本に持ち込みました。

中国では肉詰めの饅頭の点心が食されていましたが、僧侶たちは肉食を禁忌としていたため、小豆を煮詰めて肉に見立て、甘く味付けしたもので代用したのが饅頭の原型と言われています。

また点心の中には「羹」というスープがあり、羊肉が入ったものは「羊羹」と呼ばれていました。

これを日本で小豆に置き換えたものが、現在の羊羹の原型と考えられています。

当初は塩味が主流だったそうですが、肉の代替品として小豆を用いてつくられた日本風の点心が、安土桃山時代の茶の湯文化と結びつき、茶菓子として発展したそうです。

江戸時代には砂糖が普及し、甘い小豆の餡が庶民に広まりました。

 ※写真はPhotoACより

 

現在、栽培種の小豆の生産地は北海道がトップで、収穫量の8割以上を占めているそうです。

その他、岩手県、青森県、福島県、秋田県、京都府、兵庫県、岡山県など、全国的に広く栽培されています。

中でも有名なのが、日本三大小豆と言われる北海道・丹波(京都)・備中(岡山県)です。

代表的な品種は、北海道では「エリモショウズ」「きたのおとめ」「きたろまん」など。

丹波では「丹波大納言」が、丹波栗、丹波黒豆とともに「丹波三宝」とされています。

備中は「備中大納言」や、希少な品種「備中白小豆」の産地でもあります。

 

「大納言」とは小豆の中でも特に大粒で煮ても皮が破れにくい特徴を持つ特定の品種群の呼称で、流通・加工上、普通の小豆と区別して扱われるそうです。

一般的に小豆と言う場合は、大納言以外の普通品種を指します。

小豆の種皮の色は通常は赤、いわゆる「あずき色」ですが、黒、白、緑、茶、灰白、斑紋、白地赤斑などもあるそうです。

国内では、「白小豆(しろあずき)」と呼ばれる白系統の、岡山県の「備中白小豆」、北海道の「きたほたる」などの品種が、ごくわずかに生産されているとのことです。

 

小豆はほのかな甘みと旨みがあり、餡に加工しやすいことから、大半は餡や菓子の原料として、和菓子や冷菓、菓子パン、汁粉、ゆで小豆などに用いられます。

白小豆は貴重な小豆の白餡となって、生菓子や羊羹、最中などに用いられるそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・(研究成果) アズキの栽培化が日本で始まったことをゲノム解析で明らかに

https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/ngrc/169242.html

・あずきの起源

https://www.imuraya.co.jp/azuki/features/origin/

・イネの伝来よりもはるか前、縄文人がアズキの栽培を開始した!

https://news.yahoo.co.jp/articles/69d21a5862095650486bedb40ad9e6ef25b21002

・あずき 公益財団法人日本豆類協会

https://www.mame.or.jp/syurui/feature/syurui_01.html

・お赤飯や和菓子に使うアズキはどこから来たのか?その起源が判明!!

https://tradveggie.or.jp/traditional-vegetables-news/azuki-origin/

・アズキの歴史は、洗顔粉の歴史でもあった。

https://hechima.com/story/25/

・和菓子の歴史~小豆は肉の代用品だった?

https://corp.fugetsudo-ueno.co.jp/oedo/detail/id=1128

・特集「あずきのスイーツに夢中!」

https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2403/spe1_04.html

 

 

 

 


 

② 便秘やむくみ、貧血などに役立つ小豆の栄養

 

日本の伝統的な食材として親しまれてきた小豆は、その豊富な栄養価と優れた健康効果にも注目されています。

食物繊維はゴボウの約2倍、ポリフェノールは赤ワインの約2倍、カリウムはアボカドの約2倍、他にもビタミンB1・B2やカルシウムが豊富に含まれ、腸内環境の改善やデトックス、美肌に働くと考えられています。

また、大豆の約3分の2の量のタンパク質を含み、脂質が非常に少ないためダイエットにも役立ちます。

ただし糖質は比較的多く、また砂糖と一緒に食べると血糖値が上がりやすいため、砂糖なしのゆで小豆で食べるのが良いそうです。

 

食物繊維は水溶性と不溶性がバランスよく含まれており、特に豊富な不溶性食物繊維が糖質の吸収速度を遅らせたり、便通を良くしたりするのに役立つそうです。

 

小豆に含まれるカリウムには、体内の余分な水分・塩分を排出する働きがあり、また皮に含まれるサポニンには利尿作用があります。

むくみの解消に役立つ食材として、薬膳では水分が体に滞りやすい梅雨の時期に摂ると良い食材とされています。

 

鉄分もホウレンソウの約2倍含み、貧血予防にも役立ちます。

吸収率の低い非ヘム鉄のため、ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収が良くなるそうです。

 

小豆の栄養を無駄なく摂るには、水溶性ビタミンやカリウムが溶け出しているゆで汁まで食べられるスープなどにしたり、水を使わない蒸し料理や電子レンジ調理にしたりすると良いそうです。

また、ポリフェノールは小豆の皮に多く含まれるため、低温でじっくり加熱して皮ごと摂取するのが良いとのことです。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・小豆(あずき)の栄養と健康効果|栄養を余さず食べる方法も紹介

https://kawashima-ya.jp/contents/?p=8614&srsltid=AfmBOorON9zXIxVLRL9U_WojG6sDFDgQoTp4blCvwoaIBvvkfdvTchXk

・【小豆の栄養と健康効果】腸活・貧血予防・糖質の影響まで徹底解説

https://www.sazae.co.jp/journal/azuki-eiyou/

・小豆 薬膳食材図鑑

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/yakuzen/ingredients/azuki.html

 

 

 

 


 

③ 枕に楽器、占いも!小豆の活用法いろいろ

 

小豆には、食べる以外にも多様な用途があります。

昔ながらのお手玉の中身と言えば小豆が一般的でした。

また枕の中身としても使われ、適度な硬さと優れた吸湿性が快適な寝心地を生むとして好まれていました。

小豆枕を寝る前に冷蔵庫や冷凍庫で1時間ほど冷やすと、中の小豆がほどよい保冷剤となり頭の熱を奪ってくれるそうです。

虫が湧きやすいことなどから、近年はあまり見かけなくなっています。

 

体を温めるものとして最近注目されているのが「小豆カイロ」です。

小豆に含まれる水分は、電子レンジで温められると蒸気になって小豆に閉じ込められ、小さなカイロのような状態になります。

温かい状態が一定時間続くため、目の上や肩に乗せると疲れやコリをほぐしてくれます。

繰り返し100回~150回ほど使えるそうです。

 

小豆に含まれるポリフェノールやサポニンなどの働きを活かした化粧品や洗顔料もあるそうです。

 

小豆は楽器の材料としても使われます。

竹籠と小豆を組み合わせて波の音を表したり、紙の上に落として大粒の雨の降る音を表したりするそうです。

 

また、古くから占いの材料の1つとして用いられ、今も日本各地の神社に伝わっているとのことです。

長野県下諏訪町の諏訪大社の「粥占(かゆうら)」は、1月14日夜から大釜の小豆粥の中にヨシでつくった筒を入れて終夜煮たて、翌15日の朝、神前にお供えした後、筒を割って筒内の粥の分量を量り、農作物の豊凶を判定するそうです。

 

大阪府東大阪市の枚岡神社の「粥占」は、毎年1月11日に、境内で小豆粥を炊く際のかまどの火の中に12本の占木を入れ、その焼け具合で各月の天候を占うそうです。

粥の中には53本の占竹(竹筒)を束にして入れ、竹筒に入った粥の量で農作物の豊凶を占うとのことです。

 

京都府亀岡市の出雲大神宮の「粥占(よねうら)」は、毎年1月15日に行われる小正月の祭で、小豆を混ぜた米を3本の竹筒(「早生(わせ)」、「中生(なかて)」、「晩生(おくて)」を表す)に入れ、それを一緒の釜で炊き、筒に入った小豆が少なく、米が詰まっているほど豊作とするそうです。

 

※写真はPhotoACより

<参考サイト>

・食べない活用法

https://www.azuki.tokyo/category/know/usage-method/

・小豆って、すごい!

https://www.muji.net/lab/food/210113.html

・昔は多かった小豆枕 そんな小豆枕に迫る!

https://pillow.salus.work/%E5%B0%8F%E8%B1%86%E6%9E%95%E3%81%A8%E7%9D%A1%E7%9C%A0/

・ancoco(あんここ)アズキ化粧品通販

https://ancoco.net/story/

 

 

 


 

④ お祝いや行事に食されるものも!日本の小豆料理

 

餡として食されることが多い小豆。小豆餡を使った和菓子やスイーツは、おはぎ、大福、きんつば、どら焼き、最中、あんみつ、あんドーナツなど、多種多様です。

ぜんざいやおしるこも代表的ですね。

 

その餡は、製法により大きく4種類に分けられます。

小豆をあまりつぶさず裏ごしもしない「つぶ餡」、しっかりつぶして裏ごしし、皮を取り除いた「こし餡」、つぶ餡を潰して炊き上げた「つぶし餡」、こし餡に大納言小豆の蜜煮を混ぜ合わせた「小倉餡」です。

 

甘味以外にも、野菜と組み合わせたものなど伝統的な小豆の郷土料理が日本各地に根付いています。

いくつか調べてみました。

 

【小豆粥】

米と小豆を炊き込んだおかゆ。赤い色が邪気を払うとされ、小正月(1月15日)に一年の健康を願って食べる。

かつて中国では小豆粥を炊いて家族の健康を祈る風習があり、日本でもそれにならったとも言われる。

 

※写真はPhotoACより

【てんこ小豆の赤飯】(秋田県)

秋田には「てんこ小豆(黒ささげ)」と呼ばれる小豆があり、赤飯にはこれが使われ、また一般的な赤飯と違って砂糖が入る。

お祝いごとや仏事などの際に食される。

 

【あずきでっち】(秋田県)

東成瀬村に古くから伝わる郷土料理。

小豆と生のもち米、砂糖を一緒に煮て練り、型に入れて冷やす。

もちもちとして食べ応えがあり、お茶請けやおやつとして親しまれている。

 

【小豆ばっとう】(岩手県)

主に三陸沿岸地域で食される。

甘みをつけた小豆汁に、幅広で短めのうどんを入れて煮込む。

「ばっとう」は「ほうとう」がなまったものと言われる。

農作業時のおやつとして、また庭じまい(秋じまい)など祝いの席や、人が集まるときにふるまわれることが多い。

お盆の7日目に食す風習のある地域もある。

 

【小倉れんこん】(茨城県)

皮をむき輪切りにしたレンコンの穴に小豆を詰め込んでじっくり煮込み、やわらかくなってきたら砂糖と塩を入れ、ゆっくり冷まして味をなじませる。

レンコンも「先が見通せる」として縁起の良い食材。

お正月の時期に食される。

 

【小豆ほうとう】(山梨県)

正月や盆、村の祭り、田植えの時期など、地域行事や祝いごとの際に食べられてきた。

本来はあずき汁に餅を入れるところを、稲作に適していない地域が多い山梨県では餅は大変貴重なもので、「ほうとう」の麺を太めに切って餅に見立て、小豆の汁粉に入れ代用したとのこと。

 

※写真はPhotoACより

【ねじ/小豆ぼうとう】(埼玉県)

秩父郡の小鹿野町がルーツの「ねじ」は、螺旋状にねじった短いうどんに小豆餡を和えた郷土料理で、お汁粉のようなゆるい餡を使うこともあり、その場合は「小豆ぼうとう」と呼ばれる。

 

【あずきすくい】(埼玉県)

東秩父村で古くから親しまれている、デザート感覚の食べ物。

郷土料理「小豆ぼうとう」をルーツとし、麺を入れるのではなく、小麦粉を小さな農具の「箕(み)」の形にしてあるのが特徴。

 

【いとこ汁】(石川県)

浄土真宗の伝統行事である報恩講の食事に欠かせない、小豆や豆腐と野菜を煮込んで味噌汁風に仕立てた汁物。

能登島では「小豆汁」とも言う。

 

【いとこ煮】(滋賀県)

「いとこ煮」は全国各地に伝わる小豆を煮た郷土料理で、地域により材料や調理法などが異なる。

滋賀県の「いとこ煮」は湖北地域を中心に県内全域に広がっている、小豆とサトイモまたはカボチャと煮込んだもの。

湖東地域ではカボチャが、湖北地方ではサトイモがよく使われる。

報恩講や仏事には欠かせない料理で、冬至に小豆とカボチャを食べると病気にならないという言い伝えから、冬至にもよく食される。

 

※写真はPhotoACより

【小豆雑煮】(島根県)

小豆の粒をつぶさないように、甘さ控えめにすまし仕立てであっさりと仕上げ、餅を入れたお雑煮。

元旦には岩のりの入った「すまし雑煮」を食べ、正月2日からこの「小豆雑煮」を食べる地域もある。

小豆は1つのさやからたくさんの豆がとれるので、子孫繁栄の願いも込められている。

 

【いもべらあずき】(高知県)

県中央部に位置する伊野町では、干しイモのことを「へら」、サツマイモを丸ごとじっくり煮てから干し、輪切りにしてさらに干したものを「ゆでべら」と呼ぶ。

ゆでべらと小豆を甘く煮た菓子が「いもべらあずき」。

農作業の合間に食べるおやつや弁当にしていたとのこと。

 

【煮ごみ】(佐賀県)

鶏肉や小豆、栗に、レンコンやゴボウ、ダイコンなどの根菜類を、砂糖や醤油などの調味料で味を含ませながら煮込む料理。

九州北部に伝わる五穀豊穣を感謝する秋祭り「くんち」でふるまわれる。

 

<参考サイト>

・秋田県 てんこ小豆の赤飯

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_10_akita.html

・あずきでっち

https://common3.pref.akita.lg.jp/genkimura/archive/contents-850/

・岩手県 小豆ばっとう

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/28_20_iwate.html

・茨城県 小倉れんこん

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ogurarenkon_ibaraki.html

・山梨県 小豆ほうとう

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/azuki_houtou_yama_nashi.html

・埼玉県 ねじ/小豆ぼうとう

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/33_10_saitama.html

・あずきすくい

https://www.syokoukai.or.jp/higashichichibu/beans/index.html

・石川県 いとこ汁

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/itokojiru_ishikawa.html

・滋賀県 いとこ煮

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/itokoni_shiga.html

・島根県 小豆雑煮

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/azukizouni_shimane.html

・高知県 いもべらあずき

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/imoberaazuki_kochi.html

・佐賀県 煮ごみ

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/45_8_saga.html

 

 

 

 


 

⑤ 主菜や副菜にも!世界の小豆料理

 

小豆は世界各地で様々な料理に活用されています。

アジアでは日本と同様、スイーツに使われることが多いようです。

韓国や中国では縁起の良い食材として日本と似た食べ方もされています。

いくつか調べてみました。

 

【パッチュク(小豆粥)】(韓国)

赤い小豆を煮込んだ汁に米を入れてつくるおかゆ。

ほんのりした甘みが口の中いっぱいに広がり、やさしい舌触り。

韓国では小豆の赤色が邪気を追い払うと信じられ、冬至に小豆粥が食される。

 

※写真はPhotoACより

【パッカルグクス】(韓国)

主に全羅道と江原道で食される。

ゆでた小豆に水を加えて丁寧に挽いてこした汁に、「カルグクス」という、小麦粉を練って伸ばし細かく切った麺を入れ、好みにより砂糖や塩で味付けをする。

 

【豚肉と小豆ともち米の蒸し物】(中国)

薄切りの豚肉で甘い小豆餡を挟んだり巻いたりして耐熱ボウルの底に並べ、砂糖を混ぜたもち米を乗せて蒸した料理。

祝いの席で食される。

 

 

欧米では、もともと豆を甘く煮る文化がありませんでしたが、最近は日本の食文化の普及もあり、小豆の知名度が上がってきたそうです。

甘くせず主菜や副菜に使うのが主流で、カレーやサラダの具材として使ったり、豆をすりつぶしてペースト状にした料理であるフムスの材料にしたりして食べるとのことです。

また、ヴィーガン料理の材料としても人気で、小豆に火を通してフードプロセッサーにかけ、ヴィーガンミートボールの材料とするレシピもあるそうです。

 

※写真はPhotoACより

<参考サイト>

・パッチュク(小豆粥)

https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.do?vcontsId=178118

・パッカルグクス(小豆カルグクス)

https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.do?vcontsId=178888

・豚肉と小豆ともち米の蒸し物

https://www.yomiuri.co.jp/life/recipe/20201225-SYT8T3720097/

・日本の伝統食材「あずき」は海外でも普及している?

https://foobal.jp/media/%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%A3%9F%E6%9D%90%E3%80%8C%E3%81%82%E3%81%9A%E3%81%8D%E3%80%8D%E3%81%AF%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%81%A7%E3%82%82%E6%99%AE%E5%8F%8A%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84/

 

 

 

 


 

⑥ 小豆を練り込んだ麺あれこれ

 

小豆を練り込んだ麺について調べてみましたが、あまりたくさんは見つけられませんでした。

小豆ならではの色合いや縁起の良さを活かした麺がありましたので、紹介します。

 

【紅福うどん】(かねこ製麺)

厳選した国内産小麦に、北海道十勝産の小豆を練り込んだうどん。

自然乾燥で仕上げ、豊かな風味やもちもちとした食感、深い味わいが特徴。赤飯のように好みで黒ゴマをかけると、より一層味わい深くなるとのこと。

普段使いや贈答用、お祝いなどにも。

 

・かねこ製麺 紅福うどん

https://www.gaia-ochanomizu.co.jp/shop/g/g2320069Y/

 

 

【小豆そば】(南国厚生有限会社)

蕎麦粉の代わりに小豆を練り込んだ、蕎麦アレルギーの人も食べられる麺。

蕎麦のような色合いで、ほのかに小豆の香りが感じられる。

 

・南国厚生有限会社 小豆そば

https://nangokukousei.com/azukisoba/

 

 

 

 


 

⑦ 《美味しい手延べ麺》乾平うどん

 

昨年より夏季限定で発売を開始した「乾平(かんぴら)うどん」という名前の、夏用の平たいうどんです。

 茹で時間は4〜5分が目安。

普段の素麺やうどんは、ヨリをかける(捻る)のですが、平麺はヨリをかけずにつくるのが大事なところ。

 

今年は、5月1日の販売再開からご注文も多くいただき、既に何度か増産をおこなっています。 

皆さんはもう召し上がっていただけましたでしょうか。

 

ようやっと落ち着いてきたとはいえ、現在もお米の値段はまだまだ高値。。。

そんな時は、お食事の選択肢に腹持ちの良い「手延べ乾平うどん」はいかがでしょうか。

茹で時間は短めですから調理の手間も少なめですし、茹でてすぐに召し上がっていただけるのが魅力です。

 

そしておすすめは、お家カレーで食べる、カレーうどん!

平麺なので、カレーのスープやタレにもよく絡んで美味しく召し上がっていただけると思います。

もちもちツルンな食感で、食欲の落ち気味な夏に、ぜひ召し上がっていただきたいうどんです。

 

 

 

※写真は、製造中の乾平うどん

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in

 

《乾平うどん》 https://141seimen.thebase.in/categories/5913110

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年6月9日 【Vol.60】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<梅雨>

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.60

麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<梅雨>

 

 

 

昨年秋頃から色々とトラブル続きの乾燥用のボイラー。

とうとう、新しく入れ替えました!

中古ではありません!!新品です!!

 

先日、車が不調になり、換えたところでしたが、今度はボイラーです(大汗)

約40年くらい働き続きけてくれたボイラーでしたが、とうとうその役割を終えて世代交代することになりました。

他の機械も先々代、先代の頃から稼働しているものはありますが、これまで故障してもある意味“だましだまし”修理しながら使用してきましたが、今回ばかりはそうもいかず、このタイミングで新品のボイラーとなりました。

素麺会社にとって乾燥用のボイラーが安定しないというのは死活問題ですから、現状での新規設備投資に相当悩みましたが、「覚悟」を決めて導入を決めました。

これであと40年は頑張らないといけません!!

 

前回のブログでは、まだまだ本格的ではありませんが、石井製麺所で働いてくださる方を募集したいと書かせていただきました。

新しい方を受け入れるために、これまでの家族経営スタイルでなく、良い意味で一般の企業を目指して工場や環境を整えていきたいと考えています。

 

さて先日、気象庁から四国地方も梅雨入りしたと発表がありました。

その宣言は置いといたとしても、じめっとした日というのは素麺づくりにとっても製造の難易度が格段に上がるので気が気ではありません。

またこの時期はお天気が良いと気温も上がりすぎるので、麺の乾燥が進みやすくなり、屋外から乾燥部屋への取り込むタイミングも非常に難しくなります。

ここの辺りが、職人の勘…でしょうか。

“麺の中”まで想像しながら乾燥工程を考えるのですが、やはり、不安定なボイラーは製麺性を損なう恐れがあります。

この時期の美味しい素麺づくりには、安定したボイラーが欠かせない存在です

 

不安定な天候で観光には不向きな時期かもしれませんが、蒸し暑い日には、ぜひ本場の手延べ素麺を現地で召し上がってみてくださいね。

 

さて、今回のブログは、またまたまた薬膳のお話です。

薬膳には春夏秋冬だけでなく季節の変わり目として「梅雨」も、体調管理が重要な時期とされています。

色々と調べてみましたので、ご一読いただければ、蒸し暑いこの時期の健康づくりにお役立ていただければ幸いです。

 

 

写真は5月末に新しくなった素麺乾燥用のボイラーです。これであと40年は頑張らないといけません(笑)。

 

 

【目次】

① 薬膳の考え方<梅雨編>〜脾を整え湿を取り除く

② 梅雨に摂りたい「黄色」の食材

③ 梅雨に摂りたい栄養素とは?

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』

 

 


 

① 薬膳の考え方<梅雨編>~脾を整え湿を取り除く

 

梅雨は、湿気が多く体調を崩しやすい季節。

中国の伝統的な医学「中医学」では、高温多湿の季節を「長夏」と呼びます。

中国では夏の終わりから秋の湿度が高い時期のことですが、日本ではもっとも湿度の高い梅雨の時期を「長夏」とみなすそうです。

 

梅雨の時期、家の中に湿気がこもると体にも「湿」がたまりやすくなるとされます。

湿は重く粘着性があり、体の巡りを停滞させる性質があります。

湿がたまると、重だるさやむくみ、食欲不振、お腹の張りや胃もたれ、下痢などの不調などが起こりやすくなります。

このような湿気の多い時期の体調不良は「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれ、外から入ってくる「外湿」と体内から生じる「内湿」に分かれます。

 

梅雨は、消化や水分代謝の機能全般を指す「脾(ひ)」の働きが盛んになる季節ですが、湿の影響で体の中の気血の巡りが停滞し、脾の働きが低下してしまいがち。

余分な湿を体外に排出し、脾を健やかに保つことが大切です。

 

梅雨の過ごし方としては、体内の余分な水分や湿気を取り除く、利水・利湿作用のある食材や、香りで湿気を飛ばす食材などを積極的に摂ることで、むくみや重だるさを予防します。

また、消化吸収を助ける食材を積極的に摂り、消化不良を起こしやすい冷たいものや生もの、湿を体内にため込む性質のある甘いものは控えめにして、温かい食事で胃腸を守ることが大切です。

胃腸に負担のかかる揚げものよりも、蒸したり煮たりなど消化の良い調理法がおすすめとのこと。

 

脾を強め、体内の余分な水分を取る働きがある食材は、枝豆やソラマメ、小豆、黒豆などの豆類、トウモロコシ、ハトムギ、白身魚など。

トウモロコシはヒゲごと調理して食べるとより良いそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

利水作用のある食材は、緑豆モヤシ、冬瓜、セロリ、キュウリ、アスパラガス、アサリ、海藻類など。

冬瓜はワタごと調理して食べるのが良いとのこと。

 

※写真はPhotoACより

 

また温性で香りのある大葉、パクチー、シソ、パセリや、辛味の性質を持ち体を温めることで発汗させるショウガ、ネギ、ミツバ、ミョウガ、シシトウなども、水分排出に役立つそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

脾の働きがもともと弱い人が、梅雨の時期に生ものや冷たいものを摂りすぎると、脾と表裏一体の関係にある「胃」のトラブルを引き起こし「冷え胃痛」になることがあります。

ニンニク、山椒、八角、クローブなどのスパイスが、胃を温めてくれるそうです。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・vol.100 ジメジメした湿気を吹き飛ばせ。陰陽五行を活かした季節の食事

https://www.villalodola.jp/magazine/column-100/

・暮らしで役立つ薬膳メソッド。梅雨の時期も健やかに。おすすめの食材と食事のポイントは?

https://kunel-salon.com/food/35100/

・第2回 水はけのいい体をつくる 梅雨の薬膳ごはん

http://nesno.net/iroha/food/02/

・「ゆる薬膳」で、梅雨どきの“重だるさ”を改善。夏が来る前の体調管理/薬膳アテンダント・池田陽子さん

https://tennenseikatsu.jp/_ct/17700782

 

 

 


 

② 梅雨に摂りたい「黄色」の食材

 

梅雨は五行で言うと「土」の性質を持っています。

梅雨のほか、春夏秋冬の季節の変わり目も「土」に属します。

季節の変わり目に体調を崩しやすいのは、「土」と関係の深い「脾」が影響しているそうです。

 

自然界では土が命を育むように、人間の体では、食物を消化吸収し全身に栄養を送り届けると同時に体内の水分代謝を担う脾が、全身のエネルギーの元となる「気」を生み出しています。

脾の働きが弱まると、外からの湿を取り除くことができず、さらに脾が弱まってしまいます。

 

中医学では、梅雨に摂りたい食材の色は「黄色」とされています。

黄色い食材は「脾」の働きを強めると言われます。

また、脾に該当する五味は「甘味」ですが、白砂糖や人工甘味料の甘味ではなく、自然の甘味のある豆類や穀類などが良いそうです。

混ぜご飯や炊き込みご飯にしてもよさそうですね。

 

梅雨の養生になる黄色い食材にはどんなものがあるか、調べてみました。

見た目も明るく、食欲をそそります。

 

【トウモロコシ】

体内の余分な水分を排出し、むくみを改善するとされる。

気を補い、疲れやすさや胃腸虚弱に役立つ。

 

    ※写真はPhotoACより

 

【カボチャ】

体を温めて気を補い、体内の余分な水分を排出する。

冷え性や食欲不振、疲れやすさに役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【大豆】

利尿作用により体内の余分な水分を排出する。

食欲不振や体の重だるさ、むくみに役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【ひよこ豆】

脾の働きを整え、消化器系の働きが弱っている時や便秘などに役立つ。

 

※写真はPhotoACより

 

【バナナ】

体にこもった熱を冷ます作用がある。

甘いものをよく食べる人は、体内に湿がこもりやすくなるので控えめに。

 

※写真はPhotoACより

 

【パイナップル】

利尿作用により体内の余分な水分を排出し、むくみに役立つ。

消化を促す働きで、胃もたれや食べすぎにも。

 

※写真はPhotoACより

 

また、「甘味」の性質を持つアボカド、アジ、イワシ、枝豆、米、エノキ、シイタケ、キクラゲ、タラ、エビ、マグロなどは、疲労回復や胃腸の緊張を和らげる働きがあるとのことです。

 

<参考サイト>

・梅雨に食べたい、黄色くて甘みのある食材を使った炊き込みご飯|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

https://yogajournal.jp/13704

・元気がない時は黄色い食べ物を

https://www.543life.com/content/shun/post20230305.html?srsltid=AfmBOopdhmom4JtqP79iXCM6mvksWX3PgnXfx3aELex5CAVBnywq_9R3

・薬膳食材図鑑

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/yakuzen/

・用語辞典 大豆

https://lab.yakuzenlab.net/%E9%A3%9F%E8%96%AC/%E5%8E%BB%E6%B9%BF%E9%A1%9E/%E5%88%A9%E6%B0%B4%E6%BB%B2%E6%B9%BF%E9%A1%9E/%E5%A4%A7%E8%B1%86

・暑さによる胃腸疲れに「ひよこ豆とアボカドのフムス」

https://chuigaku-cocokara.jp/magazines/2024/08/post_361/

・疲れてむくみが気になるときに「パイナップルタルト」

https://chuigaku-cocokara.jp/magazines/2019/05/post_133/

 

 

 

 

 


 

③ 梅雨に摂りたい栄養素とは?

 

梅雨の時期は、湿気が多く皮膚からの発汗がうまくできなくなり、余分な水分や熱が体内にこもり、むくみや冷え、食欲不振などの不調を引き起こすと考えられています。

また、気圧の変化や寒暖差による体温調整により、交感神経と副交感神経という2つの自律神経のバランスが乱れやすいことも、不調の原因につながるそうです。

 

梅雨を元気に過ごすために、朝食をしっかりとって生活リズムを整える、温かい飲み物を飲む、などを心がけると良いとのことです。

 

梅雨に特に意識して積極的に摂りたい栄養素と、おすすめの食材について、調べてみました。

 

【カリウム】

体内の余分なナトリウムや水分を排出し、むくみやだるさを解消します。

バナナ、ジャガイモ、枝豆などに豊富に含まれます。

 

【ビタミンB群】

エネルギー代謝を助け、疲労回復作用があります。

豚肉、大豆製品、玄米などに豊富に含まれます。

中でも自律神経のバランスを整えるのに役立つビタミンB12は、アサリやシジミなどの貝類、肉類、海苔などの海藻類に豊富に含まれます。

 

【亜鉛】

神経伝達物質であるドーパミンの生成を助けます。

カキやタラコなどの魚介類、肉類、海苔、納豆など大豆製品に多く含まれます。

 

【マグネシウム】

交感神経の興奮を抑えます。

アーモンドや大豆製品、蕎麦などに多く含まれます。

 

【鉄分】

血液中のヘモグロビンに欠かせない成分で、貧血予防に役立ちます。

レバーなどの肉類、アサリなどの貝類、大根の葉、小松菜、ホウレンソウに多く含まれます。

 

【食物繊維】

腸内環境を整え、消化吸収を助けます。

サツマイモ、カボチャ、豆類などに豊富です。

 

【タンパク質】

体力の維持や免疫力向上のために、良質なタンパク質を含む卵や魚、大豆製品をバランスよく摂りましょう。

 

※写真はPhotoACより

 

<参考サイト>

・梅雨のプチ不調に備えよう!

https://www.abc-cooking.co.jp/plus/feature/201905_labo/

・オススメの栄養素や食生活は? 梅雨に備えて今からできる“雨ダル”対策!

https://weathernews.jp/s/topics/202305/170125/

 

 

 

 


 

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』

 

石井製麺所の夏の人気商品のご紹介です。

瀬戸内レモンを使用した「手延べレモン素麺」の販売再開に合わせて「小豆島手延べ素麵」「手延べしょうどしま長命草素麺」と、石井製麺所を代表する3つの手延べ素麵をセットした特別なセットです。

各6束入りで、それぞれをガゼット袋(小豆島長命草素麺のみアルミ袋)で個包装しています。

 

ギフトにもお選びいただきやすいように、化粧箱に入れてお届けさせていただきます。

めんつゆも10袋(アルミパック)入りです。

 

ご自宅用、贈り物用、どちらにもピッタリなセットです。

 

この他にも価格帯に合わせたギフトを色々とご用意しております。

また、ご予算に合わせてオリジナルのギフトセットや、お祝い事や返礼品にぴったりなセットもご用意できます。

 

よくお問い合わせいただくのが、企業様の御中元ですが、もちろん対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

数量や時期によって、要相談となるかもしれませんが、できるだけご要望にお応えさせていただきますので、ぜひこの機会にお声がけください。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in

 

《夏限定セット『瀬戸凪(せとなぎ)』》 https://141seimen.thebase.in/items/62463374

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、新製品開発のためにデータベース的にいろいろな素材や成分について調べたものを綴ったものです。色々な食品やそれにまつわる産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、幅広く食品の知識を広げることができれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年5月26日 【Vol.59】今あらためて、手延べ素麺について考える

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.59

今あらためて、手延べ素麺について考える

 

 

 

小豆島の日中はすでに夏のような陽射しと暑さがありますが、夜になるとグッと冷え込み、雨の後は肌寒さを感じる日も少なくありません。

 

先日、お客様向け夏のご案内が終わりました。

昨年は4月末から5月頭に掛けて長野県へ販売出店をおこなっていましたが、今年は予定製造量も多く、ご案内をお送りしたお客様から早速お返事もあり、例年以上にバタバタとした5月を過ごしております。

 

(自分で言うのも何ですが)年々、三代目の経験と知識も高まっていると思うのですが、毎日が気付きと反省の連続で、製造条件の同じ日は一日としてなく、毎日の製造記録表はどんどん厚みを増すばかりです。

ピカピカと白く輝く美しい素麺ができた日があったかと思えば、次の日は干した麺が〝プチップチッ〟と切れてしまい、見るに堪えない姿になる日もあり、本当に素麺づくりは難しいと身に染みる日もあります。

そんなときは日々の製造記録に目を通し、時には数年前の記録も引っ張り出して原因究明に努め、「次は必ず成功させよう」と決意を新たにします。

 

今回のブログを書く際に、これまでのブログを読み返しました。

実は先日、ちょっとした問い合わせがあり(これは後日のブログにでも)、ブログを振り返る機会がありました。

最初は日々の記録や日記感覚で始めていたブログですが、「新商品開発に役立つ勉強のために」とブログを位置づけ、あっという間に約60本のブログを蓄積してきました。

我ながら読み応えのある内容でしたが、いろいろな気付きをもらえる回もありました。

その中で、今後の石井製麺所を考えたときにいろいろと思うこともあり、今一度「これからの手延べ素麺とはどうあるべきか?石井製麺所としてどうするのか?」というテーマで整理し多くの方にお知り置きいただきたいと考え、今回のテーマに至りました。

 

製造者の視点での、今後の手延べ素麺の可能性や楽しさ、素晴らしさをつづりながら、「新しい仲間探し」に繋げていきたいと思っています。

また、石井製麺所の課題や将来像についても書いてみました。

同業社の方にご興味を持っていただき、業界内での仲間も探していきたいですし、一緒に製造を手伝ってくださる方も探していきたいと考えています。

そういったことをいろいろと書いていますので、ご興味があれば、ご一読いただけると嬉しいです。

もしご共感いただける方、ご賛同いただける方がいらっしゃれば、ぜひぜひお声がけください。

 

※写真は、室内干しの様子

 

【目次】

① 麺文化の流れと素麺の歴史

② 素麺の三大産地と、特色ある素麺たち

③ 素麺の食べ方や、他の麺の食べ方との違い

④ 素麺を取り巻く状況と、新しい楽しみ方

⑤ 小豆島手延素麺の石井製麺所とは

⑥ 素麺業界と人材募集について

⑦ 《美味しい手延べ素麺》手延べしょうどしま長命草素麺

 

 


 

 

① 麺文化の流れと素麺の歴史

 

<小麦のルーツ?>

素麺の主原料となる小麦のルーツは、今から1万年ほど前にさかのぼるとされています。

西アジアやイラク辺りの山岳地帯の草原に野生の麦が生えていたことが分かっています。

1万年〜8500年前頃には、野生の麦に加え栽培した麦も食べていたようです。

小麦と大麦はまだ区別されず、石と石の間に挟んで粗く砕き、焼いて食べていたとのこと。

 

紀元前6500年頃、小麦よりも大麦の方が栽培や収穫が容易であったことから、多く栽培されるようになりました。

大麦は、臼で粗挽きして土器で煮たお粥のような形状で食べられていたそうです。

小麦は、山岳地帯からメソポタミア平原や地中海沿岸、エジプトにまで広がりました。

 

紀元前3000年頃の古代エジプトでは小麦の外皮を取り除いた粉がつくられるようになりました。

この小麦の粉に水を加えてこねると弾力と粘りのあるかたまりができ、オーブンで焼くと、比較的やわらかくおいしいものができたそうです。

これが発酵パンの始まりと言われます。

大麦の粉よりも小麦の粉の方が美味しいパンをつくれるため、大麦ではなく小麦が主に食べられるようになったとのこと。

 

小麦の栽培地の拡大とともに広まった小麦粉の活用方法には、大きく2つの方向性がありました。

1つは小麦粉に水を加え練って焼き、パンとして食べること。

もう1つは練った生地を小さくちぎってスイトンのように食べることでした。

後者が徐々にさまざまな形状になっていき、各地で細長い麺などに発展していったと考えられています。

 

 

<麺のルーツ?>

中国北部の黄河流域では、2世紀頃の文献に、初めて麺の名前が出てきます。

スイトンやワンタン状の「煮餅」と、ひも状の「水引餅」というものです。

この「水引餅」が麺の祖先と考えられています。

そのつくり方は、小麦粉をよくふるい、肉の煮出し汁でよくこねて、箸の太さほどの棒状(30センチ)にし、水を張った器の中で指でもみ押さえながら引きのばす、というものです。

アジアの麺料理はここから派生していったと考えられるそうです。

 

ラーメンや、中央アジアでよく食べられている「ラグマン」などが水引餅の直系にあたります。

ラグマンは棒状にのばした生地を渦巻きの形に巻いて少し寝かせ、油をコーティングしながら手でのばしていく中細麺で、食べる直前につくるのが特徴。地方によって食べ方が異なり、大きくは汁麺タイプ、汁なし麺タイプ、炒め麺タイプに分けられるそうです。

 

 

<パスタのルーツ?>

ヨーロッパの麺であるパスタは、マルコ・ポーロが中国からイタリアに麺のルーツを伝えたのが発祥という説もあります。

中世ヨーロッパではパスタをスープに入れたり、ゆでてソースと和えたりしていたと考えられ、15世紀にはスパゲティの元祖ともいえる棒状の乾燥パスタがつくられるようになったそうです。

 

<日本の麺のルーツ・素麺の起源とは?>

日本では、飛鳥時代に中国から渡来した小麦粉の餡入り団子菓子「饂飩(こんとん)」がうどんの起源として有力です。

室町時代には僧侶の間食だったものが、茶の湯の普及とともに一般の人も食べるようになり、安土桃山時代にかけて日本の風土や人々の嗜好に合うよう変化し、日本独特の麺類へと発展したと考えられます。

 

素麺の起源は、奈良時代に遣唐使が中国から持ち帰った、小麦粉と米の粉を練って縄のような形にねじった「索餅(さくべい)」というお菓子にあると言われています。

これをお供えすると疫病が鎮まったという言い伝えがあり、無病息災を祈る食べ物として、とても貴重な食物だったそうです。

 

927年に完成した、宮中の儀式・作法等を集大成した書物「延喜式」には、「索餅」が旧暦7月7日の七タの儀式に供え物の一つとして供えられた記録があります。

特に平安時代からは、宮中での七夕行事に欠かせない供物とされていました。

 

鎌倉時代、中国から禅宗が伝わると同時に、寺院では点心と呼ばれる間食が広まりました。

点心には、索餅からつくり方が進歩した「索麺(さくめん)」が使われました。

 

室町時代初期の古文書「鵤庄引付(いかるがのしょうひきつけ)」に「サウメン」という記述が見られます。

この古文書は現在の兵庫県南部・播州にある斑鳩寺(いかるがでら)のもの。

約600年前から播州で素麺が食べられていたことが分かります。

当時、素麺は寺院や宮中で食べられるもので、庶民の口にはまだ入らなかったようです。

 

江戸時代には、各地で素麺づくりが農家の副業として発展を遂げました。

次第に庶民にも普及し、夏の風物詩として需要が高まっていったようです。

生産量が増えるとともに、粗製乱造で産地の信用を落とす事態も発生したため、素麺製造業者が集まり「協同組合」が生まれ、厳しく品質などを管理するようになりました。

伝統的な製法が守られながらも生産技術の向上により品質の安定化と生産量の拡大が進み、素麺は日本の夏の食卓に欠かせない存在となりました。

 

しかし現在では、日本人の食の欧米化により、ご飯がパンに変わり、うどんや蕎麦に加えパスタの消費が増え、素麺の需要は相対的に減少傾向にあります。

 

 

<参考サイト>

・小麦・小麦粉の歴史

https://www.seifun.or.jp/pages/92/

・小麦粉の歴史・文化

https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/flour/flour_03.html

・麺の起源、系譜 ~麺はどこからきたのか?~

https://world-noodle-dictionary.com/roots/origin.html

・麺の伝播経路

https://world-noodle-dictionary.com/roots/spread.html

・NATIONAL NOODLE DAY特別企画!麺の歴史と世界の麺を紹介します。

https://www.myojousa.com/ja/blog/national-noodle-day/

・起源は紀元前4世紀!?知られざるパスタの歴史

https://food-drink.pintoru.com/pasta/history-of-pasta/

・島原そうめんの歴史

https://www.shimabara-soumen.com/category/1572537.html

・素麺の起源「索餅(さくべい)と索麺(さくめん)」

https://www.shimabara-soumen.com/article/14261528.html

・#865 各種麺類生産量の推移@2023

https://www.flour.co.jp/news/article/865/

 

 

 

 


 

② 素麺の三大産地と、特色ある素麺たち

 

日本全国にはさまざまな素麺の産地がありますが、特に「日本三大素麺」として知られているのが「三輪(奈良県)」「播州(兵庫県)」「小豆島(香川県)」の3つです。

※以下の内容は、色々な情報を紐解きながら独自に調べて書いたものです。間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈や諸説があると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。間違いなどございましたらご指摘いただければ幸いです。

 

【三輪素麺】(奈良県)

素麺発祥の地とされる。

827年、三輪山の大神神社で、神主であった大神朝臣狭井久佐(おおみわのあそんさいくさ)の次男・穀主(たねぬし)が神の啓示を賜り、三輪の地に適した小麦の栽培を行い、小麦と三輪山の清流で素麺づくりを始めたと言われている。

後の江戸時代には、お伊勢参りの途中で多くの人が奈良を訪れ、旅籠で三輪名物として供される素麺を食べたことから、その評判が全国へと広まっていった。

良質の小麦粉と塩、三輪の清水、三輪山から盆地に吹き下ろす北風「三輪おろし」などの気候風土が、素麺づくりに適している。

三輪の手延べ製法が播州、小豆島、島原へと伝わったとされる。

 

 

【播州素麺】(兵庫県)

素麺の生産高が国内第1位。

室町時代初期、現在の兵庫県南部・播州にある斑鳩寺(いかるがでら)の古文書「鵤庄引付(いかるがのしょうひきつけ)」に「サウメン」という記述が見られ、約600年前から播州で素麺が食べられていたことが分かる。

素麺づくりが本格化したのは江戸時代。

龍野藩の許可業種として奨励され、揖保川の水や播州平野で採れる良質な小麦、有名な赤穂の塩などの原材料にも恵まれていた。

生産量が増えるとともに、龍野藩・林田藩・新宮藩内の素麺製造業者が集まり、この集まりが元になって明治時代に「揖保乃糸」ブランドが誕生

現在、「揖保乃糸」ブランドは兵庫県手延素麺協同組合が一括管理している。

揖保川流域のたつの市や姫路市、宍粟市、太子町、佐用町で毎年限られた期間に生産されており、文字通り糸のような細く美しい形状や、なめらかな舌触り、コシのある食感と風味が特徴。

 

 

【小豆島素麺】(香川県)

1598年、小豆島池田村の島民がお伊勢参りの帰路、三輪に立ち寄り、素麺の製造技術を学んで島に持ち帰ったのがルーツとされている。

冬の農閑期に家族の労働だけで生産できるといった利点や、小麦の栽培に適した気候、瀬戸内海の塩や素麺づくりに必要なごま油を製造していたなどの環境から、素麺づくりがさかんに行われるようになった。

製法に「ごま油」を使うところが、小豆島の手延べ素麺の独自性と言える。

 

 

 

日本三大素麺以外にも、全国各地には特色ある素麺があります。

全てではありませんが、一部を抜粋して掲載してみました。

 

【島原素麺】(長崎県)

南島原市を中心につくられ、生産量は全国第2位。

温暖な気候や、雲仙岳の麓から湧き出る清冽な水など自然の恵みに育まれた環境が、素麺づくりに適している。

グルテンを多く含む強力粉を使うため、コシが強くツルツルした食感が特徴。

島原の乱後、人口が激減したため小豆島から移住した人により製麺技術が伝えられたのがルーツという説がある。

 

 

【半田そうめん】(徳島県)

徳島県の西部に位置するつるぎ町半田地区でつくられる。 

四国山脈から吹き降ろす冷たい風や吉野川の清水などの気候風土が素麺づくりに適していると言われる。

半田そうめん音頭で「コシの強さにノドが鳴る」と歌われるくらい、一般的な素麺よりやや太めでコシが強いのが特徴。

日本農林規格(JAS)では「ひやむぎ」に分類されるが、江戸時代から続く伝統と麺文化の地域性が認められ、特別に「そうめん」の表記が認められている。

 

 

【五色(ごしき)素麺】(愛媛県)

愛媛県松山市の郷土料理として知られる5色の素麺。

人工着色料は使わず、もち麦・蜜柑・梅・抹茶など自然のもので着色されている。

享保7年(1722年)、寛永から続く製麺会社の八代目・長門屋市左衛門の娘が椿神社に参拝したとき、美しい五色の糸が下駄に絡みついたのを見て、父親に「そうめんに五色の色をつけてみては?」とすすめたのが由来とされる。

 

 

【備中(びっちゅう)素麺】(岡山県)

昔の備中国にあたる岡山県浅口市鴨方町とその周辺の里庄町・矢掛町・笠岡市などでつくられる。

杉谷川の清流と、備中の大動脈とも言われる高梁川流域で栽培された小麦、瀬戸内海沿岸でつくられる塩といった良質な素材が入手しやすい土地柄と晴天の多い気候からか、素麺づくりが盛んになっていったと伝えられる。

さらに、杉谷川には多くの水車が設置され、製粉から製麺まで一体化した素麺づくりを行っていたとのこと。

 

【和泉素麺】(愛知県)

愛知県安城市和泉町に江戸時代中期から伝わる。

特徴は、日本一とも言われる3メートル以上の長さと、半生麺であること。

多くの手延べ素麺の産地では乾燥している冬に素麺をつくるが、和泉素麺は夏につくられる。

日中の暑い日差しで乾燥させた麺を、夕方頃から吹く三河湾の湿った南東の風、通称「そうめんの風」によって半生の状態に戻すことにより、麺はしんなりと柔らかく絹のような風合いになり、表面はなめらかでのど越しもよく、もちもちの食感が生み出され、また一度乾燥させているので日持ちもするとのこと。

 

【大矢知(おおやち)素麺】(三重県)

三重県四日市市大矢知地区でつくられる。

朝明川の清流と、鈴鹿おろしと呼ばれる乾燥した北西の季節風という気候風土に加え、北勢地域が小麦の産地であったことなど、素麺づくりに適していたことから、江戸時代末期から盛んになったと言われる。

昭和初期の最盛期には生産者が300軒を超え、手延べ製法を用いてひやむぎやきしめん、うどんも生産されるようになったが、機械生産への移行などにより生産者は急速に減少し、現在は10軒ほどの事業者が伝統的な手延べ製麺の技術をつないでいるとのこと。

少し太めの麺で、手延べならではの強いコシやなめらかな舌触り、歯切れの良さが特徴。

 

 

【白石温麺(うーめん)】(宮城県)

一般的な手延べ素麺は、麺と麺がくっついたり乾燥したりするのを防ぐため油を塗っているが、白石市の特産品である「温麺(うーめん)」は油を使わないでつくるのが特徴。

長さも9cmと短いことから、消化が良くて食べやすいと言われている。

太さは素麺より0.3㎜ほど太めで、食べごたえがある。

白石地方は、蔵王連峰から流れる白石川の清流や温和で乾燥した気候に恵まれ、小麦粉が豊富に採れることから、良質な温麺の産地となった。

一年を通して食されており、醤油や味噌でつくった汁につけて食べるのが一般的。

その扱いやすさと食べやすさから、離乳食や高齢の方の食事にも重宝されているとのこと。

 

【卵麺(らんめん)】(岩手県)

「鶏卵素麺」とも言われる。

県南部の奥州市江刺区周辺でよく食されているとのこと。

小麦粉と塩に、新鮮な卵をふんだんに使って練り上げる素麺は、黄色でほんのり卵の風味が感じられ、水分をあまり使わないためシャキッとした歯ごたえがあり、ゆでのびしにくいのが特徴。

今から約300年前、松屋十蔵というキリシタン信者が遠く長崎県から岩手県へ逃れてきて、オランダ人から伝授されたという鶏卵を使った麺を「蘭麺」として売り出したのが始まりと言われている。

卵と小麦粉を合わせるのは、カステラの製法から生まれたアイデアのよう。

 

【大門(おおかど)素麺】(富山県)

庄川の扇央部から少し下がったところにある、砺波市大門(おおかど)地区で伝統的につくり続けられている。

「丸まげ素麺」とも言われるユニークな形状が特徴。

初冬から晩春にかけ、清流庄川の水を使ってつくられる素麺は、鉢伏山から吹きおろす寒風で乾燥させることで、よくしまったコシのあるなめらかな麺に仕上がる。

細くて長い麺が完全に乾かないうちに丸めて仮包装し、さらに10日間かけて本乾燥する、手間ひまかけた素麺。

ゆでる時には、丸まげ状の麺を2つに割らないと、とても長い素麺になってしまうとのこと。

 

 

<手延べ素麺の可能性が広がる新しい麺とその考え方>

近年では、各地の特産品などを生地に練り込み、独自の味わいや色合い、風味や健康効果を生み出している素麺も数多くつくられています。

 

【海藻】

海苔や昆布などを粉末にして練り込むことで、磯の風味が加わったり、独特の粘りが弾力を生んでのど越しが良くなったりといった相乗効果が得られる。

佐賀県有明海の海苔や、岩手県三陸産の昆布やメカブ、徳島県鳴門のワカメ、宮城県のアカモク(新潟県ではナガモと呼ばれている)、新潟県のフノリなどを練り込んだ素麺がある。

 

【魚介】

麺自体から出汁が出てより旨みが増す。

熊本県甲佐町で育てたウナギの白焼きを練り込んだもの、タイのエキスを入れた縁起の良い素麺、ウニを練り込んだ風味豊かなもの、オキアミの一種であるイサダを使ったピンク色の素麺や、イカスミを入れた真っ黒な素麺などがある。

 

 

【穀類】

山形県のブランド米「はえぬき」「どまんなか」、それぞれの米粉を使用した素麺。

岩手県一関市では古代米の「黒米(紫黒米)」を、山形県西川町では発芽胚芽米を練り込んだ素麺も。

 

岩手県軽米町でつくられる稗(ひえ)を使った素麺は、胡桃に似た甘味とシコシコした食感が特徴。

長崎県には、雑穀16種類(小豆・もちきび・もち麦・もち玄米・ハト麦・もち赤米・黒豆・丸麦・稗・青大豆・発芽玄米・もち黒米・とうもろこし・もちあわ・胚芽押麦・黄大豆)を練り込んだ素麺がある。

 

【ごま、芋、豆類】

石井製麺所でも販売している黒ごまの粉末を練り込んだ素麺は、兵庫県播州や長崎県島原といった素麺の産地でもつくられているが、熊本県に本社のあるごま食品製造販売会社・オニザキさんの「黒胡麻そうめん」は、ごまの粒をそのまま生地に練り込んでおり、ごまの風味と食感がしっかり味わえる。

新潟県では五泉産のえごまの葉を練り込んだ素麺がある。

九州産の紫芋や、山口県柳井でとれた自然薯を入れたものも。

京都府丹波市や岡山県美作市では、それぞれの地域で生産した黒豆を使った素麺をつくっている。

 

【野菜】

なじみ深いものでは、ニンジン、カボチャ、ホウレン草、オクラ、トマト、タマネギ、ゴボウ、レンコン、シソ、小松菜など。

他にも、岐阜県大垣市では地域で苗から育てた明日葉が、石川県金沢市では能登野菜の中島菜が、それぞれ素麺に使われている。

 

【果物】

石井製麺所ではオリーブオイルを練り込み、表面にも塗って仕上げたオリーブオイル素麺がある、同じく小豆島でオリーブの果実を練り込んだ素麺をつくっておられる生産者さんもいる(ちなみにオリーブは野菜ではなく果物に分類される)。

梅や、カボス・伊予柑・ユズ・ミカンなどの柑橘類、また、栃木県のイチゴ「とちおとめ」や山形県のサクランボ、千葉県市川の梨、大分県清川の桃、ブルーベリー、メロン、ブドウ、ネーブル、スモモ、柿の皮、などを練り込んだ素麺もある。

 

 

【葉】

素麺の産地である徳島県半田では、稲の若葉。山形県月山では、桜の葉。

千葉県市川では、国産の赤松の葉を粉にして練り込んだ素麺がある。

徳島県の特産品である阿波藍の産地・上勝町では、手摘みした藍の葉を天日乾燥して粉にし、素麺に練り込んでいる。

 

【薬味】

奈良県三輪市、栃木県栃木市、千葉県市川市では、ショウガ。

徳島県上勝町ではワサビが、粉末にして素麺に練り込まれている。

熊本県には、ニンニクを練り込んだ素麺もある。

 

【その他植物】

素麺発祥の地と言われる奈良県三輪では、これまた特産品である吉野葛を加えた素麺が。

畳の原料として知られるい草の産地である熊本県八代市では、い草の粉末を入れた素麺が、学校の給食などにも採用されているとのこと。

長崎県島原では、4種類の島原薬草(オオバコ・ウイキョウ・ナズナ・タンポポ)を練り込んだ素麺がある。

 

【お茶、酒】

長崎県島原市、奈良県三輪市、静岡県菊川市など、素麺やお茶の名産地で、緑茶の粉末や抹茶を練り込んだ素麺がつくられている。

岩手県北上市には、桑の葉の茶粉末を使った素麺がある。

兵庫県播州は、素麺とともに日本酒の産地としても有名。清酒を加えてつくった素麺は、旨みが増し、のどごしがぐっと滑らかになるとのこと。

 

 

<参考サイト>

・九州お取り寄せ本舗

https://blog.otoriyose.site/kyusyustroll/1805/

・大神神社HP

https://oomiwa.or.jp/jinja/kamigatari/

・奈良県観光公式サイト

http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/page/page_32.html

・三輪素麺振興会公式HP

https://miwa-soumen.net/

・なぜ「揖保乃糸という会社はないの?」全国で愛される素麺とは 帯色の秘密も

https://www.himeji-mitai.com/feature/374539.html

・農林水産省HP

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/40_8_hyogo.html

・島原手延そうめんの歴史

http://minamishimabara-somen.jp/somen/

・産地別そうめんの比較とおすすめランキング

https://kurabeta.jp/somen/

・半田手延べそうめん協同組合

https://handasoumen-kumiai.jp/feature.html

・あるねっと徳島

https://arunet-awa.com/?mode=f6

・五色そうめんの歴史

https://goshiki-soumen.co.jp/history/

・【備中手延べ麺】そうめん・うどん・ひやむぎまで。江戸時代からの名産品

https://fuuraiki.com/bitchuu-tenobemen/

・備中手延べそうめん

http://soumen-guide.net/archives/115

・和泉手延長そうめん

https://www.masugiseimen.com/izumi.php

・和泉の長そうめんの由来

http://www.miyakoseimen.com/jp/business/

・四日市市広報2022年2月上旬号

https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1643956619284/simple/202202joujun0205.pdf

・大矢知手延べそうめんの歴史

http://soumen-guide.net/archives/140

・大矢知手延べそうめんの特徴

http://soumen-guide.net/archives/143

・白石うーめん(温麺) の優しいおいしさ|歴史と名店をご紹介

https://shiroishi.ne.jp/feature/1802

・うーめん(白石温麺)とは?そうめんとの違いや食べ方をご紹介

https://delishkitchen.tv/articles/1493

・郷土料理|ほんのり香る卵と歯ごたえがおいしい 卵めん(岩手県)

https://www.shizensyokuhin.jp/archives/articles/753

・江刺岩谷堂 吉田製麺「卵めん」

https://www.umai-mon.com/user/collection/929

・古来より伝わる手法をそのままに江戸時代から作り続けられている丸まげ素麺

https://www.corezo-mall-tokusyu.com/ookadosoumen

 

 

 

 


 

③ 素麺の食べ方や、他の麺の食べ方との違い

 

素麺の最も一般的な食べ方は、冷たいめんつゆにつけて食べる「冷や素麺」です。

基本的な流れは、素麺をゆでて水で冷やし、水気を切って、醬油ベースの冷たいつゆに付け、薬味や具材とともに食べる、というものです。

 

一般的な薬味には、ネギ、ショウガ、ミョウガ、ワサビ、シソ、三つ葉、ごま、大根おろし、梅干し、ユズ、海苔などがあります。

薬味には、食欲増進・芳香を添える・風味を添える・季節や彩りを出す・異臭をやわらげる・毒消しや防腐効果・消化を助ける、といった働きがあると言われています。

 

ボリュームを増して新たな味わいを生み出す具材は、生卵や錦糸卵、天かすなどが定番です。

また地域ごとにさまざまな具材や味付けで食べられているので、ぜひ素麺アレンジの参考にしてみてください。

 

<にゅうめん>(奈良県、兵庫県播磨地方)

素麺を温かいつゆに入れて食べる。

 

 

<冷やし中華風>(関西)

キュウリ、錦糸卵、ハム、カニカマなどを素麺のうえにトッピング。

<酢味噌素麺>(静岡県や愛知県の一部)

めんつゆではなく酢味噌を素麺にかける。

<油ゾーメン>(鹿児島県奄美地域)

豚肉と野菜、素麺に、出汁を入れて炒める。

<ソーミンタシヤー>(沖縄県)

素麺と野菜やツナなどを、塩や醬油で炒めてシンプルに仕上げる。

<ナス素麺>(石川県金沢市、香川県)

ナスと素麺を一緒に出汁で煮て、醤油や味噌で味付け。また、ナスを油で炒め砂糖と醤油で味付けし、ゆでた素麺を加える。

<サバ素麺>(滋賀県長浜市)

甘辛い出汁で煮たサバの切り身を、その煮汁にからませた素麺に乗せる。

<鯛素麺>(広島県、徳島県、香川県、愛媛県、熊本県)

ゆでた素麺を大皿に盛り、その上にタイの姿煮を乗せる。また、タイのあらを炊いて煮汁を素麺にかける。タイを甘辛く煮付け、その煮汁で素麺を食べる地域も。

 

他の麺類についても、主な食べ方を調べてみました。

【ひやむぎ】

素麺と同じく小麦粉を主原料としており、素麺より太くうどんより細い。

素麺同様、夏の風物詩として冷やして冷たいつゆにつけて食べられることが多い。

 

【うどん】

日本の代表的な麺で、つるつるしたのど越しと、もちもち、あるいはシコシコとした食感が特徴。

温かくしても冷たくしても食される。カレーうどんなどアレンジメニューも豊富。

 

【蕎麦】

蕎麦粉が主原料で、小麦粉の割合が少なく、小麦粉が入っていない場合もある。

温かくしても冷たくしても食される。

 

【中華麺】

小麦粉と水、かん水を原料とした麺で、ラーメンや焼きそばに使われる。

定番のラーメンや焼きそばに加え、つけ麺や油そばといった新たなスタイルも続々と登場している。

 

【パスタ】

デュラムセモリナというデュラム小麦が主原料。

形状や太さなどによりさまざまな名称があり、300~500種類あるとも言われる。

ソースに絡めるなどして食べるが、種類により相性の良いソースが異なる。

 

【ビーフン】

主原料に50%以上の米粉を使用した麺。

野菜などの具材と合わせる焼きビーフンが定番。

 

【春雨】

イモ類や豆類から摂れるデンプンを主原料とした麺。

炒めものに加えたり、スープやサラダ、和え物に入れたりと、さまざまな料理に使われる。

 

 

 <参考サイト>

・そうめんに薬味が必要な理由とは?薬味の役割をご紹介

https://delishkitchen.tv/articles/483

・そばのあいうえお「や 薬味(やくみ)」

https://www.nichimen.or.jp/know/aiueo/ya/

・そうめんの薬味や、つけつゆは関東と関西では違うものなの?

https://kenkoubaizou.com/k2k0000282-post/

・そうめんの地域別の食べ方まとめ!飽きずに美味しく食べる工夫も公開

https://shop.ninben.co.jp/blog/?p=3799

・地域別そうめんの食べ方ランキングTOP10!みんなが試したいアレンジは?

https://macaro-ni.jp/111998

・うちの郷土料理 種類検索 麺料理

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/type/noodles.html

・麺類の種類一覧!意外と知らない麺の基本をまとめて紹介

https://tsumura-seimen.co.jp/post-1301/

 

 

 

 


 

④ 素麺を取り巻く状況と、新しい楽しみ方

 

近年の日本では、食生活の欧米化やライフスタイルの変化により、麺類の消費動向も変化してきました。

統計データによれば、素麺の消費量は徐々に減少しています。

特に若年層では、インスタント食品やパスタなどの簡便な麺類への嗜好が強まっています。

 

一方、2020年以降はコロナ禍による「巣ごもり需要」で一時的に家庭での素麺消費は増加しましたが、全体的なトレンドとしては減少傾向にあると言えます。

 

そんな中で、新たな市場開拓として、都市部を中心に素麺専門店が登場しています。

夏の食べ物というイメージから脱却し、一年を通して楽しめる多彩な素麺料理を提案しています。

 

【そうめん専門店「そそそ」】(東京都渋谷)

香川県小豆島の手延べ素麺「島の光」の魅力を伝えるため2018年にオープン。

渋谷ヒカリエにある「そうめん そそそ 研究室」では、自分の好きな量・味・具材などを選んで自分好みの素麺の食べ方を研究できる。

 

・そうめん専門店「そそそ」

https://so-mensososo.com/

・渋谷ヒカリエフロアガイド そうめん そそそ 研究室

https://www.hikarie.jp/shop/detail/?scd=000085

 

 

【そうめん屋はやし】(東京都大井町)

奈良県の三輪素麺を使用し、和風はもちろん、薬味の効いた豆乳素麺、台湾風、肉天かす温麺など、個性派ぞろいの10種類以上のメニューを提供。

 

・そうめん屋はやし(食べログ)

https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13179397/

 

 

【そうめん酒場はやし】(東京都目黒)

こだわりの料理とお酒、そして〆の素麺を気軽に楽しめるお店。

 

・そうめん酒場はやし(食べログ)

https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13252779/

 

 

【素麺人】(東京都竹ノ塚)

長崎県島原の手延べ素麺を多彩なアレンジで楽しめる。

「素麺甚(そうめんじん)」という店名で各地のイベントに出店しているキッチンカーがルーツ。

2025年4月オープン。

 

・【足立区】素麺の常識が変わる?キッチンカー発、多彩な素麺アレンジの店「素麺人」竹ノ塚にオープン

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/561c9127e983eba30571700f201b1074f7770e97

 

 

現代の食のトレンドに合わせ、素麺の新しい食べ方も生まれているようです。

参考までに調べてみました。

 

<世界の料理とのフュージョン>

・オリーブオイルやバジルを使った「冷製パスタ風素麺」

・ナンプラーやパクチーを合わせる「タイ風スパイシー素麺」

・コチュジャンやキムチを合わせる「韓国風辛味素麺」

 

<SNS映えする素麺>

・カラフルな素麺を使った「レインボー素麺」

・夏野菜と合わせた「彩り野菜素麺」

 

<季節を問わない素麺>

・冬の鍋ものに素麺を入れる「素麺鍋」

・温かいスープカレーに素麺を合わせる「カレー素麺」

・朝食として素麺を楽しむ「モーニング素麺」

 

 

<参考サイト>

・「全国そうめんサミット2023in小豆島」5千人が来場

https://f-weeklyweb.com/top-news20230612/

・【東京】そうめん専門店3選。外そうめんならではのおすすめメニューがズラリ!

https://www.jalan.net/news/article/474633/#03

 

 

 

 


 

⑤ 小豆島手延素麺の石井製麺所とは

 

私三代目が小豆島に帰ってきたのは、2018年5月頃だったと思います。

関東圏の大学に通い、就職もそのまま関東で。

素麺どころか、食品とも関係のない、住宅関係の仕事をしていましたが、縁あって島に戻ることになりました。

子どもの頃に、簡単な作業を手伝うことはありましたので、工場に入ったことはもちろんありましたが、

「これからここで素麺づくりを始めるんだ」と改めて工場に入ると、見ていたようで見えていなかった、たくさんの製麺機械や道具が並んでいました。

 

その後、正式に事業承継を行ったのが2020年1月です。

 

創業は、1971年の(おそらく)秋とのこと。

父の父、私からすると祖父に当たる石井史郎が、小豆島手延素麺協同組合の組合員として創業しました。

当時は、素麵がとてももてはやされたと聞いています。

「つくれば売れる」ということで、生産量のピーク1992年には、54,000㎏も製麺していたとか。

素麺は18kg単位で生産量を計算するので、およそ3,000箱分になります。

昨年はほぼ家族3人で年間1,400箱なので2倍以上…到底想像できない生産量です(笑)。

 

2003年に父が2代目として製麺所を引き継ぎ、母と従業員の方が6名ほどいたそうです。

そこから天候不順や景気の動向、食生活や文化の変化(御中元需要の減少)などが大きく影響したと思われるのですが、生産量、販売量ともに減少傾向が続き、私が帰ってきた2018年にはピーク時の40%くらいまで減っていました。

 

ただ、生産量が減少した一番の原因は、高齢化や人手不足で、単純に生産能力が落ちてしまったからだと思います。

(これは弊社だけの問題ではなく、地域の、さらに広く見れば業界の課題ですね。)

 

私も家業を継ぐ形で製麺作業に加わり、経営や営業面も承継して、お客様へのご案内や営業活動、新しい手延べ麺の開発などを行っています。

 

 

先代の時代から、新しい手延べ麺の可能性として「山芋素麵」「蕎麦風味」を開発、商品ラインアップに加わりました。

白い素麵が基本的には人気ですが、贈り物用としてのご用命もあり、特に「山芋素麵」は今でも根強い人気があります。

 

しかしながら、相対的に生産量・販売量ともに減少していると、販売の拡大が先か、製造強化(安定)が先か、大変迷うところでした。

3代目を引き継いだ際に、

「このまま、白い手延べ素麺を続けているだけで良いのだろうか?」

「いつもご愛顧いただくお客様にもっと喜んでいただけることはないだろうか?」

と、事業承継してからは自問自答の毎日でした。

そんな中で出会ったのが小豆島で研究栽培をされていた「しょうどしま長命草」でした。

 

「これだ!」とひらめきました。

 

学生時代、実家から素麺が仕送りされていました。体調を崩しているとき、母から送ってもらった素麵の、その食べやすさと優しさに、弱った心と体が癒やされたのを、今でもはっきりと覚えています。

(小豆島から離れて頑張っている学生さんにとって、これはあるあるかもしれませんね。)

 

元来、素麵は嗜好品でなく、「大切な方への健康を思いやる贈り物」なんだと、あとからですが気がつきました。

そこで、次の100年に残す手延べ素麵のテーマとして「よりそうめん」を掲げて、健康で毎日を過ごすために選ばれる食品を目指して取り組むことにしました。

そこから、「手延べしょうどしま長命草素麵」「手延べ小豆島オリーブオイル素麵」を開発し、化学調味料や着色料を一切使用せず、食べる方に優しい手延べ素麵を届けさせていただいています。

続けて、島内での色々なご縁が繋がり『薬膳』の考えを取り入れた「手延べひじき麺」「手延べきくらげ麺」「手延べ黒ごま麺」を発売。

その製麺で得られた技術を活かし、現在では多くのOEMを受託させていただくまでに至りました。

 

3代目を承継し、引き続きご愛顧くださるお得意様、応援くださるお客様、経営者として支えてくださる多くの方のおかげで、今日に至っていると強く感じます。

今年は、新しいお取引様含め、国産小麦だけでつくる手延べ素麵用の小麦粉の開発や、新麺開発でのご依頼も増え、益々石井製麺所が活気づきそうです。

 

今一番心配なのは、父・母の体調と、私の腰の具合です(汗)。

 

 

 

 


 

⑥ 素麺業界と人材募集について

 

現在は父と母、三代目の私と少し製造のお手伝いをしてくださる方と、他にもいろいろとお手伝いいただく方とで毎日の製麺作業に取り組んでいます。

前述したとおり、心配なのは本人含めた家族の体調面ですが、今お手伝いいただく方々も私より先輩ですので、石井製麺所としての若返りが、目下の課題だと考えています。

そこで、新しく工場で働く方を募集したいと考えています。

 

石井製麺所もそうですが、島内の製麺所のほとんどは、島の方や他製麺所で経験のある方を雇われてきました。

ですが今回は、「素麵をつくっていきたい!」と考える未経験者の方にも、3〜5年を目安に修業(経験)の場として活用いただければと思っています。

もちろんそのまま石井製麺所で携わっていただくことが理想ですが、まずは入りやすい入口として考えていただけるような条件で考えています。

 

 

私は以前に、パン工場に勤めていたことがあります。

実はパン業界にも興味を持っていて、お店に行って買ったり食べたりして、いろいろ学びを得ていました。

(子どもの頃から、「小麦粉を練って焼く」ということが好きでした。なんちゃってパンケーキのようなものをよく作っていました。)

同じ小麦粉を原料とした業界で、製造環境も夜中から仕込みがあったり重労働であったりして大変なのに、なぜあんなにも若者がなりたがるんだろうと、思えば不思議に感じていました。

たぶん、子どもたちに「将来の夢」を聞いてみると、「パン屋さんになりたい!」という子はいると思います。

おそらく、島の子どもたちに聞いても、なりたい職業に(家業を除いて)「素麺屋・製麺所」はないのではないでしょうか。

 

この差はいったい、どこから生まれるのでしょうか?

極端な考え方かも知れませんが、「今っぽさ」ではないかと考えています。

“ミーハー”という意味でなく、「今のライフスタイルに合わせた楽しい商品開発」が欠かせないのではないかと考えるようになりました。

(パン業界は、製法の進化や新しいパンの開発、お店ごとに個性のあるパンがつくられていますし、発酵という技術ひとつをとっても、日夜研究が進んでいます。島内でも新しいパン屋さんがオープンするのも珍しくありません。実情は分からないところもありますが、少なくとも私の目には、活気があって楽しそうに映ります。)

それが、前述した「よりそうめん」であり、それを実現するためにも、「毎日食べていただける素麵とは何か」を考え、レシピ開発などでなく、選んで求められる食品とは何かに着目し、素麵そのものの価値観を変えられるような商品づくりが必要だと考えるに至りました。

それが新しい技術に結びつき、お客様の食卓に上る選択肢になるのではないか。

私たちが残すべきものは、白い素麺だけでなく、「時代に必要とされる手延べ製法の技術」ではないかと考えています。

 

石井製麺所では、(ある程度決まり事はありますが)自由に楽しい発想で、手延べ麺だからできるアプローチで、お客様の健康に寄与できる食品をお届けできるように取り組んで行きたいと考えています。

 

そして、今、そんな未来の素麺業界を一緒に考えてくれる仲間、一緒につくってくれる仲間を探しています。

正直に申しまして、リアルな就業環境を整えることが、近々の課題でもあります。

素麺づくりに興味のある方で、辛抱強い方、ご連絡をお待ちしております。

 

これまでの手延べ素麺づくりの当たり前を、見直す時期が来ています。

朝2時〜3時ごろから作業が始まるのも労働環境としては、なかなかに難しいと感じますが、新商品開発と併せて製造工程の見直しや従事する時間なども工夫できないかと考えています。

重労働で、従事する時間も長く、ほぼ同じ作業を繰り返す環境から、新しいことへチャレンジできる機会創出や従事時間の短縮、OEMや新麺による工程の変化なども考えながら、まさに持続・継続可能な製麺所を目指せないかと考えています。

 

長年、職人の経験と勘、そして体力に支えられてきた手延べ素麺づくり。

これからは誰かひとりの力に頼るのではなく、

培ってきたものを活かし、新しいチャレンジを続けながら、

チームで、工場として、「美味しい手延べ麺」をつくる製麺所を目指します。

 

 

 


 

⑦ 《美味しい手延べ素麺》手延べしょうどしま長命草素麺

 

前述した「手延べしょうどしま長命草素麺」ですが、その開発には工程の様々な改良が必要となり、熟成時間の工夫、麺の太さの検討、パッケージへの配慮など、色々な視点で何度も何度も試作を重ねました。

その積み重ねがあり、石井製麺所独自と言える(と思う)手延べ製法を構築するに至り、それを様々なOEMや新麺へ活かすことができています。

気候条件などでまだまだ工夫の余地はありますが、他の新麺のベースになっているのは間違いなく、本当に色々な気付きをもらうことができました。

また、その開発を通じて得られた気づきは、従来の素麺にも活かすことができています。

今も新しい手延べ麺の開発に取り組んでいますが、間違いなく新生石井製麺所の分岐点になったのは、この素麺で間違いありません。

 

そんな想いの詰まった「手延べしょうどしま長命草素麺」を毎日のお食事に、大切な方への贈り物にいかがでしょうか。

 

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in/

 

《手延べしょうどしま長命草素麺》 https://141seimen.thebase.in/items/29007893

 

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年5月12日 【Vol.58】メンコレ⑧/ニンニクを練り込んだ麺の“パワー”

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.58

メンコレ⑧/ニンニクを練り込んだ麺の“パワー”

 

 

 

 

できれば、香川県、できれば、小豆島の食材を使って新しい手延べ素麺を開発したいと考えていて、ときどき農家さんのもとへお邪魔させていただき、お話を伺っています。

今回は、ちょうど収穫時期だったニンニクを実都農園さんにお願いして拝見させていただきました。

なんと、ニンニクの収穫量は、香川県が第三位なんですよ!

 

 

実都農園さんがあるのは、小豆島の三都半島。

実都農園さんが育てるトウモロコシは絶品でして、数年前から我が家に欠かせない味覚になっているのですが、お伺いするのは今回が初めて。

左手に海を臨みながら、半島外周の道をしばらく行くと急に開けた場所に出ます。待ち合わせの公民館に車を停めて、周囲を見渡すと畑がたくさん、北から南に向かって広がっていました。

迎えに来ていただいた園主の向井さんは、おそらく私と年齢も近いでしょうか。

おいそがしい収穫作業の合間に、ニンニク畑を案内してくださいました。

(お時間を頂戴しましたこと、あらためて御礼申し上げます。)

 

「週末が雨予報なので、早めの収穫を決めました」

まず驚いたのは、畑に近づくとはっきりと、ニンニクのいい香りが漂っていたことです。

収穫した直後のニンニクは、表面の余分な水分を飛ばして保存性を高めるため、そのまま畑の上で天日干しをするそうです。

畝の間には、採れたてのニンニクが一杯に入ったオレンジ色のカゴが並んでいました。

香川県のニンニクは、より香りが強く、味わいも濃厚とのこと。

 

一方、栽培にあたっては、大きく、皮が裂けていない実をつくることが良いニンニクの条件で、そのための工夫は凝らしても、すべてが思い通りになるのではなく、毎年、試行錯誤されているそうです。

どうしても、思い通りにならないのはお天気で、そういうものだと知ってはいても、やはり日々、農業に向き合っている方からお話を聞いて、その厳しさが少しだけ分かったような気がします。

素麺はたとえ一日失敗したとしても、次の日には前日の反省を生かして再チャレンジができます。

農家さんはその年、その種、その苗、その実が勝負。

 

向き合う仕事は違っていても、小豆島でがんばる同世代として、今回、向井さんとお話しできたことはとても有り難いことでした。

素麺には素麺の、農家さんには農家さんの課題はあります。

手延べ素麺の可能性を拡げることで、素麺業界の課題を解決するだけでなく、農家さんのお役に立てることがあるかもしれません。

今回の出会いをその第一歩として、“小豆島ならでは”の美味い(うまい)手延べ麺を皆さまにお届けできるよう頑張りたいと思います。

 

 

今回のブログでは、ニンニクのさまざまなお話を調べました。

ニンニクは思った以上にパワーの源として活用されてきたんですね。

日本にも古くからあったとは驚きでした。

てっきりヨーロッパなど外国のもので最近入ってきたものと勝手に思っていましたが。。。

そんな意外性のある内容にもなっていますので、ぜひお付き合いの程、よろしくお願いします。

 

※写真は、実都農園園主の向井亮二さん

※写真は、収穫されたばかりの生ニンニク

 

【目次】

① ピラミッド建設にも役立った!?ニンニクの歴史

② ニンニクの栄養と、気になるにおい対策

③ 魔除けにも使われる!ニンニクの活用法いろいろ

④ スタミナ食!日本のニンニク料理

⑤ ソースやスープも!世界のニンニク料理

⑥ ニンニクを練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ

⑦ 《美味しい手延べ素麺》番外編╱YouTubeで紹介されました

 

 


 

 

① ピラミッド建設にも役立った!?ニンニクの歴史

 

ニンニクはユリ科の多年草で、原産地は西アジアから中央アジア地域と考えられています。

紀元前3200年頃の古代エジプトで最初の栽培の証拠が見つかっているそうです。

ピラミッド建設の労働者たちにニンニクが配給されていたことが壁画に記録されており、当時からその栄養価と活力を与える効果が認識されていたと考えられます。

ツタンカーメン王の墓からもニンニクが発見されています。

また、肉や魚の保存、毒蛇や害虫による傷の治療にもニンニクが使われていたそうです。

エジプトから地中海を経てギリシャに伝わると、医学の父と呼ばれるヒポクラテスがニンニクの利用を積極的に推奨しました。

 

※写真は、PhotoAC「【エジプト】ピラミッドと砂漠」より

 

古代ローマ時代には、ニンニクは遠征に出かける兵士たちの体力維持に欠かせない野菜となっていました。

兵士たちは長い行軍の間、ニンニクを携帯し食べることで体力を維持していたと言われています。

古代ペルシャの王の食卓にも毎日ニンニクが並べられていたという記録が残っています。

 

紀元前2000年頃には中国でも栽培が行われており、そこからアジア各地へと広がっていきました。

日本にはインドと中国を経て、奈良時代(8世紀頃)に伝わったとされています。

「古事記」にはすでにニンニクの利用が記されており、ヤマトタケルノミコトが食べていたという記述もあります。

「万葉集」には二杯酢の中にすりおろしたニンニクを入れ、鯛の刺身をつけて食べる方法が記されています。

「宇津保物語」には、妊婦の体力回復と赤ちゃんの健康管理に良い食べ物であると位置づけています。

 

しかし、仏教の普及とともに「不許酒入山門」という考え方で、強いにおいのするニンニクやネギ類の寺院への持ち込みが禁じられるようになりました。

「五葷(ごくん)」と呼ばれる5種類の野菜(ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、タマネギ)は強いにおいを発するため、気を乱し修行の妨げになると考えられていました。

修行僧の堕落と迷いを防ぐために、古くから体力増強や強壮作用があると知られていたニンニクを禁じたとのことです。

 

※写真は、PhotoAC「ヤマトタケル」より

 

江戸時代になると、健康に非常に気を遣っていた徳川家康がニンニクのすりおろしを常食していたという記録があります。

特に、鯛の天ぷらにおろしニンニクを添えるという食べ方を好んだとされています。

江戸時代の百科事典「和漢三才図会」(1713年)には、青森(奥州津軽)のニンニクは大きく直径2寸(約6cm)もあると述べられており、当時から青森がニンニクの産地として知られていたことが分かります。

参勤交代の際、特に江戸から遠い薩摩藩(現在の鹿児島県)の藩士たちが約1600キロメートルの道のりを歩く際に「にんにく卵黄」を食べて体力を維持していたという記録もあります。

蒸したニンニクをペースト状につぶして卵黄と混ぜ、加熱しながら練り上げて成形し乾燥させたもので、これが現在の南九州地域における伝統食の起源となっています。

 

ニンニクが一般家庭に食用として広まったのは第二次世界大戦以降のことで、食の多様化が進んだことに伴い少しずつ受け入れられるようになりました。

日本での主なニンニク生産地は、青森県、北海道、香川県などです。

日本の生産量の約7割を占める青森県は、豊かな自然環境と気候がニンニクの栽培に適しています。

夏の涼しさが茎の成長を促し、冬の寒さが根を強くして糖度をため込み、高品質なニンニクに育つそうです。

また、栽培に適した土づくりや栽培技術、徹底した管理体制、乾燥、貯蔵技術などが整っていることから、1年を通して出荷が可能となっています。

有名な産地は十和田市や田子町で、「福地ホワイト六片」「たっこにんにく」といったブランドニンニクが知られています。

生産量2位は、青森県と似た気候条件の北海道です。

3位は香川県で、温暖な気候と適度な降雨量が栽培に適しており、風味や辛味が特徴的なニンニクが育つとのことです。

 

日本では古くは「大蒜(おおひる)」と呼ばれていました。「ニンニク」という名称の由来については、2つの説があります。

1つは、強いにおいからきた「ニホヒニクム(匂悪・匂憎)」が縮まったという説。

もう1つは、仏教用語でがまんを意味する「忍辱(にんじょく)」からきたという説で、臭気を堪え忍んで健康のために食べるというこちらの説が通説となっているそうです。

地方によっては「ニニク」(島根・広島)、「ニニグ」(秋田)、「ニニョグ・ニニョゴ・ニンニョゴ・ニンニョグ」(青森県津軽)、「ネネク」(島根)といった方言も存在します。

 

 

<参考サイト>

・にんにくを知る

https://www.e-ninniku.com/history

・にんにくの歴史

http://kuroninniku.shop-kisyuya.com/?mode=f7

・家康の好物で参勤交代でも大活躍!にんにくの歴史と簡単にんにくオイルレシピも紹介

https://intojapanwaraku.com/rock/gourmet-rock/103368/

・にんにくの生産量が多い産地について徹底解説

https://www.e-ninniku.com/column/garlic-production/?srsltid=AfmBOorIIyrUm0K6d3JeJhjCLkdX2U9BOKcZ_qwcWoBH1LqKJIuIVbEZ

・なぜにんにくは青森県産が多いのか?産地やブランドも紹介

https://www.e-ninniku.com/column/garlic-from-aomori/

 

 

 

 


 

② ニンニクの栄養と、気になるにおい対策

 

ニンニクは、疲労回復や冷え性改善、免疫力の向上などの働きが期待される食材です。

1990年代にアメリカの国立がん研究所(NCI)を中心に行われた「デザイナーフーズ計画」では、約40種類の野菜・果物を重要度順に分類し、リスクを減らす野菜をピラミッド型にし、ニンニクをその頂点に位置づけました。

これは、ニンニクに含まれる成分が特に健康に有益であるという科学的根拠を示しています。

 

ニンニクの主要な有効成分であるアリシンは、アミノ酸の一種であるアリインが空気に触れて変化して生じる成分です。

アリシンには抗酸化作用があり、またビタミンB1と一緒に摂るとビタミンB1の吸収を高め、相乗効果で疲労回復が期待できます。

アリシンは加熱するとスコルジニンという成分に変化し、血行促進により冷え性の改善にも役立つとされます。

またアリシンには殺菌効果があり、免疫力向上も期待できるそうです。

 

ニンニク特有のにおいのもととなるのもアリシンで、これがさらに変化したアリルメチルスルフィド(AMS)は体内に長くとどまる傾向があり、口臭などの主な原因となります。

 

 

におい対策としては以下のような方法があります。

 

【緑茶を飲む】

お茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンの消臭・殺菌効果により、においを抑える。

 

【牛乳を飲む】

牛乳に含まれるタンパク質や脂質が、アリインと結合することによりアリインを減少させる。

 

【りんごジュースを飲む】

りんごポリフェノールがアリシンと結合してにおいを減らす。

 

【コーヒーを飲む】

クロロゲン酸などのポリフェノールがあリシンと結合してにおいを軽減する。

 

【チョコレートを食べる】

ポリフェノールが口内のニンニク臭を抑制する。

 

※写真は、PhotoAC「コーヒーとダークチョコ」より

 

<参考サイト>

・にんにくの効果的な食べ方は?栄養や効能、おすすめレシピも紹介

https://www.momoya.co.jp/media/how-to-eat-garlic-effectively/

・ニンニク栄養!生と加熱で含有量は違うの?

匂いを抑える方法も

https://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/202304/12847/

・にんにく臭い消しに即効性がある食後の対策と、翌日に残るにんにく口臭・体臭を消す方法

https://www.greenhouse.ne.jp/times/breath_kousyu_garlic

 

 

 


 

③ 魔除けにも使われる!ニンニクの活用法いろいろ

 

ニンニクは、世界各地で魔除けとして用いられてきました。

古代ローマ時代には咳止めや寄生虫駆除の治療薬として使われていたことが分かっており、病気を改善・予防する効果があることから病気を引き起こすものを追い払うと考えられていたようです。

 

ヨーロッパでは、かつて大流行したペストの感染がニンニクの抗菌作用により弱まったこともあり、魔除けや厄除けの効果があると考えられてきました。

吸血鬼はニンニクの強烈なにおいを嫌がって寄り付かないと伝えられています。

欧米ではキッチンや玄関先にニンニクを編み込んで吊るす「ガーリックブレイド」という習慣があり、これも魔除けの意味合いを持っています。

 

日本でも、軒先や玄関先にニンニクを束ねて吊るし、魔除けや無病息災を願う風習がありました。

また一部の地域では、ニンニクを玄関先に吊るしておくと金運がアップすると伝えられています。

 

青森県弘前市にある「鬼神社(きじんじゃ)」では、神前にニンニクを供えて神を慰め、悪魔や病魔を祓う習慣があるそうです。

一説には、用水路をつくって干ばつから村を救った鬼の好物であるニンニクを奉納しているとも言われます。

 

茨城県つくば市にある「一ノ矢八坂神社」では、年に1度の例大祭で、ニンニクを丸ごと袋に入れたお守りが魔除けとして頒布されるそうです。

江戸時代の、天明の大飢饉(1782~87年)で伝染病がはやった際、当時の領主がニンニクで人々を救ったという逸話が伝わっています。

 

※写真は、PhotoAC「「鬼神社」の鳥居と注連縄、津軽半島」より

 

<参考サイト>

・にんにくが魔除けに使われる理由

https://xn--t8jj9cuba3v613qh5e1v0bkd1d.net/ninnikukora/ninnimayoke.html

・にんにくの魔除けパワーは世界共通!にんにくに秘められた驚くべき力とは

https://kaiun-ch.com/8200

・古今東西、ニンニクといっしょ

https://www.health.ne.jp/library/detail?slug=hcl_3000_w3000824&doorSlug=garlic

・にんにくを奉納している神社があるんだって

https://www.sbfoods.co.jp/honnama30/contents/01/#:~:text=%E9%9D%92%E6%A3%AE%E7%9C%8C%E5%BC%98%E5%89%8D%E5%B8%82%E3%81%AE,%E3%82%92%E5%A5%89%E7%B4%8D%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・鬼神伝説

https://www.city.hirosaki.aomori.jp/school/jitoku/2014-1127-kisinn-denndetu.html

・祇園例大祭

http://www.yasaka.or.jp/maturi.htm

 

 

 

 


 

④ スタミナ食!日本のニンニク料理

 

ニンニクは薬味としてカツオのたたきや馬刺しスライスなどに使われますが、一般的に日本料理、特に和食ではあまり使用されません。

これは主に仏教の影響や、味の繊細さを重視する和食の特性から来ていると考えられています。

 

ですが調べてみると、ニンニクの産地である青森県や、葉ニンニクを日常的に食べる習慣のある高知県などに、郷土料理が伝わっていました。

 

いくつかご紹介します。

 

【ニンニク漬】(青森県)

国内でのニンニク生産量が非常に高い青森県では、寒さの厳しい冬に体を温めるため、昔からニンニクを常備してきた食文化がある。

ニンニクの薄皮をひとかけずつ剥き、1週間ほど酢に漬けた後、醤油に好みでみりんや唐辛子を入れて漬け込む。

麹味噌などで味噌漬けにする場合も。

そのまま食したり、スライスして炒め物に使ったりする。

 

【かっけ】(青森県)

南部地方で日常的に食べられている家庭料理。

そば粉に少量の塩を加え水でこねて薄くのばし三角形に切って、季節の野菜とともにゆでたものに、ニンニク味噌をつけて食べる。「かっけ」とは地域の言葉で「かけら」「端っこ」を意味する。

田子町では「つつけ」と呼ばれ、大きな鍋を大勢で囲みつついて食べることが由来とされている。

 

【葉ニンニクのぬた】(高知県)

高知県では、葉ニンニクがすき焼きや雑炊、炒めものなどの料理によく使われる。

16世紀末、土佐の戦国大名・長曾我部元親が朝鮮の役から帰国した際に持ち込まれたのがルーツとされる。

「ぬた」は、細かく刻んですりつぶした葉ニンニクに味噌や酢、炒りゴマを混ぜてつくる伝統的な調味料。

生の魚やこんにゃくにつけて食べる。

ニンニク独特の香味とピリッとした辛みが特徴。

 

【ニンニク塩漬】(鹿児島県)

奄美群島では古くからニンニクが植えられていたと伝わる。

この地域ではニンニクを「フル」、塊のことを「ガブ」ということから、「フルンガブの塩漬け」とも呼ばれる。

ニンニクの塊の皮をむき、塩をまぶして一晩重石を乗せて塩漬けし、水気を取って黒糖やキビ酢に漬けたもので、家庭の日常的な漬物として、またスタミナ源として食される。

 

【ヒルアギ】(鹿児島県)

古くから奄美群島で愛されてきたスタミナ料理。

「ヒル」はニンニク、「アギ」は炒めるという意味。

ニンニクの葉を豚バラ肉、ニンジン、糸コンニャク、かまぼこなどと一緒に炒め、醤油や塩を使って強火でさっと仕上げる。

 

※写真は、PhotoAC「新ニンニク 青森県産」より

 

<参考サイト>

・にんにく漬【郷土料理ものがたり】

https://kyoudo-ryouri.com/food/2505.html

・かっけ 青森県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kakke_aomori.html

・郷土料理「つつけ」セット

https://garlic.shop-pro.jp/?pid=167449181

・岐阜県の郷土料理♪ガツンと効いたニンニクが絶品!!『鶏ちゃん』のレシピ・作り方

https://naruhodou.jp/entry/recipe0682

・葉にんにくのぬた 高知県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/haninnikunonuta_kochi.html

・にんにく塩漬 鹿児島県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/ninnikushiozuke.html

・ヒルアギ【郷土料理ものがたり】

https://kyoudo-ryouri.com/food/2040.html

 

 

 


 

⑤ ソースやスープも!世界のニンニク料理

 

ニンニクは世界中の料理で欠かせない食材として広く使われています。

香りや風味だけでなく、健康効果も高いとされ、多くの国で様々な調理法で親しまれています。

主なものをいくつか調べてみました。

 

【空心菜のニンニク炒め】(中国)

中国はニンニクの生産量・消費量ともに世界一で、一人当たりの年間消費量は14kg以上と言われている。

中華料理では多くの料理にニンニクが使われ、特に炒め物や醤(ジャン)などの調味料に多く用いられる。

特に人気なのが、空心菜の茎と葉をニンニクと唐辛子で炒めたもの。

シンプルながら奥深い味わいが特徴。

 

※写真は、PhotoAC「空心菜のにんにく炒め」より

 

【ニンニクキムチ】(韓国)

韓国もニンニクの消費量が多く、一人当たり年間約6.5kgを消費している。

健康維持に欠かせない食材として多くの料理に使われており、キムチをはじめとする発酵食品やプルコギなどの韓国料理に欠かせない存在となっている。

ニンニクそのものを漬け込んだキムチもある。

 

※写真は、PhotoAC「キムチにんにくの漬物」より

 

【シュクメルリ】(ジョージア(グルジア))

コーカサス山脈の南麓にあるジョージアのシュクメルリ村の郷土料理。

「ニンニクを世界一美味しく食べるための料理」とも言われる。

鉄板で焼いた鶏肉を、香辛料と大量のニンニクを効かせた濃厚なクリームソースと合わせ土鍋で煮込む。

体の中から元気になるような味わい。

 

※写真は、PhotoAC「シュクメルリ」より

 

【アヒージョ】(スペイン)

地中海料理ではオリーブオイルとニンニクの組み合わせが基本となっており、スペイン料理のほとんどにニンニクとオリーブオイルが使われていると言われる。

「アヒージョ」は刻んだニンニクの意味。

エビやマッシュルームなどの食材をオリーブオイルとニンニクで煮込む、タパス(小皿料理)の一種。

 

※写真は、PhotoAC「エビときのこのアヒージョ」より

 

【ガスパチョ】(スペイン)

アンダルシア地方発祥の冷製スープ。

トマト、キュウリ、ピーマン、タマネギ、ニンニク、パン、オリーブオイル、酢、塩をブレンドしてつくられる。

 

※写真は、PhotoAC「ガスパチョ」より

 

【パン・コン・トマテ】(スペイン)

カタルーニャ地方に古くから伝わる郷土料理。

トーストしたパンにニンニクをすりつけ、生のトマトでつくったペーストをたっぷりかける。

 

※写真は、PhotoAC「スペインのパン・コン・トマテ」より

 

【アホブランコ】(スペイン)

「アホ」はスペイン語でニンニク、「ブランコ」は白いという意味。

アンダルシア地方の伝統的な冷製スープで、「白いガスパチョ」とも呼ばれる、ニンニクとアーモンドの冷製スープ。

 

【ソパ・デ・アホ】(スペイン)

カスティーリャ地方で親しまれる郷土料理。

「ソパ」はスープの意味。

スライスしたニンニク、ベーコン、パンをオリーブオイルで炒めたスープに、溶き卵を入れて仕上げる。

 

※写真は、PhotoAC「ソパ・デ・アホ」より

 

【アリオリ】(スペイン)

カタルーニャ料理に欠かせない伝統的なソース。

ニンニクとオイルを乳化させたもので、パエリアなどの米料理や、肉のグリルなどに添えられる。

 

【アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ】(イタリア)

イタリア料理でも、多くの定番料理にニンニクが使われる。

「アーリオ」はニンニク、「オーリオ」はオリーブオイル、「ペペロンチーノ」は唐辛子の意味で、日本で「ペペロンチーノ」として知られるパスタ料理の正式名称。

 

※写真は、PhotoAC「アーリオオーリオペペロンチーノの一皿」より

 

【ブルスケッタ】(イタリア)

軽く焼いたパンにニンニクをすりこみ、オリーブオイルとトマトなどをのせて食べるイタリア料理の前菜。

 

※写真は、PhotoAC「ブルスケッタ」より

 

【ボレート】(イタリア)

イタリア北部のフリウリの郷土料理。オリーブオイルを使わず、ビネガーで煮るのが特徴。皮をむいたニンニクを真っ黒になるまで焦がし、サバなどの魚介を焼き付け、ワインビネガーと水を入れじっくり煮込む。

 

【アイオリ】(フランス)

フランスのプロヴァンス地方発祥とされる、すりつぶしたニンニク、卵黄、オリーブオイル、レモン汁、塩コショウを混ぜてつくられたソース。

見た目はマヨネーズに似ているが、ニンニクの風味が強調されているのが特徴。

肉や魚料理、パン、温野菜など、様々な食材に合う。

 

※写真は、PhotoAC「ポテトとアイオリ」より

 

【鶏肉と40片のニンニクの煮込み】(フランス)

プロヴァンス地方の郷土料理で、焼き色を付けた鶏肉を、大量のニンニクとタイム、セージ、ローリエなどのハーブで蒸し煮にする料理。

 

【スコルダリア】(ギリシャ)

ギリシャ語でニンニクは「スコルド」。

ニンニクとマッシュポテトをベースにオリーブオイルとビネガーを加えた濃厚なディップソース。

パンや、魚、野菜などの付け合わせとして食べられている。

 

【ザジキ】(ギリシャ)

ギリシャヨーグルト、すりおろしたキュウリ、ニンニク、オリーブオイル、レモン汁でつくる、爽やかな味わいのソース。

野菜やクラッカーにつけたり、サラダやサンドイッチに入れたり、肉や魚などのメイン料理に添えたりと多様な食べ方ができる。

 

※写真は、PhotoAC「ジャジキ」より

 

<参考サイト>

・空心菜のにんにく炒め

https://note.com/chijintianxia/n/n88de687a578a

・毎年夏バテしてない?簡単に作れてスタミナ抜群のにんにくキムチを食べて暑い夏を乗り切ろう‼

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/257af13e49e978b62b9478e31164094c7df4b173

・世界一美味しい国の、世界一ニンニクを楽しむ料理

https://tabi-labo.com/287858/shukumeruri

・shkmeruli(シュクメルリ 【ジョージア】)

https://www.bras-de-chef.com/recipes/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AF%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%80%80%E3%80%90%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%80%91/

・アヒージョとは(スペインのガーリック料理)

https://www.oliveoilsfromspain.jp/resipi/ahi-jo-to-wa-supein-no-ga-rikku-ryori/

・ガスパチョとサルモレホ:スペインの冷製スープの魅力

https://cometeespana.com/gazpachoysalmorejo/

・シンプルにおいしいパン コン トマテ

https://www.otsuka.co.jp/eql/tab/column/recipe-21.html#:~:text=Pan%20con%20tomate%EF%BC%88%E3%83%91%E3%83%B3%20%E3%82%B3%E3%83%B3,%E3%81%8C%E3%81%AE%E3%81%B3%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・からだぽかぽか!スペインの家庭料理「ソパ・デ・アホ(スペイン風ニンニクスープ)」

https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/recipe/100128/index.html

・Allioli アリオリ

https://granjapon.co.jp/archives/column/masubuchi04

・アーリオ・オーリオとは?ペペロンチーノとの違いやおすすめのレシピもご紹介

https://delishkitchen.tv/articles/2153

・チーズのブルスケッタ トマト&アボカド

https://www.morinagamilk.co.jp/recipe/detail/recipe.php?id=87021K#:~:text=%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%82%BF%E3%81%AF%E8%BB%BD%E3%81%8F%E7%84%BC%E3%81%84%E3%81%9F,%E3%81%8A%E3%82%82%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%97%E3%81%AB%E3%82%82%E6%9C%80%

・にんにくの風味がガツンと聞いたイタリア郷土料理”ボレート”

https://dancyu.jp/recipe/2024_00009355.html

・鶏肉と40片のニンニク(仏Poulet aux 40 gousses d ‘ail)

http://hiro-french-italy.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/40poulet-aux-40.html

・スコルダリア

https://elinesaglik.obunko.com/eur/gre/gre_024.html

・ザジキ(ギリシャ風ヨーグルトときゅうりの万能ディップ)

https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/139971

 

 

 

 


 

⑥ ニンニクを練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ

 

ニンニクを麺に練り込んだものを調べてみたら、素麺やインスタントラーメン、冷麺など、様々な麺がつくられていましたので、いくつかご紹介します。

 

【にんにくそうめん】(柏崎製菓)

岩手県産小麦でつくったソーメンに青森県産ニンニクの粉末を練りこんだ。

夏は冷たいつゆで、冬場はあたたかいつゆで、またイタリアン風にして食べてもおいしいとのこと。

 

【にんにくめん】(肥後そう川)

熊本県産小麦粉でつくった麵に、「粉末にした熊本県産のニンニクを練り込み、健康的でおいしい麺に仕上げた。

 

【にんにく練り込み生冷麺】(小関麺興商事)

青森県十和田産のニンニクを粉末にして練り込んだ生タイプの冷麺。

1食で1片20gの量を摂ることができる。

ニンニクの風味とツルツルとしたコシが特徴。

 

【鬼黒麺】(藤幸製麺・かぐや農園)

青森県弘前市の藤幸製麺と、かぐや農園のコラボ商品。

生黒ニンニクを贅沢に練り込んだ麺は、茹で上げるとまるで蕎麦のような見た目になる。

ざる蕎麦のように、冷水で締め麺つゆにつけて食べるのがおすすめとのこと。

 

【田子にんにくラーメン】(田子町ガーリックセンター)

青森県田子町産のニンニクが練り込まれ、独特な香りと味わいを楽しめる生麺タイプのラーメン。

 

 

以下は、大手メーカーのものですが、目に付いたものを書き出してみました。

 

【明星 チャルメラ もやしが超絶うまいまぜそば ニンニクしょうゆ味】(明星食品)

インスタントの袋ラーメン。

麺にニンニクを練り込んだことで香りと旨みが増し、ニンニクのきいた味わいを手軽に楽しめる。

 

【明星 BIGだぜ!一平ちゃん】(明星食品)

ニンニクがり込まれた食べ応えのある食感が特徴のカップラーメン。

 

【トリプルニンニク豚ラ王】(日清食品)

麺、スープ、具材の全てにニンニクを入れたカップラーメン。

ニンニクを練り込んだ極太麺を、ニンニクの風味と背脂の旨みたっぷりのこってり豚骨醤油スープで味わう。

 

【日清デカうま 油そば】(日清食品)

ニンニクを練り込んだ極太ウェーブ麺を、豚の旨みとコクをきかせた醤油だれに絡めて味わうカップ油そば。

 

<参考サイト>

・ にんにく練り込み生冷麺

https://www.kosekimen.jp/?mode=cate&cbid=2305980&csid=5

・にんにくを麺に練りこんだ「田子にんにくラーメン」

https://garlic.shop-pro.jp/?pid=180844

・鬼黒麺~なま中華めん~

https://kaguyafarm.theshop.jp/items/38667189

・にんにくそうめん

https://retail-trend-system.jp/Search/Product/2mje3wrsJrs/-Gter5oRC-o

・にんにくめん

https://www.sougawa.com/item/kn/?srsltid=AfmBOoqfc6nhFBXWAbLbAZxc5Ws3EdEs3rGZnZvpdEzeVEiyU-QPLzGb

・明星 チャルメラ もやしが超絶うまいまぜそば ニンニクしょうゆ味 5食パック

https://www.myojofoods.co.jp/products/items/11832

・「明星 BIGだぜ!一平ちゃん」シリーズ3品 (8月26日発売)

https://www.nissin.com/jp/company/news/12663/

・トリプルニンニク豚ラ王(ヤサイ、アブラ、ニンニク)

https://cupramen.site/cupmen/4352/

・日清デカうま 油そば

https://www.nissin.com/jp/product/items/11211/

 

 

 

 


 

⑦ 《美味しい手延べ素麺》番外編╱YouTubeで紹介されました

 

以前から紹介させていただいていた、「泡盛酒かすそうめん」「月桃そうめん」「手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)」ですが、なんと、タレントのガレッジセール「ゴリさん」が「酔処 玉川」さんで3種の素麺を召し上がり、大絶賛されていました!

目の付け所が良かったのでしょうか(笑)

ベロベロに酔っ払っていらっしゃいますが、美味しい美味しいと大絶賛!!

 

沖縄で、ぜひとも食べたい素麺です。

小豆島の手延べ素麺ということもご紹介されていて、ちょっと嬉しくなりました。

YouTubeもぜひご覧ください。

今すぐにでも食べに行きたくなりますよ!

 

※写真は、酔処玉川様公式ネットショップより引用させていただいています。

 

《ゴリ★オキナワ》 https://www.youtube.com/watch?v=fQwxDNr4_zQ

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年4月21日 【Vol.57】メンコレ⑦/唐辛子を練り込んだ麺の“刺激”

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.57

メンコレ⑦/唐辛子を練り込んだ麺の“刺激”

 

 

 

 

私三代目が小豆島に戻り、家業を継いで初めて企画したのが「しょうどしま長命草」を使った「手延べしょうどしま長命草素麺」でした。

それから瀬戸内の特産品として有名な「レモン」を使った「手延べレモン素麺」、ご縁が繋がり池田漁協さんとの出会いから生まれた「手延べひじき麺」、地域での繋がりもある宝食品さんとのご縁で生まれた「手延べきくらげ麺」など、さまざまな手延べ素麺・手延べ麺をつくってきました。

他にも小豆島ならではの「オリーブオイル素麺」や「手延べ黒ごま麺」、他にもOEMとして多くの商品化を手掛けております。

 

その中で、自社オリジナルの手延べ麺の原料として注目しているのは、やはり香川県や小豆島の特産品です。

香川県は47都道府県の中でも面積が一番小さい県ながら、実は農業が盛んな地域でもあります。

特産品にはオリーブが有名ですが、果物ではみかんなどの柑橘類、いちごやキウイ、ビワ、スモモ、ブドウ、イチジクなど多数あります。

野菜ではブランド品も多く、有名なのは“さぬきのめざめ”と呼ばれる「アスパラガス」をはじめ、キャベツやキュウリ、ナス、トマト、玉ネギなども多く穫れます。

他にもお米のオリジナルブランド“おいでまい”や、小麦のオリジナルブランド“さぬきの夢”などもあります。

こうしてみると、小さな県なのにその農産物パワーを強く感じずにはいられません!

 

そして今回のテーマの唐辛子も、実は香川県では「香川本鷹」と呼ばれる、辛い辛い唐辛子があるのです。

 

以下、「香川本鷹」の紹介を「かがわの県産品」サイトから引用してご紹介させていただきます。

輸入品に押されて、姿を消していたスパイス。平成18年、産地であった塩飽諸島の活性化を目的に、香川県や丸亀市などが協力し、幻のトウガラシ「香川本鷹」の復活に向けた取組みがスタートしました。一般的な「鷹の爪」と比べて約2~3倍もの大きさ(7~8cm)で、旨みのある強い辛味が特徴。現在は、「香川本鷹」を用いた様々な加工品が販売されています。

とのことです。<参考サイト>https://www.kensanpin.org/product/processing/1031/

 

他にも特産品はありますが、こういったさまざまな魅力ある農産物を使い、奇をてらった商品づくりとしてでなく、日々の健康づくりに手延べ麺を上手く活用していただけるような、そんな目標を描きながら人に「よりそうめん」をこれからも目指していきたいと思います。

 

今回のブログでは、唐辛子(に近い物を含めて)について調べました。

辛いけれどためになる内容だと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

※写真はPhotoAC「トウガラシ」より

 

【目次】

① 唐辛子は中南米原産。七味は日本オリジナル!

② 辛み成分カプサイシンを適度に摂って健康増進!

③ 虫除けや魔除けにも使われる!唐辛子の活用法いろいろ

④ 調味料、麺料理、汁ものなど多彩!日本の唐辛子料理

⑤ 激辛から辛くないものまで!世界の唐辛子料理

⑥ 唐辛子を練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ

⑦ 《美味しい手延べ素麺》手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)

 

 


 

 

① 唐辛子は中南米原産。七味は日本オリジナル!

 

唐辛子は、中南米原産のナス科トウガラシ属の果実です。紀元前7000~8000年頃にはペルーやメキシコで栽培されていたそうです。

1世紀頃のペルーの遺跡から、唐辛子模様の織物が発見されているとのことです。

 

世界各国へ広がるのは15世紀以降です。

胡椒やナツメグ、シナモン、クローブなどの香辛料が高値で売買されていた大航海時代、インドの胡椒を求めて航海していたコロンブスが西インド諸島にたどり着いて唐辛子と出会い、1493年にスペインへ最初の唐辛子を持ち帰りました。

当初は観賞用として栽培されていましたが、次第に香辛料の需要が高まっていたヨーロッパへ広まりました。

唐辛子はどの地域でも比較的栽培しやすく、各地で固有の品種が育ちました。

他のスパイスと合わせやすかったことから、各国で独自のミックススパイスや調味料が発達したと考えられています。

ちなみに唐辛子の英語名「Red pepper」は、コロンブスが唐辛子を胡椒の仲間と勘違いしたことに由来しているそうです。

16世紀前半にはヨーロッパ人がインドへ唐辛子を持ち込み、17世紀以降、香辛料として様々な料理に用いられるようになりました。

 

※写真はPhotoAC「海外の八百屋さん」より

 

日本への伝来については、諸説あります。

1543年の鉄砲伝来とともに持ち込まれたという説。

1552年頃、キリスト教の宣教師が豊後国(現大分県)の大名である大友義鎮に唐辛子の種を献上したという説。

16世紀末、豊臣秀吉が朝鮮出兵した折、加藤清正が持ち帰ったという説など。

唐辛子が日本に入った当初は、その辛みから毒として扱われたり、足袋に入れてしもやけ予防に使われたりしたとのことです。

1625年、江戸両国橋近くの薬研堀で、七味唐辛子がつくられました。

これが日本初のミックススパイスだそうです。

1760年過ぎには平賀源内が唐辛子図鑑「番椒譜」を記しました。

イラスト付きで50種以上紹介したそうです。

1923年、エスビー食品の創業者である山崎峯次郎氏が、純国産の本格的なカレー粉の製造に成功しました。

家庭の食卓にカレーやウスターソースが上るようになり、それらの原料として使われるようになった昭和初期から、日本で唐辛子の栽培が本格化したそうです。

1971年、神田のせんべい店「神田淡平」が、一味唐辛子をたっぷりまぶした激辛せんべいを発売。

1984年には湖池屋がチリをまぶしたスティックタイプのポテトチップス「カラムーチョ」を発売し、激辛ブームの火付け役となりました。

現在では、唐辛子に含まれるカプサイシンの脂肪燃焼効果などの健康機能にも注目が集まっています。

 

※写真はPhotoAC「カレーライス」より

 

唐辛子には数多くの品種があり、辛味種と甘味種に分けられます。

辛味種としては、日本で主流の「鷹の爪」、沖縄の伝統野菜として知られる「島とうがらし」、完熟すると鮮やかな赤色になる「韓国とうがらし」、メキシコ原産でサルサソースに使われる「ハラペーニョ」など。

甘味種には、肉厚で軟らかい京野菜の「万願寺とうがらし」、細長い「伏見とうがらし」などがあり、ピーマンやパプリカ、シシトウも甘味種に含まれます。

 

日本で消費される唐辛子の大半は輸入に頼っていますが、日本各地で在来品種の栽培が受け継がれています。

青森県の「清水森ナンバ」、新潟県の「山古志かぐらなんばん」、奈良県の「ひもとうがらし」、岐阜県の「あじめコショウ」、石川県の「剣崎なんば」などがあります。

九州をはじめ一部の地域では唐辛子を「こしょう」と呼ぶことがありますが、「柚子胡椒」の「胡椒」は唐辛子のことです。

普通の黒い胡椒のことは「洋こしょう」と呼んで区別するとのことです。

また、北海道や東北では「なんばん」、長野では品種によって「なんばん」と「こしょう」の両方の呼び方が使われているそうです。

 

※写真はPhotoAC「万願寺とうがらし」より

<参考サイト>

・唐辛子

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%90%E8%BE%9B%E5%AD%90

・唐辛子の歴史と日本に伝わった経緯

https://www.togarashi.co.jp/blog/2017/08/13/history/

・唐辛子はどこから来た?世界一辛いものは?スパイスの基礎講座〜後編〜

https://brutus.jp/spice_knowledge02/

・とうがらしの歴史

https://hotcity-ohtawara.jp/history/

・[とうがらし]選び方と料理のポイント

https://www.kagome.co.jp/vegeday/yasai/red-pepper/

・[とうがらしの種類]辛味や甘味が生きる、料理や調理法とは?

https://www.kagome.co.jp/vegeday/store/201908/9877/

・唐辛子を何と呼ぶ? なんばん? こしょう?

https://tenki.jp/suppl/romisan/2021/08/08/30517.html

・みんなの農業広場 在来品種の紹介【トウガラシ編】

https://www.jeinou.com/benri/vegetable/fru-vege/2016/11/110940.html

 

 

 

 


 

② 辛み成分カプサイシンを適度に摂って健康増進!

 

生の唐辛子はβカロテンを多く含み、緑黄色野菜に分類されます。

ビタミンCが豊富で、夏バテ防止に役立ち、うま味成分のグルタミン酸も含まれています。

 

辛み成分のカプサイシンは、種を支えるワタの部分(胎座)に多く含まれ、果実が小さい品種ほど多く含まれます。

熱に強く、加熱したり熱いものに加えたりしても辛さが残り、また丸ごとよりも細かくしたほうが辛みが強くなるそうです。

辛みの正体は痛みであり、舌の痛覚神経を刺激することで辛みとして作用します。

過剰に摂取すると胃腸に問題を起こしたり、皮膚の弱い部分に付着すると激しい痛みを引き起こす場合があります。

 

唐辛子の辛さは、カプサイシンの量を測定して数値化した「スコヴィル値」で示されます。

世界一辛いとギネスに認定されている「キャロライナ・リーパー(=キャロライナの死神)」という品種は300万スコヴィル、鷹の爪は4万~5万、ピーマンは0だそうです。

 

カプサイシンが体内に入ると、血液によって全身に運ばれ、脳や脊髄などの中枢神経を刺激します。

その刺激が副腎皮質に伝わり、アドレナリンというホルモンが分泌されます。

体脂肪の分解を促進するアドレナリンがエネルギーの代謝を盛んにすることで、効率良く脂肪を燃焼させるため、肥満予防の働きが期待されています。

また、カプサイシンがエネルギーの代謝を活発にさせることにより、体温が上昇して発汗が促進されます。

血流を改善する働きも期待できます。

カプサイシンを含む唐辛子を料理の味付けに使うことで、塩分の摂りすぎを防ぎ、高血圧予防になると考えられています。

他にも、コレステロール値の上昇を抑える、冷え性を改善する、食欲を増進する、疲労を回復する、便秘を解消する、などの作用があるとされています。

 

<参考サイト>

・スコヴィル値

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E5%80%A4

・食べるだけじゃない、とうがらしの辛さの秘密

https://www.wakasa.jp/articles/entry/sn_87#:~:text=%E2%96%A0%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%AE%E8%B1%86%E7%9F%A5%E8%AD%98&text=%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A8%E3%80%81%E6%98%94%E3%81%AF%E5%AF%92%E3%81%84%E5%AD%A3%E7%AF%80,%E3%82%82%E5%88%A9

・唐辛子:歴史、健康効果、味わい、そして辛さの科学

https://omoshirozatsugaku.jp/entry/2024/05/18/211003

・カプサイシン

https://himitsu.wakasa.jp/contents/capsaicin/

 

 

 

 


 

③ 虫除けや魔除けにも使われる!唐辛子の活用法いろいろ

 

料理に辛みを付け、味のアクセントとなる唐辛子は、実を生のまま食べる場合と、乾燥させて使う場合があります。

乾燥させた唐辛子の実をすりつぶして粉末にした調味料が「一味唐辛子」です。

これに他の薬味や香辛料を混ぜたものが「七味唐辛子」で、調味料ではなく薬味として使用されます。

メーカーにより原料が異なりますが、山椒・麻の実・黒ゴマ・青海苔・ケシの実・チンピなどが使われます。

辛さに加えて香りづけができるので、素麺やうどんなどの麺類、牛丼などの丼もの、豚汁などの汁ものといった和食にほどよい刺激と風味を与えてくれます。

 

唐辛子を使った調味料や香辛料、醤油・酢・食用油・泡盛などに漬け込んだものも、国内外で多様に使われています。

唐辛子味噌、柚子胡椒、コーレーグース、コチュジャン、豆板醤、ラー油、タバスコ、チリソース、デスソースなどがよく知られています。

 

食用以外にも、鑑賞用や、様々な実用的な用途に役立てられています。

古くは民間療法として、靴の中に入れてしもやけ予防、腹巻に入れて防寒などに用いられていました。

現代でも繊維に唐辛子を練り込んだ機能性肌着や靴下が販売されています。

カプサイシンの防虫効果を活かして米びつ内の虫よけとして入れる、殺菌・抗菌作用を活かしてぬか床に入れる、などの生活の知恵もあります。

園芸では虫害を減らす目的で、他の作物とともに植える、唐辛子とニンニクを焼酎に漬け込んだ液を薄めて自然派農薬として植物に散布する、なども行われているそうです。

 

※写真はPhotoAC「米びつに入れた米」より

 

唐辛子を魔除けやお守りに使う国もあります。

中国や韓国、日本などでは、赤が縁起の良い色とされています。

中国では唐辛子を「火・炎の食材」としており、火は汚れを浄化する力があると信じられ魔除けとされてきました。

また赤はエネルギーを高める力を持ち、活動的になる、自信を持つ、情熱的になるにより幸運をもたらすことが期待されています。

アメリカのニューメキシコ州では唐辛子が幸運を呼ぶとされており、「Chile Ristra(チリリストラ)」と呼ばれる吊るし飾りが古くからお守りとして伝えられています。

インド(ヒンドゥ教)では、家の入り口から悪いものが入ってこないように、唐辛子・レモン・唐辛子の順に糸で通した「魔除けの飾り」を吊るす風習があるそうです。

イタリアでは、赤唐辛子が「Evil Eye(邪眼)」とよく似ていることからお守りとして使用され、災いや邪悪な視線を払い除け、悪運を断ち切る効果があると考えられています。

 

※写真はPhotoAC「イタリア観光-ナポリの路地」より

 

<参考サイト>

・一味唐辛子と七味唐辛子の違いとは?使い分けてもっとおいしいピリ辛レシピ5選

https://www.kurashiru.com/articles/5aa5d12b-abbb-4dc7-a03c-14838797c2f8

・唐辛子が縁起物としてお守りなどに使われる理由は?

https://ja.chili2mag.com/chilipepper-as-an-amulet/

・インドの魔除け

https://www.tirakita.com/ind_inshld/ind_inshld_530.shtml?srsltid=AfmBOopR_tuOsC3IkhOVlbzBT0PvGuRFRfl8mNX4uGPesNMmMtcO5FLj

・《唐辛子の吊るし飾りの意味・由来》厄除け魔除けになるのはなぜ?

https://miloru.com/ristra-and-cornicello-and-chili/#google_vignette

 

 

 

 


 

④ 調味料、麺料理、汁ものなど多彩!日本の唐辛子料理

 

日本の郷土料理と言えば和食、和食と言えばやさしい味、というイメージがありますが、調べてみると、唐辛子の辛みをきかせた調味料や料理、辛くない唐辛子の揚げものや炒めものなど、バラエティ豊かな料理が各地で食されているようです。

いくつかご紹介します。

 

【三升漬け】(北海道・青森県)

青なんばん(青唐辛子)・麹・醤油をそれぞれ、一升ずつの分量で漬け込み熟成させた郷土料理。

東北地方では、一升漬け(いっしょうづけ)・麹南蛮(こうじなんばん)とも呼ばれている。

ご飯に乗せたり、野菜にかけたり、調味料としても使われる。

 

※写真はPhotoAC「三升漬け」より

 

【切腹南蛮】(福島県)

青なんばんに切れ目を入れて種を取り除き、味噌を入れてシソの葉で巻いて油で揚げる。

夏の暑さを乗り切る農家の料理。

 

【ベンケイ】(福島県)

南相馬市原町区の萱浜地区(特に北萱浜)に伝わる郷土料理。

ダイコンと芋がら(里芋の茎を干したもの)に赤唐辛子を入れ、醤油・砂糖で炒り煮する。

お正月用の保存食として、またハレの日の食べ物として重宝された。

 

【かんずり】(新潟県)

妙高市(旧新井市)に伝わる伝統的な発酵調味料。

地場産の唐辛子を雪の中にさらしたのちにすり潰して米麹と柚子、塩を混ぜ、3年間熟成・発酵させる。

厳しい寒さで冷え切った体を温めるために食べたと言われている。

 

【べっこう】(東京都)

伊豆諸島の郷土料理。

旬の魚を島とうがらし醤油に漬け込む。

切り身がつややかなべっこう色になることからそう呼ばれる。

 

※写真はPhotoAC「べっこう寿司」より

 

【やたら】(長野県)

主に北信地域で食べられている郷土料理。

ミョウガやナスなどの夏野菜、ぼたんこしょう、ダイコンの味噌漬けを刻んで混ぜ合わせ、あたたかいご飯にかけて食べる。

「ぼたんこしょう」は、古くからこの地域で栽培されてきた青唐辛子。

 

【すりだね】(山梨県)

赤唐辛子をベースにゴマや山椒を加えた、富士吉田発祥の万能調味料。

ほうとうや吉田のうどんには、一味や七味ではなくすりだねが使われる。

 

【つぎ汁】(岐阜県)

郡上市明宝寒水(かのみず)地区の郷土料理。

唐辛子をから煎りして出汁で煮出し、小さく角切りにした硬めの地豆腐を加え、醤油や砂糖で味をととのえるお吸いもの。別名「辛汁(からじる)」。

毎年10月に寺院で行われる報恩講の際、参拝者に振る舞われる。

 

【から大根】(福井県)

永平寺町京善地区に伝わる郷土料理。

冠婚葬祭や仏事に食されてきた。

ダイコンを軟らかく煮て唐辛子を加え、擦った黒ゴマ・砂糖・醤油・みりん・酒を混ぜ合わせたものを入れて煮詰める。

から大根の「から」は唐辛子の「から」で、ピリッとからいのが特徴。

 

【きごしょう】(京都府)

京都市伏見区付近で栽培されていた伝統野菜「伏見とうがらし」の若い葉を茹でて炒め煮にする。

辛みのない伏見とうがらしの若い葉は「きごしょう」と呼ばれ、軟らかく、ほのかな唐辛子の風味と独特の苦みが特徴。

真夏のおばんざいとして親しまれている。

 

※写真はPhotoAC「葉とうがらし」より

 

【万願寺とうがらしとじゃこの炊いたん】(京都府)

辛みのない「万願寺とうがらし」を、ジャコと一緒に出汁・醤油・みりん・酒を入れてに含める。

「炊いたん」は、出汁をじっくり染み込ませるように炊いてつくるおかずのこと。

夏の家庭料理として親しまれている。

 

【とうがらし味噌】(奈良県)

大塔村や天川村で昔から家庭でつくられてきた調味料。

ニシンの干物に、刻んだ生唐辛子と味噌、砂糖を加え煮詰めてつくっていた。

家庭ごとに材料が微妙に異なり、現代では刻んだピーマンやパプリカ、ツナ缶等も使われるとのこと。

 

※写真はPhotoAC「唐辛子味噌のおにぎり」より

 

【なすそうめん】(香川県)

旬のナスを油で炒め、油揚げと唐辛子を加え、出汁・醤油・砂糖で煮て、硬めに茹でた小豆島特産の素麺を入れる。

汁を冷やしても美味しく食べられる。

食欲のない暑い夏にも食べやすく、夏バテ防止にも役立つとされる家庭料理。

 

【辛子明太子】(福岡県)

博多名物として有名。

「明太子」の語源はスケトウダラを意味する朝鮮語「明太(ミョンテ」。もとは韓国から輸入されていた、スケトウダラの卵巣を発酵させ唐辛子・ニンニク・ゴマなどを合わせた伝統的な食べもので、朝鮮半島との交流が盛んな福岡・北九州・下関などの地域で売られていた。

第二次世界大戦後に朝鮮から帰還した日本人が、唐辛子を用いた調味液に漬け込む独自の方法で製品化し、博多で販売を開始したのが始まりとされる。

 

【辛麺】(宮崎県)

宮崎県発祥のラーメン。

大粒の大量のニンニクと、唐辛子によって生み出されるうま味と辛みが混在するスープが特徴。具材にはニラ、溶き卵、ひき肉が入る。

 

※写真はPhotoAC「辛麺」より

 

<参考サイト>

・北海道の郷土料理 三升漬け

https://kissui.co.jp/yk01333/

・【切腹南蛮/福島県】名前に驚き!爽やかなコクに二度驚き!!これぞ農家を支える夏の味です。

https://furusato-gohan.jp/fukushima-seppukunanban/

・郷土料理「ベンケイ」

https://www.city.minamisoma.lg.jp/material/files/group/43/ouchidekyoudoryouri_benkei.pdf

・かんずり 新潟県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kanzuri_niigata.html

・べっこう

https://oshima-navi.com/gourmet/bekko01.html

・やたら 長野県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/yatara_nagano.html

・人気の無添加すりだね通販】ほうとうや吉田のうどんにかかせない辛味すりだねの特徴・使い方・レシピ

https://yoshidanoudon-suridane.net/about-suridane/

・つぎ汁 岐阜県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/38_24_gifu.html

・福井県 から大根

https://www.zengakuei.or.jp/kyodosyoku/pref/fukui_02.html

・きごしょう 京都府

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kigosho_kyoto.html

・万願寺とうがらしとじゃこの炊いたん 京都府

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/manganzitougarashitojakonotaitan_kyoto.html

・とうがらし味噌

http://nara-shokubunka.jp/yamato/17-09.html

・なすそうめん 香川県

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/nasu_soumen_kagawa.html

・辛子めんたいこの話

https://www.mentaiko-ftc.org/mentaiko-story/#:~:text=%E5%8D%9A%E5%A4%9A%E3%81%AE%E7%94%BA%E3%81%AE%E5%90%8D%E7%89%A9%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%90%86%E7%94%B1&text=%E8%BE%9B%E5%AD%90%E3%82%81%E3%82%93%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%AF%E3%80%8

・明太子の語源は韓国!名産地が福岡県となった背景・歴史を解説

https://chikaefoods.co.jp/?p=1034

・宮崎県 辛麺

https://kyoudo-ryouri.com/food/2151.html

 

 

 

 


 

⑤ 激辛から辛くないものまで!世界の唐辛子料理

 

カレーや麻婆豆腐はもちろん、世界中の料理に唐辛子が使われています。

暑い国で好まれるというよりは、古くから胡椒などのスパイスが使われておりスパイシーな味になじみがあった国で、唐辛子が受け入れられたようです。

世界各国の唐辛子を使った料理にはどんなものがあるか、いくつか調べてみました。

 

【キムチ】(韓国)

キムチは韓国の漬物の総称で、朝鮮半島に唐辛子が伝わる以前は、食材の色や味を活かしたキムチが多かったとのこと。

18世紀頃から、糸唐辛子が飾りとしてキムチに使われるようになり、18世紀後半には小さい甲殻類である「アミ」の塩辛入りのキムチが出現。

20世紀には粉唐辛子入りの赤いキムチが朝鮮半島南部で好まれるようになり、朝鮮半島によって全土に拡大した。

 

【ダクバル・チム】(韓国)

鶏足のスパイシーな煮込み。

韓国唐辛子やコチュジャンチリソースなどのスパイスを加えた、舌が引き裂かれるような辛さが特徴。

スパイシーで濃厚、カリカリとした風味が人気の屋台の食べ物。

 

※写真はPhotoAC「チゲスープ」より

 

【泡辣椒(パオラージャオ)】(中国)

辛い料理で知られる四川省の家庭でつくられている、生の唐辛子を塩水に漬けて乳酸発酵させた食品。

辛みと酸味が絶妙で、刻んで調味料として使ったり、漬け物として食したりする。

 

【四川火鍋】(中国)

四川唐辛子をはじめ様々な種類の唐辛子を使った、舌がしびれるようなスパイシーな味のスープが特徴。

胡椒、シナモン、アニスなどの多くの辛いスパイスも使用されている。

2つに分かれた独特のデザインの鍋に、辛いスープと、辛くないスープを入れる場合も。

 

※写真はPhotoAC「火鍋 四川」より

 

【担々麺】(中国)

汁はなく、醤油・唐辛子・辣油・粉山椒・酢・ゴマ油・ネギのみじん切り・ペースト状にすったゴマ・すりつぶしたニンニクなどでつくった独特のタレを、麺と和えて食べる。

辛さには、舌を麻痺させるような山椒(花椒)の「麻」、ピリッとくる唐辛子の「辣」の2種類がある。

この2種類の辛さを微妙なバランスで配合するのがポイント。

 

※写真はPhotoAC「旨辛担々麺」より

 

【ビャンビャン麺】(中国)

中国の陝西省(せんせいしょう)の郷土料理。

汁なしでたれを絡めて食する。

酢・塩・醤油・ニンニク・唐辛子・花椒などで味付けし、ピリッと辛いのが特徴。

具材には、ネギや豚肉、さっとゆがいたモヤシや小松菜などが使われる。

 

※写真はPhotoAC「ビャンビャン麺」より

 

【オレック・サンバル】(インドネシア)

ハバネロ、カイエン、ジャネット、チリ、スパニッシュ、ジョロキア・ナガ・ペッパーなど、世界で最も辛い唐辛子からつくられた、辛さが特徴のチリソース。

生唐辛子を裏ごしし、本来の辛みをそのまま残している。

 

【ゲーン・タイ・プラー】(タイ)

タイ南部の伝統的な料理。

様々な種類の唐辛子と、「タイ・プラー」という魚の内臓を発酵させたソースを使ったカレーで、ご飯とともに食べる。

 

【オタク・オタク】(東南アジア)

インドネシア、マレーシア、シンガポールなどの東南アジア諸国で人気のある、スパイシーなかまぼこ。

魚のピューレと各地域の代表的なスパイスを組み合わせてつくる。

唐辛子の辛みと、ショウガ・ラッキョウの強い香り、魚の脂の甘みが調和した魅力的な味わい。

 

【エマ・ダツィ】(ブータン)

ブータンでは唐辛子(エマ)は野菜として扱われており、唐辛子をふんだんに使った料理が多く「世界一辛い料理」とも称される。

「エマ・ダツィ」は、国民食とも言える唐辛子のチーズ煮込み。

ダツィはチーズの意味。

主に青唐辛子が使われる。

 

※写真はPhotoAC「エマダツィ」より

 

【パクシャ・パー】(ブータン)

豚肉(パクシャ)と唐辛子の煮込み料理。

通常はこれにジャガイモやダイコンなどの野菜を1品加えたものが多く見られる。

 

【ペペロンチーノ】(イタリア)

ニンニクと唐辛子のオイルベースのパスタ料理。

イタリア語で「ペペロンチーノ」は唐辛子の意味で、正式な料理名は「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」。

 

※写真はPhotoAC「ペペロンチーノ」より

 

【ンドゥーヤ】(イタリア)

唐辛子を使った激辛の料理で知られている南部のカラブリア州の、非常に軟らかいサラミ。

豚肉の内臓が主原料で、肉1kgに対して唐辛子250gが使用されるとのこと。

薄くスライスしてパンに乗せたり、スープやピザ、パスタの調味料として使ったりする。

 

【グヤーシュ】(ハンガリー)

ハンガリーの伝統的な煮込み料理。

牛肉を、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、ピーマンなどの野菜、パプリカパウダー、その他のスパイスと一緒に煮込む。

辛みの少ない唐辛子のパプリカパウダーが使われる。

 

※写真はPhotoAC「ハンガリー ブダペスト料理グヤーシュ」より

 

【ケイ・ワット】(エチオピア)

エチオピアは、アラビア半島やインドとの香辛料貿易が盛んに行われた影響を受け、スパイスを使った料理が多くある。

乾燥させた唐辛子・ニンニク・コリアンダー・カルダモン・クローブなど15種類前後のスパイスを混ぜてつくるミックススパイス「ベルベレ」を使った伝統的なシチューが「ケイ・ワット」。

 

【クレオールシュリンプ】(アメリカ)

アメリカ南部の料理。

チリペッパーとカイエンペッパーの2種類の辛みの強い唐辛子を使う。

エビの甘み、トマトのマイルドな酸味、タマネギ、ニンニク、胡椒などのスパイスの強い香りが調和した味わい。

 

【チリコンカン】(アメリカ)

テキサス州で生まれた料理で、アメリカでは国民食のひとつ。

豆、ひき肉、トマトを唐辛子で煮込んで、スパイシーに仕上げた料理。

 

※写真はPhotoAC「チリコンカンとタコス」より

 

<参考サイト>

・キムチの歴史とキムジャン文化

https://www.atcenter.or.jp/kimchihistory

・世界一のトウガラシ好きはどの国? 世界で愛されるトウガラシと、日本の“ご当地”トウガラシとは?

https://tenki.jp/suppl/okuyuki/2015/05/29/4081.html

・世界で最もスパイシーな料理 10 品を通して料理を探求

https://www.vietjetair.com/ja/pages/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%A7%E6%9C%80%E3%82%82%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%AA%E6%96%99%E7%90%86-10-%E5%93%81%E3%82%92%E9%80%9A%E3%81%97%E3%81%A6%E6%96%99%E7%90%86%E3%82%92%E6%8E%A2%E6%B1%82-17177239

・トウガラシを乳酸発酵させた調味料は、うまくて辛くて自分でも作れる

https://dailyportalz.jp/kiji/180820203730

・(常温)泡辣椒(パオラージャオ) 500g

https://www.kojuken.jp/shopdetail/000000000111/

・担々麺

https://world-noodle-dictionary.com/asia/china/%82%B3%82%B5%82%B7%82%B9%82%BB.html

・ビャンビャン麺とはどんな料理?特徴・味わい・話題の漢字もご紹介!

https://delishkitchen.tv/articles/2284

・ゲーン・タイ・プラー

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC

・ブータンの食文化について

https://dragontours.jp/about_food.html

・ペペロンチーノの正式名称は?意味やおすすめのレシピをご紹介!

https://delishkitchen.tv/articles/1568

・ンドゥーヤは庶民の味方?カラブリアの激辛郷土料理を支える食材とは

https://www.kameyaweb.co.jp/aec/user/catalog_shohin_list?ct=3146

・ハンガリーの国民食。ハンガリー産のパプリカが味の決め手!

https://www.bras-de-chef.com/selection/%E3%82%B0%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5-gulyasleves/

・エチオピアの食文化の特徴は? 「ベルベレ」などスパイスをふんだんに使った料理が多数

https://www.mylifenews.net/column01/37771/

・食べれば発汗!思わず快感! 世界の唐辛子料理

https://www.sunwood.co.jp/sunwoodclub/webmagazine/magazine_201712_2.html

 

 

 


 

⑥ 唐辛子を練り込んだ素麺や、素麺以外の麺あれこれ

 

唐辛子を麺に練り込んだものを調べてみたら、素麺やうどん、インスタントラーメンなど、様々な麺がつくられていましたので、いくつかご紹介します。

 

【とんがらし麺】(日清食品)

大手食品メーカーがつくる、唐辛子を麺に練り込んだカップラーメン。

現在は「うま辛海鮮チゲ」「うま辛トマトクリーム&チーズ味」がラインアップ。

過去には焼きそば、うどんも販売されていた。

 

【播州唐辛子うどん】(森口製麺製粉)

北海道産小麦のみを使用し、唐辛子粉末を練り込んだスパイシーな辛さのある乾麺のうどん。

サラダ風や、炒めて焼きうどんにするのがおすすめとのこと。

 

【匠ぴり麺】(くまの農業振興公社)

三重県熊野市産の唐辛子「プリッキーヌ」を練り込んだラーメン用の生麺と、スープのセット。

市内産のハバネロとプリッキーヌ、ハラペーニョに、香酸かんきつ「新姫」と梅の粉末を混ぜた、専用の薬味「熊野三昧」も開発したとのこと。

 

【とうがらし麺】(金城製麺所)

沖縄県石垣島の製麺所がつくる、存在感のある唐辛子とガーリックパウダーを練りこんだ生麵。

焼きそば、パスタ風にしても、スープでも楽しめるとのこと。

 

【とうがらし麺】(内藤とうがらし)

江戸時代の宿場町、内藤新宿界隈で生産されていたものが現代に復活し、伝統の江戸東京野菜に認定された「内藤とうがらし」。

辛み・風味が特徴の内藤とうがらしを使用した、包丁切平打ち麺。

パスタ・和の麺・中華風など様々なレシピの麺料理で楽しめるとのこと。

 

【島とうがらし味噌ラーメン】

東京の隠れたご当地激辛ラーメン。

八丈島の島唐辛子を麺の中にふんだんに練り込んだ、激辛麺と風味豊かな合わせ味噌がマッチしたインスタント袋ラーメン。

 

【手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)】(島食品)

沖縄県多良間島産の島唐辛子の粉末を練り込んだ手延べ素麺。

鮮やかなオレンジ色が特徴。

 

※写真はPhotoAC「多良間島 空撮」より

 

<参考サイト>

・日清食品、業界初の唐辛子練り込み「とんがらし麺」開発

https://news.nissyoku.co.jp/foodsnews/nss-8638-0002

・日清のとんがらし麺

https://www.nissin.com/jp/product/brands/tongarashi/

・「日清のとんがらし太麺」2品 (5月24日発売)

https://www.nissin.com/jp/company/news/1894/

・播州唐辛子うどん

https://moriguchi-seifunseimen.com/?pid=180090719

・熊野産の唐辛子を使ったラーメンいかが 農業振興公社が販売

https://www.chunichi.co.jp/article/402676

・金城製麺所 とうがらし麺

https://www.kinjoseimen.com/products/detail/84

・内藤とうがらし とうがらし麺

https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/%E5%86%85%E8%97%A4%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%97%E3%80%80%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%97%E9%BA%BA/0280001011904?srsltid=AfmBOoprq7l6U0B8nMm9o1jwvKqdut9dWNZSwpvsfDI0HUlp6XYCMFzk

・内藤とうがらしとは

https://naito-togarashi.tokyo/about/

・島とうがらし味噌ラーメン 八丈島 唐辛子練りこみ麺 激辛 東京都ご当地ラーメン

https://ec.line.me/foods/noodles_pasta/product/7876066989/

・手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)1袋

https://shimafoods.theshop.jp/items/85519335

 

 

 


 

⑦ 《美味しい手延べ素麺手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)

 

前述しましたが、沖縄県多良間島産の島唐辛子の粉末が練り込まれた手延べ素麺です。

とある、YouTubeの動画でも紹介されていましたが、まずは素麺のうま味があり、後からじわじわと辛さがくるそうです。

「ビールにあう〜」と絶賛されているのを見ると、ビールと一緒に食べてみたい気になります。

麺は茹でるとより一層、キレイなオレンジ色をしていて、見た目は辛そうですが、うま味と辛さが丁度良い?感じだと思います。

夏にぜひ食べてみたい素麺ですね。

上でも書きましたが、唐辛子に含まれるカプサイシンは発汗作用だけでなく、体調を整えてくれる作用に働いたり、脳にも良いそうですから、健康麺を考えてもこれからの暑くなる日には毎日(?!)食べていきたい素麺です。

 

先日のブログでご紹介させていただいた、「泡盛の酒粕を練り込んだ手延べ素麺」「月桃を練り込んだ手延べ素麺」そして今回の唐辛子を練り込んだ素麺は、沖縄の那覇市牧志にある「酔処 玉川(たまりば)」さんでも食べられるので、沖縄に行ってぜひ食べ比べをしたいものです!

 

※写真は、出汁専門店 島食品様公式ネットショップより引用させていただいています。

 

 

《出汁専門店 島食品公式ネットショップ》 https://shimafoods.theshop.jp/

《手延べそうめん(多良間島唐辛子入り)》 https://shimafoods.theshop.jp/items/85519335

 

《石井製麺所公式ホームページ》 https://141seimen.com/business/

 

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、色々な産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、様々な素麺の情報を発信できれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。

 

2025年4月10日 【Vol.56】麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<春>

 

 

【お!いしい けんぶんろく】 Vol.56

麺求者への道/食べ物と健康の関係を考えてみる<春>

 

 

 

先日、用事があり久しぶりに神戸に行きました。

朝一番、小豆島坂手港からジャンボフェリーに乗り、昼前には神戸三宮へ到着します。

坂手港では、工事の続いていたフェリーターミナルが新しくなり、瀬戸内国際芸術祭を控えた小豆島も、ますます賑やかさがあふれるでしょうか。

 

帰りは姫路から飾磨港(姫路港)を経て、小豆島福田港に戻りました。

賑やかな三宮も良いですが、島に戻るとホッとするのは、本能でしょうか。

 

ブログを書き始めた頃には桜が咲き始め、書き終わる頃には桜も散り始めました。

桜の見頃はほんと短いですね。

ブログ書くのが遅いというのもありますが…(汗)

 

神戸に出掛けた際の話に戻りますが、打ち合わせで人とお会いする前に、JR三ノ宮駅高架下にある「さぬきうどん」のお店に(偶然)入りました。

立ち食いうどんと言われるものですが、老若男女のお客様が入れ替わり立ち替わり入ってきて、昼時と言うこともあって店内は賑わっていました。

若い女性の二人連れのお客様も入ってきたりして、「さぬきうどん」の人気を改めて感じました。

 

立ち食いうどんやさぬきどんのお店は多く見かけますが、やはり「そうめん」のお店は見かけませんね。

東京では素麺専門店もありますが、どちらかというと高級志向なイメージで、入った「立ち食いさぬきうどん」のお店のように身近に感じるところはほとんど無いでしょうか?

小豆島では工場に併設されているお店や、素麺専門店、普通の飲食店でもメニューに「手延べ素麺」をお出しされているところもありますので、小豆島に来られた際には“珍しい(?)”本場の手延べ素麺を、現地でお召し上がりください。

 

さて、今回のブログでは、少し前に調べた「薬膳<冬の食材>」に続いて、「薬膳<春の食材>」についてです。

前回は、石井製麺所でも製麺する「冬の食材=黒の食材」を活用した手延べ麺を紹介しながら、色々な食材や栄養について調べたことをご紹介しました。

いよいよ冬が明け暖かな春に向かうこの時期ですが、不調も多く出る季節ですよね。

そんな春にこそ、食べて心身ともに健康に!を目指して「薬膳<春の食材>」のテーマでブログを書いています。

 

皆さまの健康づくりにお役立ていただけましたら幸いです。

 

写真は小豆島寒霞渓の麓にある粟地ダムの桜。島の知り合いの方からご紹介いただきました。

 

 

【目次】

① 薬膳の考え方<春編>〜肝を養い巡りを良くする

② 春に摂りたい「青」の食材

③ 春に摂りたい栄養素とは?

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》海苔太そうめん

 

 


 

① 薬膳の考え方<春編>~肝を養い巡りを良くする

 

春は、冬眠していた動物たちが目覚め、草木も生長する季節。

中国の伝統的な医学「中医学」では、立春からの数カ月を「発生」という意味の「発陳(はっちん)」の季節としています。

「陰消陽長」と言われ、陰から陽へ移り変わる時期です。

陰のエネルギーを「満たす」冬から、春は「発散」に転化し、身体は内側から動き出し、新陳代謝が活発になり、エネルギーの消費量も増加するとされ、ダイエットを始めるのに向いているそうです。

強い風が吹き荒れ、気温が安定せず、花粉症など上半身の不調が現れやすい季節でもあります。

春の過ごし方としては、朝は早起きしてゆっくり散歩する、体を締め付けているものがあれば緩める、のびやかに過ごす、などを心がけるのが良いそうです。

 

 

春は、五臓の中では自律神経や情緒などをコントロールする「肝(かん)」の負担が大きくなりやすいとされます。

肝は気や血の流れをコントロールすると考えられており、肝の気が高ぶると、頭痛やのぼせ、めまい、イライラ、不安、眠れない、などメンタルが不安定になりがちです。

 

肝を元気にする食材は、旬を迎える貝類、ウナギ、セロリ、小松菜など。

 

※写真はPhotoACより

 

また血が不足すると肝の不調につながるため、血を補う食材がおすすめだそうです。

ニンジン、ホウレンソウ、レバー、イカ、タコなど。

 

※写真はPhotoACより

 

ストレスを発散して肝への負担を減らすには、気の巡りを良くする食材がおすすめです。

蕎麦、タマネギ、ラッキョウ、ミカン、ジャスミンなど。

 

※写真はPhotoACより

 

春を快適に過ごすため、五味で言うと「苦味」と「甘味」の食材が役立ちます。

苦味は、体内の余分な老廃物を排出し、消化を助け、便秘を解消するなどの働きがあるそうです。

タケノコ、タラの芽、ウド、フキノトウ、セリ、菜の花など。

 

※写真はPhotoACより

 

甘味は、痛みを和らげる、筋肉の緊張を緩める、胃腸の働きを助けるなどの作用が期待されます。

キャベツ、ヤマイモ、ゆり根など。

 

春の五味は柑橘類などの「酸味」とも言われ、酸味は肝の働きを助ける作用がありますが、「脾」(消化吸収機能など)の働きを抑えるため、胃腸が弱い人は摂りすぎに注意が必要だそうです。

 

<参考サイト>

・春の養生

https://www.drug39.co.jp/tsumugido/example/nature_tips/entry-594.html

・春の養生と薬膳

https://www.sharing-life.net/assets/doc/curriculum/yakuzen/20230321.pdf

・春に摂るべき食材<春の日常薬膳>

https://www.tcm.ac.jp/blog/yakugyo/2024/03/07/%E6%98%A5%E3%81%AB%E6%91%82%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E9%A3%9F%E6%9D%90%EF%BC%9C%E6%98%A5%E3%81%AE%E6%97%A5%E5%B8%B8%E8%96%AC%E8%86%B3%EF%BC%9E/

・【春の薬膳食材】漢方で考える春の症状と漢方薬

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=11395

・春は「肝」の働きを高めましょう 解毒を促す薬膳レシピ5選

https://www.yomeishu.co.jp/health/3440/

・春薬膳から学ぶ*旬の食べ物を選ぶポイント3選【国際薬膳師コラム】

https://shokuzenlab.com/column-condition-medicinal-cooking-spring/

 

 

 


 

② 春に摂りたい「青」の食材

 

春は五行で言うと「木」の性質を持っています。

 

春になると木々が芽吹き上に伸びていくように、人も体内の気を上に昇らせ、ホルモン代謝に変化が生じます。

のぼせや頭痛など頭部に関するトラブルや、花粉症などのアレルギー症状が出たり、不眠や不安など精神的に不安定になったりしがちです。

 

中医学では、春に摂りたい食材の色は「青」とされています。

「青」つまり、葉野菜などの緑の食材や、青背魚などは、解毒作用を促したり、余分な熱を取ったり、春に起こりがちな不調を予防したりする働きがあるとされます。

 

春の養生になる青い食材にはどんなものがあるか、調べてみました。

山菜類などアクの強い野菜は解毒作用が非常に強いため、摂りすぎには注意が必要だそうです。

 

【セリ】

体にこもった余分な熱を取り、水分代謝を良くする働きがあるとされる。

 

【菜の花】

独特のほろ苦い風味があり、血流を促す、吹き出物やおできなどの肌トラブルを解消する、お通じを良くする、などの働きがあるとされる。

 

【フキノトウ】

余分な湿気や熱、毒を取り除く作用があるとされる。

 

【ワラビ】

余分な熱を取る、水分代謝を良くして利尿作用がある。

 

【春菊】

独特な香りが気の巡りを良くし、ストレスを緩和する、胃腸の働きを整え胃もたれを改善する、血液をサラサラにするなどの働きがあるとされる。

 

【小松菜】

体の余分な熱を取る、気持ちを静める、便通を促す、風邪予防、美容やアンチエイジングなどの働きが期待できる。

 

【イワシ】

血液をサラサラにする、気持ちの高まりを鎮めるなどの働きがあるとされる。骨粗しょう症や口内炎、風邪の引き始めにも良いとのこと。

 

【海藻】

昆布やワカメなどの海藻には、ミネラルと食物繊維が豊富に含まれており、肝の機能を助け、体内の余分な水分を排出する働きがある。

また海藻に含まれる水溶性食物繊維のフコイダンは、肝に蓄えられる血の質を向上し、肝の健康を維持するとのこと。

 

※写真はPhotoAC「アオサ海苔の養殖」より

 

その他、キャベツ、ニラ、ホウレンソウ、ブロッコリー、アスパラガス、セロリ、アジ、サバ等も良いそうです。

 

<参考サイト>

・【薬膳編】五行学説2 “春”をひも解く自然との相互関係

https://note.com/tea_yakuze_tenmi/n/nd86ff23203d1

・中医学では、春はどんな季節?からだと心の整え方

https://kosmost.jp/health/chuigaku-spring-body-and-mind/

・季節の変わり目の不調を改善!? 春に食べたい「野菜の色」とは

https://weathernews.jp/s/topics/202303/300275/

・春の食材で不要なモノをデトックス薬膳のご紹介

https://life.saisoncard.co.jp/health/longevity/post/seto27/#:~:text=%E6%98%A5%E3%81%AE%E8%89%B2%E3%81%AF%E9%9D%92%E3%80%81%E3%81%A4%E3%81%BE%E3%82%8A,%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%95%E3%82%93%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%82%8B%E3%81%A8%E8%89%AF%E3%81%84%E3%81%A7%E3%81%

・春に養いたい肝の力|春は「青」の食材を意識しよう。

https://macrobiotic-daisuki.jp/ao-syockuzai-182996.html

・肝を養う青の食材

https://www.543life.com/content/shun/post20240815.html?srsltid=AfmBOoocPlasLM9Ca0KXkTRcJIu3eP5FDncOH5k8fRJlYDY8sDHB_kPt

 

 

 

 


 

③ 春に摂りたい栄養素とは?

 

春は、入学や就職などで生活環境が変わったり、季節の変わり目で寒暖差や気圧の変化が大きかったりすることから、体と心に様々な不調を感じる人の多い季節です。

春に起こりやすい心身の不調を「春バテ」とも言い、主な症状として、疲労感や倦怠感、寝起きがつらい、肩こり、腰痛、頭痛、めまい、便秘、下痢、イライラ、やる気が出ない、などが挙げられます。

 

春バテは、自律神経の乱れが原因のひとつと考えられています。

交感神経と副交感神経のバランスがくずれ交感神経が優位になると、様々な不調が起こりやすくなります。

 

春バテの予防や対策には、自律神経を整えることが大切です。

具体的には、規則正しい生活や質の良い充分な睡眠、ストレス解消などに加え、栄養バランスの取れた食事をとることです。

 

春に特に意識して積極的に摂りたい栄養素と、おすすめの食材について、調べてみました。

 

【ビタミンA】

副交感神経を整える働きがあります。

豚肉、鶏肉、ウナギ、サケ、ニンジンなどに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【ビタミンB群】

自律神経に作用します。

ビタミンB1は、主に糖質をエネルギーに変えることで疲労回復に役立ちます。

また神経の情報伝達の働きにも関与しています。

豚肉、レバー、紅サケ、玄米、豆腐、サツマイモ、蕎麦、ホウレンソウ、グリーンピースなどに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

ビタミンB₆は、自律神経の調節に役立つ脳内神経伝達物質「セロトニン」を体内でつくり出す際に必要で、セロトニンの材料である「トリプトファン」の吸収にも必要な栄養素です。

サンマやバナナなどに多く含まれます。

 

【ビタミンC】

ストレスを軽減するホルモンの生成を促す一方、ストレスで消費されやすいので、意識してりたい栄養素です。

多く含む食材は、イチゴ、柑橘類、キウイ、パプリカ、ブロッコリーなど。

 

※写真はPhotoAC「イチゴの壁紙 いちごの背景素材」より

 

【ビタミンE】

自律神経の働きを整える働きがあります。

大豆製品、ナッツ類、ホウレンソウ、ブロッコリーなどに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【カルシウム】

イライラや不安を抑える働きがあります。

大豆製品、乳製品、小魚、小松菜などに多く含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

【タンパク質】

疲労回復に役立ちます。

玄米、豚肉、豆類などに良質のタンパク質が含まれます。

 

※写真はPhotoACより

 

春キャベツや新タマネギ、菜の花など、春に旬を迎える野菜には、香りや苦みを感じられるものが多くあります。

香り成分は、血行促進や抗酸化作用、ストレス軽減などが期待できるテルペン類です。

また苦みのもととなる成分は、老廃物の排出や新陳代謝の促進を助ける働きを持つ植物性アルカロイドやポリフェノールです。

 

春野菜には、ビタミンB群やビタミンC、βカロテンなども豊富に含まれているので、春の健康づくりに積極的に摂りたい食材です。

 

<参考サイト>

・季節の変わり目は要注意!「春バテ」に気をつけよう【栄養だより2020年4月号】

https://www.nicho.co.jp/column/20200401_c1/

・春バテの原因・対策を解説!季節の変わり目の体調不良に対処して健康に過ごそう

https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_kizi_spring-fatigue.html

・春野菜の種類とは?栄養価や選び方、おいしい調理法を知って旬の野菜を食卓に

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/rd/miraikondate/column/article_058/

・春野菜の栄養素

https://yotsugi-seikeigeka-naika.com/info/info-1701/

 

 

 

 


 

④ 《美味しい手延べ麺の紹介》海苔太そうめん

 

ホームページより抜粋

香川県小豆島の伝統的な手延べ素麺に、青のりの中で最も香り高いスジアオノリを練り混ぜた泡草オリジナルの乾麺です。

スジアオノリの鮮やかな緑色が見た目に美味しく、すするごとに芳醇な海苔の薫りと旨みが広がります。

温で食べれば海苔の香りが際立ち、冷で食べれば小麦の香りが楽しめます。

 

今回ご紹介したいのは、「青海苔」を練り込んだ手延べ素麺です。

「青海苔」が練り込まれていることもあって、商品説明通り包装袋から出した途端に「青海苔」の良い香りが溢れ出てきます。

食べてみると海苔の香りが口の中いっぱいに広がって、漬けつゆを薄めにして麺そのものの美味しさをじっくりと味わいたい手延べ素麺です。

太麺ですので食べ応えもありますし、見た目にも鮮やかな天然の緑色で、自然と食も進みます。

 

この季節、「青海苔」の美味しさと栄養価を一緒に味わえる、『海苔太そうめん』はいかがでしょうか。

 

※写真は、泡草海苔様公式オンラインショップより引用させていただいています。

 

《石井製麺所オンラインショップ》 https://141seimen.thebase.in

 

《泡草海苔オンラインショップ》 https://shop.awasoo.com/

《海苔太そうめん》 https://shop.awasoo.com/items/87543386

 

 

『お!いしい けんぶんろく』について

本ブログでは、新製品開発のためにデータベース的にいろいろな素材や成分について調べたものを綴ったものです。色々な食品やそれにまつわる産地を調べたり、食べ方を探求したり、将来的には実際に産地に行って交流を深めたり…そんなことができれば良いなと考えています。まずは勉強からと言うことで、小豆島もそのひとつですが、日本の素麺や麺類について調べながら、幅広く食品の知識を広げることができれば良いなと考えています。もし、間違いなどあれば、ご指摘ください。たくさんの方の“素麺のデータベース”になればと考えています。

色々な情報を紐解きながら…なので、間違いや勘違い、伝承だと色々な解釈があったりすると思いますので、優しい気持ちで見守っていただき、一緒に学べる場にできれば幸いです。